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ノックオンとは?2026年版ルールの意味・反則条件・スクラム再開を徹底解説

桐谷 宗吾 桐谷 宗吾 • 更新: • 公開: • 読了約 19 分
目次

ノックオンとは?2026年版ルールの意味・反則条件・スクラム再開を解説

ラグビーの試合中継でよく耳にする「ノックオン」。ボールを前に落としたときに取られる反則として知られていますが、相手のキックを手で止めた場合や、ボールを奪い合う最中に前方へこぼれた場合など、見た目が似ていても判定が異なるプレーがあります。

2026年版のラグビー競技規則では、従来の「ノックオン」という用語が「ノックフォワード」に変更されています。 ワールドラグビーの第11条には、通常のノックフォワード、故意にボールを前方へたたく行為、チャージダウンなどの例外が定められています。日本ラグビーフットボール協会(JRFU)も2026年版競技規則を公開しています。

この記事では、ノックオンの意味と反則になる条件を出発点に、スクラムによる再開方法、故意のノックフォワードに対するペナルティ、チャージダウンやスローフォワードとの違いまで、具体例を交えて整理します。

【基本を解説】ノックオンとは?2026年版競技規則での意味と定義

ノックオンとは

ノックオンとは、ラグビーでプレーヤーがボールを前方に落としたり、手や腕で前方へたたいたりするプレーを指す言葉です。

2026年版競技規則では、正式な表記が「ノックフォワード(Knock forward)」となっています。

ノックオンとノックフォワードは同じ意味

以前からラグビーに親しんでいる人には「ノックオン」という呼び方が定着していますが、2026年版のワールドラグビー競技規則では「ノックフォワード」が使用されています。

これは競技の基本的な判定基準が別のものになったという意味ではなく、用語の変更です。

ワールドラグビーの競技規則にある定義では、次のようなプレーがノックフォワードに該当します。

- プレーヤーがボールを落とし、ボールが前方へ進む。
- プレーヤーが手や腕でボールを前方へたたく。
- ボールがプレーヤーの手や腕に当たり、前方へ進み、本人が取り直す前に地面または他のプレーヤーに触れる。

重要なのは、単にボールが手から離れたかどうかではありません。ボールが競技場の前方へ進んだか、そして本人が再び確保する前に地面や他のプレーヤーに触れたかという点も判定に関係します。

例えば、走っている選手がパスを受けようとしてボールを取り損ね、そのままボールが前方の地面に落ちた場合は、典型的なノックフォワードです。

一方、ボールを落としかけても、地面や他の選手に触れる前に本人が取り直せば、通常はノックフォワードになりません。

ノックオンが発生する代表的な場面

実際の試合では、次のような状況で発生します。

1.パスキャッチの失敗

味方からのパスを受け損ね、ボールが前方へ落ちるケースです。特に相手のプレッシャーを受けながら走っている場面で起こりやすくなります。

2.タックルを受けた際のボールロスト

相手にタックルされ、ボールを保持できなくなって前方へこぼしてしまうケースです。

3.相手選手との接触によるボールの前方への移動

タックルを仕掛けたり、相手のボールを奪おうとしたりする際に、ボールが前方へ動いて地面に落ちるケースです。

いずれも、プレーの状況やボールが動いた方向などを踏まえてレフリーが判定します。

【反則になる条件】ノックフォワードと認められるプレー・例外

ノックフォワードの判定で特に重要なのは、ボールの進行方向、手や腕との接触、プレーの状況です。

ワールドラグビー競技規則第11条では、ノックフォワードに関する基本規定と例外が定められています。

ノックフォワードが反則になる条件

基本的には、ボールを保持していた選手が前方へ落とした場合や、手や腕で前方にたたいた場合などが対象です。

また、第11条2項では、相手にタックルしている、またはタックルしようとしている選手がボールに触れ、ボールが前方へ落ちた場合も規定されています。

ただし、ボールを前方へ動かしたように見えても、すべてが反則になるわけではありません。

反則にならない代表的なケース

特に覚えておきたいのが次の2つです。

ケース1:チャージダウン

相手がキックした直後、そのボールを相手選手がブロックし、前方へ飛んだ場合です。

第11条5項では、相手のキック直後にボールを前方へノックした場合、ノックフォワードとはせず、プレーを継続すると定めています。

ケース2:相手からボールを奪ったとき

相手選手が保持しているボールをもぎ取ったり、手で奪い取ったりした結果、元のボール保持者の手や腕からボールが前方へ転がった場合も、一定の条件でノックフォワードにはなりません。

これは攻撃側と守備側のボール争奪を不当に制限しないための規定です。

キャッチしようとして失敗した場合は故意なのか?

ここも誤解されやすいポイントです。

第11条4項では、選手がボールをキャッチしようとしてノックフォワードした場合、ボールを獲得できたと合理的に予測できる状況であれば、故意のノックフォワードとは扱わないと定めています。

つまり、キャッチを試みた結果としてボールを落としたことと、相手のパスを妨害するために意図的に前方へたたいたことは区別されます。

レフリーは、選手の手の動き、ボールとの距離、キャッチできる可能性などを踏まえて判断します。

【違いを比較】チャージダウン・スローフォワード・ノックバックとの関係

ノックフォワードと混同しやすい言葉には、チャージダウン、スローフォワード、ノックバックがあります。

いずれもボールが前後に動くプレーに関係しますが、競技規則上の意味は異なります。

5つのプレーの違いを一覧で確認

用語 プレーの内容 基本的な判定
ノックフォワード(旧ノックオン) ボールを前方に落とす、または手や腕で前方へたたく 通常はスクラム
スローフォワード ボールを味方へ前方に投げる、パスする 通常はスクラム
チャージダウン 相手が蹴った直後のボールをブロックする 条件を満たせばプレー継続
ノックバック ボールを手や腕で後方へ落とす それ自体は反則ではない
故意のノックフォワード 手や腕で意図的にボールを前方へたたく ペナルティ

チャージダウンとノックフォワードの違い

チャージダウンは、相手のキックを阻止するためにボールをブロックするプレーです。

例えば、相手のスクラムハーフがボールを蹴ろうとした瞬間、守備側の選手が手を伸ばしてボールに当てたとします。

そのボールが前方へ飛んでも、第11条5項の条件を満たすチャージダウンであれば反則になりません。

一方、相手がパスしたボールを意図的に手で前方へたたき落とした場合は、チャージダウンとは異なり、故意のノックフォワードとしてペナルティの対象になります。

見分ける要点は、相手のキック直後にボールをブロックしたのか、それとも通常のパスやボール保持に対して手を使ったのかという点です。

スローフォワードとノックフォワードの違い

この2つは、どちらもボールが前方へ進むため、初めて試合を見る人には区別が難しい反則です。

しかし、ボールが前方へ進む原因が異なります。

- ノックフォワード:ボールを落としたり、手や腕で前方へたたいたりする。
- スローフォワード:ボールを前方へ投げたり、パスしたりする。

例えば、味方へパスした際にボールが前方へ飛んだ場合はスローフォワードです。

対して、パスを受けようとしてボールを取り損ね、前方に落としてしまった場合はノックフォワードです。

なお、選手が前方へ走りながら後方へパスするプレーは、受け手がパサーより前方にいても、それだけでスローフォワードにはなりません。重要なのは、選手の走る方向ではなく、ボール自体の進行方向です。

ノックバックとは何が違う?

ノックバックは、手や腕でボールを後方へ落とすプレーを表す言葉です。

J SPORTSのラグビー用語解説でも、ノックバックはボールを後ろに落とす行為として説明されています。

ノックフォワードとの最大の違いは、ボールの進む方向です。

例えば、守備側の選手が相手のパスを手で後方へはじいた場合、その動作だけでノックフォワードにはなりません。

ただし、別の反則が同時に発生している場合は、その規則に基づいて判定されます。

【スクラムで再開】ノックフォワード後の試合進行と故意のペナルティ

通常のノックフォワードが起きると、レフリーは笛を吹いて試合を止め、スクラムによってプレーを再開します。

この再開方法は、ワールドラグビー競技規則第19条に規定されています。

ノックフォワード後のスクラムはどちらのボール?

基本的なルールは次のとおりです。

- スクラムを組む位置:反則が発生した地点に最も近いスクラムゾーン。
- ボールを投入するチーム:反則をしていないチーム。
- 再開方法:スクラム。

つまり、攻撃側がノックフォワードした場合、基本的には守備側がボールを投入するスクラムになります。

反対に、守備側がノックフォワードした場合は、攻撃側にスクラムの投入権が与えられます。

ボールがタッチラインの外に出た場合

通常のスクラム再開には例外もあります。

ノックフォワードしたボールがタッチラインの外に出た場合、反則をしていないチームは、スクラムの代わりにクイックスローまたはラインアウトを選択できます。

そのため、ノックフォワードが発生したからといって、必ずスクラムになるわけではありません。

また、ラインアウト中に発生したノックフォワードでは、スクラムの位置はタッチのマークから15メートルの地点となります。

故意のノックオンはペナルティになる

通常のノックフォワードと故意のノックフォワードでは、再開方法が変わります。

ワールドラグビー競技規則第11条3項では、選手が手や腕を使って故意にボールを前方へたたく行為を禁止しています。

この場合の罰は、スクラムではなくペナルティです。

例えば、相手チームがパスをつなごうとしている場面で、守備側の選手がキャッチする意思を見せず、片手でボールを前方へたたき落とした場合などが該当し得ます。

このようなプレーは、相手の攻撃を不正に妨害する行為として判断されます。

インテンショナルノックオンなら必ずイエローカード?

ここは特に注意が必要です。

インテンショナルノックオン(故意のノックフォワード)があった場合、基本的な罰はペナルティです。

故意にボールを前方へたたいたからといって、必ずイエローカードになるわけではありません。

ただし、相手のトライを阻止する目的などで重大な反則となった場合は、さらに厳しい判定につながります。

ワールドラグビー競技規則第8条3項では、相手の不正なプレーがなければトライが得られた、またはより有利な位置で得られたとレフリーが判断した場合、ペナルティトライを与えると定めています。

その原因となった選手には、注意、イエローカード、またはレッドカードが示されます。

つまり、故意のノックフォワードによってトライを防いだ場合は、通常のペナルティだけでなく、ペナルティトライやカードの対象になる可能性があります。

【試合観戦で役立つ】ノックオンの見分け方とラグビーの反則ルール一覧

ノックフォワードを正しく見分けるには、ボールがどちらへ動いたのか、選手が何をしようとしていたのかを順番に確認すると理解しやすくなります。

ノックフォワードを見分ける4つのポイント

ポイント1:ボールの移動方向を確認する

最初に、ボールが競技場の前方へ進んだのか、後方へ進んだのかを確認します。

選手自身が前へ走っているかどうかだけでは判定できません。

ポイント2:手や腕に触れたかを見る

ボールが手や腕で前方へたたかれたのか、手や腕に当たって前方へ進んだのかを確認します。

また、ボールを保持していた選手が前方へ落としたケースも対象になります。

ポイント3:本人がボールを取り直せたか確認する

ボールが地面や他の選手に触れる前に、本人が再び確保できたかも重要です。

一瞬ボールが手から離れただけで、直ちに反則と決まるわけではありません。

ポイント4:チャージダウンやボール争奪ではないか確認する

相手のキック直後のブロックや、相手からボールをもぎ取った際のこぼれ球には、通常のノックフォワードとは異なる規定があります。

この4点を意識すると、中継映像を見ながら判定の理由を理解しやすくなります。

ラグビーの代表的な反則ルール一覧

ノックフォワード以外にも、ラグビーにはさまざまな反則があります。

反則名 主な内容 基本的な罰
ノックフォワード ボールを前方へ落とす スクラム
スローフォワード 前方へのパス スクラム
オフサイド オフサイド位置からプレーに関与する ペナルティ
ノットリリースザボール タックル後にボールを離さない ペナルティ
ノットロールアウェイ タックル後に相手のプレーを妨げる ペナルティ
ハイタックル 肩の線より上への危険なタックル ペナルティ
故意のノックフォワード 手や腕で故意にボールを前方へたたく ペナルティ

これらは代表的な反則の一覧です。実際の罰則やカードの有無は、発生状況や反則の程度によって異なります。

2026年版ラグビー競技規則で押さえておきたい条文

2026年版の競技規則では、ノックフォワードに関係する中心的な規定は第11条です。

特に重要なのは、次の条文です。

- 第11条1項: ノックフォワードは競技区域内のどこでも発生する。
- 第11条2項: タックル中またはタックルを試みている際にボールに触れ、前方へ落ちた場合の規定。
- 第11条3項: 手や腕を使った故意のノックフォワードは禁止。罰はペナルティ。
- 第11条4項: 合理的にボールを獲得できると予測してキャッチを試みた場合、故意とは扱わない。
- 第11条5項: チャージダウンと、相手からボールをもぎ取った際の前方へのこぼれは、一定の条件でプレー継続。

加えて、スクラムの場所やボール投入チームを確認する際には、第19条1項が重要です。

日本ラグビーフットボール協会の公式競技規則ページからも、2026年版の競技規則を確認できます。

【ノックオンとは何か】に関するよくある質問(FAQ)

Q1:ノックオンは反則になると必ずスクラムですか?

A1:通常のノックフォワードではスクラムで再開します。ただし、故意に手や腕でボールを前方へたたいた場合はペナルティです。また、ボールがタッチに出た場合は、反則をしていないチームがクイックスローやラインアウトを選択できます。

Q2:ノックオンとノックフォワードは何が違うのですか?

A2:基本的な意味は同じです。2026年版競技規則では、従来のノックオンという名称からノックフォワードへ表記が変更されています。従来の呼び方も一般的には使われています。

Q3:チャージダウンでボールが前に飛んでも反則ではないのですか?

A3:相手がキックした直後に、そのボールをブロックした場合は、第11条5項によりノックフォワードとはならず、プレーが継続されます。

Q4:故意のノックオンはイエローカードになりますか?

A4:必ずイエローカードになるわけではありません。基本的な罰はペナルティです。ただし、トライを阻止するような重大な反則では、ペナルティトライやカードが適用される場合があります。

Q5:ノックバックは反則ですか?

A5:ボールを手や腕で後方へ落とすノックバックは、それ自体ではノックフォワードの反則になりません。ただし、別の反則が伴う場合は別途判定されます。

まとめ:2026年版ルールを理解してノックオンの判定を見極めよう

ノックオンとは、ラグビーでボールを前方へ落とすなどのプレーを指す言葉です。2026年版競技規則では「ノックフォワード」という名称が使われています。

試合観戦で押さえておきたい要点は、次の4つです。

1. 通常のノックフォワードは、相手ボールのスクラムで再開する。
2. 手や腕で故意にボールを前方へたたくと、ペナルティになる。
3. チャージダウンや相手からボールを奪った際の前方へのこぼれは、一定の条件で反則にならない。
4. スローフォワードは前方へのパスであり、ノックフォワードとは発生原因が異なる。

特に重要なのは、ボールが前方へ動いたという結果だけでなく、その動きがどのように発生したのかを確認することです。

2026年版のワールドラグビー第11条と第19条を理解しておけば、ノックフォワードの判定だけでなく、スクラム再開や故意の反則に対するレフリーの判断も、より深く理解できるようになります。

ラグビー観戦では、ボールの進行方向、選手の手の動き、プレーが発生した状況に注目してみてください。反則の意味が分かると、試合の攻防やレフリーの判断が一段と面白くなります。

主な根拠資料: ワールドラグビー2026年版競技規則、日本ラグビーフットボール協会の2026年版競技規則公開ページ、ワールドラグビー第11条・第19条、J SPORTSラグビー用語解説。

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