A級順位戦を正しく理解するには、対局数だけでなく、順位の決定方法と昇降級制度を押さえておきたい。
日本将棋連盟の公式ルールでは、A級は原則10人による総当たり戦。成績最上位の棋士が名人戦の挑戦者となり、成績下位の2人が降級する。
A級順位戦の基本ルール
| 項目 | ルール |
|---|---|
| 参加人数 | 原則10人 |
| 対局方式 | 総当たりリーグ戦 |
| 1人あたりの対局数 | 9局 |
| 持ち時間 | 各6時間 |
| 名人挑戦権 | 最高成績者1人 |
| 名人戦 | 七番勝負 |
| 降級人数 | 原則2人 |
| 同成績の場合 | 前期順位を基準に決定 |
最高成績者が同じ場合はプレーオフ
名人挑戦権を獲得するための条件は、A級リーグで最高成績を残すことだ。
最高成績者が複数いる場合は、該当する棋士全員でプレーオフを行う。
3人以上が同じ最高成績だった場合には、順位下位の2人が先に対戦し、その勝者が上位の棋士と対戦するパラマス方式が採用される。
つまり、現在の永瀬九段と豊島九段が最終的に同じ最高成績で並んだ場合も、勝敗だけで挑戦者を決めるのではなく、規定に従ったプレーオフが必要になる。
降級争いでは残留決定戦がない
もう一つ重要なのが、降級に関するルールだ。
名人挑戦権を争う場合にはプレーオフが行われる一方、降級に関しては同成績の場合も前期順位が基準となり、残留決定戦は行われない。
ここは誤解されやすいポイントである。
例えば、最終的に同じ勝敗の棋士が降級圏に複数並んだ場合、前期順位によって順位が決まる。今期の途中順位だけで残留や降級を断定できない理由もここにある。
持ち時間6時間が生み出すA級の見どころ
A級順位戦の持ち時間は各6時間。
短時間で勝敗が決まる対局とは異なり、棋士が長時間にわたって局面を読み、最善手を探すことになる。
そのため、対局開始直後の形勢だけで勝敗を判断するのは難しい。夕方以降から終盤にかけて局面が大きく動くこともあり、棋譜や途中経過を追う際には、持ち時間の消費や終盤の展開にも注目したい。
【最新速報の確認方法】日本将棋連盟と名人戦棋譜速報の使い分け

A級順位戦の情報を追う際には、公式の順位表と対局中継を使い分けると分かりやすい。
日本将棋連盟の公式サイト
第85期A級順位戦の対戦表では、各棋士の順位、勝敗、対戦相手、今後の日程を確認できる。リーグ全体の状況を把握するのに適している。
名人戦棋譜速報
対局日程や対戦カード、棋譜速報など、対局そのものを追うための情報源となる。特に5回戦以降の対局では、リアルタイムの進行状況を確認する際に役立つ。
情報を見極めるポイント
- 順位表は更新日時を確認する。
- 対局前の勝敗と終局後の勝敗を混同しない。
- 同じ勝敗の棋士は前期順位も確認する。
- 名人挑戦権争いと降級争いを分けて見る。
- 対局予定と対局結果を区別する。
特に今回のように4回戦終了直後は、対局日が異なる棋士の成績更新に時間差が生じることもある。最終的な勝敗は日本将棋連盟の公式対戦表を基準に確認したい。
【よくある質問】将棋A級順位戦速報に関するFAQ
Q1:第85期A級順位戦で現在トップの棋士は誰ですか?
A1:2026年11月6日時点では、永瀬拓矢九段と豊島将之九段がともに4勝0敗で首位を争っています。増田康宏八段が3勝1敗で追走しています。
Q2:第85期A級順位戦の5回戦はいつ開催されますか?
A2:2026年11月16日から20日までの予定です。永瀬対糸谷、佐々木勇気対千田、豊島対広瀬、増田対伊藤匠、近藤対佐藤天彦の5局が組まれています。
Q3:千田翔太八段と伊藤匠叡王は4連敗で降級が決まったのですか?
A3:いいえ。4回戦終了時点で両者は0勝4敗ですが、A級順位戦は全9回戦で、まだ5局残っています。最終的な成績で下位2人が降級するため、現時点で降級が確定したわけではありません。
Q4:A級順位戦の持ち時間は何時間ですか?
A4:各棋士6時間です。長時間の対局となるため、終盤まで棋譜や持ち時間の推移を追うことが観戦のポイントです。
まとめ:第85期A級順位戦は11月の5回戦が大きな転換点
2026年11月6日時点の第85期A級順位戦は、永瀬拓矢九段と豊島将之九段が4勝0敗で並び、増田康宏八段が3勝1敗で追いかける展開となっている。
一方、千田翔太八段と伊藤匠叡王は4連敗。糸谷哲郎九段も1勝3敗で、残留に向けた巻き返しが求められる。
次の5回戦では、特に以下の3局が重要だ。
- 11月16日:永瀬対糸谷 — 無敗の永瀬が連勝を伸ばせるか。
- 11月18日:豊島対広瀬 — 豊島が5連勝を達成できるか。
- 11月19日:増田対伊藤匠 — 挑戦権争いと降級争いが交差する一局。
【プロの結論】注目すべきは勝敗だけではなく対戦相手との関係
今回の第85期A級順位戦で注目したいのは、単純な勝ち数の比較だけではない。
永瀬九段と豊島九段はともに4連勝だが、今後の対戦相手は異なる。増田八段も3勝1敗を維持しており、上位2人に追いつく可能性を残している。
加えて、2027年3月3日には永瀬九段と豊島九段の直接対決が予定されている。そこまでの星の積み重ねによって、名人挑戦権争いの様相は大きく変わるはずだ。
降級争いについても、0勝4敗という数字だけで結論を出すのは早い。千田八段と伊藤叡王の12月9日の直接対決など、今後の対戦カードが重要になる。
将棋A級順位戦速報を追うなら、最新の勝敗、次回の日程、直接対決、前期順位の4点をセットで確認することが大切だ。
第85期はまだ中盤の入口。11月の5回戦は、名人挑戦権争いとA級残留争いの双方にとって、見逃せないシリーズとなる。