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【ロサンゼルスでの制作背景】小室哲哉・MARC・KEIKOの役割とは

高村 美里 高村 美里 • 更新: • 公開: • 読了約 9 分
目次

『FACES PLACES』の制作を理解するうえで重要なのが、ロサンゼルスで行われたレコーディングだ。

2015年8月5日にエイベックスが公開した小室哲哉の20周年インタビューでは、2ndアルバムの制作について具体的な証言が残されている。

インタビューで小室は、ロサンゼルスでのレコーディング中、自分がピアノを弾き、その横でMARCとKEIKOが音を聴きながら制作に参加していたと説明した。小室が口ずさんだ音をもとにMARCがラップを書き、KEIKOが歌詞を覚えるという進め方だったという。

この証言から見えてくるのは、globeが単純なプロデューサーと歌い手の関係ではなかったことだ。



:作曲・編曲・プロデュース
楽曲の構造やサウンドを組み立て、ピアノやギターを通じて音楽的な方向性を示す中心人物。


:作詞・ラップ
小室とともに作詞を担当。ラップによって楽曲に異なる言語感覚とリズムを持ち込む。


:ボーカル
歌詞の感情を声に変換し、楽曲の緊張感や孤独感を聴き手へ届ける存在。


作詞クレジットは小室哲哉・MARC、作曲・編曲は小室哲哉。KEIKOはボーカリストとして参加している。この役割分担は、歌ネットやmu-moの楽曲情報でも確認できる。

ロックの荒々しさを取り入れた理由

サウンド面にも興味深い背景がある。

小室はmu-moの20周年企画の楽曲解説で、この曲をギターでコードを弾きながら作ったと説明している。また、構成は洋楽的なものを意識し、バンドで演奏する楽しさを感じてもらえる作品にしたかったという。

当時はYOSHIKIやHIDEらに代表されるヴィジュアル系やバンドブームが盛り上がっていた。小室は、プロデュースされたポップスだけでなく、バンドとして音楽を楽しむ流れも広がると考えていた。

さらにSPURのインタビューでは、「FACES PLACES」のノイジーなサウンドについて、フィオナ・アップルの不協和音を意識した部分があると語っている。これは当時の小室サウンドが、単純なダンスミュージックから別の方向へ踏み出していたことを示す証言だ。

KEIKOの歌声が持つ力強さと、ギターを含む荒々しいサウンドが組み合わさることで、歌詞の中にある迷いや葛藤が音楽的にも表現されている。

【90年代音楽史から検証】globeが『FACES PLACES』で示した変化

globefacesplaces

1997年のglobeを語る際、作品の芸術性だけでなく、当時の音楽市場における存在感も重要だ。

1995年に「Feel Like dance」でデビューしたglobeは、小室哲哉のプロデュース能力にKEIKOの歌唱、MARCのラップを組み合わせたユニットとして急速に知名度を高めた。

1996年には1stアルバム『globe』が大ヒット。続く『FACES PLACES』では、従来のダンスミュージックにロックの要素を強く取り入れた。オリコンの30周年特集も、2ndアルバムについて、サウンド面でロック色が強くなった作品と評価している。

アルバムの売上と4大ドームツアー

オリコンの記録によれば、『FACES PLACES』は1997年3月24日付の週間アルバムランキングで初登場1位を獲得。初週売上は164.9万枚に達し、累計でも300万枚を突破した。

加えて、globeは1997年3月に日本初の4大ドームツアー「globe@4_domes」を開催。大阪、福岡、名古屋、東京の4都市を舞台にした大規模な公演で、新しい音楽性を大きなステージへ持ち込んだ。

この時代のglobeの特徴は、ダンスミュージックとロックを対立させなかったことにある。小室のシンセサイザーやピアノを軸とする音楽に、バンド的なギターサウンド、KEIKOの歌唱、MARCのラップを組み合わせた。

1990年代のJ-POPでは、海外のクラブミュージックやヒップホップ、ロックの要素を日本のポップスへ取り込む動きが広がっていた。オリコンの30周年特集も、globeの功績を、海外の音楽トレンドを90年代J-POPに落とし込んだ点に見いだしている。

『FACES PLACES』は、その流れの中で生まれた作品であり、小室哲哉の個人的な内省と、当時の音楽シーンの変化が重なったアルバムだった。

【2025年のアナログ盤と2026年の評価】30周年で再び注目

『FACES PLACES』は、発売から約29年が経過した2026年にも、作品として再評価する機会が生まれている。

大きな節目となったのが、globeデビュー30周年企画の一環として発売されたアナログレコードだ。

エイベックスの公式発表によれば、2025年11月1日、「レコードの日 2025 Day1」に合わせて『FACES PLACES』が2枚組LPとして発売された。品番はAVJG-70136~7。初期のヒットアルバム4作品をアナログ化する企画の一つだった。

収録内容はCD版の作品世界を基本的に引き継ぎ、A面からD面まで全14曲を配置。タイトル曲のほか、「FACE」「Can't Stop Fallin' in Love」「Anytime smokin' cigarette」なども収録されている。

アナログ化の意味は、単に懐かしいCDを別の媒体に置き換えたことだけではない。アルバムを曲順に沿って聴き、音の流れや曲ごとの表情を楽しむという、作品単位の鑑賞スタイルを改めて提示した点にもある。

特に『FACES PLACES』は、ダンスミュージック、ロック、内省的な歌詞が一つの作品に共存している。アルバム全体を通して聴くことで、タイトル曲の持つ意味もより立体的になる。

2026年に初めて聴く若い世代にとっても、90年代の音楽制作の自由さや、小室哲哉が試みたサウンドの変化を知る入口になる作品だ。

【globeの「FACES PLACES」に関するよくある質問(FAQ)】

Q1:globeの「FACES PLACES」のシングル発売日はいつ?
A1:1997年3月5日。globeの9枚目のシングルとしてエイベックスから発売された。同名の2ndアルバムは1997年3月12日発売。

Q2:「FACES PLACES」の歌詞に出てくる年号は何を意味する?
A2:1970年、1981年、1984年、1994年、1997年は、小室哲哉自身の音楽人生に関係する重要な年号だ。大阪万博での音楽との出会い、SPEEDWAYへの参加、TM NETWORKのデビュー、TMNの終了、そして1997年の作品発表などが背景にある。

Q3:「FACES PLACES」の作詞・作曲は誰?
A3:作詞は小室哲哉とMARC、作曲・編曲は小室哲哉。KEIKOがボーカルを担当している。

Q4:ロサンゼルスでレコーディングされたというのは本当?
A4:本当だ。2015年のエイベックス公式インタビューで、小室哲哉本人が2ndアルバム『FACES PLACES』のロサンゼルスでのレコーディングについて語っている。

Q5:2025年に発売されたアナログ盤はシングル?アルバム?
A5:アルバム『FACES PLACES』の2枚組アナログレコードだ。発売日は2025年11月1日。globeデビュー30周年企画の一環として発売された。

【プロの結論】「FACES PLACES」は成功の裏側にある孤独と再出発の歌

「FACES PLACES」の魅力は、単にKEIKOの高い歌唱力や、小室哲哉らしい印象的なメロディーだけでは説明できない。

歌詞に織り込まれた年号は、小室哲哉が歩んできた音楽人生の記憶であり、ロサンゼルスで感じた孤独は、KEIKOの声によって多くの人が共感できる感情へと変わった。

そして、MARCのラップ、ロック的なサウンド、ダンスミュージックの構成が一つになることで、当時のglobeにしか作れない音楽が完成した。

タイトルの「顔」と「場所」を、出会ってきた人々や自分の居場所を探す言葉として捉えると、この作品のメッセージはさらに深くなる。

成功している人にも迷いはある。過去に積み上げた実績があっても、次に進む場所が見つからないことはある。そうした感情を1997年の小室哲哉が音楽に託し、KEIKOが歌い、MARCが言葉を重ねた。

2026年に聴き直す「FACES PLACES」は、90年代のヒット曲という枠を超え、人生の節目で自分自身を見つめ直すための楽曲として響く。発売当時を知る世代にも、初めてこの曲に出会う世代にも、聴く時期によって違う意味を見せてくれる作品だ。

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高村 美里
デジタルマーケター 高村 美里
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暮らし・レシピのテーマを担当。公的機関の資料やメーカー公式の表示を参照し、手順は再現できる形で整理します。

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