2026年10月18日に実施された横浜市長選挙は、前市長の辞職を受けて行われた選挙です。
立候補者は7人。原澤氏は無所属新人として出馬し、他候補を大きく引き離して当選しました。
2026年10月18日の選挙結果
横浜市選挙管理委員会が公表した確定結果は次のとおりです。
| 順位 | 候補者 | 得票数 |
|---|---|---|
| 1位・当選 | 原沢敦美 | 552,207票 |
| 2位 | 福山敦士 | 230,418票 |
| 3位 | 山中竹春 | 199,746票 |
| 4位 | 中谷一馬 | 179,739票 |
| 5位 | 藤川祥子 | 97,819票 |
| 6位 | 浅賀由香 | 89,052票 |
| 7位 | 山本理顕 | 49,377票 |
出典:横浜市選挙管理委員会「令和8年10月18日執行 横浜市長選挙結果表」
注目したい数字は以下の3点です。
- 原澤氏の得票数:552,207票
- 有効投票に占める得票率:39.49%
- 投票率:45.56%
2位の福山氏との差は321,789票でした。
投票率は前回の41.64%から3.92ポイント上昇しています。前回より多くの有権者が投票に参加した選挙でもありました。
原澤氏が掲げた主な政策
原澤氏の公式政策は、大きく「くらしをまもる」「まちをそだてる」「みらいをひらく」という方向性で整理されています。
特に注目されるのは次の政策です。
1. 防災・減災対策
- 老朽化した下水道などのインフラ整備
- 豪雨や浸水、土砂災害への対策
- 避難所の環境改善
- コミュニティFMなどを活用した情報伝達
市長就任会見でも、防災を早い段階で進めたい政策として挙げています。
2. 子育て・福祉の充実
- 子育て世帯への支援
- 高齢者や障害のある人への福祉
- 医療提供体制の確保
- 中学校全員給食の安全性・品質の検証
3. 横浜市の財政基盤強化
- 企業誘致と雇用創出
- 収入と支出のバランスを考慮した財政運営
- 市の事業をPDCAサイクルで検証
- 将来世代への財政負担の先送りを抑制
4. GREEN×EXPO 2027の活用
2027年に横浜で開催される国際園芸博覧会「GREEN×EXPO 2027」を、都市の魅力や産業を国内外に発信する機会として位置付けています。
開催期間中だけでなく、終了後も企業や観光客を呼び込むことを目指しています。
市長就任会見で語った市政運営の考え方
2026年10月20日の就任会見では、航空整備士時代の経験と弁護士としての経験を市政に生かしたいという考えを示しました。
特に重要なのが、職員の働く環境に関する発言です。
一日も早く市職員の方が安心して働ける環境を作り、市政を前に進めてまいりたいと思います。
また、ハラスメント条例を制定する意向も表明しました。
ただし、条例を作るだけで問題が解決するわけではないとして、職員がお互いを尊重し、安心して働ける職場環境づくりを重視しています。
原澤氏の評判は?評価する際に注目したいポイント
原澤氏への評価を考える場合、経歴の華やかさと市長としての実績は分けて見る必要があります。
現時点で確認できる強みは次のとおりです。
- 理工系の専門教育と航空整備の実務経験
- 弁護士としての法律知識
- 企業の社外取締役・監査役としての経営経験
- 予備自衛官としての活動
- 横浜で長く生活してきた地域とのつながり
一方、課題もあります。
原澤氏は市長選以前に市長や議員を務めた経歴がなく、自治体行政のトップとしての実績はこれから積み上げる段階です。
選挙で552,207票を獲得したことは大きな支持を示しますが、有効投票全体に占める割合は39.49%です。選挙結果だけで市民全体の評価が確定したと考えることはできません。
今後は、政策の実現度、行政サービスの改善、職員との関係、財政運営などを継続的に確認する必要があります。
【山中竹春前市長】経歴と辞職の経緯を時系列で解説

原澤氏への市長交代を理解するには、前市長の
山中竹春氏の経歴
山中氏は埼玉県秩父市出身で、横浜市立大学医学部教授などを務めた研究者出身の政治家です。
2021年の横浜市長選挙では、カジノを含む統合型リゾート施設(IR)の誘致反対を訴えて初当選しました。
2025年8月3日の市長選でも663,876票を獲得し、再選を果たしています。
しかし、2026年には市職員への不適切な言動をめぐる問題が表面化しました。
2026年のパワハラ問題と辞職までの流れ
問題の発端は、2026年1月に当時の市人事部長が山中市長の言動について告発したことでした。
市は外部弁護士による第三者調査を進め、7月30日に調査報告書を公表しました。
報道によると、職員への怒鳴り声や侮辱的な発言、書類を投げ付ける行為など、複数の言動がパワーハラスメントに該当すると認定されました。
その後の経緯は次のとおりです。
- 2026年1月: 当時の市人事部長が不適切な言動を告発
- 2026年3月: 第三者調査が開始
- 2026年7月30日: 調査報告書が公表され、複数のパワハラを認定
- 2026年8月28日: 山中氏が辞職を正式表明
- 2026年9月7日: 横浜市会が辞職の申し出に同意
- 2026年10月18日: 後任を決める市長選挙を実施
当初、山中氏は続投に意欲を示していましたが、市会の主要会派から辞職を求められたことなどを受け、最終的に辞職しました。
原澤市長に引き継がれた最大の課題
今回の市長交代は、単なる任期途中のトップ交代ではありません。
市役所組織への信頼回復という大きな課題を伴っています。
原澤氏は就任会見で、職員が安心して働ける環境づくりを優先事項として説明しました。
また、ハラスメント条例の制定に加え、職員から意見を聞きやすい「開かれた市長室」を作る考えも示しています。
弁護士として企業のガバナンスに携わってきた経験が、この課題にどのように生かされるかが注目されます。
【横浜市長の歴代一覧】中田宏・林文子・山中竹春から原澤敦美へ
横浜市長の歴史を理解する際には、近年の市政運営を担ってきた人物を比較すると分かりやすくなります。
| 市長 | 主な在職期間 | 経歴・特徴 |
|---|---|---|
| 2002~2009年 | 政治家出身 | |
| 2009~2021年 | 民間企業の経営者出身 | |
| 2021~2026年 | 大学教授・研究者出身 | |
| 原澤敦美 | 2026年~ | 航空整備士・弁護士・企業役員出身 |
歴代市長の在職期間は横浜市の市政記録と選挙記録をもとに整理。
歴代市長と原澤氏の違い
歴代市長を見ると、横浜市の行政トップにはさまざまな経歴の人物が就いてきました。
中田宏氏は政治家、林文子氏は企業経営者、山中竹春氏は大学教授・研究者という背景を持っています。
原澤氏は航空整備士と弁護士を経験した専門職出身です。
この違いは、市政運営の優先順位や組織管理の方法にも影響する可能性があります。
特に原澤氏の場合、企業法務やガバナンスの経験を持っていることから、行政組織の透明性やリスク管理をどう改善するかが注目点になります。
ただし、民間企業と地方自治体では、意思決定の仕組みも責任の範囲も異なります。企業での実績が、そのまま行政での成果につながるとは限りません。
【2026年11月最新情報】原澤市長の現在と今後の注目点
2026年11月5日には、原澤市長が横浜市会の一般質問に答弁している途中で体調不良となり、議会が中断されました。
報道によると、医師から脱水症状と疲労の診断を受け、市は11月6日まで療養すると発表しました。
予定されていた11月6日の定例記者会見も中止となっています。残りの一般質問は後日実施される予定です。
就任から間もない時期の出来事であり、今後の公務復帰や市政運営の進展も確認すべき点です。
今後の市政で注目すべき5つのポイント
1. 職員との信頼関係: ハラスメント防止条例や職場環境の改善が実際に進むか。
2. 防災対策: 老朽化したインフラや避難所の改善が進むか。
3. 財政運営: 福祉と財政健全化を両立できるか。
4. 子育て支援: 中学校全員給食など既存施策の質を高められるか。
5. GREEN×EXPO 2027: 国際園芸博覧会を横浜の経済発展につなげられるか。
原澤氏の評価は、これらの政策を実行し、具体的な成果を示せるかどうかで変わっていくはずです。
【横浜市長の経歴】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:2026年現在の横浜市長は誰ですか?
A1:2026年10月19日に就任した原澤敦美氏です。横浜市の第35代市長で、2026年10月18日の市長選挙で552,207票を獲得して初当選しました。
Q2:原澤敦美氏の出身大学はどこですか?
A2:慶應義塾大学理工学部応用化学科と同大学大学院理工学研究科を修了し、その後、早稲田大学法科大学院で法律を学んでいます。
Q3:原澤敦美氏はJALで何をしていたのですか?
A3:1992年から2004年まで日本航空の整備部門で勤務していました。一等航空整備士の資格も保有しています。
Q4:原澤敦美氏が弁護士になったのは何年ですか?
A4:2009年です。早稲田大学法科大学院で学び、横浜で司法修習を受けた後に弁護士登録しています。
Q5:原澤敦美氏は予備自衛官なのですか?
A5:はい。本人の公式プロフィールでは、2018年から予備自衛官(予備三等陸佐)として活動していると紹介されています。
Q6:山中竹春前市長はなぜ辞職したのですか?
A6:職員への言動について第三者調査で複数のパワーハラスメントが認定され、2026年8月28日に辞職を表明しました。同年9月7日に横浜市会が辞職の申し出に同意しています。
Q7:原澤敦美氏の評判や政策はどう評価されていますか?
A7:航空整備士、弁護士、企業役員という専門的な職歴が特徴です。政策では防災、福祉、子育て、財政基盤強化などを掲げています。ただし、市長としての行政実績はまだこれから評価される段階です。
まとめ:原澤敦美氏の経歴は横浜市政を変える強みになるのか
2026年10月に横浜市長へ就任した原澤敦美氏は、従来の政治家とは異なる専門職中心のキャリアを歩んできた人物です。
慶應義塾大学理工学部・大学院での学び、日本航空での約12年間の航空整備経験、早稲田大学法科大学院への進学、2009年の弁護士登録という経歴は、その専門性をよく表しています。
加えて、企業の社外取締役・監査役や予備自衛官としての活動もあり、企業経営や危機管理に関する経験を持っています。
一方、横浜市長としては、山中竹春前市長の辞職に伴う市政への信頼回復という難しい課題を引き継ぎました。
今後の評価を左右するのは、これまでの肩書や学歴以上に、市民生活の改善と市役所組織の再建をどこまで実現できるかです。
GREEN×EXPO 2027、防災、子育て、財政健全化など、横浜市が抱える課題は多岐にわたります。
航空整備士として培ったチームワーク、弁護士として身につけたリスク管理、企業役員としての経営経験が、約375万人の市民を抱える横浜市の行政運営にどう生かされるのか。原澤市政の今後に注目が集まります。