2026年11月1日、デイリースポーツ提供の競馬ニュースで、モレイラ騎手の短期免許取得と来日予定が報じられた。内容は次のとおりだ。
- 来日予定期間:2026年11月21日~12月6日
- 身元引受調教師:池江泰寿調教師(栗東)
- 契約馬主:里見治氏
- 注目騎乗予定:11月22日マイルチャンピオンシップ
- 騎乗予定馬:ロデオドライブ
今回の来日は、2025年9月13日~28日の短期免許以来となる。期間が実現すれば、約1年2カ月ぶりのJRAでの騎乗となる。
正式交付と取得予定の違い
読者が最も注意したいのは、2026年11月6日時点での発表状況だ。
報道では「短期免許を取得へ」「来日予定」と伝えられている。一方、JRAの2026年11月ニュース一覧を確認すると、11月5日にはトム・マーカンド騎手への短期免許交付が掲載されているものの、モレイラ騎手の交付発表は確認できない。
つまり、現段階では次のように整理するのが正確だ。
来日・免許取得の報道
11月21日~12月6日の取得予定が報じられている。
JRAによる正式交付
11月6日時点でJRAのニュース一覧にモレイラ騎手の交付発表は見当たらない。
マイルCSの騎乗
ロデオドライブとのコンビが報道されている。正式な出馬表での確認は今後の段階。
この違いは単なる言葉の問題ではない。JRAの短期騎手免許は、申請者の実績や必要書類を審査し、最終的に免許試験委員会が交付の可否と期間を判断する制度だからだ。
したがって、報道された期間をそのまま正式な免許期間として扱うのは早い。JRAの交付告知が出た時点で、初めて正式決定と判断できる。
【制度を詳しく解説】JRA短期騎手免許の交付条件と取得の仕組み

モレイラ騎手が日本で騎乗できる背景には、JRAが定める外国人騎手向けの短期免許制度がある。
短期免許は、海外で実績を積んだ騎手が一定期間、日本の競馬で騎乗するための制度だ。単に海外で有名であれば取得できるわけではない。
2026年度の短期免許取得条件
JRAが2026年2月1日に改定した「2026年度 短期免許申請ガイダンス」では、平地騎手について、主に次の3つの実績ルートが示されている。
1. リーディング順位による条件
拠点とする国・地域に応じたランキング条件を満たすこと。ブラジルなどの「その他の国・地域」では、過去2シーズンのいずれかで国別リーディング1位となり、当該年または過去2年に所定のG1競走を勝利していることが条件となる。
2. 指定G1競走の勝利数による条件
JRAが定める対象競走を2勝以上していること。対象にはIFHAの世界トップ100G1競走や、所定のJRA国内G1競走などが含まれる。
3. ワールドオールスタージョッキーズ(WASJ)の成績による条件
当該年または過去2年に、騎手表彰順位5位以内に入っていること。
モレイラ騎手は取得条件を満たしているのか
ここで注目したいのが、2024年のワールドオールスタージョッキーズだ。
モレイラ騎手は同大会で1位を獲得している。2026年度のガイダンスでは、当該年または過去2年のWASJで5位以内という条件が設けられているため、2024年の優勝実績は取得要件を判断するうえで重要な材料となる。
加えて、2025年にはJRAのG1を3勝。高松宮記念、桜花賞、皐月賞という異なるカテゴリーの大舞台で結果を残した。
これらの実績は、今回の短期免許取得予定を理解するうえで大きなポイントだ。ただし、取得要件に該当することと、個別の免許交付が確定することは別である。
申請から正式交付までの流れ
JRAのガイダンスでは、申請には外国の騎手免許証、パスポート、進上金に関する契約書、身元引受調教師の確約書などが必要とされている。
また、就労ビザに関する手続きや健康診断書、薬物に関する誓約書なども必要になる。
2026年の秋季免許については、対象期間が10月19日から12月31日までとされ、申請締切は9月3日正午だった。
審査・選考を経た後には臨時試験としての面接もあり、最終的な免許の可否と期間は免許試験委員会が判断する。
つまり、短期免許は騎乗実績だけで決まるものではなく、資格審査、契約関係、ビザ、競馬のルールに関する手続きまで含めた制度なのである。
【関係者相関図】モレイラ・池江泰寿・里見治・ロデオドライブの関係
今回の来日報道で特徴的なのが、池江泰寿調教師と里見治氏が関係者として名前を連ねている点だ。
モレイラ騎手は過去にも池江厩舎や里見氏との関係があり、今回の組み合わせは突然生まれたものではない。
ただし、騎手の身元引受調教師と、騎乗予定馬の管理調教師は別の役割だ。また、騎手の契約馬主と実際に騎乗する馬の所有者も必ずしも同一ではない。
この点を整理すると、関係性が理解しやすくなる。
| 人物・対象 | 関係・役割 | 2026年の情報 |
|---|---|---|
| ジョアン・モレイラ | 主役となる騎手 | 11月21日から来日予定と報道 |
| 池江泰寿 | 身元引受調教師 | 今回の身元引受を担当する予定 |
| 里見治 | 契約馬主 | 今回の契約馬主として報道 |
| ロデオドライブ | 騎乗予定馬 | 2026年NHKマイルC優勝馬 |
| 辻哲英 | ロデオドライブの管理調教師 | 美浦所属 |
| 吉田勝己 | ロデオドライブの馬主 | JRAのNHKマイルC結果に記載 |
| JRA | 免許交付機関 | 正式な交付期間を決定する立場 |
池江泰寿調教師との関係
栗東所属・モレイラ騎手の身元引受調教師として報道
モレイラ騎手と池江調教師には2018年の短期免許時代から接点がある。当時のJRA発表を伝えたラジオNIKKEIの記事でも、池江調教師が身元引受調教師として記載されていた。
2018年11月の免許期間は11月10日から12月9日まで。今回も池江調教師が身元引受を担当する予定と報じられたことは、過去の協力関係を踏まえると自然な流れだ。
身元引受調教師は、外国人騎手の日本での活動を支える重要な存在である。免許申請に必要な確約書にも調教師の署名・捺印が求められている。
里見治氏との関係
モレイラ騎手の契約馬主として報道
JRAの過去の短期免許交付発表でも契約馬主として名前が記載されており、今回の報道にも再び登場している。
特に2025年9月の短期免許では、JRAが契約馬主を里見治氏と公表していた。
したがって、今回の契約関係は過去の実績ともつながっている。ただし、里見氏が契約馬主として名前を挙げられていることと、ロデオドライブの所有者であることは別の話だ。
【過去の短期免許歴】モレイラの来日実績とJRA通算成績
モレイラ騎手は今回が初めての日本参戦ではない。
2016年から日本で短期免許を取得しており、2018年には複数回の来日を経験。2023年以降も日本での騎乗を重ねている。
年代別の短期免許歴
主な免許期間を整理すると、次のようになる。
- 2016年:8月13日~8月28日
- 2017年:8月17日~8月22日
- 2018年:7月28日~8月24日、9月29日~10月28日、11月10日~12月9日
- 2023年:8月19日~9月18日、10月21日~12月13日
- 2024年:4月6日~6月5日
- 2025年:3月29日~4月28日、9月13日~9月28日
- 2026年:11月21日~12月6日の取得予定が報道されている
2016~2018年の実績は当時のJRA発表を伝えたラジオNIKKEIの記録、2023年以降はJRA公式の交付資料で確認できる。
JRA通算成績は712戦215勝
モレイラ騎手の実力を数字で見るうえで参考になるのが、JRAが2025年9月11日に公表したプロフィールだ。
JRA通算騎乗数712戦
JRA通算勝利数215勝
重賞勝利数17勝
勝率(単純計算)30.2%
2025年9月11日時点のJRA公表値。勝率は215勝÷712騎乗で算出。
特筆すべきは、2025年のG1実績だ。
- 3月30日:高松宮記念をサトノレーヴで優勝
- 4月13日:桜花賞をエンブロイダリーで優勝
- 4月20日:皐月賞をミュージアムマイルで優勝
春の短期免許期間中に、わずか数週間で3つのG1を制した。
芝1200メートルの高松宮記念、牝馬クラシックの桜花賞、牡馬クラシックの皐月賞という異なる条件で結果を残したことは、騎乗技術の幅広さを示す実績だ。
モレイラ騎手の実力と評判
モレイラ騎手が「マジックマン」と呼ばれる理由は、単純な勝利数だけではない。
香港競馬での活躍、ブラジルでの実績、海外G1での勝利、そして日本の大舞台での結果が評価の土台になっている。
JRAの公式プロフィールでは、2024年のWASJ優勝も記録されている。これは一時的な好調だけでは説明できない、国際的な競争力を示す材料だ。
また、2025年に異なる距離・カテゴリーのG1を3勝したことで、日本の競馬ファンにとっても存在感の大きな外国人騎手となった。
今回の来日で期待されるのは、単に有名騎手が日本に戻ってくることではない。限られた免許期間で、どの厩舎の馬に騎乗し、どのような結果を残すのかという点にある。
【マイルCS2026】ロデオドライブとのコンビはなぜ注目される?
今回の来日報道で最も注目されるのが、2026年11月22日に京都競馬場で開催される第43回マイルチャンピオンシップだ。
JRA公式の開催情報によると、同レースは芝1600メートルのG1競走。3歳以上の馬が出走する秋のマイル王決定戦である。
ロデオドライブは2026年NHKマイルカップの勝ち馬
騎乗予定馬として名前が挙がったロデオドライブは、2026年のNHKマイルカップを制した3歳牡馬だ。
JRA公式のレース結果では、次の情報が確認できる。
- 馬名:ロデオドライブ
- 性齢:牡3歳
- 父:サートゥルナーリア
- 母:ビバリーヒルズ
- 馬主:吉田勝己氏
- 調教師:辻哲英調教師
- NHKマイルカップ騎手:D.レーン騎手
NHKマイルカップ終了時点の成績は4戦3勝。重賞初勝利がG1制覇という実績を持つ。
ここで注目したいのが、今回のモレイラ騎手の契約馬主として報道された里見治氏と、ロデオドライブの馬主である吉田勝己氏が異なることだ。
これは矛盾ではない。
里見氏は騎手の契約馬主、吉田氏はロデオドライブの所有者という、それぞれ異なる立場にある。
また、池江泰寿調教師はモレイラ騎手の身元引受調教師として報じられている一方、ロデオドライブの管理調教師は辻哲英調教師だ。この2つも混同してはいけない。
マイルチャンピオンシップで注目すべきポイント
ロデオドライブにとって、今回のレースは3歳馬として古馬との力関係を測る重要な舞台となる。
NHKマイルカップを勝った実績があるため、同じ芝1600メートルのG1で再び能力を発揮できるかが焦点だ。
一方、モレイラ騎手の強みは、馬の特徴やレース展開に応じた騎乗を期待できる点にある。
ただし、NHKマイルカップの勝利だけでマイルCSの好走が保証されるわけではない。古馬との対戦、京都競馬場への適性、当日の馬場状態、枠順、調教内容などを合わせて評価する必要がある。
また、JRAの出馬表公開予定日は11月19日。11月6日時点では、騎乗予定という報道と最終的な出走確定を分けて考えたい。
【誤解を解消】モレイラ短期免許の最新情報で確認すべき5つのポイント
モレイラ騎手の来日をめぐる情報を追うとき、特に注意したいのが報道と公式発表の違いだ。
1. 「取得へ」と「交付済み」は違う
競馬ニュースで「短期免許取得へ」と報じられた場合、それは来日や免許取得の予定を伝えるものだ。
JRAが「短期免許を交付」と発表するまでは、正式交付済みとは扱わない。
2. 免許期間と騎乗日数は同じではない
11月21日から12月6日という期間は、免許の有効期間として報道されたものだ。
期間中のすべての開催日で騎乗するとは限らない。実際の騎乗予定は、競馬開催日程や騎乗馬の確定状況によって変わる。
3. 身元引受調教師と管理調教師は別
今回のケースでは、池江泰寿調教師がモレイラ騎手の身元引受を担当する予定と報じられている。
一方、ロデオドライブの管理調教師は辻哲英調教師だ。
役割を混同すると、今回の騎乗経緯を正しく理解できなくなる。
4. 契約馬主と競走馬の所有者は別
里見治氏はモレイラ騎手の契約馬主として報道されている。
ロデオドライブの所有者は吉田勝己氏であり、両者は異なる立場だ。
5. JRA通算成績は集計時点を確認する
712戦215勝という数字は、2025年9月11日時点のJRA公式プロフィールに記載されたものだ。
2026年の来日時点の通算成績と混同しないよう、数字には必ず集計時点を添えて確認したい。
こうしたポイントを押さえておけば、SNSや競馬ニュースで情報を見かけた際にも、確定情報と予定情報を正しく区別できる。
【よくある質問】モレイラ短期免許に関するFAQ
Q1:モレイラ騎手は2026年11月に日本へ来日する?
2026年11月1日の報道では、11月21日から12月6日までの短期免許取得と来日が予定されている。11月6日時点ではJRAによる正式交付発表は確認できていない。
Q2:モレイラ騎手の2026年の身元引受調教師は誰?
池江泰寿調教師と報じられている。2018年の短期免許でも池江調教師が身元引受を担当しており、過去からの関係がある。
Q3:モレイラ騎手はマイルチャンピオンシップで何に乗る予定?
NHKマイルカップを制したロデオドライブに騎乗する予定と報じられている。レースは2026年11月22日に京都競馬場で開催予定だ。
Q4:モレイラ騎手のJRA通算成績は?
JRAが2025年9月11日に公表したプロフィールでは、712戦215勝、重賞17勝となっている。これは同日時点の記録だ。
Q5:モレイラ騎手は過去にも日本で短期免許を取得している?
取得している。2016年に初期の短期免許実績があり、2018年、2023年、2024年、2025年にも来日している。
Q6:短期免許の取得条件は何?
海外でのリーディング順位、指定G1競走の勝利数、ワールドオールスタージョッキーズの成績など、JRAが定める条件のいずれかを満たす必要がある。さらに申請書類の審査や面接なども行われる。
まとめ:モレイラ短期免許2026年の正式発表と今後の注目点
2026年のモレイラ騎手の短期免許について、現時点で最も注目されるのは、11月21日から12月6日までの来日予定と、マイルチャンピオンシップでのロデオドライブ騎乗計画だ。
池江泰寿調教師が身元引受調教師、里見治氏が契約馬主として報じられていることも、過去の短期免許歴とつながる重要な情報である。
加えて、JRA通算712戦215勝、2025年のG1・3勝、2024年のWASJ優勝という実績を考えれば、今回の来日が競馬ファンから注目される理由も明確だ。
今後の確認要点は次の3つに絞られる。
1. JRAによる2026年短期騎手免許の正式交付発表
2. 11月21日以降の騎乗予定馬と騎乗レース
3. 11月22日のマイルチャンピオンシップにおけるロデオドライブとの正式なコンビ確定
今回のニュースは、単なる外国人騎手の来日情報ではない。過去に日本のG1で結果を残してきたモレイラ騎手が、再び日本の大舞台に挑む可能性を示すニュースだ。
正式交付と騎乗馬の確定を追いながら、2026年秋の競馬シーンを見守りたい。