2026年の日本代表の金メダル獲得数を確認する際、最初に区別したいのが大会の種類だ。ミラノ・コルティナ冬季五輪と愛知・名古屋アジア大会は別々の国際大会であり、メダル数もそれぞれ独立して集計される。
冬季五輪では金5個が長野大会に並ぶ歴代最多タイ、総メダル24個は単独の歴代最多。アジア大会では金83個が、それまでの日本記録78個を上回る新記録となった。つまり、2026年は両大会で異なる種類の記録更新が実現した年だ。
2026年の日本代表・大会別成績
ミラノ・コルティナ冬季五輪5個

金メダル
総メダル24個
銀7・銅12
愛知・名古屋アジア大会83個
金メダル
総メダル269個
銀95・銅91
愛知・名古屋アジア大会は2026年9月19日から10月4日まで開催された。JOCの10月4日付発表では、日本の金メダル83個は1966年バンコク大会の78個を60年ぶりに更新した記録とされている。国・地域別では中国の169個に続く2位だった。
冬季五輪については、スポーツ庁の大会結果資料が金5・銀7・銅12、合計24個と記録している。金メダル数は長野大会と同数だが、総メダル数は北京2022の18個を上回った。
大会別の記録比較表
以下は、日本代表の歴史的な成績を比較するための主要大会の記録だ。
出典:JOC大会別メダル・入賞者一覧、スポーツ庁のオリンピック大会結果資料。北京2022はJOCの更新後の記録。バンコク1966の銀・銅・総数は本表では省略。
この比較から分かるのは、金メダルの最多記録と、総メダル数の最多記録は必ずしも一致しないということだ。冬季五輪では金5個が長野とミラノ・コルティナで並び、総数は2026年に24個へ伸びた。アジア大会では、過去の日本記録を金・総数の両方で更新している。
【日本の金メダル歴代獲得数】オリンピック通算211個の実績
日本のオリンピックにおける歴代金メダル数を把握するには、夏季と冬季を分けて考える必要がある。
JOCの大会別記録を基にした通常競技の集計では、パリ2024までの夏季オリンピックで金189個、ミラノ・コルティナ2026までの冬季オリンピックで金22個。合計すると、日本のオリンピック通算金メダル数は211個となる。これはアジア大会の成績を含まない数字だ。
夏季オリンピックで日本が記録した金メダル数
夏季五輪では、開催年や競技環境によって日本の成績が大きく変化してきた。
特に注目されるのが、東京2020大会だ。新型コロナウイルス感染症の影響で2021年に開催された同大会では、金27個、銀14個、銅17個の合計58個を獲得。日本の夏季オリンピックにおける金メダル数・総メダル数の双方で歴代最多となった。
続くパリ2024では金20個、銀12個、銅13個の合計45個を獲得し、金メダルランキング3位。海外開催の五輪としては金メダル数・総数とも日本の歴代最高成績となった。
夏季五輪の歴史を彩った主要大会
- 1964年東京大会: 金16個。日本開催の五輪で存在感を示した。
- 2004年アテネ大会: 金16個。東京1964と並ぶ当時の夏季最多記録。
- 2020年東京大会: 金27個。夏季五輪の日本記録を更新。
- 2024年パリ大会: 金20個。海外開催の歴代最多を更新。
夏季大会の金メダル獲得数は、東京2020の27個が現在の日本記録だ。東京開催という環境だけでなく、柔道、レスリング、体操、スケートボードなど複数競技で優勝者が生まれたことが、数字を押し上げた。
こうした成績を比較するときには、開催国としての地理的・運営的な条件と、海外開催での実績を区別することも大切だ。
【冬季五輪の日本金メダリスト】スノーボードとフィギュアスケートが躍進
ミラノ・コルティナ2026で日本の金メダル獲得を大きく牽引したのが、スノーボードだった。
日本はスノーボードで4個の金メダルを獲得。男子ビッグエア、女子ビッグエア、男子ハーフパイプ、女子スロープスタイルという異なる種目で頂点に立った。さらに銀・銅も加え、同競技のメダル数は合計9個に達した。
スノーボードの日本人金メダリスト4人
木村葵来(きむら・きら)
男子ビッグエア
男子ビッグエアで優勝。北京大会を経て、世界の頂点に立った。
村瀬心椛(むらせ・ここも)
女子ビッグエア
女子ビッグエアで優勝。女子スロープスタイルでも銅メダルを獲得した。
戸塚優斗(とつか・ゆうと)
男子ハーフパイプ
男子ハーフパイプで金メダルを獲得。日本のスノーボード勢の強さを示した。
深田茉莉(ふかだ・まり)
女子スロープスタイル
19歳で金メダルを獲得。スポーツ庁資料では日本女子史上最年少の冬季五輪金メダリストと紹介されている。
フィギュアスケートでは「りくりゅう」が日本初の快挙
もう一つの大きな話題が、フィギュアスケートのペアだった。
三浦璃来・木原龍一組がペアで金メダルを獲得し、日本勢として同種目初のオリンピック優勝を達成した。ペア競技で世界の強豪を上回ったことは、日本フィギュアスケートの競技領域が広がったことを示す成果でもある。
同大会ではフィギュアスケート全体で6個のメダルを獲得。ペアの金に加え、団体の銀、男子シングルの銀・銅、女子シングルの銀・銅が続いた。個人種目だけでなく団体でも結果を残した点が特徴だ。
スポーツ庁の大会報告では、フィギュアスケートのペアで世界歴代最高点を記録したことも紹介されている。金メダルという結果だけでなく、競技そのものの水準を示す記録が残った点にも注目したい。
競技別のメダル獲得状況
ミラノ・コルティナ大会の日本のメダルは、スノーボードやフィギュアスケートに集中した一方、スキージャンプやスピードスケートなどでも成果があった。
- スノーボード:9個
- フィギュアスケート:6個
- スキージャンプ:4個
- スピードスケート:3個
- フリースタイルスキー:2個
この5競技で合計24個となる。特定のスター選手だけに依存するのではなく、複数の種目で表彰台に立てたことが、総メダル数の新記録につながった。
【長野・北京・ミラノを比較】日本の冬季五輪はどう進化した?
日本の冬季五輪の歴史を振り返ると、長野1998、北京2022、ミラノ・コルティナ2026は特に重要な大会として位置づけられる。
長野1998は金5個の歴史的な大会
1998年の長野冬季五輪では、日本代表が金5個、銀1個、銅4個の合計10個を獲得した。自国開催という条件の下で、日本の冬季五輪史に残る成績を達成した大会だ。
2026年のミラノ・コルティナ大会は、金メダル数で長野大会に並んだ。したがって、2026年の金5個は「日本の冬季五輪史上、単独最多」ではなく、長野大会と並ぶ最多タイという表現が正確になる。
北京2022は総数18個で当時の最多を更新
北京2022では金3個、銀7個、銅8個の合計18個を獲得。金メダル数では長野大会に及ばなかったものの、総メダル数では当時の日本記録を更新した。
JOCの記録では、北京大会の金メダリストは小林陵侑、平野歩夢、髙木美帆の3人。ジャンプ、スノーボード、スピードスケートの各競技で優勝者が誕生した。
ミラノ2026で冬季五輪通算100個に到達
2026年大会では合計24個を獲得し、北京大会の18個を6個上回った。加えて、冬季オリンピックにおける日本の通算メダル数は100個に到達した。
JOCの解団式でも、金5・銀7・銅12という成績が長野大会と並ぶ金メダル数であること、総数24個が史上最多であること、冬季五輪通算100個に到達したことが報告されている。
この3大会を比較すると、日本の冬季競技力は金メダルの数だけでなく、メダルを獲得する競技の幅や入賞者数でも発展してきたことが見えてくる。
【愛知・名古屋アジア大会】金83個で日本の歴代最多を更新した理由
2026年の日本スポーツ界を語るうえで、アジア大会の記録更新も欠かせない。
第20回アジア競技大会は、2026年9月19日から10月4日まで愛知県・名古屋市を中心に開催された。日本での夏季アジア大会開催は1994年の広島大会以来32年ぶり3度目。日本代表は地元開催の大会で金83個を獲得し、歴代記録を塗り替えた。
1966年バンコク大会の78個を60年ぶりに更新
愛知・名古屋大会以前、日本のアジア大会における金メダル獲得数の最高記録は、1966年バンコク大会の78個だった。
2018年ジャカルタ・パレンバン大会では金75個を獲得し、日本の歴代2位となった。2022年杭州大会は金52個。その後の2026年愛知・名古屋大会で83個を記録し、従来の最高記録を5個上回った。
この推移は、開催地や競技構成、各国の代表選手層によって成績が変わることを示している。特に自国開催では、選手が競技環境に適応しやすいことや、競技団体が大会に向けて準備を進められることも背景となる。
国・地域別ランキングでは日本は2位
愛知・名古屋大会の金メダルランキングでは、中国が169個で1位、日本が83個で2位、韓国が39個で3位だった。総メダル数でも中国341個、日本269個、韓国150個の順となった。
日本は金メダル数で中国に86個差をつけられたものの、3位の韓国には44個差をつけた。アジア地域の競技勢力図において、日本が上位を維持していることが数字に表れている。
なお、アジア大会にはオリンピックとは異なる競技種目も含まれる。したがって、金83個という数字をそのままオリンピックの金メダル数と比較するのではなく、アジア大会という大会の枠組みの中で評価する必要がある。
【プロの結論】日本の金メダル数とランキングを正しく読む3つの視点
日本の金メダルを調べる際、数字だけを並べても競技力の変化は十分に理解できない。報道や公式記録を読むうえで、押さえておきたい要点は3つある。
1. 金メダル数と総メダル数は別の記録
ミラノ・コルティナ2026では金5個という成績が長野1998と並んだ一方、総メダル数24個は単独の歴代最多となった。
金メダルだけを見れば過去と同じ水準でも、銀・銅を含めた総数では新しい記録が生まれている。日本の競技力を幅広く評価するには、金メダルと総メダルの両方を見る必要がある。
2. ランキングは大会ごとに確認する
2026年の日本のランキングは、どの大会を対象にするかによって異なる。
- ミラノ・コルティナ2026冬季五輪:金メダルランキング10位、総メダル数ランキング5位。
- 愛知・名古屋2026アジア大会:金メダルランキング2位。
- パリ2024夏季五輪:金メダルランキング3位。
冬季五輪では金メダル数と総メダル数の順位が異なっている。金メダルだけを基準にすれば10位だが、メダル全体では5位という結果だ。
3. オリンピックとアジア大会の数字を混同しない
「日本は2026年に金メダル88個を獲得した」と単純に合算することは、各大会の記録を説明するうえでは適切ではない。
冬季五輪の金5個とアジア大会の金83個は、それぞれ異なる大会での成績だ。競技種目、参加国・地域、出場資格、メダルの集計単位も異なるため、数字を一つにまとめると大会ごとの実績が見えにくくなる。
また、団体競技では複数の選手が一つの金メダルを獲得する。三浦璃来・木原龍一組は2人の選手が表彰台に立ったが、ペア種目としての金メダルは1個だ。個人のメダル獲得者数と大会のメダル数を混同しないことも大切になる。
JOCの日本代表メダル獲得記録を確認する方法
大会別の正式な成績を確認するなら、日本オリンピック委員会(JOC)の公式記録が基本となる。
JOCの「TEAM JAPAN オリンピック記録検索」では、夏季・冬季、開催年、競技、選手名、メダルの種類などの条件から過去の成績を調べられる。大会別のメダル・入賞者一覧も公開されているため、選手個人の実績や競技別の記録を確認する際にも役立つ。
数字の正確さを重視するなら、ニュース記事の速報値だけでなく、大会終了後に更新されたJOCの確定記録を参照するのが確実だ。
【日本の金メダル】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:日本の金メダルは2026年に何個獲得した?
A1:ミラノ・コルティナ冬季五輪で5個、愛知・名古屋アジア大会で83個を獲得した。別々の大会の記録であり、単一の大会成績として合算するものではない。
Q2:日本の冬季オリンピックの金メダル歴代最多は何個?
A2:5個。1998年長野大会と2026年ミラノ・コルティナ大会が並んでいる。金メダル数では歴代最多タイだ。
Q3:日本の冬季五輪のメダル総数は何個が歴代最多?
A3:2026年ミラノ・コルティナ大会の24個。金5個、銀7個、銅12個で、北京2022の18個を更新した。
Q4:日本のアジア大会の金メダル歴代最多は何個?
A4:2026年愛知・名古屋大会の83個。それまでの最高だった1966年バンコク大会の78個を5個上回った。
Q5:日本のオリンピック通算金メダル数は何個?
A5:2026年の冬季大会終了時点で、夏季189個、冬季22個の合計211個という集計になる。アジア大会やパラリンピックのメダルは含まない。
Q6:2026年の冬季五輪で金メダルを獲得した日本人選手は?
A6:木村葵来、村瀬心椛、戸塚優斗、深田茉莉、そしてフィギュアスケート・ペアの三浦璃来と木原龍一。ペアは2人で1種目の金メダルを獲得している。
Q7:日本の冬季五輪の金メダルランキングは何位だった?
A7:ミラノ・コルティナ2026では金メダル数で10位、総メダル数では5位だった。ランキングの基準によって順位は変わる。
まとめ:2026年は日本の金メダル史に残る記録更新の年
2026年の日本スポーツ界では、ミラノ・コルティナ冬季オリンピックと愛知・名古屋アジア大会の両方で歴史的な成績が生まれた。
冬季五輪は金5個、銀7個、銅12個の合計24個。金メダル数は長野1998と並ぶ最多タイで、総メダル数は日本の冬季五輪史上最多となった。スノーボードの4人の金メダリストと、フィギュアスケートの三浦璃来・木原龍一組の活躍が大会を象徴した。
愛知・名古屋アジア大会では金83個、銀95個、銅91個の合計269個を記録。1966年バンコク大会の金78個を60年ぶりに更新し、日本のアジア大会史上最多の金メダル獲得数となった。
今回の記録を読み解くうえで忘れてはならないのは、金メダルの数だけが競技力のすべてではないということだ。総メダル数、入賞数、競技別の成績、若手選手の台頭まで確認することで、日本代表の現在地がより明確になる。
次の大きな舞台は2028年ロサンゼルス夏季オリンピック、そして2030年フランス・アルプス冬季オリンピックだ。2026年に生まれた記録が一時的な成果にとどまるのか、次世代の選手たちによってさらに更新されるのか。日本代表の今後の挑戦にも注目したい。
主な参照資料
- 日本オリンピック委員会(JOC)「TEAM JAPAN オリンピック記録検索」
- JOC「ミラノ・コルティナ2026冬季オリンピック メダル・入賞者一覧」
- JOC「愛知・名古屋アジア大会 メダル・入賞者一覧」
- JOC「日本、金83個は過去最高 メダル総数269も最多」(2026年10月4日)
- スポーツ庁「ミラノ・コルティナ2026冬季大会結果概要」
- スポーツ庁「オリンピック競技大会におけるメダル獲得数及び入賞者数の推移」