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韓国の人身売買は今どうなっている?2026年最新統計と性・労働搾取の実態を徹底解説

桐谷 宗吾 桐谷 宗吾 • 更新: • 公開: • 読了約 23 分
目次

韓国の人身売買は、2026年現在、どのような状況にあるのでしょうか。韓国政府の公表資料によると、政府の保護・支援対象として人身取引被害者に確認された人数は、2023年の3人から2024年の12人、2025年には42人へと増加しました。加えて、2026年上半期だけで30人が新たに確認されています。こうした数字は、韓国国内で性的人身取引や労働搾取への対応が重要な課題になっていることを示しています。

一方、米国務省が2026年10月8日に公表した「2026年人身取引報告書」では、韓国は3年連続で最上位のTier 1評価を維持しました。ただし、成人の性的搾取や労働搾取に対する捜査・起訴の不足、加害者への刑罰の軽さ、外国人漁業労働者の保護などには改善の余地があると指摘されています。被害者数の増加と国際評価の高さは、必ずしも矛盾するものではありません。制度の整備と、現場での被害発見・救済が別の課題だからです。

【基礎知識】韓国の人身売買とは?法律上の定義と実態

韓国人身売買

人身売買と人身取引は何が違う?

日本語では「人身売買」という表現が広く使われていますが、韓国の法律や国際的な人権保護の文脈では「人身取引」という表現がより正確です。

人身売買という言葉からは、人間を商品として売買する行為が想像されます。しかし、現在の人身取引は、必ずしも金銭を伴う売買や、国境を越えた移動を必要としません。

韓国では2023年1月に「人身売買等防止及び被害者保護等に関する法律」が施行されました。

同法では、性的搾取、労働搾取、臓器摘出などを目的として、人を募集・移送・引き渡し・隠匿・受領する行為などを人身取引の対象として定めています。

また、暴力や脅迫だけでなく、欺罔、強制、本人の弱い立場や困窮状態を利用する行為も対象になります。

特に重要なのは、被害者が最初に仕事や移動に同意していたとしても、その後の搾取が正当化されるわけではないという点です。

韓国の同法第4条では、被害者が搾取に同意していたことを理由に、加害者の犯罪成立を否定できないと定めています。

つまり、仕事を紹介されたときには本人が納得していたとしても、後から借金を理由に拘束されたり、性的サービスを強要されたりすれば、当初の同意だけで問題を片付けることはできません。

韓国国内だけでなく外国人も被害対象になる

韓国の人身取引問題を理解するうえで、被害者の国籍を限定して考えないことも大切です。

同法では、韓国国内や海外で被害を受けた韓国人だけでなく、韓国国内で人身取引の被害に遭った外国人も保護対象に含めています。

そのため、韓国の人身取引は、韓国人女性だけを対象にした問題ではありません。

外国人女性、移住労働者、漁業従事者、障害のある人など、社会的・経済的に弱い立場に置かれた人々が被害に遭う可能性があります。

【2026年最新統計】韓国の人身取引被害者は3人から42人へ増加

韓国の人身取引の実態を把握するうえで、特に注目されるのが政府による被害者確認数の変化です。

2026年7月20日、韓国の聯合ニュースは、性平等家族部の発表として、政府の支援対象となった人身取引被害者が大きく増加したと報じました。

公表された数字は次のとおりです。


韓国の人身取引被害者確認数の推移

3人 → 42人


2023年から2025年までの公表値

出典:韓国政府発表を伝えた聯合ニュース(2026年7月20日)。2026年は上半期のみで、通年値ではない。

年度別の被害者確認数

年度 確認人数 状況
2023年 3人 新制度施行後の確認
2024年 12人 前年から増加
2025年 42人 大幅な増加
2026年上半期 30人 半年間で30人を確認

この推移から読み取れるのは、政府による被害者の発見と認定が進んでいるということです。

ただし、この数字を韓国国内に存在する人身取引被害者の総数と解釈することはできません。

あくまでも政府の保護・支援につながった確認事例であり、被害を受けながら相談できない人、捜査機関に発見されていない人、被害を認識できていない人は数字に反映されない可能性があります。

なぜ確認人数が急増したのか

増加の背景として注目されるのが、2026年からの被害者認定・支援手続きの改善です。

韓国政府は、警察庁から連携された被害者について、従来のような別途の審議を経ずに被害者として確認できる仕組みを導入しました。

加えて、被害者確認書が発行される前でも、救助支援費や緊急住居支援を受けられるようにしています。

外国人被害者については、法務部との協力による在留支援手続きも整備されました。

これは、被害者が正式な認定を受けるまでの間に、生活費や住居を失って再び搾取される危険を減らすための対応です。

一方、2026年の通年人数は11月6日時点でまだ確定していません。上半期の30人という数字だけで年間の被害規模を断定することはできません。

米国務省の調査で示された別の被害者データ

統計を読む際には、米国務省の2025年版人身取引報告書に記載された数字との違いにも注意が必要です。

同報告書では、韓国政府が被害者識別指標を使って5,332人を調査・確認した結果、130人を潜在的な人身取引被害者として特定したとされています。

その内訳は次のとおりです。

- 性的搾取の被害が疑われる人:77人
- 労働搾取の被害が疑われる人:53人

これは2025年版報告書の対象期間におけるスクリーニング結果です。韓国政府が公表した2025年の正式な被害者確認数42人とは、集計方法や認定段階が異なります。

この違いを理解することが、韓国の人身取引被害者数を正しく評価する第一歩です。

【性的搾取の実態】韓国人女性・外国人女性が巻き込まれる人身取引

韓国の人身取引で大きな問題となっているのが、性的搾取を目的とした人身取引です。

米国務省の報告書では、韓国人女性だけでなく、フィリピン、タイ、ベトナムなどから来た外国人女性が性的搾取の危険にさらされていると指摘されています。

芸能・接客の仕事を装った勧誘

代表的な問題の一つが、外国人女性に対する虚偽の求人です。

米国務省の報告書によると、一部の仲介業者や店舗関係者は、外国人女性に歌手やパフォーマーとして働けると説明して韓国に呼び寄せ、その後、商業的な性行為を強要するケースが報告されています。

特に、E-6-2と呼ばれる興行関連の在留資格で入国する外国人女性について、バーやクラブなどで性的搾取を受ける危険性が指摘されています。

求人時に説明された仕事内容と実際の仕事が違うことが、被害の入り口になる場合があります。

借金を利用した性的搾取

もう一つの問題が、借金による支配です。

仕事を紹介する際に仲介手数料や渡航費などの負担を求め、韓国に到着した後も、その費用を理由に働き続けるよう強制する手口があります。

また、店舗経営者や貸金業者などへの借金を利用し、返済が終わるまで性的サービスを続けるよう圧力をかける事例も、米国務省の報告書で指摘されています。

ここで重要なのは、被害者が最初から性的搾取を目的に韓国へ渡航したとは限らないことです。

本人は通常の接客業や芸能関係の仕事をするつもりだったのに、現地で借金や在留資格、生活環境を利用されて逃げられなくなるケースもあります。

被害者は女性だけではない

韓国の人身取引を女性だけの問題として捉えるのも正確ではありません。

米国務省の過去の報告書では、障害のある韓国人男性が漁船、塩田、畜産農場などで強制労働をさせられる事例も取り上げられています。

性別や国籍にかかわらず、本人が置かれた環境や経済的な弱さを利用されることが、人身取引の共通した構造です。

【労働搾取・強制労働】外国人労働者と韓国漁業の深刻な課題

韓国の人身取引を考えるうえで、性的搾取と同じくらい重要なのが労働搾取です。

特に、外国人労働者が従事する漁業、農業、製造業などでは、雇用契約や仲介業者を通じた搾取のリスクが問題になっています。

外国人労働者が直面する強制労働の危険

米国務省の2025年版報告書では、外国人労働者に対する不当な仲介手数料や借金による拘束が指摘されています。

被害につながり得る代表的な問題は以下のとおりです。

- 採用時に高額な仲介手数料を請求される
- 借金を返済するまで退職できないと告げられる
- 給与の一部または全額を支払われない
- パスポートや身分証明書を取り上げられる
- 契約と異なる仕事や労働条件を強制される
- 劣悪な住環境で生活するよう強いられる
- 在留資格や強制送還への不安を利用して脅される

こうした問題は、雇用許可制(EPS)や季節労働者制度(SWP)を利用して働く外国人にも関係します。

ただし、賃金未払いなどの労働法違反がすべて人身取引に該当するわけではありません。人身取引として判断するには、搾取目的の人の募集・移送・引き渡しなど、法律上の要件を含めた検討が必要です。

韓国の漁業で外国人労働者が置かれる状況

特に注目されるのが、韓国の遠洋漁業です。

漁船で働く外国人労働者は、陸上の労働者と比べて外部との接触が難しくなりやすいという問題を抱えています。

米国務省の過去の報告書では、外国人漁業労働者について、仲介手数料による借金、賃金の留保、パスポートの保管、長時間労働、船内での不十分な生活環境などが報告されています。

船舶が長期間港に戻らない場合、労働者は職場から離れたり、第三者に被害を相談したりする機会を失いやすくなります。

加えて、遠洋漁業のような特殊な環境では、一般的な労働監督だけでは被害を発見しにくいという構造的な問題があります。

2026年9月に漁業分野の被害者識別指標を改定

この問題に対応するため、韓国政府は2026年9月3日、外国人漁業労働者の人身取引を発見するための識別指標を改定しました。

韓国の性平等家族部と海洋水産部が連携して進めたもので、遠洋漁業、養殖業、塩田など、それぞれの現場に合わせた判断基準が盛り込まれています。

新しい指標では、従来の暴力や脅迫だけでなく、経済的・心理的な支配にも注目しています。

具体的には次のような行為です。

- 労働者本人の意思に反して第三者の口座へ給与を移転させる
- 高金利の借金を負わせる
- 家族に借金返済を要求する
- 乗船前に労働者を拘束する
- 船内での通信手段へのアクセスを制限する
- 帰港先が居住地と異なる場合に帰国費用を支払わない
- 国籍を理由に労働条件や衛生環境で差別する

特筆すべきなのは、搾取に同意していたことや、被害を受けている過程で何らかの犯罪行為をしたことだけを理由に、被害者保護の対象から外さないという考え方が明確にされたことです。

これは、漁業分野の人身取引対策が、単なる労働条件の確認から、支配や搾取の仕組みそのものを見つける方向へ進んでいることを示しています。

【関係機関・制度を整理】韓国の人身取引対策はどう機能している?

韓国の人身取引対策には、行政機関、警察、被害者保護機関、国際機関などが関係しています。

それぞれの役割を理解すると、なぜ被害者確認数が増えたのか、そしてなぜTier 1を維持しながら課題が残るのかが見えてきます。

人身取引対策に関わる主要機関

機関・主体 主な役割 注目点 性平等家族部(旧女性家族部) 被害者確認、支援制度の整備、関係省庁との連携 2026年に迅速な認定と緊急支援を拡充 韓国警察庁 犯罪捜査、被害者の発見、保護機関への連携 警察からの被害者紹介手続きを簡素化 中央人身取引被害者権益保護機関 相談、事例判断、被害者確認書、支援の調整 法律・医療・生活・帰国などを支援 海洋水産部 漁業分野の労働環境の監督と被害発見 2026年に漁業専用の識別指標を導入 米国務省 各国の人身取引対策を国際的に評価 2026年も韓国をTier 1に分類

韓国警察庁の捜査と被害者保護の連携

韓国警察庁は、人身取引の捜査だけでなく、被害者を保護機関につなぐ役割も担っています。

2026年からは、警察庁などから紹介された被害者を別途審議なしで認定する制度が始まりました。

この仕組みは、被害者が捜査機関と支援機関の間で長期間待たされる問題を軽減するものです。

一方、米国務省は、人身取引に該当する成人の性的搾取や労働搾取について、実際の犯罪規模に比べて捜査・起訴が十分ではないと評価しています。

特に、一般的な性犯罪や労働法違反として処理される事案と、人身取引として捜査すべき事案を適切に区別できるかが課題です。

【Tier 1の評価と課題】韓国の人身売買対策は本当に十分なのか

2026年10月8日、米国務省は最新の「2026年人身取引報告書」を発表しました。

韓国は、この報告書で3年連続となるTier 1評価を獲得しています。

Tier 1とは、人身取引撲滅に向けた最低基準を満たしていると評価された国の分類です。

ただし、Tier 1は人身取引が存在しないことや、被害者がゼロであることを意味しません。政府の法制度や取り組みが一定の基準を満たしているかを評価するものです。

Tier 1を維持できた理由

米国務省が評価した主な取り組みには、次のようなものがあります。

- 人身取引事件の捜査と有罪判決に向けた取り組み
- 被害者識別指標の改善
- 潜在的被害者に対する緊急支援の拡充
- 被害者確認書や在留支援の充実
- 被害者を保護サービスにつなぐ仕組みの改善

こうした制度整備や行政上の改善が、最上位評価を維持した理由と考えられます。

それでも残る3つの重大な課題

1.成人の性的搾取に対する捜査が不十分

米国務省は、成人を対象とする性的搾取事件の法執行が、推定される犯罪規模に比べて少ないと指摘しました。

これは、性的搾取の実態を把握できていない可能性だけでなく、被害者の発見や事件の立件に問題が残っていることを意味します。

2.労働搾取、とりわけ遠洋漁業の摘発が課題

雇用許可制や季節労働制度で働く外国人労働者、漁業分野の移住労働者に対する対策が不十分だと評価されています。

特に遠洋漁業では、人身取引事件の起訴実績がないことが問題として取り上げられています。

3.加害者への刑罰が軽い

国会図書館の2026年報告書要約では、人身取引関連の有罪判決において、加害者の約80%が1年未満の懲役、罰金、または執行猶予などの軽い処分を受けていると整理されています。

重大な搾取行為に対して刑罰が十分でなければ、犯罪抑止力が弱まり、被害者が捜査に協力する際の安全にも影響します。

つまり、韓国のTier 1評価は政府の制度整備を評価する一方で、現場の被害発見、捜査、起訴、処罰が十分に機能しているかについては、別途検証が必要だということです。

【見分け方】韓国の人身売買で注意すべきサイン

人身取引は、最初から暴力や監禁を伴うとは限りません。

一般的な求人や仕事の紹介、借金の相談、海外就労の仲介などから始まることもあります。

特に次のような状況が複数重なっている場合には注意が必要です。

注意すべき状況 疑われる問題
求人と実際の仕事内容が違う 虚偽の求人・勧誘
パスポートを返してもらえない 身分証明書による支配
給与が支払われない 賃金搾取
借金を返すまで辞められない 債務による強制労働
家族への危害をほのめかされる 脅迫・心理的支配
外部との連絡を制限される 孤立化・監視
性的サービスを強要される 性的搾取
退職すると在留資格を失うと脅される 在留上の不安を利用した支配

一つの項目に当てはまるだけで人身取引と確定するわけではありません。しかし、複数の問題が同時に発生している場合は、専門機関への相談が必要です。

韓国の人身取引被害者保護制度と相談窓口

韓国では、人身取引被害者を対象に、相談、保護、法律支援、医療支援、生活支援などを行っています。

中央人身取引被害者権益保護機関は、韓国女性人権振興院が運営する専門機関です。

主な支援内容は次のとおりです。

- 被害状況についての相談
- 被害者確認と確認書の発行
- 緊急救助・住居支援
- 医療・心理的ケア
- 法律相談や裁判手続きの支援
- 通訳サービス
- 外国人被害者の在留支援
- 希望に応じた帰国支援


韓国の主な相談・緊急連絡先



人身取引被害専門相談
専門窓口

1600-8248


中央人身取引被害者権益保護機関・平日10時~17時
被害相談、支援情報の提供、関係機関への紹介、緊急時の通報代行に対応。外国人向けの三者通訳サービスも利用できます。


緊急時の警察

112


韓国内の緊急通報
暴力、監禁、脅迫など、差し迫った危険がある場合の警察通報先です。


外国人女性の緊急相談

1577-1366


多文化・移住女性向けダヌリコールセンター
13言語による24時間相談・支援につながる窓口です。日本語を含む多言語対応があります。

連絡先・運営時間の出典:韓国性平等家族部、関連自治体の公的案内。

相談する際には、本人の安全を最優先にしてください。

加害者に知られる危険がある場合、無理に証拠を集めたり、相手と直接交渉したりする必要はありません。安全な場所から警察や専門機関に連絡し、パスポート、契約書、給与明細、メッセージなどは安全に保管できる範囲で残すことが役立ちます。

【よくある質問】韓国の人身売買に関するFAQ

Q1:韓国の人身売買被害者は2026年に何人確認されていますか?

A1:2026年上半期までに30人が人身取引被害者として確認されています。比較すると、2023年は3人、2024年は12人、2025年は42人でした。2026年の通年人数は11月6日時点では確定していません。

Q2:韓国の人身売買は女性だけが被害に遭うのですか?

A2:いいえ。女性だけでなく、男性や障害のある人、外国人労働者も被害に遭う可能性があります。特に漁業、農業、製造業などの労働搾取も重要な問題です。

Q3:韓国は人身売買対策でTier 1なのに、なぜ被害があるのですか?

A3:Tier 1は政府が人身取引撲滅に向けた最低基準を満たしているという評価であり、犯罪が存在しないという意味ではありません。2026年の米国務省報告書も、捜査・起訴の不足や刑罰の軽さ、外国人労働者の保護などを課題として指摘しています。

Q4:韓国で外国人労働者が強制労働をさせられることはありますか?

A4:あります。米国務省の報告書では、漁業や農業などで、借金による拘束、賃金の留保、パスポートの取り上げ、長時間労働などが報告されています。

Q5:韓国で人身取引の被害に遭った場合、どこに相談すればよいですか?

A5:韓国の中央人身取引被害者権益保護機関の相談電話1600-8248を利用できます。緊急時は警察112、外国人女性の多言語相談には1577-1366も利用できます。

Q6:韓国の人身売買は海外から連れてこられた人だけが対象ですか?

A6:いいえ。韓国国内で韓国人が被害に遭う場合も、外国人が韓国国内で被害に遭う場合もあります。韓国の人身取引防止法は、韓国人が海外で被害に遭った場合も保護対象に含めています。

まとめ:韓国の人身売買問題は被害者の発見と実効的な保護が鍵

2026年11月現在、韓国の人身取引問題は、制度整備が進む一方で、現場での被害発見と加害者への責任追及が課題として残っています。

特に注目すべき事実は3つあります。

第一に、政府の支援対象として確認された被害者数が、2023年の3人から2025年の42人へ増加し、2026年上半期にも30人が確認されたことです。これは被害者の発見と保護の仕組みが変化していることを示しています。

第二に、性的搾取だけでなく、外国人労働者への債務による拘束や漁業分野の強制労働も重要な問題になっていることです。特に、外部との接触が難しい遠洋漁業では、被害の早期発見が難しいという構造的な課題があります。

第三に、韓国が米国務省の2026年人身取引報告書でTier 1を維持した一方、成人の性的搾取や労働搾取への捜査、起訴、刑罰には改善が求められていることです。

【プロの結論】

韓国の人身取引問題を評価する際に、最も重視すべきなのは、国際評価の順位や被害者確認数だけではありません。

被害に遭った人がどれだけ早く発見され、安全な場所に移れるのか。外国人であっても在留資格への不安から支援を諦めずに済むのか。搾取した側に対して、犯罪の重大性に見合った責任が問われるのか。

この3点こそが、対策の実効性を判断する基準になります。

2026年9月の漁業分野の識別指標改定や、警察からの被害者紹介手続きの簡素化は前進です。しかし、制度が整っても現場で発見されなければ被害者は救済されません。

今後は、外国人労働者への監督体制、漁業現場の抜き打ち調査、被害者の在留・生活支援、そして加害者への適切な刑罰が実際に機能しているかが問われます。

韓国の人身売買は、単なる犯罪統計の問題ではありません。国籍や性別、経済状況にかかわらず、一人ひとりの尊厳と自由を守れる社会になっているかを測る、人権上の重要な課題です。

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コンテンツディレクター 桐谷 宗吾
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