2026年現在、ATSUSHIはフランスのパリを活動拠点に、ソロダンサー・アーティストとして活動しています。
日本国内の音楽フェスやファッションショーに加え、海外アーティストとの共同制作、オペラ公演などへ活動領域を広げています。Dragon Ash脱退後のキャリアを語るうえで、パリへの移住とオペラへの進出は大きな転換点です。
2021年のパリ初公演から2024年の本格移住へ
パリとの関係が始まったのは、2024年の移住よりも前です。
2021年、ATSUSHIはパリ日本文化会館でソロダンス公演「POWER of LIFE in PARIS 2021」を開催しました。この公演は、東日本大震災から10年という節目を意識して制作された作品です。
その後もパリで公演を重ね、2023年には「LIMINAL」を発表。日本と海外での活動実績をもとにフランスの才能ビザ(Passeport talent)を取得し、2024年1月からパリを活動拠点とする方針を打ち出しました。
2024年には実際に渡仏し、現地のアーティストとの共同制作やソロ公演を展開しています。
ここで注意したいのが、2021年と2024年の違いです。2021年はパリでのソロ公演、2024年は生活・活動の拠点をフランスへ移した時期です。「2021年にパリへ移住した」という理解は正確ではありません。
2024年『マダム・バタフライ』でオペラデビュー
ATSUSHIの海外活動で特に注目されるのが、オペラへの出演です。
2024年夏、フランスのエクサン・プロヴァンス音楽祭(Festival d'Aix-en-Provence)で上演された『マダム・バタフライ』に出演。これが本人にとって初めてのオペラ公演となりました。
同作はジャコモ・プッチーニ作曲のオペラで、日本人女性の蝶々さん(Cio-Cio San)を中心に、愛と裏切り、異文化間の認識のずれを描く作品です。
演出を担当したのは、ドイツの演出家アンドレア・ブレート。ATSUSHIはこの舞台で、これまでのストリートダンスや身体表現の経験を生かした出演者として参加しました。
さらに2025年1月22日から2月3日には、リヨン歌劇場(Opéra de Lyon)で同じ演出作品が再演され、ATSUSHIも出演者一覧の「Comédiennes et comédiens」に名前が掲載されています。
ここで押さえておきたいのは、ATSUSHIがオペラの主役歌手として出演したわけではないということです。歌唱を中心とする歌手とは異なり、身体表現を担うパフォーマーとしてオペラの舞台に参加しています。
2026年フランクフルト歌劇場『トゥーランドット』に出演
2026年の大きな活動実績が、ドイツのフランクフルト歌劇場(Oper Frankfurt)での『トゥーランドット』出演です。
同歌劇場の公式プロフィールには、ATSUSHI TAKAHASHIがダンサーとして掲載されています。2026/27シーズンの紹介では、これまでのDragon Ashでの活動や、POWER of LIFE、GAMA ROCK FESの共同創設者としての経歴も紹介されています。
出演作の『トゥーランドット』は、ジャコモ・プッチーニが作曲したオペラです。2026年は作品の初演から100年にあたる節目でもあり、フランクフルト歌劇場ではルチア・ロンケッティによる新たなプロローグを加えた演出が上演されました。
ATSUSHIの担当は、「Turandot's Bodyguards(トゥーランドットの護衛)」というダンサーの役です。2026年9月12日の公演キャストにも、Atsushi Takahashiの名前が記載されています。
2026年の再演日程は8月22日、29日、9月6日、12日、25日、10月3日。11月6日現在、これらの公演日程は終了しています。
今回の出演で重要なのは、ロックバンドの元メンバーという経歴だけでなく、身体表現を専門とするダンサーとして欧州の主要歌劇場の公演に参加している点です。
オペラは歌手、オーケストラ、演出家、舞台美術、照明、衣装など多くの専門家が協力して成立する総合芸術です。そこにダンサーとして参加することは、ATSUSHIが長年追求してきたジャンル横断型の表現を、新しい環境で発展させていることを示しています。
【脱退後の評判】ATSUSHIの評価はどう変わった?

ATSUSHIのDragon Ash脱退後の評価を考える際には、バンド時代の功績と、その後の個人活動を分けて見る必要があります。
Dragon Ashのメンバーから寄せられた感謝と敬意
2020年の脱退発表では、Kj、櫻井誠、BOTS、hirokiがそれぞれコメントを発表しました。
特にBOTSは、ATSUSHIとDRI-Vのダンスによって生まれた手拍子や掛け声、観客との一体感が、今後のDragon Ashのステージにも受け継がれていくという趣旨のメッセージを寄せています。
また、Kjは2人の新しい道を晴れやかに送り出したいという思いを表明。櫻井誠も、長年ともに活動した仲間の旅立ちを寂しく思いながら、今後も友人として応援する姿勢を示しました。
こうしたコメントからは、少なくとも公に示されたメンバー間の関係が、感謝と敬意を伴うものだったことが読み取れます。
脱退後の活動が示すダンサーとしての評価
ATSUSHIのキャリアは、Dragon Ashを離れたことで縮小したわけではありません。
2021年のパリ公演、2024年のオペラデビュー、2025年のリヨン歌劇場出演、2026年のフランクフルト歌劇場出演と、活動の舞台は広がっています。
もちろん、これらの出演歴だけで欧州のダンス業界全体における評価を数値化することはできません。しかし、複数の海外文化機関の公式キャスト・プロフィールに名前が掲載されていることは、継続的な舞台活動を示す具体的な実績です。
また、GAMA ROCK FESやPOWER of LIFEを継続してきたことからも、ATSUSHIは舞台に立つだけでなく、企画や社会活動を通して表現の場を作る人物でもあります。
ATSUSHIの現在を知るための判断基準
インターネット上でATSUSHIの情報を探す場合は、次の3点を意識すると、過去と現在を混同しにくくなります。
- Dragon Ash時代の情報:2001年からのサポート参加、2003年の正式加入、2020年の脱退を基準にする。
- 日本での活動:POWER of LIFEやGAMA ROCK FESなど、個人名義のプロジェクトを確認する。
- 海外での活動:パリへの移住時期、オペラの公式キャスト、歌劇場の出演記録を確認する。
特に「Dragon Ashの元ダンサー」という紹介だけで現在の活動を判断するのは不十分です。現在のATSUSHIは、ソロダンス、国際的な舞台芸術、社会的なプロジェクトを横断するアーティストとして活動しています。
【Dragon AshのATSUSHI】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:Dragon AshのATSUSHIはいつ脱退しましたか?
A1:2020年9月4日に開催された7人体制最後のライブ「DRAGONASH LIVE “DEPARTURE”」をもって脱退しました。正式加入は2003年で、約20年間にわたってバンドに関わりました。
Q2:ATSUSHIとDRI-Vの脱退理由は不仲だったからですか?
A2:公式発表では、メンバーやスタッフが話し合いを重ね、それぞれの人生を歩むための前向きな決断と説明されています。不仲が原因だったという公式発表はありません。
Q3:ATSUSHIは2026年現在どこに住んでいますか?
A3:2024年からフランスのパリを活動拠点としています。2021年のパリ公演を経て、フランスの才能ビザを取得して渡仏しました。
Q4:ATSUSHIはオペラ『トゥーランドット』で何役を演じましたか?
A4:2026年のフランクフルト歌劇場公演では、トゥーランドットの護衛役(Turandot's Bodyguards)として出演しました。歌唱を担当する主役ではなく、ダンサーとしての出演です。
Q5:ATSUSHIのPOWER of LIFEとは何ですか?
A5:2009年に発足した、生命の素晴らしさや尊さを伝えるプロジェクトです。写真展やライブ、動物保護施設への支援、震災復興支援などを行っています。
Q6:ATSUSHIはGAMA ROCK FESの主催者ですか?
A6:はい。写真家の平間至とともに企画・主宰に携わっています。2012年に宮城県塩竈市で第1回が開催され、地域の音楽・アート・食を結ぶイベントとして始まりました。
まとめ:Dragon Ash脱退後も進化を続けるATSUSHIの現在
ATSUSHI(高橋淳)は、Dragon Ashの7人体制を支えたダンサーであり、現在はパリを拠点に国際的な活動を展開するアーティストです。
これまでの歩みを振り返ると、次のような転換点があります。
- 1996年:ストリートダンスを開始。
- 2001年:Dragon Ashにサポート参加。
- 2003年:正式メンバーに加入。
- 2006年:ソロダンサーとしての活動を開始。
- 2009年:POWER of LIFEを発足。
- 2012年:GAMA ROCK FESを企画・主宰。
- 2020年:Dragon Ashを脱退。
- 2021年:パリでPOWER of LIFEのソロ公演を開催。
- 2024年:パリへ活動拠点を移し、『マダム・バタフライ』でオペラデビュー。
- 2025年:リヨン歌劇場で『マダム・バタフライ』に出演。
- 2026年:フランクフルト歌劇場『トゥーランドット』に出演。
ATSUSHIのキャリアで興味深いのは、Dragon Ash時代と現在の活動が完全に切り離されているわけではないことです。大規模なライブで身体表現を磨いた経験、さまざまなアーティストとの共演、独自のプロジェクトを運営してきた経験が、現在の国際的な活動につながっています。
2026年のフランクフルト歌劇場出演は、その歩みを象徴する実績の一つです。ロックバンドのダンサーから、パリを拠点とする舞台芸術の表現者へ。ATSUSHIの挑戦は、ジャンルや国境を越えてダンサーが活躍できる可能性を示しています。
今後もオペラやソロ公演、POWER of LIFEなどを通じて、どのような身体表現を生み出していくのか。その活動に注目が集まります。