2026年の読売ジャイアンツの先発ローテーションは、開幕前の予想を大きく覆す陣容となった。エース格として期待されていた戸郷翔征と山﨑伊織が故障やコンディション不良で開幕ローテーションから外れる一方、井上温大とドラフト1位新人の竹丸和幸が先発陣をけん引。加えて、シーズン途中には小笠原慎之介も加入し、投手起用は何度も変化した。
NPBの2026年度公式記録によると、巨人はレギュラーシーズンを76勝64敗3分、セ・リーグ2位で終了。個人成績では井上が防御率2.02、竹丸が11勝を記録した。10月のクライマックスシリーズではDeNAに敗れ、10月11日に2026年の全日程を終えている。
では、実際の開幕ローテーションは誰だったのか。戸郷、山﨑、井上、小笠原らは何試合に先発し、どのような成績を残したのか。公式戦の登板記録と投手成績を照合しながら、2026年の巨人先発陣の実態を振り返る。
【2026年最新】巨人の先発ローテーションはどう組まれた?開幕時の実際の顔ぶれ

2026年の巨人は、開幕前に想定されていた先発陣と、実際に公式戦で起用された投手が大きく異なった。
本来なら戸郷翔征と山﨑伊織を中心にローテーションを組みたいところだったが、両投手が故障や不調の影響で開幕時に不在。チームは新人や外国人投手を含めた構成でシーズンをスタートさせた。
2026年3月27日の開幕投手は新人・竹丸和幸
2026年3月27日、東京ドームで行われた阪神との開幕戦で先発マウンドに立ったのは、ドラフト1位新人の竹丸和幸だった。
日本野球機構(NPB)が公示した開幕戦の予告先発でも、巨人の投手として竹丸の名前が発表されている。
竹丸は阪神戦で6回1失点と好投し、チームの3対1の勝利に貢献。新人ながら開幕投手という大役を務め、先発陣の新しい軸として存在感を示した。
開幕直後の先発ローテーション
開幕から最初の6試合を見ると、巨人の先発起用は次のようになっていた。
| 日付 | 対戦相手 | 先発投手 | 投球回 |
|---|---|---|---|
| 3月27日 | 阪神 | 竹丸和幸 | 6回 |
| 3月28日 | 阪神 | ハワード | 6回 |
| 3月29日 | 阪神 | 山城京平 | 2回 |
| 3月31日 | 中日 | ウィットリー | 5回 |
| 4月1日 | 中日 | 田中将大 | 5回2/3 |
| 4月2日 | 中日 | 則本昂大 | 7回 |
この時点では、竹丸、ハワード、山城、ウィットリー、田中将大、則本という顔ぶれだった。
4月5日のDeNA戦では井上温大が今季初先発。7回1失点の投球でQSを記録し、ローテーションの一角に加わった。
開幕前の予想と実際の違い
開幕前の先発ローテーション予想では、戸郷と山﨑が中心的な存在として考えられていた。
しかし、2026年はこの2人が当初の構想どおりに稼働できず、井上と竹丸に負担が集中する展開となった。
開幕時点の顔ぶれを見れば、2026年の巨人は実績ある先発投手を順番に並べる構成ではなく、シーズンを通じて新たな柱を育てながら戦う必要があったことが分かる。
【投手成績一覧】巨人の先発投手11人を登板数・防御率・勝敗で比較
2026年の先発陣を評価するうえで重要なのが、先発登板数、投球回、防御率、勝敗、クオリティースタート(QS)の5項目だ。
NPB公式の個人投手成績と、先発登板数・QSを掲載するBaseball Chronicleの2026年データを照合すると、主要な先発投手の成績は次のとおりとなる。
2026年巨人・主要先発投手の成績一覧
2026年レギュラーシーズン終了時点。先発登板数とQSを掲載。投球回は3分の1イニング単位。
出典:NPB公式個人投手成績、Baseball Chronicle 2026年巨人先発投手成績。投球回の「.1」は1/3回、「.2」は2/3回を表す。
この一覧から読み取れるのは、2026年の巨人が単純にエースの勝ち星に依存したチームではなかったという点だ。
23試合に先発した井上と22試合に先発した竹丸が、チームの先発登板数の大部分を担った。一方、戸郷や山﨑は従来期待されていた登板数には届かなかった。
先発陣の評価で注目したい3つの数字
- 先発登板数: 井上23試合、竹丸22試合。年間を通じてローテーションを支えた。
- 防御率: 井上2.02、ハワード1.93、小笠原2.31、ウィットリー2.31。安定感のある投手が複数いた。
- QS: 井上17回、竹丸11回。試合をつくる能力では、この2人がチームの中心だった。
なお、表に掲載したのは主な先発投手であり、実際には又木鉄平、山城京平、赤星優志、森田駿哉、代木大和らも先発登板を経験している。
【主力4投手を分析】戸郷翔征・山﨑伊織・井上温大・竹丸和幸の明暗
2026年の巨人先発陣を理解するには、期待された実績組と、実際に結果を残した投手を分けて考える必要がある。
戸郷翔征:14先発で防御率2.48、復調の兆し
戸郷翔征
14先発・5勝3敗・80投球回・82奪三振
戸郷は2026年、開幕ローテーションに入れなかった。
今季初先発は5月4日のヤクルト戦。シーズン序盤はフォーム調整などの影響もあり、開幕に向けた調整が遅れていた。3月17日のオープン戦では開幕ローテーション入りをかけて先発し、5イニングを予定した登板に臨んでいた。
それでもシーズン終了時の防御率は2.48。14試合の先発で5勝3敗、80イニングを投げ、82奪三振を記録した。
特に9月29日の広島戦では8回2/3を1失点と好投。終盤にかけて長いイニングを投げられる力を示した。
14試合の登板数は本来期待される年間の稼働量には届かないものの、登板した試合の内容には復調を感じさせる部分があった。
山﨑伊織:故障の影響で6先発にとどまる
山﨑伊織
6先発・1勝1敗・33回1/3・26奪三振
2025年に11勝4敗、防御率2.07を記録した山﨑は、2026年も先発陣の中心として期待されていた。
しかし、故障による離脱などが響き、レギュラーシーズンの先発登板はわずか6試合。33回1/3を投げ、防御率4.59、1勝1敗という成績だった。
7月14日のヤクルト戦で今季初先発を迎え、8月には複数回の登板を重ねたものの、前年のような安定感を取り戻すには至らなかった。
10月2日のヤクルト戦では4回1失点で降板。最終的な登板数は6試合となった。
山﨑の2026年を評価する際には、防御率だけでなく、そもそも先発登板を重ねられなかった点が大きな問題だった。前年の実績を踏まえれば、2027年に向けて年間を通じた稼働が最優先課題となる。
井上温大:チーム最多の147イニング、防御率2.02
井上温大
23先発・10勝8敗・147投球回・防御率2.02
2026年の巨人先発陣で最も安定した数字を残したのが井上だった。
23試合に先発し、147イニングを投げて防御率2.02。奪三振146、WHIP0.98、QS17回という成績は、先発投手としての総合力を示している。
特に注目したいのは、QS17回という数字だ。
23先発のうち17試合でQSを達成しており、達成率は約73.9%。先発した試合の約4分の3で、一定以上のイニングを投げながら試合をつくった計算になる。
シーズン途中に戸郷や山﨑が不在だった巨人にとって、井上が年間を通じて先発を続けられたことは非常に大きかった。
10月10日のクライマックスシリーズ第1戦でも、DeNAを相手に8回1失点、10奪三振と好投。レギュラーシーズン終了後も、チームの先発エース格として存在感を発揮した。
竹丸和幸:新人ながら11勝、開幕からシーズン終盤まで奮闘
竹丸和幸
22先発・11勝9敗・126回2/3・防御率3.27
2026年の巨人を語るうえで、竹丸の活躍は欠かせない。
ドラフト1位で入団した新人ながら、3月27日の開幕投手に抜てきされ、年間22試合に先発。11勝9敗でチーム最多勝を記録した。
防御率3.27、奪三振142、QS11回という成績も残している。
一方で、井上と比較するとQS率は50%にとどまり、被本塁打14本、与四球40という課題も見られた。
それでも新人投手が年間22試合に先発し、11勝を挙げた価値は大きい。先発ローテーションの穴を埋めるだけでなく、将来の主力候補としても大きな経験を積んだシーズンだった。
【シーズン途中のローテーション変更】小笠原慎之介の加入と外国人投手の役割
2026年の巨人は、開幕時の先発陣だけで143試合を戦ったわけではない。
戸郷や山﨑の復帰に加えて、シーズン途中の補強や外国人投手の起用がローテーションに影響を与えた。
小笠原慎之介は6月に巨人へ加入、7月19日に初先発
小笠原慎之介
11先発・5勝4敗・66回1/3・54奪三振
2026年6月、小笠原慎之介の巨人移籍が報じられた。
ナショナルズ傘下でプレーしていた小笠原は日本球界への復帰を決断。巨人加入後はファームで調整を重ね、7月19日の古巣・中日戦で移籍後初先発を迎えた。
この試合では6回無失点と好投。チームの先発陣に新たな選択肢をもたらした。
レギュラーシーズンの最終成績は11先発、5勝4敗、防御率2.31、66回1/3。QSも7回記録している。
特に与四球12、WHIP0.98という数字は注目に値する。登板数は井上や竹丸より少ないものの、投球内容の安定感では先発陣の上位に入る成績だった。
ウィットリーとハワードが支えた外国人先発枠
外国人投手ではウィットリーとハワードが先発を担当した。
ウィットリーは14先発で3勝4敗、防御率2.31、81回2/3を記録。奪三振97という数字も残し、安定した投球を見せた。
ハワードは7先発で3勝3敗、防御率1.93。投球回は37回1/3と限定的だったが、防御率では先発陣の中でも優秀な数字だった。
ただし、年間の先発登板数を見ると、2人ともローテーションを長期間固定できるほどの稼働には至っていない。
則本昂大と西舘勇陽も先発を経験
則本は18試合に登板し、そのうち10試合で先発。3勝4敗、防御率4.72という結果だった。
西舘勇陽も10先発で2勝4敗、防御率3.00を記録。14試合の登板の中で先発と救援の両方を経験した。
こうした起用は、巨人の先発陣が固定された5~6人だけで構成されていなかったことを示している。
先発候補が複数いる一方、故障や登板間隔、投球内容によって役割を変える必要があった。2026年は、先発と救援の境界を柔軟に運用したシーズンでもあった。
【QS率で検証】2026年の巨人先発陣は本当に安定していたのか
先発投手を評価するとき、勝敗だけで判断すると実態を見誤ることがある。
例えば、6回3失点で降板した投手が味方打線の援護を受けられなければ、好投していても敗戦投手になる。一方、投球内容が不安定でも大量援護によって勝ち星がつく場合もある。
そこで注目したいのがQS(クオリティースタート)だ。
QSとは何か
QSとは、先発投手が6イニング以上を投げ、自責点3以内に抑えることを指す指標である。
先発投手が試合をつくったかどうかを確認する際に役立ち、勝敗だけでは分からない安定感を評価できる。
2026年の巨人では、井上が17回、竹丸が11回のQSを記録した。
特に井上は23先発中17回のQSであり、QS率は約73.9%。竹丸は22先発中11回で50%だった。
この差は、両投手のシーズンを評価するうえで要点だ。
先発陣の安定感を左右した要素
2026年の巨人先発陣には、次の3つの特徴があった。
1.井上と竹丸への依存度が高かった
2人だけで45試合に先発しており、先発陣全体の中核を担った。特に井上は147イニングを消化し、年間を通じた稼働量でもチームを支えた。
2.戸郷と山﨑の登板不足が影響した
前年までの実績からすれば、2人が年間20試合以上先発することが理想的だった。しかし、実際には戸郷14試合、山﨑6試合にとどまった。
3.小笠原の途中加入で選択肢が増えた
7月以降は小笠原が先発に加わり、投手陣の構成に厚みが生まれた。防御率2.31、QS7回という成績は、来季を考えるうえでも好材料となる。
NPB公式の最終順位表では、巨人は76勝64敗3分で2位。チーム防御率も2.80だった。投手陣全体としてはリーグ上位の成績を残したものの、先発陣の稼働状況には改善の余地が残った。
【シーズン終盤と歴代比較】2026年最後の先発陣と2027年への展望
2026年の巨人先発ローテーションは、開幕時とシーズン終盤では顔ぶれが大きく変化した。
終盤の先発起用を確認すると、シーズンを通じて誰が信頼されていたのかが見えてくる。
2026年10月の終盤ローテーション
レギュラーシーズン終盤の主な先発投手は次のとおりだった。
- 9月29日:戸郷翔征(広島戦、8回2/3・1失点)
- 10月1日:竹丸和幸(阪神戦、5回)
- 10月2日:山﨑伊織(ヤクルト戦、4回・1失点)
- 10月3日:井上温大(DeNA戦、6回無失点)
この時期には、井上、竹丸、戸郷、小笠原らが先発陣の中心を形成していた。
山﨑もシーズン最終盤に登板したが、年間の登板数は6試合にとどまった。
クライマックスシリーズでは井上と竹丸が先発
2026年10月10日のCSファーストステージ第1戦では、井上温大が先発。
DeNA打線を相手に8回1失点、10奪三振という素晴らしい投球を披露した。
ところが翌11日の第2戦では竹丸和幸が先発し、初回に先頭打者本塁打を浴びるなど2回2失点で降板。巨人は1対4で敗れ、ファーストステージ敗退が決まった。
レギュラーシーズンを2位で終えながら、CSでDeNAに連敗。これによって2026年の巨人の全日程が終了した。
巨人の歴代先発ローテーションと2026年の特徴
巨人の歴代先発陣を振り返ると、開幕投手の選定にはチームの期待や投手の状態が反映されてきた。
例えば、2024年と2025年は戸郷翔征が開幕投手を務めている。
しかし2026年は、戸郷ではなく新人の竹丸和幸が開幕投手に抜てきされた。
この変化は、2026年の先発陣が従来の実績重視の構成から、新しい戦力を積極的に組み込む構成へ変わったことを象徴している。
杉内コーチが期待する2027年の先発5本柱
2026年10月11日のCS敗退後、杉内俊哉投手チーフコーチは来季の先発陣について言及した。
日刊スポーツの10月12日付報道によると、コーチが中心として期待する投手は次の5人だった。
- 戸郷翔征
- 山﨑伊織
- 井上温大
- 竹丸和幸
- 小笠原慎之介
この5人は、実績、若さ、シーズン中の投球内容を考慮すると、2027年のローテーション構想を考えるうえで重要な存在となる。
特に井上と竹丸は2026年に年間を通じた実績を残しており、戸郷と山﨑が本来の状態を取り戻せれば、先発陣の選択肢はさらに広がる。
小笠原も途中加入ながら5勝、防御率2.31という成績を残した。杉内コーチがこの5人を挙げた背景には、2026年に生じた先発陣の稼働不足を解消したい狙いがあると考えられる。
【先発ローテーション巨人】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:2026年の巨人の開幕投手は誰でしたか?
2026年3月27日の阪神戦で先発した竹丸和幸です。新人ながら大役を任され、6回1失点の好投で開幕戦の勝利に貢献しました。
Q2:2026年の巨人で最も先発登板数が多かった投手は誰ですか?
井上温大です。23試合に先発し、147イニング、防御率2.02、10勝8敗、QS17回を記録しました。
Q3:戸郷翔征の2026年の成績は?
14試合に先発し、5勝3敗、防御率2.48、80投球回、82奪三振でした。開幕ローテーションには入れませんでしたが、シーズン途中から復帰し、9月29日の広島戦では8回2/3を1失点に抑えました。
Q4:山﨑伊織の2026年の防御率は?
防御率4.59です。6試合に先発し、1勝1敗、33回1/3を投げました。前年の11勝、防御率2.07と比較すると、故障などによる稼働不足が大きく影響したシーズンでした。
Q5:小笠原慎之介はいつ巨人に加入しましたか?
2026年6月に巨人への移籍が報じられ、7月19日の中日戦で移籍後初先発しました。レギュラーシーズンでは11先発、5勝4敗、防御率2.31を記録しています。
Q6:2026年の巨人の先発ローテーションは何人で構成されていましたか?
固定された人数ではありません。井上、竹丸、戸郷、小笠原、ウィットリー、田中将大らを中心に、則本、西舘、ハワード、マタ、山﨑なども先発を担当しました。シーズンを通じて複数の投手を入れ替えながら運用しています。
まとめ:2026年の巨人先発ローテーションは井上・竹丸が支えた新世代の陣容
2026年の巨人の先発ローテーションは、開幕前の予想とは異なる展開となった。
戸郷翔征と山﨑伊織が開幕時に不在となるなか、井上温大と竹丸和幸が先発陣をけん引。井上は23先発、防御率2.02、147イニング、竹丸は22先発、11勝という優れた数字を残した。
さらに小笠原慎之介の途中加入によって、先発陣には新たな選択肢が加わった。
一方、戸郷と山﨑の稼働不足、先発投手の入れ替えの多さは、チームが解決すべき課題として残っている。
2026年の成績を振り返ると、来季の巨人先発ローテーションを考える際に重要なのは、単純な勝利数だけではない。
- 年間を通じて先発できるか
- 6回以上を安定して投げられるか
- QS率と防御率を両立できるか
- 故障や不調による離脱を減らせるか
この4点が、2027年の先発陣を評価する重要な判断基準になる。
杉内コーチが期待する戸郷、山﨑、井上、竹丸、小笠原の5人がそろって年間を戦えるなら、巨人の先発ローテーションは大きく強化される可能性がある。
2026年は井上と竹丸がチームを支えたシーズンだった。2027年は、この2人に実績組の戸郷と山﨑、途中加入で結果を残した小笠原が加わり、どのような先発陣を形成するのかが最大の注目点となる。
主な参照資料:日本野球機構(NPB)2026年度公式戦成績・個人投手成績、Baseball Chronicle 2026年巨人先発投手成績、日刊スポーツ2026年10月12日付報道、スポーツ報知2026年10月12日付報道、my favorite giants年度別先発ローテーション記録。