日本代表の試合登録メンバーは11月5日にJRFUから正式発表された。注目は、共同ゲームキャプテンの齋藤直人とワーナー・ディアンズ、そして10番に入った北原璃久だ。
日本代表の先発15人
エディー・ジョーンズ監督が送り出す先発メンバーは以下のとおり。
| ポジション | 選手 |
|---|---|
| PR(1) | 紙森陽太 |
| HO(2) | 原田衛 |
| PR(3) | 竹内柊平 |
| LO(4) | ハリー・ホッキングス |
| LO(5) | ワーナー・ディアンズ(共同主将) |
| FL(6) | ベン・ガンター |
| FL(7) | 下川甲嗣 |
| No.8(8) | ジャック・コーネルセン |
| SH(9) | 齋藤直人(共同主将) |
| SO(10) | 北原璃久 |
| WTB(11) | イノケ・ブルア |
| CTB(12) | サミソニ・トゥア |
| CTB(13) | ディラン・ライリー |
| WTB(14) | 石田吉平 |
| FB(15) | 植田和磨 |
リザーブは、佐藤健次、大塚壮二郎、オペティ・ヘル、マイケル・ストーバーグ、ティエナン・コストリー、福田健太、小村真也、李智寿の8人だ。
特に注目したいのが、10番を任された北原璃久である。JRFUの登録情報では代表キャップ数は0。つまり、今回が日本代表としてのテストマッチデビューとなる。ニュージーランドのオタゴ大学で学んだ経歴を持ち、栃木ホンダヒートに所属する選手だ。
経験豊富な齋藤直人と、代表初出場となる北原がハーフ団を組む構成は、今回の試合の大きな見どころになる。北原が落ち着いてゲームを組み立てられるか、そして齋藤がどのように試合をコントロールするかが注目される。
また、201センチのワーナー・ディアンズと208センチのハリー・ホッキングスが組むロック陣は、ラインアウトや接点での競争力を左右する存在だ。
ウェールズ代表の先発メンバー
ウェールズ側も11月5日にメンバーを発表。スティーブ・タンディ監督のもと、主将デューイ・レイクを中心に、ルイス・リース=ザミット、ジョシュ・アダムズ、アーロン・ウェインライトらが先発に名を連ねた。
| ポジション | 選手 |
|---|---|
| PR(1) | ニッキー・スミス |
| HO(2) | デューイ・レイク(主将) |
| PR(3) | アーチー・グリフィン |
| LO(4) | ダフィッド・ジェンキンス |
| LO(5) | ベン・カーター |
| FL(6) | アレックス・マン |
| FL(7) | ジャック・モーガン |
| No.8(8) | アーロン・ウェインライト |
| SH(9) | トモス・ウィリアムズ |
| SO(10) | サム・コステロウ |
| WTB(11) | ルイス・リース=ザミット |
| CTB(12) | マックス・ルウェリン |
| CTB(13) | エディー・ジェームズ |
| WTB(14) | ジョシュ・アダムズ |
| FB(15) | ブレア・マレー |
リザーブにはライアン・イライアス、リース・カレ、トマス・フランシス、テディ・ウィリアムズ、ジェームズ・ボザムらが入った。
ウェールズは負傷から復帰したアーチー・グリフィンとダフィッド・ジェンキンスを起用。前節を欠場したベン・カーターも先発に戻っている。ホームでの初戦に向け、FWの戦力を整えてきた構成だ。
【大会の背景】ネーションズチャンピオンシップ2026と日本代表の現在地

ネーションズチャンピオンシップは、2026年に始まった12か国参加の国際大会だ。従来のテストマッチとは異なり、北半球と南半球の代表チームが年間の代表活動を通じて競い、最終的な順位を決める新しい大会形式を採用している。
12か国による新しい国際大会
参加する12か国は、北半球グループと南半球グループに分かれる。
- 北半球: イングランド、フランス、アイルランド、イタリア、スコットランド、ウェールズ
- 南半球: 南アフリカ、ニュージーランド、オーストラリア、アルゼンチン、日本、フィジー
7月には北半球勢が南半球へ遠征し、11月には南半球勢が北半球へ遠征する。それぞれの試合で獲得したポイントが順位に反映され、11月27日から29日にロンドンで開催されるファイナルズ・ウィークエンドの対戦カードが決まる。
単なる親善試合ではなく、複数の強豪国との対戦結果が大会順位に直結する点が特徴だ。
日本代表の2026年成績と今後の日程
日本代表は7月のネーションズチャンピオンシップでイタリアに27対10で勝利した一方、アイルランドには20対36、フランスには15対42で敗れた。
その後、9月のパシフィックネーションズカップ2026決勝ではフィジーを20対15で破り優勝。しかし、10月24日のフィジーとのリポビタンDチャレンジカップでは28対34で敗れている。
大会優勝という成果と、直近のテストマッチでの敗戦。その両方を抱えて臨む欧州遠征となる。
| 日程(現地時間) | 対戦カード・大会 | 会場 |
|---|---|---|
| 11月7日 16:40 | ウェールズ戦・第4節 | カーディフ |
| 11月14日 16:40 | イングランド戦・第5節 | ロンドン |
| 11月21日 14:10 | スコットランド戦・第6節 | エディンバラ |
| 11月27~29日 | ファイナルズ・ウィークエンド | ロンドン |
ウェールズ戦の後もイングランド、スコットランドとの厳しい試合が続く。さらに最終週には大会順位に応じた対戦が待っている。日本代表にとって、カーディフでの勝利は欧州遠征全体の流れを左右する一戦でもある。
【対戦の見どころ】勝敗を分ける3つのポイント
1.ウェールズのセットプレーと日本のFW戦
最初に注目したいのはスクラム、ラインアウト、モールの攻防だ。
ウェールズは伝統的にFWの組織力を生かすラグビーを得意とし、今回もデューイ・レイクを主将に据えた。アーロン・ウェインライトやジャック・モーガンを含むバックローも、接点での強さが期待される顔ぶれだ。
一方、日本はディアンズとホッキングスという大型ロックを配置した。ここでラインアウトの確保率を高め、モールへの守備を安定させられるかが重要になる。
日本がスクラムで反則を重ねたり、ラインアウトでボールを失ったりすれば、ウェールズは敵陣で攻撃を継続しやすくなる。逆に日本がセットプレーで互角以上に戦えば、持ち味である展開力を発揮する機会が増える。
2.北原璃久と齋藤直人のゲームメーク
日本の攻撃面で最大の注目要点は、北原璃久の代表デビューだ。
SOは攻撃の方向を決め、キック、パス、ランの選択によって相手の守備を動かすポジション。ウェールズの守備が前に出てくる場面で、北原がどのタイミングでパスを放ち、どのようにスペースを使うかが重要になる。
その隣に立つのが共同主将の齋藤直人だ。代表経験のある齋藤が試合のテンポを整え、北原の判断を支えられれば、日本の攻撃に安定感が生まれる。
北原にとっては、単にミスなくプレーするだけでは足りない。ウェールズの守備を動かし、日本が攻めるべきスペースを見つける判断力が問われる。
3.ハイボールへの対応と日本のスピード
ウェールズの攻撃で警戒したいのが、キックを使った陣地獲得と空中戦だ。
2026年11月の試合を前にしたエディー・ジョーンズ監督のコメントを伝えたウェールズのスポーツ報道では、ウェールズの特徴としてセットプレー、モール、ゴール前の攻撃、ハイキックが挙げられている。一方、日本はボールを素早くスペースへ運び、攻撃を広げるスタイルを目指すと説明されている。
つまり、両チームの狙いは対照的だ。
ウェールズがキックで日本を後退させ、FWの圧力で攻め続けるのに対し、日本はボールを動かして相手の守備ラインを横方向に広げたい。キックの処理から攻撃へ移る最初の数秒が、試合の流れを変える可能性がある。
ジョーンズ監督が試合序盤の20分を重要な時間帯として捉えている点も興味深い。序盤にウェールズの勢いを受け止められるかどうかが、日本の勝機を左右しそうだ。
両チームの関係性と注目選手
この対戦は、監督同士の戦術的な駆け引きだけでなく、両チームのゲームメーカーとFWリーダーの競争でもある。日本が自分たちのペースをつくれるか、ウェールズがホームの圧力を生かせるかが焦点となる。
【勝敗予想】日本代表はカーディフで初勝利をつかめるか
今回の勝敗予想は、ウェールズ代表がやや優勢。ただし、日本にも接戦に持ち込むだけの可能性があるという見方が妥当だ。
日本にとって大きな壁となるカーディフの歴史
両チームの直近の大きな対戦として記憶に残るのが、2025年11月15日のカーディフでの試合だ。
このときはウェールズが24対23で勝利。日本は最後まで食い下がったものの、交代出場のジャロッド・エバンスが試合終了間際に決勝ペナルティーゴールを決め、ウェールズが1点差で逃げ切った。
BBC Sport Walesの試合報道によれば、この試合は後半にリードが6回入れ替わる展開だった。日本にとっては、勝利が目前に見えながら最後の最後で届かなかった悔しい試合でもある。
日本代表はウェールズ国内での初勝利を目指す。今回も同じプリンシパリティ・スタジアムでの対戦となるだけに、前年の惜敗を乗り越えられるかが大きなテーマになる。
勝敗を左右する判断基準
日本が勝利を引き寄せるには、次の3点が欠かせない。
1. 序盤の失点を抑えること。 ウェールズのホームゲームで序盤から主導権を握られると、相手のセットプレー中心の攻撃を受け続ける展開になりやすい。
2. 反則とボールロストを減らすこと。 敵陣での反則はウェールズに得点機会を与える。接点での規律が重要だ。
3. 好機では積極的に攻めること。 日本がボールを動かして相手の守備を広げられれば、ディラン・ライリーや石田吉平らの突破力を生かせる。
反対に、ウェールズがFW戦で優位に立ち、ハイボールから陣地を支配すれば、ホームチームに有利な展開となる可能性が高い。
【プロの結論】勝敗以上に注目すべきは日本の攻撃の完成度
この試合を単純な勝ち負けだけで評価するのはもったいない。
2027年のラグビーワールドカップを見据える日本代表にとって、世界的な強豪と対戦する機会は、攻撃の完成度や選手層を確かめる重要な機会となる。
とりわけ、北原璃久の代表デビュー、齋藤直人との連係、ディアンズを中心としたFWの競争力は、今後の日本代表を占う材料になる。
ウェールズに勝つためには、相手の強みを消すだけではなく、日本の強みを試合の中で発揮する必要がある。相手のペースに合わせるのではなく、ボールを動かし、攻撃の回数を増やし、自分たちのテンポで戦えるか。そこに今回の勝負の核心がある。
【ラグビー日本代表のウェールズ戦】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:日本対ウェールズの試合はいつですか?
A1:現地時間2026年11月7日(土)16時40分キックオフです。日本時間では11月8日(日)午前1時40分となります。
Q2:ラグビー日本代表のウェールズ戦は地上波で見られますか?
A2:NHK総合で生中継が予定されています。放送開始は日本時間の午前1時30分です。WOWOWプライムとJ SPORTS 1でも午前1時10分から生中継予定です。
Q3:ネット配信ではどこで視聴できますか?
A3:NHK ONE、WOWOWオンデマンド、Lemino、J SPORTSオンデマンドで生配信が予定されています。サービスごとに利用条件が異なります。
Q4:日本代表の先発メンバーで注目の選手は誰ですか?
A4:代表初キャップとなるSO北原璃久、共同主将の齋藤直人とワーナー・ディアンズに注目です。特に北原と齋藤のハーフ団がどのような攻撃を組み立てるかが見どころです。
Q5:日本代表がウェールズに勝つ可能性はありますか?
A5:十分にあります。ただし、ウェールズのホームアドバンテージとFWの強さは大きな障壁です。日本がセットプレーで互角に戦い、速いボール展開を実現できるかが勝利の鍵になります。
Q6:2026年のウェールズ戦の次に日本代表が対戦する相手は?
A6:11月14日にイングランド代表、11月21日にスコットランド代表と対戦する予定です。その後、11月27日から29日のファイナルズ・ウィークエンドに進みます。
まとめ:日本代表ウェールズ戦は2026年欧州遠征の重要な一戦
2026年11月7日の日本代表対ウェールズ代表は、ネーションズチャンピオンシップ第4節。現地16時40分、日本時間11月8日午前1時40分にカーディフのプリンシパリティ・スタジアムで開催される。
テレビ放送はNHK総合、WOWOWプライム、J SPORTS 1。ネット配信はNHK ONE、WOWOWオンデマンド、Lemino、J SPORTSオンデマンドが予定されている。
試合の焦点は、ウェールズのセットプレーとキック戦術に対して、日本が持ち味のスピードと展開力を発揮できるかどうか。代表デビューとなる北原璃久、共同主将の齋藤直人とワーナー・ディアンズにも注目したい。
2025年のカーディフでは、わずか1点差で敗れた日本代表。今回の対戦は、その悔しさを乗り越え、ウェールズの地で新しい歴史をつくる機会となる。2026年の日本ラグビーを占う意味でも、見逃せない一戦だ。
主な情報源:日本ラグビーフットボール協会、ウェールズラグビー協会、Cardiff Rugby、BBC Sport Wales、WOWOW、Lemino。放送・配信情報および登録メンバーは各公式発表に基づく。