LINEを使った無料通話は日常生活やビジネス連絡に欠かせないインフラですが、「相手の声が聞こえない」「自分の声が届かない」といった音声トラブルは突如として発生します。大事な用件や急ぎの連絡の最中に会話が成立しなくなると、焦りやストレスは計り知れません。
国内主要通信会社とLINE社の調査データによると、LINE通話利用者の約14%が「声が聞こえない・相手に声が届かない」といった音声不具合を経験している実態が明らかになっています。本記事では、着信音の問題と通話中の不具合の違いを整理したうえで、最短で正常な通話状態へ復旧させる手順を解説します。
【状況判別】「着信音が鳴らない」と「通話中に声が聞こえない」の違い

LINE電話のトラブルに向き合う際、最初に行うべきは「どの段階で音が聞こえていないか」の切り分けです。ネット上でも混同されがちですが、問題は大きく2つに分かれます。
1つ目は、「着信音が鳴らず、電話の着信自体に気づけない」パターンです。この場合、画面上では不在着信だけが残るか、アプリを開いて初めて着信に気づくケースが多く、原因は端末の通知設定、おやすみモード(集中モード)、あるいはLINEアプリ内の「通話の着信許可」がオフになっている点にあります。
2つ目は、「通話画面はつながっているのに声が聞こえない、または自分の声が相手に届かない」パターンです。こちらは通話回線が確立しているものの、音声データの送受信や出力デバイスに問題が生じています。具体的には通話音量の最小化、マイクへのアクセス権限不足、Bluetooth機器への予期せぬ音声出力、通信パケットの欠落などが該当します。自身のトラブルがどちらに該当するかを見極めることで、無駄な操作を省き最短で解決へと進めます。
【最短チェック】まず試すべき基本5項目の確認リスト
通話中に相手の声が聞こえない、あるいは自分の声が届かない場合、複雑なシステムエラーではなく単純な設定ミスが原因の大半を占めています。まずは以下の基本5項目を順に確認してください。
① 通話中の音量設定
スマホの音量には「着信・通知音量」「メディア音量」「通話音量」の3種類が存在します。通話がつながっていない状態で側面の音量ボタンを押しても通話音量は変わりません。「必ず通話中の画面を開いた状態」で音量アップボタンを押し、通話スピーカーの音量が上がっているかを確かめてください。
② マイク・スピーカーのミュート状態
通話画面内のマイクアイコンに斜線が入っていないか確認します。誤操作でマイクがミュートになっていると、こちらの声は一切届きません。また、相手側のマイクがミュートになっているためにこちらに聞こえないケースも頻発します。
③ Bluetoothの自動接続解除
完全ワイヤレスイヤホンや車載ナビ、家庭内スマートスピーカーに音声が自動ルーティングされているトラブルが多発しています。「スマホ本体から音が出ない」と感じていても、実はカバンの中のイヤホンから音が出ているケースです。端末のコントロールセンターやクイック設定からBluetoothを一度オフにするか、通話画面の音声出力を「スピーカー」や「本体」へ切り替えてください。
④ 通信環境の改善
LINE通話はVoIP(インターネット回線)を利用しているため、通信速度や安定性に直接左右されます。フリーWi-Fiに微弱な電波で接続している場合、音声パケットが途切れて無音状態に陥ります。Wi-Fiをオフにしてモバイルデータ通信(4G/5G)に切り替えるか、機内モードのオン・オフで電波を掴み直してください。
⑤ マイク権限と着信許可
端末のプライバシー設定で、LINEアプリに対する「マイク」のアクセスが許可されているかを確認します。ここが遮断されていると、端末は音声を一切拾えません。
【原因と対策一覧】LINE通話の音声トラブル比較検証
トラブルの症状ごとに、根本的な原因と具体的な解決策を整理しました。自身の端末状況に合わせて最適なアプローチを選択してください。
| 症状・トラブルの種類 | 主な発生原因 | 具体的な改善手順 | 対象端末 |
|---|---|---|---|
| 相手の声が全く聞こえない | 通話音量が最小、またはBluetooth機器への自動出力 | 通話中に側面の音量「+」を押す/Bluetoothをオフにして本体スピーカーへ切り替える | iPhone / Android共通 |
| 自分の声が相手に届かない | LINEアプリのマイク権限がオフ、または通話画面のミュート | 端末設定からマイク権限を許可/通話画面のマイク斜線マークを解除する | iPhone / Android共通 |
| 相手・自分双方の声が途切れる | 通信速度制限、微弱なWi-Fi接続、パケットロス | Wi-Fiを切断し4G/5G回線へ切り替える/通信制限の有無を確認する | iPhone / Android共通 |
| 着信音が鳴らず不在着信になる | LINE内「通話の着信許可」オフ、または集中モード | LINE設定の「通話の着信許可」をオン/OSの集中モード(おやすみモード)を解除 | iPhone / Android共通 |
| 特定の人とだけ通話できない | 相手側のマイク故障、またはアプリバージョン不整合 | 他の相手とテスト通話し原因を切り分け/双方がLINEアプリを最新版へアップデート | iPhone / Android共通 |
| 画面表示や動作全体が重く途切れる | アプリの一時キャッシュ肥大化、メモリ圧迫 | LINE内の不要キャッシュデータを削除/端末本体を再起動する | iPhone / Android共通 |
【OS別設定手順】iPhoneとAndroidで異なる見直しポイント
スマートフォンのOSによって、設定メニューの階層や管理項目には明確な差異があります。お使いの機種に合わせて正確な設定手順を実行してください。
■ iPhone(iOS)の設定見直し手順
iPhoneの場合、プライバシー保護機能の強化により、アプリ初回起動時の許可ダイアログを見落としているケースがあります。
1. マイク権限の確認:ホーム画面から「設定」アプリを開き、下部へスクロールして「LINE」を選択。「マイク」のトグルスイッチが緑色(オン)になっているか確認します。
2. 通話の着信許可:LINEアプリ内の「ホーム」>右上の「歯車(設定)」>「通話」と進み、「通話の着信許可」がオンになっていることを確認してください。ここがオフの場合、通話機能自体が無効化されます。
3. iPhoneの集中モード解除:コントロールセンターを引き下げ、「集中モード(おやすみモード)」が有効になっていないかを確認します。
■ Androidの設定見直し手順
Android端末では、メーカー(Galaxy、Pixel、AQUOS、Xperia等)による省電力機能が通話通信をバックグラウンドで遮断することがあります。
1. アプリの権限確認:端末の「設定」>「アプリ」>「LINE」>「権限」の順にタップし、「マイク」が「アプリの使用中のみ許可」または「常に許可」に設定されているかを確認します。
2. バッテリーの最適化解除:同じくアプリ情報画面から「バッテリー」を選択し、「制限なし」に設定することで、バックグラウンドでの音声処理遮断を防げます。
3. オーディオ出力の確認:Androidは通話中に画面上の「スピーカー」ボタンをタップすることで、受話口(レシーバー)、端末スピーカー、接続中デバイスの間で手動切り替えが可能です。
【システムリフレッシュ】アプリ再起動・キャッシュ削除・アップデートの威力
設定項目に不備が見当たらないにもかかわらず音声が正常に出力されない場合、内部メモリの枯渇やキャッシュファイルの破損が疑われます。
まずはLINEアプリの完全終了(タスクキル)と再起動を行ってください。タスクスイッチャーを開き、LINEのプレビュー画面を上へスワイプして終了させた後、再度アプリを立ち上げます。同時にスマートフォン端末自体の再起動を実行することで、OS内部のオーディオドライバや一時的な通信エラーが初期化されます。
さらに有効なのがLINEアプリ内のキャッシュ削除です。LINEアプリの「設定(歯車マーク)」>「トーク」>「データの削除」へ進み、「キャッシュ」を選択して削除を実行します。キャッシュは一時的に保存された表示用データであり、これを削除してもトーク履歴、写真、ボイスメッセージなどの重要データが消えることはありません。動作が軽快になり、通話処理のスムーズな復帰が期待できます。
あわせて、App StoreやGoogle PlayストアでLINEアプリが最新バージョンに更新されているか確認してください。旧バージョンのまま放置されていると、OSアップデート後の音声プロトコルと噛み合わず、不具合が生じる要因となります。
【プロの結論】ハードウェア故障と通信障害を見極める判断基準
上記すべての対処法を実施しても改善しない場合、問題はソフトウェア設定ではなく「端末のハードウェア故障」または「キャリア・通信事業者の回線障害」に絞り込まれます。最終的な切り分け基準は以下の通りです。
標準電話機能および他アプリでの検証:
キャリアの通常電話(090/080/070等の発信)や、ボイスメモアプリ・録音アプリを起動して音声を録音・再生してみてください。通常の電話や録音でも声が入らない、あるいはスピーカーから音が出ない場合は、スマートフォンの受話口スピーカーや内部マイク自体の物理的な故障、あるいは埃などの詰まりが原因です。この場合は各キャリアショップやメーカー修理窓口での点検が必要になります。
一方で、通常の電話や他アプリでは問題なく音声が機能し、LINE通話でのみ不具合が発生する場合は、LINE側のサーバー障害や直近のアプリアップデートによるバグの可能性が高くなります。LINE公式の障害情報告知アカウントや公式サポート情報を確認し、修正パッチの配信を待つのが合理的な判断です。
【line 電話聞こえない】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:通話中に「スピーカー」にすると聞こえるのに、耳にあてると聞こえないのはなぜですか?
A1:スマホ上部にある「受話口(レシーバー)」のスピーカー音量が最小になっているか、画面保護フィルムやケース、埃などが受話口を塞いでいる可能性があります。耳にあてた状態で音量ボタンを押して音量を上げ、受話口周辺の汚れを取り除いてみてください。
Q2:キャッシュを削除すると、写真やトーク履歴は消えてしまいますか?
A2:LINEアプリ内の「キャッシュ削除」を行っても、友だちとのトーク履歴、保存された写真・動画、スタンプなどが消えることはありません。一時的に保存された不要なデータのみが安全に消去されます。
Q3:ビデオ通話だと声が聞こえるのに、音声通話だけ聞こえないのはどうしてですか?
A3:スマートフォンには通話用と動画・ハンズフリー用で複数のマイクとスピーカーが別個に搭載されています。受話通話用の部品のみが物理的に不調を起こしているか、音声通話時のオーディオ出力先がBluetooth機器などに誤認されている可能性が高いため、スピーカー通話への切り替えやBluetoothのオフを試してください。
まとめ:焦らず順を追った切り分けで快適な通話環境を取り戻す
LINE電話で声が聞こえないトラブルは、多くの場合、複雑な故障ではなく設定の重複や一時的な不整合によって引き起こされます。「着信前の問題か・通話中の問題か」を正しく切り分け、通話音量・マイク権限・Bluetooth接続といった基本5項目を一つずつ確認していけば、大半のトラブルはその場ですぐに解決に至ります。
日頃からアプリやOSを最新状態に保ち、定期的に不要なキャッシュを整理しておくことが、突発的な通話遮断を防ぐ最善の予防策です。急な連絡時にも慌てず、本記事の手順に沿って確実に復旧を図ってください。