『ドラゴンボール』に登場するブルマのバイクには、「カプセルNo.9バイク」と「可変式No.19バイク」という、名前のよく似た2種類のモデルが存在する。どちらも鳥山明が描いた印象的なメカだが、登場する場面もデザインも異なり、商品化されたメーカーやギミックにも大きな違いがある。
2026年11月現在、特に注目したいのは、BANDAI SPIRITSが2018年12月に発売した可変式No.19バイクと、タカラトミーが2025年5月に発売したカプセルNo.9バイクだ。発売時価格はそれぞれ5,184円と1,320円。プラモデルとダイキャスト製ミニカーという違いだけでなく、原作再現の方向性も異なる。
まず答えを整理すると、悟空とブルマが冒険の旅に出る際に乗っていた有名なバイクがNo.9、漫画の扉絵に登場した変形機構付きのバイクがNo.19である。両者を混同しないことが、商品選びの第一歩になる。
【まず結論】ブルマのバイクはカプセルNo.9と可変式No.19の2種類

「ブルマのバイクは何号?」という疑問に対する答えは、どの場面や商品を指しているかによって変わる。
No.9とNo.19は、単純に同じバイクの番号違いではない。
カプセルNo.9バイクとは?
カプセルNo.9バイクは、漫画・テレビアニメ『ドラゴンボール』の初期に登場する、ブルマの代表的な乗り物だ。
悟空とブルマが初めて出会い、ドラゴンボールを探す旅に出る場面で活躍する。後部座席には悟空を乗せることができ、初期の冒険を象徴するメカとして知られている。
2025年発売のドリームトミカも、このバイクをモデルにしている。
ドラゴンボール公式サイトの2025年5月17日の商品紹介では、No.9のホイポイカプセルから飛び出したバイクとして紹介され、悟空を乗せる後部座席も再現されたことが説明されている。
可変式No.19バイクとは?
一方、可変式No.19バイクは、漫画『ドラゴンボール』の扉絵に登場した別デザインのバイクだ。
原作の単行本7巻に収録されている第73話「ブルー将軍の誤算」の扉絵に描かれたモデルとして知られ、2018年にBANDAI SPIRITSからプラモデルとして発売された。
こちらの最大の特徴は、通常のバイク形態だけでなく、二足歩行形態や三輪形態に変形できることだ。
ただし、ここで押さえておきたいのは、バイペダルモードやトライクモードは、2018年の商品化で楽しめる可変ギミックとして設計されたものだという点である。原作のストーリー中で3形態が順番に活躍するという意味ではない。
つまり、次のように整理できる。
- No.9:初期の冒険に登場するホイポイカプセルのバイク。
- No.19:別の漫画扉絵をもとにした可変式バイク。
「ブルマのバイク」という呼び方だけでは、どちらの商品を指しているか判断できない。
【原作を検証】No.9とNo.19の違いは登場場面とデザインにある
2台の違いを理解するには、原作漫画におけるブルマのメカ描写を振り返る必要がある。
No.9は悟空との冒険を象徴するバイク
No.9バイクの魅力は、ブルマと悟空の出会いという作品の原点に結び付いていることだ。
ドラゴンボール公式サイトが2021年11月20日に公開した連載開始記念記事では、1984年の『週刊少年ジャンプ』51号を振り返り、第1話の表紙に描かれた悟空とブルマの姿を紹介している。
同記事では、鳥山明自身が当時のバイクについて次のように振り返っている。
「表紙のバイクは当時、僕の愛車だったものを少しアレンジしてほとんどそのまま描いたものでした。」
この発言から分かるのは、鳥山明のメカデザインが、単なる空想上の機械ではなく、実際の乗り物への観察や愛着にも支えられていたことだ。
なお、このコメントは第1話の表紙のバイクについての発言であり、No.19の直接のモデルを説明したものではない。
No.19は第73話の扉絵に描かれたメカ
No.19バイクは、物語の進行に合わせて登場する一般的な移動手段というより、鳥山明のメカデザインを楽しめる扉絵由来のモデルだ。
単行本7巻には第73話「ブルー将軍の誤算」が収録されており、BANDAI SPIRITSの商品説明も、漫画の扉絵に登場したブルマのバイクを立体化した商品であると明記している。
No.19のデザインが商品化で特に映える理由は、通常の二輪車としてのシルエットに加え、機械的な可動構造を組み込める余地があることだ。
2018年の開発ブログでは、開発担当者が完成品を紹介し、実際に3つの形態へ変形させた状態を公開している。
これは、原作のイラストを忠実に立体化するだけではなく、鳥山メカの世界観を模型として拡張した商品企画だったことを示している。
【関係性を一覧化】ブルマのバイク・カプセル・商品化の対応表
ここまでの情報を整理すると、作品内の設定と現実の商品名を混同しにくくなる。
| 対象 | No.9バイク | No.19バイク |
|---|---|---|
| 基本的な位置付け | ホイポイカプセルNo.9のバイク | 可変式No.19バイク |
| 原作での登場 | 初期の冒険 | 漫画の扉絵 |
| 主な印象 | 悟空とブルマの旅 | 鳥山メカの独創性 |
| 商品化の代表例 | 2017年メカコレ、2025年トミカ | 2018年Figure-rise Mechanics |
| 商品の特徴 | 小型・コレクション向け | 3形態への可変 |
| メーカー | バンダイ、タカラトミーなど | BANDAI SPIRITS |
この表で特に重要なのは、No.9はカプセルの番号として商品名に採用されているのに対し、No.19は可変式バイクの商品名として区別されているという点だ。
No.19を「ホイポイカプセルNo.19」と理解するのは適切ではない。
また、ブルマのバイクという共通点だけで、2018年の商品と2025年の商品を同じ車両の新旧モデルとして扱うのも誤りである。
【ホイポイカプセルの仕組み】バイクはなぜ小さなカプセルに収納できるのか
ブルマのバイクを語るうえで欠かせないのが、ホイポイカプセルだ。
ホイポイカプセルは、カプセルコーポレーションが生み出した発明品であり、巨大な乗り物や建物などを小さなカプセルに収納して持ち運べる。
作中で説明される基本原理
ドラゴンボール公式サイトの2023年9月14日公開の特集記事では、ホイポイカプセルについて、物体を粒子状に変換して収納する仕組みとして説明している。
カプセルを投げると、中に収納されていたバイクや飛行機などが元の大きさで出現する。
この技術があるからこそ、ブルマは大型の乗り物を必要なときに取り出し、冒険に活用できる。
現代科学で実現できるのか
同じ公式特集では、メルカリの研究開発組織mercari R4Dの山村亮介氏と、東京大学教授の川原圭博氏が、ホイポイカプセルの実現可能性について解説している。
研究者が指摘した要点は、物体を小さくすることと、物体の質量そのものを軽くすることは別問題だという点だ。
物体を原子レベルで再構成するような仕組みは、核融合や核分裂に関係するほど高度な技術を必要とし、現代科学では実現方法が見えていない。
一方、関連する研究として、次のような技術が紹介されている。
- セルフアセンブリー: 小さな構成要素を自律的に組み立てる研究。
- セルフフォールディング: 平面状の素材を熱などによって立体に変形させる技術。
- 空気による膨張・収納: 柔らかい素材を膨らませて使用する方式。
特に興味深いのが、携帯可能な電動モビリティ「poimo(ポイモ)」だ。
空気で膨らませる柔らかい乗り物であり、ホイポイカプセルのように持ち運びやすい乗り物を目指す研究として紹介されている。
ただし、poimoは物体を粒子化してカプセルに収納する技術ではない。あくまで、折りたたみや膨張によって携帯性を高める現実的なアプローチである。
このように、ホイポイカプセルは作品内の便利な道具であるだけでなく、現実のモビリティ研究にも発想を与えている。
【徹底比較】2018年のNo.19プラモデルと2025年のNo.9トミカ
Figure-rise Mechanics ブルマの可変式No.19バイク
5,184円
発売当時の税込価格・BANDAI SPIRITS
組み立てと変形を楽しむ本格的なプラモデル。
ドリームトミカ ブルマのカプセルNo.9バイク
1,320円
発売時の税込希望小売価格・タカラトミー
手軽に飾れるダイキャスト製ミニカー。
1.2018年発売のFigure-rise Mechanics
BANDAI SPIRITSの「Figure-rise Mechanics ブルマの可変式No.19バイク」は、2018年12月8日発売の商品だ。
発売当時の価格は5,184円(税込)。税抜価格は4,800円で、当時の消費税率8%が適用されていた。
現在のBANDAI SPIRITS公式商品情報ページでは、5,280円(税込)と掲載されている。発売当時の価格と現在の掲載価格は、消費税率の違いを踏まえて区別したい。
最大の特徴は、次の3形態に変形できることだ。
バイクモード
通常の二輪バイク形態。高速走行を想定した基本形態で、鳥山明らしいメカの細かな造形が楽しめる。
バイペダルモード
二足歩行形態。通常のバイクでは走行しにくい地形を進むための、独特なメカ構造になっている。
トライクモード
三輪形態。バイクモードのスピードとバイペダルモードの走破性を組み合わせたバランス型だ。
BANDAI SPIRITSの開発ブログでは、各形態の写真とともに、変形機構の特徴が詳しく紹介されている。
7つのギミックと模型としての完成度
この商品は、単純にバイクの形を再現しただけではない。
メーカーが紹介している主な特徴は次のとおりだ。
- メカニカルなディテールを再現。
- バイクモードのサスペンションが実際に作動。
- メッキパーツを使用したマフラーやスポーク。
- ドラゴンレーダーを配置したパネル。
- バイペダル・トライクへの可変機構。
- ブルマの専用フィギュアが付属。
- 変形形態に対応した腕部・脚部の差し替えパーツが付属。
メーカー公表のセット内容は、成形品16枚ではなく成形品16個のランナー、ホイルシール、水転写式デカール、スプリング2本、取扱説明書などで構成されている。
ブルマ本体や差し替えパーツ、ディスプレイ台座も付属するため、完成後は複数の姿で飾れる。
2.2025年発売のドリームトミカ
タカラトミーの「ドリームトミカ トミカ×ドラゴンボール ブルマのカプセルNo.9バイク」は、2025年5月17日発売。
希望小売価格は1,320円(税込)で、対象年齢は3歳以上だ。
商品サイズは以下のとおり。
- 幅:25mm
- 高さ:45mm
- 奥行き:60mm
原作のバイクの特徴的な造形を再現し、ハンドルがタイヤと連動して可動する。加えて、自立して飾れる仕様になっている。
後部座席には悟空を乗せるためのスペースも再現されている。
電池は不要で、完成済みのミニカーとして購入後すぐに楽しめる点も特徴だ。
どちらを選ぶべきか
選ぶ基準は、価格だけではない。
| 比較項目 | No.19プラモデル | No.9トミカ |
|---|---|---|
| 発売日 | 2018年12月8日 | 2025年5月17日 |
| 発売時価格 | 5,184円 | 1,320円 |
| メーカー | BANDAI SPIRITS | タカラトミー |
| 商品形式 | 組み立て式プラモデル | ダイキャスト製ミニカー |
| 変形 | 3形態 | 通常のバイク形態 |
| ブルマ | フィギュア付属 | バイク単体 |
| 特徴 | 7つのギミック | ハンドル可動・自立 |
| 対象 | 模型・メカ好き | 幅広いコレクター・子ども |
No.19がおすすめなのは、模型の組み立てや変形ギミックを楽しみたい人。
一方、No.9がおすすめなのは、初期のドラゴンボールの世界観を手軽にコレクションしたい人だ。
価格差だけで判断するとNo.9が圧倒的に手頃だが、商品の楽しみ方そのものが異なるため、単純な上位・下位モデルではない。
【商品化の経緯】2017年から2025年までブルマのバイクはどう立体化された?
ブルマのバイクの商品化は、2018年のNo.19プラモデルから始まったわけではない。
実際には、2017年にNo.9の小型プラモデルが登場している。
ブルマのバイクの商品化年表
2017年5月20日:メカコレクション No.9
バンダイから「メカコレクション ドラゴンボール 1巻 ブルマのカプセルNO.9バイク」が発売。
価格は715円(税込)。接着剤不要の手のひらサイズのプラモデルで、ブルマと悟空のフィギュアも付属した。
2018年12月8日:Figure-rise Mechanics No.19
可変機構を搭載したNo.19バイクが発売。
発売当時の価格は5,184円(税込)。鳥山明の扉絵に登場するバイクを、3形態に変形する模型として立体化した。
2024年12月16日:トミカとの初コラボ発表
タカラトミーが『ドラゴンボール』との初コラボレーションを発表。
2024年の連載40周年を記念し、「ドリームトミカ トミカ×ドラゴンボール」シリーズを展開することが明らかになった。
2025年5月17日:No.9トミカ発売
No.9バイクがトミカとして登場。
希望小売価格1,320円(税込)。孫悟空の筋斗雲とともにシリーズ第1弾の商品となった。
なぜNo.9がトミカになったのか
ここには、トミカという商品の特徴が関係している。
タカラトミーの2024年12月16日の発表によると、今回のコラボレーションは『ドラゴンボール』連載40周年を記念した企画であり、トミカと同作品の初めてのコラボレーションだった。
第1弾には、孫悟空の筋斗雲とブルマのカプセルNo.9バイクが選ばれた。
この組み合わせは、作品を象徴する乗り物を、トミカの手のひらサイズのミニカーという形式で再現する企画として理解できる。
No.9バイクは、ブルマと悟空の出会いという作品の原点を象徴する存在だ。後部座席に悟空を乗せるという特徴もあり、車両単体だけでなく、2人の冒険を思い出させるデザインになっている。
一方、No.19は可変機構や精密なメカ造形が商品の中心となる。2018年の商品化では、組み立てる楽しさと変形遊びを重視した設計が採用された。
つまり、同じ鳥山メカでも、商品ごとに異なる魅力を前面に出している。
【2026年最新】ブルマのバイクの販売状況と購入時の注意点
2026年11月現在、2商品の販売状況には違いがある。
ドリームトミカ No.9の販売状況
タカラトミーモールの商品ページでは、2026年11月時点で次の情報を確認できる。
- 商品名:ブルマのカプセルNo.9バイク
- 希望小売価格:1,320円(税込)
- 発売日:2025年5月17日
- 商品番号:4904810951957
- 対象年齢:3歳以上
- 在庫表示:在庫あり
発売時の価格を維持した公式商品ページが確認できるため、まずはメーカー公式通販を確認するのが合理的だ。
ただし、販売価格や在庫は変動する。家電量販店などでは値引き販売の例もあり、2026年秋には920円前後の掲載例も確認できる。
希望小売価格より安く購入できる可能性もあるため、購入時には送料を含めて比較したい。
Figure-rise Mechanics No.19の販売状況
2018年発売のNo.19プラモデルは、発売から時間が経過している。
BANDAI SPIRITSの公式商品情報ページには、商品名・発売日・仕様・価格が掲載されているものの、現在の再生産や継続的な店頭販売を保証する情報ではない。
中古市場では、駿河屋に8,300円(税込)の中古出品例が確認できるなど、発売時価格を上回る販売例も存在する。
購入時には、次の項目をチェックしたい。
- 未組み立てか、組み立て済みか。
- ブルマのフィギュアが付属しているか。
- 差し替え用の腕部・脚部パーツがそろっているか。
- スプリングやデカールなどの付属品がそろっているか。
- 外箱や説明書に破損・欠品がないか。
特に変形機構を楽しみたい場合、可動部品や差し替えパーツの欠品は商品の価値を大きく左右する。
中古品の価格は販売店や状態によって異なるため、発売時価格の5,184円を基準に、商品の状態と付属品を照らし合わせて判断することが大切だ。
【ブルマのバイク】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:ブルマのバイクは何号ですか?
A1:初期の冒険で悟空とブルマが乗っていたバイクは、ホイポイカプセルNo.9のバイクです。一方、漫画の扉絵に登場する別モデルには、可変式No.19バイクという名称が付いています。
Q2:No.9とNo.19は同じバイクですか?
A2:別のモデルです。No.9は初期の冒険に登場するバイク、No.19は漫画の扉絵に描かれた別デザインのバイクです。商品化された時期やメーカーも異なります。
Q3:2018年のブルマのバイクのプラモデルはいくらでしたか?
A3:BANDAI SPIRITSのFigure-rise Mechanics版は、発売当時5,184円(税込)でした。2018年12月8日に発売され、バイクモード、バイペダルモード、トライクモードの3形態に変形できます。
Q4:2025年のブルマのトミカはいくらですか?
A4:希望小売価格は1,320円(税込)です。2025年5月17日に発売されました。ハンドルが可動し、自立して飾れる仕様です。
Q5:No.19のバイクもホイポイカプセルから出てくる設定ですか?
A5:No.19は公式商品名が「可変式No.19バイク」となっている別モデルです。No.9のようにホイポイカプセルの番号を商品名にしたものではありません。両者の設定を混同しないようにしましょう。
まとめ:ブルマのバイクはNo.9とNo.19を区別して選ぶ
ブルマのバイクには、カプセルNo.9と可変式No.19という2つの異なるモデルが存在する。
No.9は、悟空とブルマが旅に出る初期の冒険を象徴するバイク。No.19は、鳥山明が描いた別の扉絵をもとにした、メカニカルな可変式バイクだ。
商品を選ぶ際には、次の基準が分かりやすい。
- 原作初期のブルマと悟空の冒険を楽しみたい: 2025年発売のドリームトミカ No.9。
- 鳥山メカの精密な造形を楽しみたい: 2018年発売のFigure-rise Mechanics No.19。
- 組み立てや変形ギミックを楽しみたい: No.19プラモデル。
- 手頃な価格でコレクションしたい: No.9トミカ。
特に注目したいのは、2017年の小型プラモデルから2018年の可変式模型、2025年のトミカへと、同じ作品の乗り物が異なる商品形式で立体化されてきたことだ。
鳥山明のメカデザインは、単に懐かしいだけではない。実際の乗り物を思わせる造形と、現実には存在しない未来的な機構が共存している。その魅力が、発売時期やメーカーを超えて商品化され続ける理由の一つになっている。
【プロの結論】
ブルマのバイクを購入するなら、まずNo.9とNo.19のどちらを探しているのかを明確にすることが重要だ。
原作の思い出を手軽に楽しむならNo.9、鳥山メカの造形と可変構造を深く楽しむならNo.19。価格だけでなく、原作での位置付けと商品としての遊び方を基準に選ぶと、購入後の満足度も高くなる。
2026年も、ブルマのバイクは『ドラゴンボール』初期の魅力を象徴するメカとして、原作ファンと模型・ミニカーファンの双方にとって興味深いコレクションアイテムであり続けている。