地震速報で「震度3」と発表されたとき、実際にはどの程度の揺れが起きているのでしょうか。震度3は、屋内にいる人のほとんどが揺れを感じ、眠っている人の大半が目を覚ます程度の揺れです。棚に置いた食器が音を立てたり、電線が少し揺れたりすることもあります。一方、一般的には建物の構造に大きな被害が生じる段階ではありません。
気象庁の震度階級関連解説表によると、震度3は震度2より明確に揺れを感じやすく、震度4になると多くの人が驚き、つり下げ式の照明や食器類が大きく揺れるようになります。2026年11月現在も、日本では計測震度計による観測を基本としており、震度は場所ごとの揺れの強さを示す指標です。この記事では、屋内・屋外での体感、家具や建物への影響、マグニチュードとの違い、地震情報の読み方、防災対策まで整理します。
【体感を解説】地震の震度3はどのくらい揺れる?屋内・屋外の違い

震度3は、日常生活の中で多くの人が地震だと気付く程度の揺れです。震度1や2のように、静かにしていないと気付きにくい揺れとは異なり、仕事や家事をしている最中でも揺れを感じることがあります。
気象庁の「気象庁震度階級関連解説表」では、震度3について、屋内にいる人のほとんどが揺れを感じ、歩いている人の中にも揺れを感じる人がいると説明されています。また、眠っている人の大半が目を覚ます程度です。
屋内では食器や照明の揺れに気付きやすい
自宅やオフィスなどの屋内では、震度3になると次のような現象が見られることがあります。
- 棚に置いてある食器同士が触れて音を立てる。
- つり下げ式の照明や電灯が揺れる。
- 窓や建具などがわずかに音を立てる場合がある。
- 机や椅子に座っていると、床や建物の揺れを感じる。
- 就寝中であれば、揺れに気付いて目を覚ますことがある。
特に分かりやすいのが、食器棚の中から聞こえるカチャカチャという音です。気象庁の解説表でも、震度3の屋内の状況として「棚にある食器類が音を立てることがある」と示されています。
ただし、すべての家庭で食器が鳴るわけではありません。食器の置き方、棚の構造、建物の階数などによって、揺れの伝わり方は変わります。
屋外では電線の揺れなどが目安になる
屋外では、気象庁の解説表に電線が少し揺れるという現象が挙げられています。
ただし、屋外にいる人が必ず地震を認識するわけではありません。歩いている最中や車に乗っている場合など、周囲の環境によって揺れに気付きにくいこともあります。
また、屋外では建物の外壁、看板、ブロック塀などの落下・転倒リスクにも注意が必要です。震度3だからといって、周囲の安全を確認せずに行動してよいわけではありません。
マンションの高層階では震度3以上に感じることもある
気象庁によると、震度計は原則として地表や低層建物の1階に設置されています。一方、中高層建物では、上層階ほど地表より揺れが強くなることがあります。
そのため、地上の観測地点で震度3と発表されていても、マンションの上層階にいる人は、それより強い揺れを感じる場合があります。
これは建物の高さや構造によって揺れ方が変わるためです。特に建物がゆっくり大きく揺れる長周期の地震動では、地表の震度だけでは高層階の体感を十分に説明できないことがあります。
【徹底比較】震度2・3・4の違いは?揺れの強さと体感を一覧で確認
震度3の程度を理解するには、前後の震度と比較するのが効果的です。気象庁の震度階級では、数字が1つ上がるごとに体感や周囲の状況にも変化が現れます。
| 比較項目 | 震度2 | 震度3 | 震度4 |
|---|---|---|---|
| 人の体感 | 屋内にいる人の大半が感じる | 屋内にいる人のほとんどが感じる | ほとんどの人が驚く |
| 歩行中の体感 | 揺れに気付かない人もいる | 揺れを感じる人がいる | ほとんどの人が揺れを感じる |
| 睡眠への影響 | 目を覚ます人がいる | 大半が目を覚ます | ほとんどの人が目を覚ます |
| 食器類 | 大きな変化は一般的ではない | 音を立てることがある | 音を立てる |
| 照明 | つり下げ物がわずかに揺れる | 揺れを感じる場合がある | つり下げ物が大きく揺れる |
| 置物 | 大きな変化は一般的ではない | 通常、転倒が特徴的な現象ではない | 座りの悪い置物が倒れることがある |
| 屋外 | 目立った現象は示されていない | 電線が少し揺れる | 電線が大きく揺れる |
出典:気象庁「気象庁震度階級関連解説表」。各階級で記載された現象が必ずすべて発生するという意味ではありません。
震度2と震度3の違いは揺れへの気付きやすさ
震度2では、屋内で静かにしている人の大半が揺れを感じます。つり下げ式の照明がわずかに揺れることもあります。
震度3になると、屋内にいる人のほとんどが揺れを感じるようになります。歩いている人の中にも揺れを認識する人が増え、食器棚から音が聞こえることもあります。
つまり、震度2と3の違いは、単に数字が1つ増えることではなく、周囲の人や物に揺れが認識されやすくなる点にあります。
震度3と震度4の違いは驚きや周囲の物の動き
震度4では、ほとんどの人が驚き、歩いている人のほとんどが揺れを感じます。眠っている人もほとんどが目を覚ますとされています。
屋内では、つり下げ式の照明が大きく揺れ、棚の食器類が音を立てます。座りの悪い置物が倒れる場合もあります。
震度3では揺れを認識するものの、比較的落ち着いて行動できる場合が多いのに対し、震度4では驚いて身の安全を確保しようとする人が増えるのが特徴です。
【被害の目安】震度3で建物や家具はどうなる?食器が割れる危険性も検証
震度3と聞いて気になるのが、住宅やマンションに被害が発生するのかという問題です。
一般的に、震度3は建物の構造部分に大きな損傷が広く発生するような揺れではありません。気象庁の震度階級関連解説表でも、木造住宅の構造的な被害について具体的な記載が始まるのは震度5弱から、鉄筋コンクリート造建物については震度5強からです。
ただし、これは震度3なら絶対に被害が起こらないという意味ではありません。建物の老朽化、家具の固定状況、地盤、揺れの継続時間などによって状況は異なります。
震度3で家具が倒れる可能性はある?
一般的な震度3では、大型家具が次々に転倒するような状況は想定されていません。
しかし、もともと不安定な場所に置かれた小物や、重心が高い置物、積み重ねた荷物などは、揺れによって動いたり落下したりする可能性があります。
また、棚の上に置いたガラス製品や食器などは、揺れによって接触し、破損することも考えられます。
建物の被害は震度だけでは判断できない
気象庁は、同じ震度でも地震動の振幅、周期、継続時間、建物の状態、地盤の状況などによって被害が異なると説明しています。
例えば、築年数が古く耐震性が十分でない住宅と、耐震性能を確保した新しい住宅では、同じ揺れを受けても影響が異なる可能性があります。
加えて、1981年以前の建物は、現在の耐震基準が適用される前の建築物である可能性があるため、耐震診断を検討する際の重要な確認ポイントです。ただし、建築年だけで個々の建物の安全性が確定するわけではありません。
震度3でも注意したい3つのポイント
- 家具の配置:背の高い家具や重い荷物を不安定な場所に置かない。
- ガラス製品:食器棚や棚の上にある割れ物が落下しないようにする。
- 建物の状態:以前からあるひび割れや建具の不具合などを確認し、異常があれば専門家に相談する。
震度3の段階で建物が無事だったとしても、それだけで住宅の耐震性能が十分だと判断することはできません。日頃から建物と室内の安全性を確認することが大切です。
【基礎知識】震度とマグニチュードの違いは?計測震度計の仕組みも解説
地震速報では「震度3」と同時に「マグニチュード4.5」などの数値が発表されることがあります。この2つは似た指標に見えますが、示している内容は異なります。
震度は場所ごとの揺れ、マグニチュードは地震の規模
震度は、ある地点で実際に観測された地震の揺れの強さを表すものです。一方、マグニチュードは地震そのものの規模を示します。
例えば、規模の大きな地震でも、震源から遠い場所では震度が小さくなることがあります。逆に、マグニチュードが比較的小さくても、震源に近い場所では強い揺れが観測される場合があります。
気象庁は、この違いを電球の明るさと周囲の明るさの関係に例えて説明しています。電球そのものの明るさがマグニチュード、ある場所で感じる明るさが震度に相当するという考え方です。
また、マグニチュードが1大きくなると、地震波として放出されるエネルギーは約32倍になります。2大きくなると約1,000倍です。震度の数字が1上がることと、マグニチュードが1上がることは、まったく同じ意味ではありません。
震度3は計測震度2.5以上3.5未満
日本の震度は、気象庁が定める10階級で表されています。震度0から4までのほか、震度5弱・5強、震度6弱・6強、震度7という区分です。
震度3に分類されるのは、計測震度が2.5以上3.5未満の場合です。
これは、計測震度という数値を一定の基準で区分し、整数の震度階級に換算しているためです。震度3という発表は、揺れの強さがちょうど数値3.0だったという意味ではありません。
計測震度計はどのように揺れを測定する?
現在の日本では、計測震度計を使って地震の揺れを自動的に測定しています。気象庁によると、1996年4月以降、計測震度計による自動観測・速報の体制が運用されています。
計測震度計は、地震の加速度を水平2方向と上下1方向の合計3成分で記録します。その後、地震波の周期による影響を補正するフィルター処理などを行い、3成分を合成して計測震度を算出します。
具体的には、補正後の波形について、一定以上の大きさとなる時間の合計が0.3秒となる加速度を求め、気象庁の計算式に当てはめて計測震度を算出します。
つまり、単純に揺れの最大加速度だけで震度を決めているわけではありません。地震波の周期特性なども考慮したデジタル処理によって、震度が決定されています。
観測地点には、気象庁のほか、地方公共団体や防災科学技術研究所が設置した震度計も含まれます。
【2026年最新】震度3の地震情報はどう見る?気象庁の発表内容を整理
地震が発生した際、テレビやスマートフォンには震度速報や震源・震度情報などが表示されます。それぞれの情報には役割があり、発表されるタイミングや内容も異なります。
震度3以上で発表される震度速報
気象庁は、震度3以上を観測した場合、地震発生から約1分半後を目安に「震度速報」を発表します。
この速報では、全国を188地域に区分した地域名と、その地域で観測された揺れの検知時刻などが伝えられます。
ただし、最初の速報は地域単位の情報です。自宅のある市町村や個別の観測地点で何震度だったのかを、より詳しく確認するには、その後に発表される情報を見る必要があります。
震源・震度情報で確認したい項目
その後、気象庁は新しい観測データに応じて「震源・震度情報」を発表します。ここでは、地震の発生場所やマグニチュード、震度1以上を観測した地点などを確認できます。
特に確認したいのは次の項目です。
- 発生時刻:地震がいつ発生したのか。
- 震源地:地震が発生した場所。
- マグニチュード:地震そのものの規模。
- 最大震度:各観測地点で確認された最大の震度。
- 市町村別の震度:自分の住む地域や周辺地域で観測された揺れ。
- 津波情報:沿岸地域では津波警報・注意報などの有無。
なお、震度3以上の地震が発生したからといって、必ず津波が発生するわけではありません。津波の危険性は、震度だけではなく震源の位置や深さ、地震の規模、海底の変動などによって判断されます。
自分の体感と発表された震度が違う理由
「ニュースでは震度3なのに、自宅ではかなり強く感じた」というケースもあります。
その理由の一つが、震度計の設置場所と実際に人が生活している場所の違いです。地盤の状態や地形によって揺れ方は変化します。同じ市町村内でも、観測地点によって震度が異なることがあります。
また、震度計は原則として地表や低層建物の1階に設置されるため、マンションの上層階で感じた揺れと一致しないこともあります。
自分が感じた揺れと発表値に差があっても、必ずしも観測ミスというわけではありません。
2026年の震度観測・防災情報で押さえたいこと
2026年11月現在、日本の震度観測は計測震度計による自動観測を基本としています。震度階級も0から7までの10階級という仕組みが使われています。
一方、防災対策では新しい政府の動きもあります。2026年11月2日、防災庁は「事前防災徹底のための緊急要請」を発出しました。
同要請では、住宅の耐震診断・耐震化、家具の固定、水・食料・携帯トイレの備蓄、ハザードマップや避難経路の確認などを国民に呼びかけています。
また、令和8年版防災白書でも、最低3日分、可能な限り1週間分程度の生活必需品の備蓄や、住宅の耐震化、家具の固定といった平時の備えが取り上げられています。
震度3という比較的小さな揺れをきっかけに、普段の防災対策を見直しておくことにも意味があります。
【防災対策】震度3の地震が発生したらどうする?身を守る方法と事前準備
震度3は比較的落ち着いて行動できる場合が多い揺れですが、地震が発生した瞬間は震度の大きさを正確に判断できません。最初から揺れを軽視せず、自分の身を守る行動を優先してください。
屋内にいるときの行動
自宅やオフィスにいる場合は、丈夫な机の下などに入り、頭を守ることが基本です。
- 頭を保護し、丈夫な机やテーブルの下などで安全を確保する。
- 倒れる可能性のある家具や窓ガラスから離れる。
- 揺れている最中に慌てて屋外へ飛び出さない。
- 揺れが収まったら、周囲の安全を確認する。
- 可能であればドアを開け、避難経路を確保する。
火を使用している場合も、無理に火元へ近づく必要はありません。安全を確保したうえで、可能な場合に火の始末を行います。
屋外にいるときの行動
屋外では、建物の外壁や窓ガラス、看板、ブロック塀などから離れることが大切です。
周囲に落下物や倒壊の危険がない場所を確認し、頭を守りながら安全な場所へ移動します。揺れている最中に無理に建物の中へ戻ることも避けてください。
エレベーターや公共施設にいるとき
エレベーターに乗っている場合は、行き先階のボタンを押すなどして最寄りの階で停止させ、速やかに降ります。閉じ込められた場合は、非常ボタンなどで外部に連絡してください。
商業施設や駅などにいる場合は、係員の指示に従い、出口や階段に人が殺到しないよう落ち着いて行動します。
震度3をきっかけに見直したい家庭の防災準備
防災庁が2026年11月2日に発出した事前防災徹底のための緊急要請では、家具の固定や住宅の耐震診断、備蓄の充実などが呼びかけられています。
家庭で確認したい具体的な対策は次のとおりです。
- 家具の固定:食器棚、本棚、冷蔵庫などを転倒しにくいよう固定する。
- 寝室の安全確保:寝ている場所の近くに大型家具を置かない。
- 水の備蓄:飲料水は1人1日3リットルを目安に用意する。
- 食料の備蓄:最低3日分、できれば1週間分を確保する。
- 携帯トイレ:断水や下水道の使用制限に備えて準備する。
- 非常持ち出し品:懐中電灯、携帯ラジオ、予備電池、常備薬などを用意する。
- 避難経路:自宅や職場周辺の避難場所と経路を確認する。
- 安否確認:家族間の連絡方法や集合場所を決めておく。
特に家具の固定は、震度3への備えというより、将来発生する可能性のある大地震への備えです。普段から家具の配置を見直しておけば、揺れの大きさにかかわらず、室内での負傷リスクを減らせます。
また、津波の危険がある地域では、揺れの震度だけで避難するかどうかを判断してはいけません。海岸付近で強い揺れや長い揺れを感じた場合は、津波警報を待たずに高台など安全な場所へ避難することが基本です。
【よくある質問】地震の震度3に関する疑問を解決
Q1:震度3は大きな地震ですか?怖いと感じるほど揺れますか?
A1:震度3は、屋内にいる人のほとんどが揺れを感じる程度です。食器類が音を立てることもあり、地震に気付いて驚く人もいます。ただし、震度4以上と比べると、一般的には比較的落ち着いて行動できる揺れです。
Q2:震度3で家が壊れたり、家具が倒れたりしますか?
A2:一般的には、震度3で建物の構造に大きな被害が広く発生することは想定されていません。ただし、老朽化した建物や不安定な家具、固定されていない置物などには注意が必要です。建物や家具の状態によって影響は変わります。
Q3:震度3とマグニチュード3は同じ意味ですか?
A3:違います。震度は特定の場所で観測される揺れの強さ、マグニチュードは地震そのものの規模です。マグニチュード3の地震が必ず震度3になるわけではありません。
Q4:震度3はマンションの上層階でも同じように感じますか?
A4:必ずしも同じではありません。気象庁の震度計は原則として地表や低層建物の1階に設置されており、中高層建物では上層階ほど揺れが強くなることがあります。
Q5:震度3の地震が発生したら避難する必要がありますか?
A5:震度3という数字だけで一律に避難する必要があるとは限りません。ただし、建物に異常がある場合、火災や津波の危険がある場合、自治体から避難情報が出ている場合は、その状況に応じて安全な場所へ移動してください。
まとめ:震度3は多くの人が揺れを感じる強さ、日頃の備えが重要
地震の震度3は、屋内にいる人のほとんどが揺れを感じ、眠っている人の大半が目を覚ます程度の揺れです。棚の食器が音を立てたり、屋外では電線が少し揺れたりすることがあります。
震度2と比較すると揺れに気付きやすく、震度4になると多くの人が驚き、照明や食器類の揺れも目立つようになります。
また、震度は場所ごとの揺れの強さを表すものであり、地震そのものの規模を示すマグニチュードとは異なります。計測震度計による観測値をもとに決定されるため、同じ市町村でも地盤や建物の階数によって体感に差が生じます。
【プロの結論】震度3を判断する際に最も大切なのは、数字だけで安全性を決めないことです。震度3は一般的に建物の構造的被害が広く発生する段階ではありませんが、家具の転倒や物の落下など、身近な危険は残っています。
2026年11月の防災庁による事前防災の呼びかけでも、住宅の耐震診断、家具の固定、備蓄、避難経路の確認が重視されています。地震が起きてから慌てるのではなく、日頃から安全な室内環境を整え、正確な地震情報を確認できる状態にしておくことが大切です。
震度3という発表を、防災対策を見直す一つの機会として捉え、次の地震に備えておきましょう。