2026年11月現在、「札幌ドームざまぁ」という検索ワードが注目される背景には、北海道日本ハムファイターズの本拠地移転後に発生した巨額赤字と、その後の経営再建をめぐる大きな変化があります。かつてプロ野球や大型コンサートで北海道を代表する施設だった札幌ドームは、ファイターズが2023年に北広島市のエスコンフィールド北海道へ移転したことで、収益構造の抜本的な見直しを迫られました。
しかし、2026年6月に発表された2025年度決算では、売上高22億800万円、営業利益2億1,100万円を記録。ファイターズ移転後初めて本業の営業利益が黒字に転じました。嵐のコンサートや物販収入、ネーミングライツ、MICE誘致などが業績回復を後押ししています。果たして札幌ドームは本当に経営危機を脱したのでしょうか。赤字の真相から2026年の最新動向まで、数字と経営戦略をもとに解説します。
【札幌ドームざまぁと言われる理由】日本ハム移転後に何が起きたのか

「札幌ドームざまぁ」という言葉が生まれた最大の背景は、北海道日本ハムファイターズの移転によって、施設の収益を支えていたビジネスモデルが大きく崩れたことです。
札幌ドームは2001年6月に開業し、2004年から北海道日本ハムファイターズの本拠地として使用されてきました。野球の公式戦だけでなく、サッカー、コンサート、展示会などを開催する北海道有数の大型施設として知られていました。
ところが、2023年にファイターズが北広島市のエスコンフィールド北海道へ移転すると、年間約60試合のプロ野球興行が消失。試合開催による施設使用料だけでなく、広告、飲食、物販などの関連収入にも影響が及びました。
2023年度に過去最大の赤字を計上
札幌市が2024年7月の市議会経済観光委員会に提出した資料によると、2023年度の札幌ドームの売上高は12億7,100万円でした。前年度の29億7,600万円から17億500万円も減少しています。
同年度の営業損失は6億7,300万円、当期純損失は6億5,100万円でした。開業以来最大の赤字です。
特に影響が大きかったのは次の3つの収入分野です。
- 貸館事業:野球の試合がなくなり、施設利用料収入が減少。
- 商業事業:試合日の観客減少により、飲食や物販の売上が縮小。
- 広告などのその他事業:球団関連の広告収入が減少。
札幌市の資料では、2022年度から2023年度にかけて、貸館事業は13億6,800万円から8億4,500万円、商業事業は7億1,000万円から1億8,600万円、その他事業は8億8,600万円から2億3,200万円に減少しています。
単に野球の試合がなくなっただけではありません。試合開催を起点として生まれていた複数の収入が同時に失われたことが、経営悪化の本質でした。
経営問題は施設の人気だけでは説明できない
札幌ドームの経営問題を考えるうえで重要なのは、施設そのものの集客力と、運営会社が収益を獲得できる仕組みは別問題だという点です。
数万人を集めるイベントを開催できても、施設利用料以外の飲食、広告、物販などの収益をどこまで運営側が確保できるかによって、最終的な利益は大きく変わります。
ファイターズの移転は、札幌ドームが特定の大口利用者に依存していた構造を浮き彫りにしました。
【日本ハム移転の経緯】なぜ札幌ドームを離れてエスコンフィールドを選んだのか
北海道日本ハムファイターズの移転は、単純に新しい球場が欲しかったという話ではありません。球団と球場の経営を一体化し、収益の自由度を高めたいという経営上の判断が大きく関係しています。
移転の背景にあった使用料と収益構造
ファイターズは札幌ドームを借りて試合を開催していました。報道では、球団が支払う年間の球場使用料などは約13億円とされ、飲食やグッズ販売、広告収入などについても球団側が自由に収益化できない構造が問題視されていました。
球団にとっては、観客を増やしても、その成果をすべて自社の収益に反映できるわけではありません。チケット価格、グッズ販売、飲食サービス、スポンサー施策などを一体的に展開するにも制約がありました。
こうした状況を変えるため、日本ハムグループは2016年に新球場建設構想の検討を開始。2018年3月には北広島市の候補地を決定し、同年10月には北広島市に新球場を建設する方針を正式に決めました。
そして2023年3月、エスコンフィールドHOKKAIDOを中心とする北海道ボールパークFビレッジが開業。ファイターズは新しい本拠地でシーズンを迎えました。
移転をめぐる主な出来事と関係者の関係
札幌ドーム、札幌市、北海道日本ハムファイターズ、北広島市、そして大和ハウス工業。それぞれの関係を時系列で整理すると、経営環境の変化が見えてきます。
| 時期 | 関係する主体 | 主な出来事 | 経営上の意味 |
|---|---|---|---|
| 2001年 | 札幌市・札幌ドーム | 札幌ドーム開業 | 北海道の大型イベント拠点が誕生 |
| 2004年 | 日本ハム・札幌ドーム | ファイターズが本拠地として使用開始 | プロ野球興行が主要な収益源に |
| 2016~2018年 | 日本ハム・北広島市 | 新球場構想と建設候補地の決定 | 球団と球場の一体運営を目指す |
| 2023年 | 日本ハム・札幌ドーム | エスコンフィールドへ本拠地移転 | 札幌ドームの収入が大幅減少 |
| 2024年 | 札幌ドーム・大和ハウス | ネーミングライツ契約締結 | 広告収入の新たな柱を確保 |
| 2025年度 | 札幌ドーム | 営業利益2億1,100万円 | 移転後初の営業黒字 |
| 2026年 | 札幌ドーム・札幌市 | 新規事業と大型イベントの拡大 | 自律経営と稼働率向上を推進 |
なお、2025年以降、ファイターズが札幌ドームで主催試合を開催する予定はなくなりました。2024年11月には、2025年シーズンはオープン戦を含めて札幌ドームを使用しないことも報じられています。
つまり、札幌ドームが再びファイターズの試合を収益の中心に据えるという選択肢は、現実的ではなくなっています。
【2025年度決算の真相】売上高22億800万円、営業利益2億1,100万円の実力
2026年6月25日、株式会社札幌ドームは2026年3月期、すなわち2025年度の決算概要を公表しました。
この発表は、札幌ドームの経営を評価するうえで大きな転換点です。2023年度に大幅な赤字を計上した同社が、2025年度には本業の営業利益で黒字を確保しました。
2025年度の決算数値を確認
株式会社札幌ドームの第28期計算書類による主な数値は次のとおりです。
- 売上高:22億800万円
- 営業利益:2億1,100万円
- 経常利益:2億8,500万円
- 当期純利益:1億5,400万円
- 稼働率:71.0%
正確には、売上高22億868万4,447円、営業利益2億1,147万9,460円、経常利益2億8,563万1,039円、当期純利益1億5,485万170円です。公表資料では百万円未満を切り捨てた数値が使われています。
2024年度の黒字と2025年度の黒字は意味が違う
ここで注意したいのが、2024年度にも札幌ドームは黒字を発表していたという点です。
2024年度は売上高17億8,700万円、経常利益4,300万円、当期純利益4,200万円でした。しかし、営業利益は約5,600万円の赤字でした。
つまり、最終的な利益はプラスになっていても、本業の営業活動では赤字が続いていたのです。札幌市の基金などによる収入も最終損益に影響していました。
一方、2025年度は営業利益が2億1,100万円の黒字に転換しています。営業利益とは、売上高から売上原価や販売費・一般管理費などを差し引いた、本業の収益力を示す数字です。
この違いを踏まえると、2025年度の黒字転換は、単なる会計上のプラスではなく、イベント誘致や物販などの事業活動が利益を生み始めたという意味を持ちます。
決算の中身には注意すべきポイントもある
2025年度の当期純利益は1億5,400万円ですが、営業利益と同じ金額ではありません。
計算書類を見ると、投資有価証券売却益1億5,140万円を特別利益に計上する一方、固定資産の減損損失2億1,282万円も計上しています。
こうした営業外・特別損益を含めた結果が最終利益です。営業利益の改善と、最終利益の内訳は分けて見る必要があります。
それでも、営業利益が2億円を超えた事実は大きな前進です。ただし、今後も安定的に利益を確保できるかは、次年度以降の決算で検証する必要があります。
【エスコンフィールド北海道と徹底比較】どちらの経営モデルが優れているのか
札幌ドームの経営再建を理解するうえで、比較対象となるのが北海道日本ハムファイターズの新本拠地、エスコンフィールド北海道です。
両施設の違いは、単純な設備や収容人数だけではありません。最大の違いは、球団と施設運営の関係、そして来場者から得られる収益をどのように確保するかという点にあります。
エスコンフィールドは試合がない日も収益を生む
エスコンフィールドを運営するファイターズ スポーツ&エンターテイメントは、球場を核とした北海道ボールパークFビレッジ全体を運営しています。
日本ハムの2024年IR DAY資料によると、2023年のFビレッジ年間来場者数は約346万4,000人でした。これは試合観戦者だけでなく、試合のない日に訪れた人も含む数字です。
ホテル、サウナ、キッズエリア、飲食店、球場ツアー、季節イベントなどを展開し、野球に関心がない人にも来場する理由を提供しています。
特に注目したいのは、試合がない日にも平日約4,000人、休日約7,000人規模の来場があったという同社の公表データです。
球場を単なる野球の開催場所ではなく、観光やレジャーを楽しめる場所に変えたことが、エスコンフィールドの大きな特徴です。
札幌ドームは公共施設としての役割も担う
一方、札幌ドームは札幌市が設置する公共施設であり、株式会社札幌ドームが指定管理者として運営しています。
北海道コンサドーレ札幌の試合、コンサート、国際的なeスポーツ大会、展示会など、幅広い利用者を受け入れる必要があります。
エスコンフィールドのように特定の球団と球場の運営を一体化させるモデルとは、そもそもの事業条件が異なります。
したがって、両者の優劣を売上高だけで判断するのは適切ではありません。ただし、収益構造という観点では、エスコンフィールドが球団・球場・飲食・物販・観光を連動させているのに対し、札幌ドームはイベント誘致と施設貸し出しを中心に収益を確保する必要があるという違いがあります。
札幌ドームが今後成長するためには、施設を貸すだけでなく、イベントの企画や飲食、観光、企業利用などを組み合わせて、一つのイベントから複数の収入を生み出す仕組みが欠かせません。
【嵐のコンサートと命名権】札幌ドームの黒字化を支えた新しい収益源
2025年度の業績回復には、ファイターズ移転後に進めてきた複数の取り組みが影響しています。なかでも大型コンサート、関連物販、ネーミングライツ契約は重要な要素です。
嵐のコンサートなど大型イベントが収益を押し上げた
2025年度には人気グループ・嵐のコンサートをはじめ、大規模な音楽イベントが開催されました。
北海道放送(HBC)の2026年6月25日の報道によると、大型イベントの開催だけでなく、それに伴う物販なども好調だったとされています。
コンサートはチケット販売だけでなく、グッズ販売や飲食、駐車場利用など、さまざまな収益機会を生み出します。
札幌ドームの2025年度決算でも、商業事業の売上高は3億1,500万円となり、前年度から79.4%増加しました。コンサートの利用日数増加に伴う物販売上などが寄与しています。
ただし、嵐の公演だけで黒字になったわけではありません。阿部晃士社長は2026年6月の記者会見で、複数のイベントが積み重なった結果だと説明しています。
「1つだけではなくて、色々なものが重なり合っているので、このイベントがあったからということではありません」
大型アーティストの誘致は大きな効果を持ちますが、単発の興行だけに依存しない経営が必要だという考え方が読み取れます。
大和ハウス プレミストドームへの名称変更と命名権
2024年7月19日、札幌ドームと大和ハウス工業はネーミングライツ契約を締結しました。
これにより、2024年8月1日から施設の愛称は「大和ハウス プレミストドーム」となりました。
契約期間は2024年8月1日から2028年7月31日までの4年間です。契約金額は公表されていません。
「プレミスト」は、大和ハウス工業が2007年から展開する分譲マンションブランドの名称です。施設の愛称に企業ブランドを組み込むことで、広告収入を確保するとともに、企業との長期的な関係を構築する狙いがあります。
実際、2024年度の決算ではネーミングライツ契約の締結などによって広告・駐車場事業が増収となりました。2025年度もネーミングライツ収入が通年で計上され、その他営業収益は4億6,800万円に増加しています。
ただし、契約金額が非公表である以上、命名権だけで何億円の利益が出たと断定することはできません。
MICE誘致で平日も稼働させる戦略
札幌ドームが取り組んでいるもう一つの柱がMICE誘致です。
MICEとは、企業会議、報奨旅行、国際会議、展示会などをまとめたビジネスイベントの総称です。
大型コンサートやスポーツ大会は週末に集中しやすい一方、企業イベントや国際会議は平日にも開催できます。そのため、イベントが少ない曜日の施設利用を増やす方法として期待されています。
2026年6月の社長記者会見では、札幌市内の他のMICE施設との連携や、東京・大阪の企業に対する営業活動を強化する考えが示されました。
企業の報奨イベントや海外からのインセンティブツアーを札幌に誘致することで、ドームの利用料だけでなく、ホテルや飲食店など地域経済への波及効果も狙っています。
【2026年最新】札幌ドームの現在と経営再建の実態
2026年11月現在の札幌ドームは、赤字からの回復を進めながら、新しい収益モデルの構築に取り組んでいます。
特に重要なのは、2025年度の営業黒字を一度限りの成果に終わらせず、継続的な利益につなげられるかどうかです。
2026年度の稼働率は74%を見込む
2026年10月6日、北海道文化放送(UHB)は札幌ドームの2026年度の稼働率見通しを報じました。
阿部社長によると、2026年度の稼働率は前年度の71.0%を上回る74%を予定しています。
2026年度にはJリーグの試合に加え、Snow Manやブルーノ・マーズなどのコンサートも予定されており、3年連続の黒字達成も視野に入っていると報じられました。
ただし、74%は年度の見通しであり、確定した年間実績ではありません。また、2026年度の黒字も、2026年11月時点では決算確定前の見通しとして扱う必要があります。
ドローン事業や観光事業にも進出
札幌ドームは従来のイベント貸館だけに頼らない事業展開も進めています。
2026年度の事業計画では、次のような取り組みが掲げられています。
- DOME Snow Zone:冬季の観光コンテンツとして、インバウンド需要を取り込む。
- ドローン事業:ドローンスクールなどを通じて、ドームをドローンの実装拠点にする。
- 音楽フェス:大型音楽イベントやフェス型ライブの定着を目指す。
- 大学との連携:イベントのない日の施設活用を検討する。
- 地域貢献:子どもたちの居場所づくりや社会課題への対応を進める。
2026年の社長記者会見では、社員から29件の新規事業提案が寄せられ、そのうち6件が選ばれたことも明らかになりました。
また、イベント開催日以外の施設利用を促すため、企業向けの営業や新しい広告媒体の整備も検討されています。
こうした取り組みは、巨大な施設をイベント開催時だけ稼働させるのではなく、日常的に人や企業が集まる場所へ変えていく試みです。
2030年度までに売上高30億円・稼働率80%を目指す
札幌ドームが掲げる中期経営計画「DOME ReSTART PLAN」では、2030年度までに売上高30億円、稼働率80%を達成する目標が設定されています。
計画は3段階に分かれています。
- 2025~2026年度:営業利益の黒字化と新規事業の立ち上げ。
- 2027~2028年度:新規事業の収益化と既存事業の売上拡大。
- 2029~2030年度:売上高30億円の達成と市民への利益還元の拡大。
2026年6月の記者会見では、2025年度の黒字化を評価しながらも、2026年度以降も営業黒字を継続することが重要だと説明されています。
また、2025年度には札幌市に4,000万円を寄付したことも公表されました。公共施設の運営会社として、収益を市民や地域に還元する姿勢も経営計画に組み込まれています。
経営再建は成功したのか?残された3つの課題
営業利益の黒字化は明確な成果ですが、経営再建が完了したと判断するには早い段階です。
今後の課題は主に3つあります。
1つ目は、大型イベントへの依存です。
コンサートやスポーツ大会は大きな収益を生みますが、開催数や出演者のスケジュールによって業績が変動します。イベントが少ない年度でも黒字を確保できる収益基盤が必要です。
2つ目は、新規事業の収益化です。
ドローンスクールや観光事業、MICE誘致は将来性がありますが、事業を立ち上げただけでは利益は生まれません。継続的な顧客獲得と採算管理が大切です。
3つ目は、施設の維持更新費用です。
札幌ドームは2001年開業の施設です。2025年度の計算書類でもオフィス棟の建物について2億1,282万円の減損損失が計上されています。今後も施設の老朽化や設備更新への対応が必要になります。
黒字化したからといって、長期的な維持費の問題が解消されたわけではありません。
【プロの結論】札幌ドームざまぁという評価は2026年も正しいのか
「札幌ドームざまぁ」という検索ワードには、ファイターズ移転後の赤字や、移転をめぐる過去の経営判断に対する批判的な感情が表れています。
2023年度の6億5,100万円の最終赤字は、確かに経営上の大きな失敗でした。収益の大きな部分を担っていたファイターズが離れた後の代替策が十分に機能せず、想定を超える赤字を計上したことは、運営会社にとって厳しい結果です。
しかし、2026年現在も同じ評価を続けることには無理があります。
2025年度には売上高22億800万円、営業利益2億1,100万円を達成し、稼働率も71.0%まで回復しました。さらに2026年度は74%の稼働率を見込んでいます。
これらの数字は、ファイターズ移転後に札幌ドームが新たな経営モデルを作り始めたことを示しています。
一方、エスコンフィールドと同じような球団・球場一体型のビジネスモデルを、そのまま再現することはできません。公共施設としての役割を維持しながら、独自の収益を増やす必要があります。
経営を評価するなら、次の3点を確認するのが適切です。
- 営業利益:特別利益や一時的な収入に頼らず、本業で利益を出し続けられるか。
- 稼働率:コンサートだけでなく、平日やイベントのない日も有効活用できるか。
- 新規事業:MICE、観光、ドローンなどが実際の売上と利益に結びつくか。
この3点を満たせるなら、札幌ドームは単なる赤字施設から、北海道の交流・観光・エンターテインメント拠点へと転換できる可能性があります。
札幌ドームざまぁに関するよくある質問(FAQ)
Q1:札幌ドームは2025年度に黒字になった?
2025年度は売上高22億800万円、営業利益2億1,100万円、当期純利益1億5,400万円でした。ファイターズ移転後初めて営業利益が黒字となり、経営改善が進んでいます。
Q2:札幌ドームが赤字になった最大の理由は?
2023年の北海道日本ハムファイターズ移転です。年間約60試合のプロ野球興行がなくなり、施設利用料、広告、飲食、物販など複数の収入が減少しました。
Q3:札幌ドームは現在も赤字なの?
2025年度は営業利益、経常利益、当期純利益のすべてが黒字でした。2026年度も黒字継続を目指しており、10月時点では稼働率74%を見込んでいます。
Q4:札幌ドームの現在の正式名称は?
施設の愛称は「大和ハウス プレミストドーム」です。2024年8月1日から使用されており、ネーミングライツ契約は2028年7月31日までの4年間です。
Q5:札幌ドームとエスコンフィールドの最大の違いは?
エスコンフィールドはファイターズと球場運営が一体となった事業モデルで、試合のない日にも観光や飲食などで収益を生み出しています。一方、札幌ドームは札幌市の公共施設を指定管理者が運営する仕組みで、幅広いイベント誘致が収益の中心です。
Q6:札幌ドームは今後も黒字を維持できる?
2026年度は3年連続の黒字が視野に入っていますが、確定した決算ではありません。大型イベントの継続的な誘致、新規事業の収益化、施設維持費の管理が今後の焦点です。
まとめ:札幌ドームは赤字転落から自立経営への転換期にある
「札幌ドームざまぁ」という言葉が注目されたのは、北海道日本ハムファイターズの移転によって、札幌ドームが大幅な赤字に陥ったことが大きな理由です。
2023年度には当期純損失6億5,100万円を計上し、経営の根本的な見直しが必要になりました。しかし、その後はネーミングライツの導入、大型コンサートの誘致、物販収入の拡大、MICE事業や新規事業への挑戦によって業績が回復しています。
2025年度には売上高22億800万円、営業利益2億1,100万円を達成。2026年度も稼働率74%を見込むなど、再建は次の段階に進みました。
ただし、2030年度の売上高30億円、稼働率80%という目標には、まだ到達していません。新規事業の収益化やイベント依存の軽減、施設の維持更新など、解決すべき課題は残っています。
札幌ドームの経営を評価するうえで大切なのは、過去の赤字だけでも、直近の黒字だけでも判断しないことです。今後数年間にわたって営業利益を確保し、札幌市民や北海道の経済に利益を還元できるか。その実績こそが、本当の経営再建を判断する基準になります。
2026年の札幌ドームは、単なる「ファイターズ移転後の失敗施設」ではなく、新しい経営モデルを確立できるかどうかが問われる重要な局面にあります。
主な根拠資料・参照報道
- 株式会社札幌ドーム「2026年3月期(第28期)決算概要・計算書類」
- 札幌市「株式会社札幌ドームの収支状況と今後の取組について」
- 北海道日本ハムファイターズ「新球場建設に関するお知らせ」
- 大和ハウス工業「札幌ドームのネーミングライツ契約締結」
- 日本ハム株式会社「2024年IR DAY」資料
- HBC北海道放送「2025年度決算・3年ぶり営業黒字」2026年6月25日
- UHB北海道文化放送「2026年度稼働率74%の見通し」2026年10月6日