中止発表後、購入者や出店者にとって最大の関心事となったのが、すでに支払ったお金が戻ってくるのかという問題だ。
2026年9月24日、実行委員会は公式Instagramを更新し、返金が進んでいない状況について説明した。
9月24日に公表された返金停滞の理由
スポニチなどの報道によると、実行委員会は取引先金融機関による口座の利用制限が続いており、その口座から振込返金を進められないと説明した。
金融機関からは、利用制限の理由について「報道が過熱したこと」と説明を受けたとしている。ただし、これは実行委員会側が公表した説明であり、金融機関自身が制限の理由を公表したものではない。
実行委員会は利用制限の解除に向けて対応しているとし、返金対象についても具体的に説明した。
返金対象は誰?チケット購入者と出店者で異なる
9月24日の説明で示された返金対象は、次のとおりだ。
| 対象者 | 返金対象として説明されたもの |
|---|---|
| チケット購入者 | チケット代金・システム利用料 |
| 夜店・飲食店などの出店者 | 出店料金 |
| クレジットカード決済の一部購入者 | カード会社を通じたチャージバック手続き |
大会公式サイトの特定商取引法に基づく表記にも、主催者側の判断で大会が中止となり、延期開催も行わない場合はチケット代金を全額返金するとの記載がある。
ただし、返金対象が示されたことと、実際に返金が完了したことは別の話だ。具体的な振込日や全購入者への返金完了は、確認できていない。
クレジットカードのチャージバックとは?
今回の返金説明で注目されたのが、チャージバックという仕組みだ。
チャージバックとは、クレジットカード決済で問題が生じた際、カード会社などが取引内容を調査し、条件を満たす場合に売上の取り消しや返金を行う仕組みである。
今回、実行委員会はクレジットカードでチケットを購入した人の一部について、カード会社を通じたチャージバックの手続きが進んでいると説明した。
ただし、すべてのカード購入者が対象になるわけではなく、申し出れば必ず返金されるという制度でもない。
カード決済を利用した人は、次の対応を検討したい。
1. カードの利用明細から大会の決済履歴を確認する。
2. カード会社に大会が中止されたことを伝える。
3. 返金がまだ行われていないことを説明する。
4. チャージバックや売上取消の対象になるか確認する。
5. 購入確認メール、チケット、決済明細などを保存する。
すでに実行委員会から返金が行われている場合には、二重返金にならないよう、カード会社にもその状況を伝える必要がある。
銀行振込・電子決済で購入した人はどうすればいい?
滋賀県消費生活センターは、今回の大会の購入者に対し、実際に利用した決済会社へ中止の事実を伝えて相談するよう案内している。
対象はクレジットカード会社だけではない。電子コード決済事業者や銀行も含まれる。
県は、返金が受けられるかどうかは各決済会社などの判断によるとしており、相談すれば必ず返金されるわけではないと注意喚起している。
滋賀県消費生活センター
0749-23-0999
相談受付:月曜日~金曜日 9:15~16:00(祝日・年末年始を除く)
購入者は決済会社への相談、出店事業者は滋賀県産業支援プラザ内の「取引かけこみ寺」などへの相談が案内されている。
2026年11月6日現在、返金は完了したのか?
現時点で確認できる公表情報を整理すると、返金については依然として注意が必要な状態だ。
- 9月24日:口座の利用制限によって振込返金が進められないと説明。
- 同日:チケット代金とシステム利用料、出店料金を返金対象として説明。
- 同日:一部のクレジットカード購入者についてチャージバック手続きが進行中と説明。
- 11月6日:全購入者への返金完了や具体的な一斉返金日を示す新たな公表情報は確認できない。
実行委員会の公式サイトにも、8月9日付の中止告知と、法的専門家に相談しながら対応を整理するという説明が掲載されている。滋賀県消費生活センターの案内でも、決済会社への相談と返金可否に関する注意が示されている。
また、公式サイトには、以前掲載していた事務局所在地は2026年6月をもって使用を終了したとの説明がある。旧所在地への直接訪問は控えるよう案内されているため、購入者や出店者は注意したい。
【プロの結論】琵琶湖花火中止問題から見える3つの要点

今回の騒動は、花火大会の中止だけで終わる問題ではない。イベントの信頼性、行政との関係、消費者保護という3つの視点から考える必要がある。
1.自治体への相談と公認・後援はまったく違う
今回、主催者を名乗る人物が市役所や県に相談していたことは確認されている。
しかし、行政への相談はイベント開催の承認ではない。
開催地の自治体名が公式サイトや広告に掲載されていても、それだけで自治体が主催者や後援者になるわけではない。
今後、地域イベントのチケットを購入する際には、次の情報を確認することが重要だ。
- 自治体の公式サイトに開催情報が掲載されているか。
- 自治体の後援・協力がある場合、その根拠が示されているか。
- 会場が確保されているか。
- 主催者の連絡先や責任者が明確か。
- 開催に必要な手続きや安全対策が進められているか。
特に行政機関への相談実績を、開催許可の取得実績と混同しないことが大切だ。
2.有料チケットの販売開始と開催準備の進捗は別物
今回の大会では、1万発以上という大規模な花火の計画が告知され、有料観覧席や出店の募集も行われていた。
しかし、チケットが販売されていることは、会場や警備、消防、警察との調整が完了している証明にはならない。
本来、大規模イベントでは、開催日から逆算して許認可や安全管理、交通対策を進める必要がある。
今回のように、開催告知が先行し、必要な調整が追いつかなければ、購入者や出店者に金銭的・時間的な負担が発生する。
イベントを企画する側には、集客だけでなく、実施可能性を確認したうえで販売を開始する責任がある。
3.返金問題は「返金する意思」だけでなく実行状況が重要
実行委員会は返金を前提とする姿勢を示し、9月24日には返金対象や口座の利用制限について説明した。
しかし、購入者が本当に知りたいのは、いつ、どの方法で、いくら戻ってくるのかという具体的な情報だ。
今後、確認すべき要点は次の4つである。
- 口座の利用制限が解除されたか。
- 銀行振込による返金がいつ始まるか。
- クレジットカードのチャージバックがどこまで進んだか。
- 購入者・出店者それぞれの返金が完了したか。
なお、今回の騒動について、開催準備の不足や返金の遅れだけを根拠に、詐欺と断定することはできない。当初から開催する意思がなかったか、金銭をどのように扱ったかといった点は、別途検証されるべき問題だ。
【琵琶湖花火中止】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:2026年のびわ湖大花火大会は中止になったの?
A1:中止になっていない。2026年8月6日に大津市で開催済みで、約12,000発の花火が打ち上げられた。中止になったのは、8月22日に開催予定だった琵琶湖三市同時花火大会である。
Q2:琵琶湖三市同時花火大会が中止になった理由は?
A2:実行委員会は、開催日までに必要な準備・運営体制を整えることが困難になったと説明している。滋賀県の記者会見や報道では、河川法に基づく許可、火薬類の消費許可、消防・警察との調整など、開催に必要な手続きが十分に進んでいなかったことも明らかになった。
Q3:彦根市・長浜市・高島市は大会に関与していた?
A3:3市はいずれも大会の企画・運営への関与を否定している。市役所への相談があったことと、自治体が主催・公認していたことは別である。
Q4:チケット代金は返金される?
A4:実行委員会は返金対象をチケット購入者のチケット代金・システム利用料、出店者の出店料金と説明している。ただし、2026年11月6日時点で具体的な一斉返金日や全額返金完了は確認できない。
Q5:9月24日の口座利用制限とは何?
A5:実行委員会によると、取引先金融機関による口座の利用制限が続き、その口座から振込返金を進められない状況だったという。利用制限の具体的な内容や解除時期は明らかになっていない。
Q6:クレジットカードで購入した人は返金を受けられる?
A6:実行委員会は一部のカード購入者についてチャージバック手続きが進んでいると説明している。購入者はカード会社に大会中止と未返金の状況を伝え、対応を相談できる。ただし、返金の可否はカード会社の判断による。
Q7:琵琶湖三市同時花火大会は延期される?
A7:実行委員会の8月9日付公式発表では、延期・振替開催は行わず、今後の開催予定もないとしている。
まとめ:琵琶湖花火中止の真相と今後確認すべきこと
2026年の「琵琶湖花火中止」をめぐる問題で、最も重要なのは、2つの花火大会を混同しないことだ。
8月6日の「びわ湖大花火大会」は、第40回記念大会として約12,000発を打ち上げ、約35万人が訪れた。一方、8月22日に予定されていた「琵琶湖三市同時花火大会」は、必要な準備・運営体制が整わず、8月9日に中止が発表された。
彦根市・長浜市・高島市は大会への関与を否定し、滋賀県も許認可に関する相談を受けたものの、その後の連絡や手続きは確認されていないと説明している。
さらに9月24日には、実行委員会が口座利用制限による返金停滞を公表。クレジットカード決済の一部ではチャージバックが進んでいるものの、全購入者への返金完了は確認できていない。
今後の最大の焦点は、返金の具体的な実施時期と、実行委員会による継続的な説明だ。
購入者や出店者にとっては、主催者の発表だけを待つのではなく、決済会社や消費生活センターにも相談し、支払い記録を保管しておくことが現実的な対応となる。
「琵琶湖花火中止」という短い情報だけでは見落としやすい今回の問題。大会名、主催者、開催日、行政の関与、返金状況をそれぞれ切り分けて確認することが、正確な情報を見極める第一歩となる。
記事基準日:2026年11月6日