2026年6月22日、野球日本代表「侍ジャパン」は、WCBCに出場する大学日本代表28人を正式発表した。
選手は投手11人、捕手4人、内野手8人、外野手5人の構成。全国の大学リーグで実績を残した選手に加え、将来のプロ野球を担う若手選手も選出された。
2026年大学日本代表・投手11人
| 背番号 | 選手名 | 所属大学 |
|---|---|---|
| 11 | 鈴木泰成 | 青山学院大学 |
| 12 | 馬場拓海 | 日本体育大学 |
| 15 | 宮原廉 | 近畿大学 |
| 16 | 角田楓斗 | 富士大学 |
| 17 | 星野世那 | 大阪商業大学 |
| 18 | 渡辺和大 | 慶應義塾大学 |
| 19 | 猪俣駿太 | 東北福祉大学 |
| 21 | 米沢友翔 | 関西大学 |
| 14 | 藤本士生 | 國學院大学 |
| 20 | 大城海翔 | 仙台大学 |
| 28 | 古堅鈴之輔 | 富士大学 |
特に注目されたのが、青山学院大の鈴木泰成と近畿大の宮原廉だ。
鈴木は2025年の日米大学野球選手権でも日本の全勝優勝に貢献した実力派。宮原も大学野球で高い評価を受けた右腕で、投手陣の中心的存在として期待された。
捕手4人
- 渡部海(青山学院大学)
- 前嶋藍(亜細亜大学)
- 西野啓也(立命館大学)
- 井上和輝(法政大学)
主将を務める渡部海は、捕手としてだけでなく、攻撃面でもチームを支える存在。正捕手、4番打者としても起用され、投手陣との連携を担った。
内野手8人
- 赤堀颯(國學院大学)
- 岡田啓吾(明治大学)
- 山里宝(亜細亜大学)
- 今津慶介(慶應義塾大学)
- 中山優月(大阪商業大学)
- 小林隼翔(立教大学)
- 林純司(慶應義塾大学)
- 鈴木湧陽(中京大学)
守備力と打撃力のバランスが重視された内野陣だ。特に岡田は韓国戦で三塁打を記録。山里も韓国戦で2本の二塁打を放ち、台湾戦や決勝でも重要な役割を果たした。
外野手5人
- 榊原七斗(明治大学)
- 春山陽登(大阪商業大学)
- 黒田義信(東日本国際大学)
- 眞邉麗生(駒澤大学)
- 境亮陽(法政大学)
外野陣の中心となったのは榊原七斗。大会を通じて安定した打撃を見せ、最終的に大会MVPを受賞した。
なお、眞邉は駒澤大学、境は法政大学に所属する選手である。選手名だけでなく所属大学も確認しておくと、大学野球ファンにとっては各リーグの勢力図を知る手掛かりになる。
【選考合宿を解説】鈴木英之監督が重視した投手力とチーム編成

2026年の大学代表選考は、6月20日から22日までの3日間、神奈川県平塚市のバッティングパレス相石スタジアムひらつかで行われた。
参加したのは、全国の大学から選ばれた代表候補50人。28人の最終メンバーに入るため、投手も野手も実戦形式の練習を通じてアピールした。
50人から28人へ絞り込んだ選考合宿
選考合宿では、投手・野手それぞれの能力に加えて、代表チームとしての適応力も問われた。
6月21日には午前に6イニング、午後に8イニングの紅白戦を実施する予定が組まれ、最終日にも6イニング制の紅白戦を開催。さらに野手陣を対象にした50メートル走の測定も行われた。
その結果、鈴木湧陽(中京大)が5秒78を記録して全体トップに立った。岡田啓吾(明治大)も5秒83で2位に入っている。
鈴木湧陽のスピードは、守備範囲や走塁面での期待につながる材料となった。
6月22日の選考会議を経て、最終的に28人が決定した。
鈴木英之監督が投手陣を厚くした理由
今回のチームを率いたのは、関西国際大学野球部監督の鈴木英之氏だ。
鈴木監督は過去に大学代表のコーチを3度務めた経験を持つ。国際大会の環境や大学野球選手の特徴を理解した指導者として、今回初めて監督としてチームを指揮した。
選考合宿では、投手力の高さに手応えを示していた。
左腕の好投手がこれだけ豊富に集まる年は珍しい。野手陣には守備力と、海外の投手に力負けしないバッティングを求めたい。 鈴木英之監督の選考合宿でのコメントを要約
鈴木監督が特に警戒していたのは、台湾の高温多湿な環境と連戦による投手の疲労だった。
そのため、28人のうち11人を投手に配分。特定の投手に負担が集中しないよう、継投を前提としたチーム構成を採用した。
この方針は、結果的に大会で大きな意味を持つことになる。決勝では複数の投手が登板し、アメリカの強力打線を延長11回まで3失点に抑えた。
大会直前の強化合宿も実施
代表決定後、チームは7月2日から7日まで同じ平塚市の球場で大会直前合宿を実施した。
7月9日には台中台壽霸龍とのエキシビションゲームに臨み、9-2で勝利。大会本番に向けて実戦感覚を整えた。
選考合宿で候補を絞り込み、国内合宿でチームを完成させ、現地で実戦に入る。この段階的な準備が初代王者への土台になった。
【WCBC全試合日程・試合結果】韓国10-0、米国との再戦を制して優勝
2026年7月11日から15日まで開催されたWCBCは、台湾・台中市の台中インターコンチネンタル野球場を舞台に行われた。
参加したのは日本、アメリカ、チャイニーズ・タイペイ、韓国の4チーム。日本、アメリカ、チャイニーズ・タイペイが主体となって新設した大学野球の国際大会で、世界野球ソフトボール連盟(WBSC)の公認を受けている。
侍ジャパン大学代表の全試合結果
2026年大会における日本の公式戦は、予選ラウンド3試合と決勝1試合の計4試合だった。
- 7月11日(土)19:30: チャイニーズ・タイペイ戦は台風の影響で延期
- 7月12日(日)13:30: 日本 10-0 韓国
- 7月13日(月)13:30: 日本 2-3 アメリカ
- 7月14日(火)19:30: チャイニーズ・タイペイ 1-12 日本
- 7月15日(水)19:30: 決勝・アメリカ 3-6 日本
※時刻はすべて日本時間。台湾との時差は1時間。
当初予定されていた7月11日の台湾戦は延期され、日程と大会方式も変更された。準決勝は行われず、予選ラウンドの上位2チームが決勝で対戦する形になった。
予選順位は次のとおり。
- 1位:アメリカ(3勝0敗)
- 2位:日本(2勝1敗)
- 3位:韓国(1勝2敗)
- 4位:チャイニーズ・タイペイ(0勝3敗)
日本はアメリカに予選で敗れたものの、台湾戦で大勝して決勝進出を決めた。
韓国戦は10-0の7回コールド勝ち
7月12日の初戦は韓国との対戦だった。
日本は序盤から得点を重ね、初回に3点を先制。2回にも追加点を挙げると、5回、6回にも得点を加えた。
最終的には10-0の7回コールド勝ち。投手陣も韓国打線を無失点に抑え、理想的なスタートを切った。
打撃面では岡田啓吾と榊原七斗が三塁打を記録。榊原は二塁打も放ち、長打力を発揮した。山里宝も二塁打2本をマークしている。
アメリカ戦は2-3で惜敗
7月13日のアメリカ戦は、予選ラウンドで最も苦しい試合となった。
アメリカが序盤に得点し、日本は追いかける展開に。4回と6回に1点ずつ返したものの、あと一歩及ばず2-3で敗れた。
この敗戦によって、日本は予選を2位で通過することになった。
ただし、決勝で再びアメリカと対戦することが決まり、選手たちにとってはリベンジの機会となった。
台湾戦は12-1で圧勝
7月14日のチャイニーズ・タイペイ戦では、日本打線が本領を発揮した。
初回に2点、2回に1点を挙げると、4回には4得点。6回と7回にも追加点を奪い、最終スコアは12-1となった。
本塁打を放ったのは赤堀颯、黒田義信、西野啓也の3人。
投手陣も相手打線を1点に抑え、決勝に向けて勢いをつけた。
【決勝6-3の真相】延長11回でアメリカを破った優勝劇
2026年7月15日、侍ジャパン大学代表は予選で敗れたアメリカとの決勝に臨んだ。
試合は台中インターコンチネンタル野球場で19時30分に開始。両チームの投手が好投し、終盤まで緊張感の続く展開となった。
3回に先制を許し、6回まで無得点
先発は青山学院大の鈴木泰成。
日本は3回にアメリカのギャビン・ケリーに2点適時打を浴び、0-2とリードを許した。
アメリカの先発トマス・ヴァリンキウス、続いて登板したエイデン・キングの好投もあり、日本打線は6回まで渡部海の1安打に抑えられた。
苦しい展開だったが、鈴木は仲間の反撃を信じて投球を続けた。
帰国後の優勝会見で鈴木は、6回3安打2失点の投球を振り返り、仲間が逆転してくれると信じて粘ったことを明かしている。
7回に井上和輝と中山優月が同点劇を演出
試合が動いたのは7回だった。
アメリカの守備の乱れから日本がチャンスを作り、山里宝の打球の間にまず1点を返した。
続いて代打の井上和輝が右中間への二塁打を放ち、同点の走者が得点圏に進む。
ここで鈴木英之監督が送り出したのが、中山優月だった。
中山は相手投手の初球、156キロのストレートをセンター前に弾き返す。井上がホームに生還し、スコアは2-2となった。
この場面は、2026年の侍ジャパン大学代表を象徴する攻撃だった。
レギュラー選手だけでなく、途中出場の選手も役割を理解し、準備した結果を一振りで示したのである。
10回に勝ち越すも、アメリカが再び同点に
延長10回からはタイブレーク方式が採用された。
日本は岡田啓吾が送りバントを決め、赤堀颯の内野ゴロの間に代走の鈴木湧陽が生還。ついに3-2と勝ち越した。
しかし、その裏にアメリカも反撃。デリック・ピッツの適時打で3-3に追いついた。
日本は勝利まであと一歩というところで、再び厳しい状況に追い込まれた。
11回に3得点、西野啓也がダメ押し打
勝負が決まったのは延長11回だった。
日本は相手の守備の乱れを突いて2人の走者をホームに返し、さらに2死から代打の西野啓也が左前適時打を放った。
この回に3点を追加し、6-3とリードを広げた。
最後はアメリカの反撃を抑え、日本が勝利。大会の初代王者に輝いた。
決勝では日本から21人が出場する総力戦となった。最終的な安打数は両チームとも5本。少ないチャンスを得点に結び付けた日本の集中力が光った試合だった。
【主要人物と注目選手】渡部海主将・榊原七斗MVP・鈴木泰成の実績
2026年の優勝チームを理解するうえで重要なのが、指導者と選手の役割分担だ。
以下に主要人物と大会での実績を整理した。
MVP榊原七斗は打率.563、5打点
大会で最も大きな個人賞を獲得したのが、明治大学の榊原七斗だ。
榊原は大会を通じて打率.563、5打点を記録し、最高殊勲選手賞に選ばれた。
興味深いのは、本人が大会前の状態について、決して順調ではなかったと振り返っていることだ。
リーグ戦や選考合宿では調子が上がらなかったものの、鈴木監督から準備の仕方や打席での間の取り方について助言を受け、国内合宿のENEOS戦から調子を上げたという。
榊原の活躍は、単純な身体能力だけではなく、調整力や試合への対応力が国際大会で重要になることを示している。
渡部海主将が支えたチームワーク
青山学院大学の渡部海は、主将、正捕手、4番打者という複数の役割を担った。
昨年の2025年日米大学野球選手権でも代表メンバーとして全5試合に出場し、日本の全勝優勝に貢献していた。
2026年はその経験を生かし、投手陣と野手陣をつなぐ存在になった。
優勝会見では、監督やコーチが選手のプレーしやすい環境を整えたことで、のびのびとプレーできるチームになったと振り返っている。
渡部の役割は、単に試合に出る捕手ではなく、異なる大学から集まった選手たちを一つのチームにまとめることにもあった。
【侍ジャパン大学代表の歴代メンバー】2025年からの継続と2026年ドラフト
侍ジャパン大学代表は、毎年同じ選手が集まる固定チームではない。
大会ごとに代表が編成され、大学野球で実績を積んだ選手が選ばれる仕組みだ。
2025年代表から2026年代表への継続
2025年は第45回日米大学野球選手権大会に出場し、日本はアメリカとの5試合を全勝で制した。
2026年のWCBC代表にも、前年度から継続して選出された選手がいる。
代表経験を引き継いだ主な選手は次の4人だ。
- 鈴木泰成(青山学院大学)
- 渡部海(青山学院大学)
- 前嶋藍(亜細亜大学)
- 榊原七斗(明治大学)
特に渡部と鈴木は、青山学院大のバッテリーとして2025年から代表での経験を重ねてきた。
榊原も2025年は明治大学の選手として代表入りし、翌年にはWCBCのMVPに成長した。
侍ジャパン大学代表の歴史をたどると、日米大学野球選手権大会だけでなく、ハーレムベースボールウィーク、プラハベースボールウィーク、FISU世界大学野球選手権大会など、さまざまな国際大会で選手が選ばれてきたことが分かる。
つまり、2026年のWCBC代表28人は歴代代表の一つの世代であり、過去の大会の選手名簿とは区別して見る必要がある。
2026年ドラフトでは代表選手17人が指名
2026年10月22日にはプロ野球ドラフト会議が開催された。
ここでも大学代表選手の実力が注目された。
高校野球ドットコムなどの報道によると、2026年の大学日本代表28人のうち、4年生18人全員がプロ志望届を提出。そのうち17人がドラフトで指名された。
指名された選手は次のとおり。
| 球団 | 指名順位 | 大学代表選手 |
|---|---|---|
| 阪神 | 1位・2位 | 榊原七斗、馬場拓海 |
| DeNA | 1位 | 星野世那 |
| 中日 | 1位・3位 | 宮原廉、前嶋藍 |
| 広島 | 1位・2位 | 山里宝、西野啓也 |
| ソフトバンク | 1位・3位・5位 | 鈴木泰成、渡辺和大、猪俣駿太 |
| 日本ハム | 育成5位 | 今津慶介 |
| オリックス | 1位・3位 | 角田楓斗、春山陽登 |
| 楽天 | 1位・2位 | 渡部海、岡田啓吾 |
| ロッテ | 1位・4位 | 米沢友翔、黒田義信 |
特に注目されたのは、大学代表の主力が各球団の上位指名を受けたことだ。
榊原七斗は阪神の1位、星野世那はDeNAの1位、宮原廉は中日の1位、山里宝は広島の1位に指名された。
さらに鈴木泰成はソフトバンクの1位、角田楓斗はオリックスの1位、渡部海は楽天の1位、米沢友翔はロッテの1位となった。
大学代表の4年生18人中17人が指名されたという結果は、WCBCの優勝だけでなく、2026年世代の選手層の厚さを示すものでもある。
ただし、代表選出やドラフト指名はプロでの活躍を保証するものではない。大学時代の実績をプロの環境でどう生かすかが、次の評価につながっていく。
【侍ジャパン大学代表に関するよくある質問(FAQ)】
Q1:2026年の侍ジャパン大学代表メンバーは何人ですか?
A1:28人です。投手11人、捕手4人、内野手8人、外野手5人で構成され、6月22日に正式発表されました。監督は鈴木英之氏、主将は青山学院大学の渡部海です。
Q2:2026年のWCBCで日本は何勝何敗でしたか?
A2:予選ラウンドは2勝1敗で2位通過し、決勝でアメリカを6-3で破りました。韓国に10-0、チャイニーズ・タイペイに12-1で勝利し、アメリカには予選で2-3と敗れたものの、決勝で雪辱しました。
Q3:2026年の侍ジャパン大学代表でMVPを獲得した選手は誰ですか?
A3:明治大学の外野手、榊原七斗です。打率.563、5打点を記録し、WCBC初代大会の最高殊勲選手賞を受賞しました。
まとめ:侍ジャパン大学代表2026年は優勝と17人のドラフト指名で歴史を刻んだ
2026年の侍ジャパン大学代表は、鈴木英之監督のもと、28人の選手が一体となってWCBC初代王者を勝ち取った。
その道のりは決して平坦ではなかった。
台風による日程変更、韓国戦の大勝、予選でのアメリカへの敗戦、そして決勝での延長11回の激闘。さまざまな状況に対応しながら、選手たちは最後まで勝利を目指した。
大会を振り返るうえで、特に押さえておきたい要点は3つある。
1. チーム編成の成功: 鈴木監督が重視した投手力と、11人の投手による厚い継投陣が優勝を支えた。
2. 選手層の厚さ: 榊原七斗のMVPだけでなく、井上和輝、中山優月、西野啓也ら途中出場の選手も決勝で結果を残した。
3. プロへの道: 4年生18人中17人がドラフト指名を受け、大学代表での経験を次のステージにつなげた。
【プロの結論】
2026年の優勝を評価する際、決勝の6-3というスコアだけを見るのでは十分ではない。
本当に注目すべきなのは、予選で敗れたアメリカを決勝でどう攻略したかという点だ。
日本は序盤にリードを許しながらも、代打を含めた選手起用、複数投手による継投、守備位置の変更などを通じて試合を立て直した。
特定のスター選手だけに依存せず、28人それぞれの役割を生かしたことが優勝の大きな要因だった。
大学野球の国際大会を見る際には、打率や球速といった個人成績だけでなく、投手層の厚さ、控え選手の対応力、短期決戦での采配にも注目したい。
WCBC初代王者という実績を残した2026年世代は、今後の日本野球を担う選手たちの成長を考えるうえでも、重要な世代として記憶されることになる。
主な情報源:野球日本代表「侍ジャパン」公式サイト、全日本大学野球連盟、USA Baseball、日本野球機構(NPB)、高校野球ドットコム。大会結果・選手名簿は公式発表を中心に整理。2026年11月5日時点。