NHK Eテレの人気キャラクター「ニャンちゅう」。独特のダミ声と「おねえさ~ん!」という親しみやすい話し方で知られていますが、現在の声を担当している声優は誰なのでしょうか。
2026年現在、ニャンちゅうの声を担当しているのは声優の羽多野渉(はたの・わたる)さんです。初代から約30年間声を担当してきたのは津久井教生(つくい・きょうせい)さんで、2023年4月放送分から羽多野さんに正式に引き継がれました。交代の発表は2022年11月18日です。
交代の背景には、津久井さんが公表していた難病ALS(筋萎縮性側索硬化症)の進行がありました。その後、津久井さんは声を発することが難しい状態になりながらも、番組のアドバイザーとして関わり続けています。2026年には自身の著書も刊行されました。
ここでは、歴代声優のプロフィール、交代時期と理由、津久井さんの2026年現在、羽多野さんが引き継いだ声の特徴、声真似のコツまで整理します。
【ニャンちゅうの声優は誰?】初代・津久井教生と2代目・羽多野渉を比較

ニャンちゅうの声優は、これまでに津久井教生さんと羽多野渉さんの2人が担当しています。
1992年の番組登場から2023年3月までが津久井さん、2023年4月以降が羽多野さんという区分です。
2人は同じキャラクターを演じていますが、それぞれの声には個性があります。津久井さんが長年かけて作り上げた独特のダミ声を、羽多野さんが受け継いだことが今回の交代の大きな特徴です。
初代・津久井教生さんは30年以上ニャンちゅうを担当
津久井教生さんは、東京都出身の声優・音楽家です。1992年4月にNHK教育テレビ(現・NHK Eテレ)で始まった『母と子のテレビタイム土曜版』から、ニャンちゅうの声を担当しました。
その後、番組名やシリーズの形が変わってもキャラクターの声を担当し続け、『ニャンちゅうワールド放送局』などでもおなじみの存在となりました。
ニャンちゅう以外では、『ちびまる子ちゃん』の関口くん役、『ご近所物語』の西野ジロー役、『忍たま乱太郎』の楽呂須太夫役などでも知られています。
津久井さんの演技の魅力は、単に声を低くしたり、わざと声をかすれさせたりするだけではありません。独特の鼻にかかった響き、語尾の伸ばし方、少し大げさな抑揚を組み合わせ、ニャンちゅうというキャラクターの人懐っこさやコミカルな雰囲気を作り上げてきました。
2代目・羽多野渉さんはどんな声優?
羽多野渉さんは長野県出身の声優で、81プロデュースに所属しています。3月13日生まれで、アニメ、ゲーム、音楽活動など幅広い分野で活躍しています。
代表的な出演作には『アイドリッシュセブン』の八乙女楽役、『僕のヒーローアカデミア』の心操人使役、『さんかく窓の外側は夜』の冷川理人役などがあります。
2026年現在も声優として活動しており、所属事務所の公式プロフィールには近年のアニメ出演作も掲載されています。
ニャンちゅうの引き継ぎに際して羽多野さんは、津久井さんを大好きな先輩であり恩師と表現し、キャラクターや作品が持つ温かさをつないでいきたいという趣旨のコメントを発表しました。
単なるキャスト変更ではなく、長年作品を支えてきた先輩から後輩へのバトンタッチだったことがうかがえます。
【声優交代はいつから?】2022年の発表から2023年4月までの経緯
ニャンちゅうの声優交代が正式に発表されたのは、2022年11月18日です。
発表したのは、津久井さんと羽多野さんが所属する81プロデュース。NHK Eテレで放送されているニャンちゅうシリーズについて、津久井さんから羽多野さんへ担当を引き継ぐことを公表しました。
発表文では、2022年度中は津久井さんが担当した回も放送される一方、2023年度の4月放送回からはすべて羽多野さんが担当すると説明されています。
交代発表の重要ポイント
81プロデュースの公式発表で特に重要なのは、声優の交代後も津久井さんが番組に参加することが明記されていた点です。
津久井教生はアドバイザーとして番組に参加いたします。 出典:81プロデュース「『ニャンちゅう』声優交代につきまして」2022年11月18日
つまり、津久井さんがニャンちゅうの声を担当しなくなったからといって、番組との関係が完全に終了したわけではありません。
長年キャラクターを演じてきた経験を生かし、後任への引き継ぎや番組への助言という形で関わることになりました。
【歴代声優と交代理由】ニャンちゅうの30年以上の歴史を年表で整理
ニャンちゅうの声優交代を理解するには、キャラクターの誕生から津久井さんの病気公表、そして羽多野さんへの引き継ぎまでを時系列で見ると分かりやすくなります。
ニャンちゅうの歴代声優・出来事一覧
出典:81プロデュース、講談社の発表、関連報道をもとに整理。
ニャンちゅうの声優交代理由はALSだった?
声優交代の背景として大きく関係しているのが、津久井さんのALSです。
津久井さんは2019年10月、筋萎縮性側索硬化症(ALS)と診断されたことを公表しました。
ALSは、運動神経に障害が起こり、手足や舌、のど、呼吸に関係する筋肉などが徐々に動かしにくくなる指定難病です。症状の進み方には個人差があります。
津久井さんは病気を公表した後も、ニャンちゅうの声を担当し続けました。しかし、病状の進行により、2022年末に気管切開手術を受け、人工呼吸器を装着することになりました。
2023年2月17日には、所属事務所の81プロデュースが津久井さんの状況を報告。本人も声を発することが非常に難しい状態になったことを伝えました。
この経緯から、ALSの進行が声優交代を考えるうえで重要な背景だったことは明らかです。ただし、2022年11月の交代発表文そのものには、交代理由をALSと明記した説明はありません。公式に確認できるのは、担当変更と津久井さんのアドバイザー就任です。
この区別は大切です。病気の進行と交代の時期が重なっていることと、事務所が発表文で明示した理由とは分けて理解する必要があります。
【ニャンちゅうの声が変わった?】独特な声の特徴と声真似のやり方
ニャンちゅうの声が変わったと感じる理由は、声優が交代したことだけではありません。長年聞き慣れた声の響きや話し方が変化したため、視聴者が違いを感じやすいのです。
ニャンちゅうの声の特徴は?
津久井さんが作り上げたニャンちゅうの声には、主に次のような特徴があります。
- ダミ声のようなざらつき: 滑らかすぎない、少しかすれた印象の声。
- 鼻にかかった響き: 鼻腔に抜けるような独特の音色。
- 誇張された抑揚: 感情を大きく表現するコミカルなイントネーション。
- 母音を伸ばす話し方: 「おねえさ~ん」のように語尾を長く引く表現。
- 親しみやすい間の取り方: 驚きや喜びを少し大げさに伝えるテンポ。
これらの要素が組み合わさることで、ニャンちゅうらしい声が生まれています。
津久井教生版と羽多野渉版の違い
両者の声を聞き比べる際は、単純に声の高さだけで判断しないことがポイントです。
津久井さんの演技は、長年にわたって定着した独特のダミ声と、少しクセのある発音が大きな魅力でした。キャラクターの声そのものが作品の印象を形作っていたといえます。
一方、羽多野さんは別の声優としての個性を持ちながら、そのキャラクター性を引き継いでいます。声の質感や細かなニュアンスに違いがあっても、ニャンちゅうらしいコミカルさや親しみやすさが大切にされています。
したがって、声が変わったという印象は間違いではありません。しかし、それはキャラクターが別人になったという意味ではなく、演じ手が変わったことによる自然な表現の違いです。
ニャンちゅうの声真似のやり方・声の出し方
ニャンちゅうの声真似をしたい人は、最初から無理に声をかすれさせるのではなく、話し方の特徴を一つずつ練習するのがおすすめです。
ステップ1:声の高さよりも響きを意識する
最初は普段の話しやすい声から始めます。鼻に軽く響くような音色を意識し、無理に喉を締め付けないようにしましょう。
ステップ2:母音を少し長くする
ニャンちゅうらしさを出すには、語尾の伸ばし方が重要です。短く言い切るのではなく、母音を少し長く発音してみてください。
ステップ3:抑揚を大きくする
普通の会話よりも感情の変化をはっきり表現します。驚いたときには声を少し高くし、語尾にはコミカルな余韻をつけると雰囲気が近づきます。
ステップ4:短いフレーズを録音する
短い言葉を録音し、声の響き、語尾、テンポを確認します。最初から完全に似せようとするよりも、一つずつ改善するほうが効果的です。
注意点:ダミ声を作ろうとして、喉を強く締めたり、声帯を無理にこすったりするのは避けてください。痛みやかすれが出た場合は練習を中断しましょう。ニャンちゅうらしさは、喉を傷めるほどの発声ではなく、響きやイントネーション、間の取り方でも表現できます。
【津久井教生の2026年現在】ALSと向き合いながら続ける活動
ニャンちゅうの初代声優として知られる津久井教生さんは、2026年現在もALSと向き合いながら活動を続けています。
2022年末の気管切開手術と人工呼吸器の装着を経て、従来のように声を使って仕事をすることは難しくなりました。しかし、発信活動そのものをやめたわけではありません。
2026年も公式ブログで近況を発信
津久井さんは公式ブログなどを通じて、自身の生活や病状、日々の工夫について発信しています。
ALSの進行によって身体を動かすことが難しくなった一方、視線入力などの技術を活用し、文章を書く活動を続けています。
2026年10月3日には、ALSの罹患を公表してから7年が経過したことについてもブログで報告しました。
加えて、11月1日のブログ更新では、2026年後半に病状の進行が速くなったことに触れながら、進行を緩めるための工夫を続ける意欲を示しました。
こうした発信は、単なる近況報告にとどまりません。声優として長く活動してきた津久井さんが、声を使えなくなった後も、自分の言葉を届ける方法を模索している姿でもあります。
2026年4月27日に著書『ALSと笑顔で生きる。』を刊行
『ALSと笑顔で生きる。声を失った声優の「工夫ファクトリー」』
著者:津久井教生
出版社:講談社
発売日:2026年4月27日
四六判・288ページ
ISBN:978-4-06-543429-1
2026年の津久井さんの活動を語るうえで注目したいのが、講談社から刊行された著書です。
タイトルは『ALSと笑顔で生きる。声を失った声優の「工夫ファクトリー」』。ALSと診断されてからの生活や、身体が動かしにくくなるなかで取り組んできた工夫、声を失った後のコミュニケーションなどがまとめられています。
特に印象的なのは、手が動かしにくくなった際には割り箸を使って文字を入力し、さらに身体の動きが制限されてからは視線入力を活用するなど、状況に応じて執筆方法を変えてきたことです。
声優として声で表現してきた人物が、別の方法で自分の言葉を残しているという点でも、津久井さんの歩みを知る貴重な一冊です。
ニャンちゅうの初代声優としての30年間だけでなく、一人の表現者として病気と向き合う現在の姿を知りたい人にも参考になります。
【羽多野渉のニャンちゅうは現在どうなった?】後任として受け継ぐキャラクター
2023年4月からニャンちゅうの声を担当している羽多野渉さんは、2026年現在も声優として活動を続けています。
81プロデュースの公式プロフィールには、アニメやゲームなどの出演作品が掲載されており、幅広い役柄を演じる声優として活躍しています。
ニャンちゅうの引き継ぎで重要なのは、羽多野さんが単純に津久井さんの声を再現することだけを求められているわけではないという点です。
長く愛されてきたキャラクターには、声の質感だけでなく、性格、話し方、番組内での立ち位置など、複数の要素が結びついています。
そのため、後任声優に求められるのは、先代の演技をそのままコピーすることではなく、視聴者が親しんできたキャラクターの魅力を保ちながら、新しい演技で表現することです。
津久井教生さんは完全に番組を離れたわけではない
もう一つ忘れてはいけないのが、津久井さんのアドバイザーとしての参加です。
81プロデュースの発表では、声優交代後も津久井さんが番組に関わることが明記されています。
これは、長年ニャンちゅうを演じてきた人物の経験やキャラクターへの理解が、後任への引き継ぎにおいて大切にされていることを示すものです。
津久井さんから羽多野さんへの交代は、30年以上続いたキャラクターの歴史を断ち切るものではなく、その魅力を次の世代につなぐための節目だったと捉えられます。
【ニャンちゅうの声】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:現在のニャンちゅうの声優は誰ですか?
A1:2026年現在、ニャンちゅうの声を担当しているのは羽多野渉さんです。2023年4月放送分から正式に引き継ぎました。
Q2:ニャンちゅうの初代声優は誰ですか?
A2:初代声優は津久井教生さんです。1992年の番組登場時から約30年間、ニャンちゅうの声を担当しました。
Q3:ニャンちゅうの声優が交代したのはいつですか?
A3:2022年11月18日に81プロデュースが交代を発表し、2023年4月放送分から羽多野渉さんが担当しています。
Q4:ニャンちゅうの声優交代理由は何ですか?
A4:交代の背景には、津久井教生さんが闘病していたALSの進行があります。ただし、所属事務所の2022年11月の公式発表には、交代理由の詳細は明記されていません。
Q5:津久井教生さんは2026年現在どうしていますか?
A5:ALSと向き合いながら生活し、視線入力などを活用した情報発信を続けています。2026年4月27日には著書『ALSと笑顔で生きる。』を刊行しました。
Q6:津久井教生さんは声優を引退したのですか?
A6:ニャンちゅうの担当は羽多野渉さんに引き継がれましたが、津久井さんは声優活動の交代後も番組のアドバイザーとして参加することが発表されています。担当交代と番組との関係終了は同じではありません。
Q7:ニャンちゅうの声真似をするコツは何ですか?
A7:鼻にかかった響き、少しかすれた音色、母音を伸ばす話し方、コミカルな抑揚を意識することです。喉を無理に締め付けず、短いフレーズから練習しましょう。
Q8:ニャンちゅうの歴代声優は何人ですか?
A8:公表されている担当者は2人です。初代が津久井教生さん、2代目が羽多野渉さんです。
まとめ:ニャンちゅうの声は津久井教生から羽多野渉へ、歴史と魅力は続いている
ニャンちゅうの声優は、1992年から約30年間担当した津久井教生さんから、2023年4月に羽多野渉さんへと引き継がれました。
2022年11月18日の81プロデュースによる公式発表が交代の節目となり、津久井さんは声の担当を離れた後もアドバイザーとして番組に参加することになりました。
交代の背景にはALSの進行があり、2023年には気管切開と人工呼吸器の装着を経て、声を発することが難しい状態になったことも公表されています。
一方、2026年の津久井さんは視線入力などを使って情報発信を続け、4月には自身の経験をまとめた著書も刊行しました。病気と向き合いながら、表現者として自分の言葉を届け続けています。
ニャンちゅうの声が変わったことは事実ですが、津久井さんが30年以上かけて築いたキャラクターの魅力は、羽多野さんへと受け継がれています。
昔からのファンは津久井さんの声に懐かしさを感じ、現在の子どもたちは羽多野さんのニャンちゅうに親しんでいく。2人の声優がそれぞれの時代を彩ってきたことこそ、ニャンちゅうというキャラクターの長い歴史を物語っています。