今回の問題が発覚したのは2023年2月。SNSに投稿された短い動画には、客とみられる人物がスプレーをレーンに向け、流れてきた皿や寿司に液体を噴射する様子が記録されていた。
TBS NEWS DIGなどの報道によると、映像は約12秒。最初の報道段階では撮影場所の特定が進められていたが、あきんどスシローは2月24日の公式発表で対象店舗を明らかにした。
撮影場所はスシロー光の森店(熊本県菊池郡菊陽町光の森7-41-10)である。
撮影されたのは2022年秋ごろだった?
動画の撮影日については注意が必要だ。
2023年2月24日の共同通信配信記事では、撮影時期は不明と報じられている。一方、一部の後続報道では、動画に映った商品などから2022年11月ごろの撮影ではないかとの見方も紹介された。
ただし、2022年11月という日付は、会社が公式に確定した撮影日ではない。
一方、スシロー側が動画の存在を把握した時期については、J-CASTニュースが2月23日ごろと報じている。
したがって、次のように整理できる。
- 撮影時期:公式には特定されていない
- SNSでの発覚:2023年2月23日ごろ
- 会社の公式発表:2023年2月24日
- 被害届の提出:2023年2月24日付
動画では何が行われていたのか?
報道された映像では、人物が手に持ったスプレーを回転レーンの方向に向け、商品を紹介する皿や寿司が載った皿に向けて噴射する様子が映っていた。
問題となったのは、単にアルコール製剤を使用したことではない。店舗が衛生管理のために備えていたものを、客が本来の用途とは異なる形で使用し、ほかの客に提供される商品に向けて噴射した点にある。
なお、公開された映像だけでは、噴射された商品の具体的な数、液体の付着量、実際に誰かがその商品を食べたかどうかまでは確定できない。
映像のインパクトと、実際に確認された被害の範囲は分けて考える必要がある。
【時系列まとめ】あきんどスシローの公式発表から被害届提出まで

事件を正確に理解するには、2023年1月から続いていた回転寿司業界の迷惑行為問題と、2月のアルコールスプレー事件を時系列で整理することが欠かせない。
事件と会社対応の年表
2月24日の公式発表で明らかになったこと
あきんどスシローの2023年2月24日付文書には、重要な情報が記載されている。
最初に、対象店舗として光の森店が明記された。
加えて、同社は所轄警察署に相談していること、迷惑行為を行った関係者から連絡があったことを公表した。
特に注目すべきなのが、アルコールスプレーの設置経緯についての説明だ。
熊本県では行政の指導によってアルコールスプレーを卓上に設置していた。今回の問題を受け、行政に確認したうえで卓上から撤去したという。
これは、店舗が独自判断で衛生用品を置いていたという単純な話ではなかったことを示している。
会社側が発表した重要なメッセージ
公式文書では、今回の行為を安全・安心な商品提供と顧客との信頼関係を損なう重大な事案として受け止める姿勢が示された。
また、過去の事案と同様に、警察と相談しながら刑事・民事の両面で厳正に対処する方針を明らかにしている。
もう一つ重要なのが、関係者への直接的な危害につながる言動を控えるよう求めた点だ。
事件に対する批判と、個人への攻撃は別問題である。会社自身がこの点を公式に呼びかけていたことも、事件を理解するうえで見落とせない。
【アルコールの正体】食品添加物にも使われる成分なのになぜ問題になった?
今回の事件では、あきんどスシローが発表した「食品添加物にも使用されているもの」という説明が注目された。
この表現だけを見ると、食品に使用できるアルコールなら寿司に噴射しても問題がないのではないか、と疑問を持つ人もいるかもしれない。
しかし、ここには重要な違いがある。
食品添加物として使用されるアルコールとは?
アルコールの代表的な成分であるエタノールは、食品分野でも使用される。
消費者庁の食品添加物に関する説明によれば、食品添加物は食品の製造、加工、保存などを目的に使用されるものであり、安全性評価や成分規格、使用基準などに基づいて管理されている。
つまり、食品に利用されるアルコール成分が存在すること自体は事実だ。
しかし、食品添加物として使われる成分と、店舗で衛生管理に使用するスプレー製品は、必ずしも同じ用途・同じ製品ではない。
「食品添加物にも使用される」ことと「寿司に噴射してよい」ことは違う
今回の公式発表で示されたのは、スプレーの内容物に食品添加物にも使用されるアルコールが含まれていたという説明だ。
これは、次のような意味にはならない。
- そのスプレー製品が飲食用として販売されていた。
- 寿司に直接噴射する用途が認められていた。
- 噴射した寿司を食べても安全だと会社が保証した。
- 使用方法や噴射量に関係なく人体への影響がない。
製品の成分、濃度、配合成分、使用目的、使用方法はそれぞれ別の確認事項になる。
食品添加物として認められた成分が含まれていることだけで、あらゆる使い方の安全性が保証されるわけではない。
なぜ会社は成分について説明したのか
この説明には、誤解を防ぐ意味もあったと考えられる。
アルコールという言葉から、危険な薬品や毒物を想像する人もいる。しかし、食品分野で利用されるエタノールも存在する。
一方で、成分が食品用途にも使われるという事実を説明することと、迷惑行為そのものを容認することは全く違う。
問題の本質は、食品に使用できる成分かどうかだけではなく、ほかの客に提供される商品に対して、客が意図的に不適切な行為をしたことにある。
【卓上スプレー撤去の理由】なぜ熊本県内の店舗で設置されていたのか?
今回の事件で、多くの人が疑問に感じたのが「なぜ寿司店のテーブルにアルコールスプレーが置かれていたのか」という点だろう。
実は、これについては会社の公式発表で説明されている。
熊本県では行政の指導により設置されていた
あきんどスシローの2月24日付発表によると、熊本県では行政の指導によりアルコールスプレーを卓上に設置していた。
そのため、今回の事件は単純に店舗が不要な備品を設置していたという問題ではない。
衛生管理を目的として置かれていたものが、客によって本来の用途とは異なる方法で使用されたという構図だ。
撤去は行政に確認したうえで実施
会社は、事件を受けて行政に確認したうえで、卓上からスプレーを撤去したと発表している。
ここで注意したいのは、公式発表が説明しているのは熊本県における設置状況と撤去対応だということ。
スシロー全店舗からアルコールスプレーが一斉撤去されたと発表されたわけではない。
この点は、ネット上で広まりやすい情報との違いとして押さえておきたい。
撤去によって浮かび上がった店舗衛生管理の課題
今回の事件が示したのは、衛生用品を置くだけでは、店舗の安全を十分に確保できないという問題だ。
店舗側は、清掃や消毒のために必要な備品を設置する。一方、利用客がそれをどのように扱うかまでは完全にコントロールできない。
そのため、飲食店の衛生管理には、備品の選定や消毒だけでなく、設置場所、利用方法、従業員による確認など複数の対策が必要になる。
今回の撤去は、衛生用品の利便性と、悪用された場合のリスクを改めて考える契機になった。
【刑事・民事対応】スシローは被害届を提出した後どうなった?
事件の法的な対応については、会社の発表と報道で確認できる事実を区別する必要がある。
2023年2月24日付で被害届を提出
2023年2月27日、あきんどスシローは、今回のアルコール噴射事件について2月24日付で所轄警察署に被害届を提出していたことを明らかにした。
同社は、刑事・民事の両面から厳正に対処する方針を示していた。
被害届は、犯罪被害を警察に申告する手続きの一つであり、提出しただけで加害行為について有罪判決が確定するものではない。
警察による捜査、検察による起訴・不起訴の判断、裁判などは、それぞれ別の段階にあたる。
関係者から連絡があったことも公表
2月24日の公式発表では、迷惑行為を行った関係者から連絡があったことも説明されている。
ただし、会社が公表したのは連絡があったという事実であり、それだけで刑事責任や民事責任が確定したわけではない。
また、関係者の氏名、個人情報、最終的な処分内容を推測して拡散することは適切ではない。
2026年現在、刑事処分や賠償額は判明している?
2026年11月5日時点で、今回確認できた会社の公式発表と主要報道資料からは、次の結果を確定できる公表情報は特定できない。
- 逮捕や書類送検の有無
- 検察による起訴・不起訴の判断
- 刑事裁判の判決内容
- スシロー側が実際に提起した民事訴訟の有無
- 最終的な損害賠償額や和解金
ここで重要なのは、刑事・民事の両面で対応すると発表したことと、実際に民事訴訟を起こして判決を得たことは別だという点だ。
会社が厳正な対応方針を示したことは確認できる。しかし、方針の発表だけから、その後の法的手続きの結末まで断定することはできない。
【2026年最新】スシローのアルコールスプレーと迷惑行為対策の現在
事件から約3年9か月が経過した2026年11月現在、読者が知りたいのは、当時の騒動だけではなく、スシローが現在どのような店舗運営をしているかという点だろう。
卓上スプレーは現在も撤去されている?
今回の事件に関する公式発表では、熊本県の行政指導により設置されていたアルコールスプレーを、行政に確認したうえで卓上から撤去したことが明らかにされている。
ただし、その発表は2023年2月24日時点の対応を説明したものだ。
2026年現在、全国の全店舗についてアルコールスプレーの設置・撤去状況を一覧化した最新の公式資料は確認できない。
したがって、次の2つは区別しなければならない。
- 2023年の事件を受け、熊本県の卓上設置分を撤去したことは公式発表で確認できる。
- 2026年現在の全国すべての店舗の設置状況は、この事件の公式発表だけでは判断できない。
なお、スシローの公式店舗情報には、現在も光の森店が掲載されている。所在地は熊本県菊池郡菊陽町光の森7-41-10である。
2023年に発表された迷惑行為対策
アルコールスプレー事件の背景には、2023年初頭に回転寿司業界全体を揺るがした迷惑動画問題があった。
スシローはアルコール噴射事件より前の2月3日、店舗運営方法の一時変更を発表している。
主な内容は次の3点だ。
1. レーンでは注文された商品を提供
タッチパネルから注文された商品を提供する方式に変更。店舗によっては専用レーンを使い、注文品を客席まで届ける仕組みも導入した。
2. 食器や調味料の交換に対応
テーブルに置かれた食器や調味料について、交換を希望する客はスタッフに申し出れば、新しいものを席まで届けてもらえる仕組みを発表した。
3. アクリル板の設置
客席とレーンの間に透明なアクリル板を順次設置する方針を公表した。
これらは2月24日のアルコール噴射事件への対応だけではない。先行して発生していた迷惑行為を受けて発表された対策であり、2月24日の文書でも継続していることが説明された。
回転寿司の迷惑行為対策は何が変わったのか
この一連の問題から見えてくるのは、従来の店舗衛生管理だけでは、SNS時代のリスクに対応しきれないという現実だ。
従来の衛生管理は、食品の温度管理、調理器具の洗浄、従業員の手洗い、テーブルの清掃などが中心だった。
しかし、客が店舗内で意図的に商品や備品に不適切な行為を行い、それを動画にして投稿するケースでは、別の対策も必要になる。
具体的には次のような仕組みが重要だ。
- 客が商品に直接触れにくい提供方法
- 備品を必要に応じて交換できる仕組み
- 不審な行為を早期に発見する店舗管理
- 問題発生時の迅速な商品回収と衛生確認
- 防犯映像などの適切な記録・保全
- 警察や関係機関との連携
- 事実関係を迅速に説明する広報体制
重要なのは、問題が発生した後に謝罪するだけではなく、そもそも不適切な行為が起きにくい店舗環境を整えることだ。
【噂と事実を検証】スシローのアルコールスプレー事件で間違えやすい5つのポイント
事件に関する検索では、撮影日や店舗、アルコールの安全性、犯人の特定、裁判の結果など、さまざまな情報が混在している。
特に注意したいのは、会社の公式発表とSNS上の推測が同じ確度で扱われてしまうことだ。
| ネット上で見かける情報 | 確認できる事実 |
|---|---|
| 撮影日は2023年2月24日 | 2月24日は会社の発表日。撮影日は公式に確定していない |
| 店舗は熊本県内のどこか | 光の森店と会社が公式発表している |
| アルコールは食品添加物だから問題ない | 食品添加物への使用と、当該製品を寿司に噴射する行為の安全性は別 |
| スシロー全店からスプレーが撤去された | 公式発表で確認できるのは熊本県における卓上設置分の撤去 |
| 被害届提出後、裁判で賠償が確定した | 被害届提出と刑事処分・民事判決は別。最終結果は確認できる公表資料がない |
特に注意したいのは人物の特定情報
事件当時、SNSでは動画に登場した人物や学校などを特定しようとする動きが見られた。
しかし、インターネット上の書き込みや画像だけでは、本人確認や関係者の確定にはならない。
あきんどスシロー自身も、2023年2月24日の公式発表で、関係者への直接的な危害につながる言動を控えるよう呼びかけている。
事件の検証と、個人情報を拡散する行為は切り離すべきだ。
情報を見極めるための判断基準
2026年現在、事件に関する新しい情報を見つけた場合は、次の順序で確認するとよい。
1. あきんどスシローの公式発表に記載されているか。
2. 警察・検察・裁判所などの公的情報で裏付けられているか。
3. 報道機関が取材に基づいて報じているか。
4. 発表日と出来事の日付が混同されていないか。
5. 個人の推測や匿名投稿を事実として扱っていないか。
特に、逮捕、起訴、判決、損害賠償といった法的な結果については、一次資料や信頼できる報道による裏付けが欠かせない。
【よくある質問】スシローの寿司アルコールスプレー事件に関するFAQ
Q1:スシローの寿司にアルコールスプレーを噴射した事件はいつ起きた?
A1:事件がSNSで発覚したのは2023年2月23日ごろで、あきんどスシローは2月24日に公式発表した。動画の実際の撮影日は公表されていない。一部報道では2022年秋ごろの可能性も指摘されている。
Q2:アルコールスプレー事件が起きた店舗はどこ?
A2:熊本県菊池郡菊陽町にあるスシロー光の森店。会社の2023年2月24日付公式発表に店舗名と所在地が記載されている。
Q3:なぜスシローは卓上のアルコールスプレーを撤去した?
A3:熊本県では行政の指導によって卓上に設置されていたが、事件を受けて行政に確認したうえで撤去したと会社が発表している。全国の全店舗で一斉撤去したという発表ではない。
Q4:スプレーのアルコールは食品添加物だった?
A4:会社は、スプレーの内容物について食品添加物にも使用されているものと説明した。ただし、食品添加物として利用される成分であることと、当該製品を寿司に直接噴射してよいことは同じではない。
Q5:スシローは犯人に被害届を提出した?
A5:2023年2月24日付で所轄警察署に被害届を提出したと、同月27日に会社が明らかにした。刑事・民事の両面から厳正に対処する方針も公表している。
Q6:2026年現在、犯人の逮捕や損害賠償は確定している?
A6:今回確認できた公開資料では、この事件に関する最終的な刑事処分や民事賠償額を確定できる情報は確認できない。被害届の提出を、その後の有罪判決や賠償確定と混同しないことが大切だ。
Q7:現在もスシロー光の森店は営業している?
A7:2026年11月に確認したスシロー公式店舗情報には、光の森店が掲載されている。所在地は熊本県菊池郡菊陽町光の森7-41-10。ただし、事件当時の卓上スプレーの撤去状況と現在の店舗設備は別の情報である。
まとめ:スシローのアルコールスプレー事件から学ぶべきこと
スシローの寿司アルコールスプレー事件は、2023年2月にSNSで拡散した迷惑行為であり、熊本県菊陽町の光の森店で発生したことが、あきんどスシローの公式発表によって確認されている。
事件をめぐる重要な事実は次のとおりだ。
- 2023年2月24日: あきんどスシローが対象店舗と事件の概要を公式発表。
- 同日付: 所轄警察署に被害届を提出。
- 卓上スプレー: 熊本県の行政指導によって設置されていたが、事件後に行政へ確認して撤去。
- 食品添加物: アルコール成分が食品添加物にも使われることと、スプレーの不適切な使用が許容されることは別問題。
- 2026年現在: 事件の最終的な刑事処分や民事上の賠償結果を確定できる公表情報は確認できない。
この事件が飲食業界に突きつけた課題は、食品の安全を守るためには、衛生用品や設備を整えるだけでは不十分だということだ。
安心して食事ができる環境には、店舗側の衛生管理、利用客のマナー、問題発生時の迅速な対応、そして再発を防ぐ仕組みが欠かせない。
また、SNSで拡散された映像のインパクトだけで事件の全容を判断するのではなく、公式発表、警察への届出、実際の法的手続きという段階を分けて理解することも重要だ。
2026年現在、この事件について確実に押さえておきたいのは、光の森店での発生、2023年2月24日の公式発表、卓上スプレーの撤去、そして被害届の提出という4つの事実である。 その後の法的な結末については、確定情報が公表されない限り、推測で補うべきではない。