2026年11月現在、東京メトロの普通運賃は、乗車距離と支払い方法によって異なる。大人のICカード運賃は178〜324円、紙のきっぷは180〜330円で、PASMOなどの交通系ICカードを利用すると、区間によって2〜8円安くなる。加えて、鉄道駅バリアフリー料金、小児運賃、都営地下鉄との乗り換え割引なども、実際の支払額を左右する要素だ。
東京観光や通勤・通学で東京メトロを利用する際に知っておきたいのは、単純な初乗り料金だけではない。24時間券700円と通常運賃の損益分岐点、定期券の選び方、現金とPASMOの違いまで把握しておけば、移動回数や利用区間に応じて交通費を調整できる。2026年3月14日現在の東京メトロ公式運賃資料を基礎に、料金体系と実用的な選び方を整理する。
【2026年最新】東京メトロ運賃表と初乗り料金を距離別に比較

東京メトロの普通運賃は、乗車駅から降車駅までの距離に応じた距離区分制を採用している。2026年の公式運賃表では、1〜6km、7〜11km、12〜19km、20〜27km、28〜40kmの5区分に分かれている。
大人の初乗り料金は、PASMOなどのICカードなら178円、券売機で購入するきっぷなら180円。最も長い28〜40kmの区間では、ICカード324円、きっぷ330円となる。
東京メトロの普通運賃一覧(2026年)
| 乗車距離 | 大人IC運賃 | 大人きっぷ | 小児IC運賃 | 小児きっぷ |
|---|---|---|---|---|
| 1〜6km | 178円 | 180円 | 89円 | 90円 |
| 7〜11km | 209円 | 210円 | 104円 | 110円 |
| 12〜19km | 252円 | 260円 | 126円 | 130円 |
| 20〜27km | 293円 | 300円 | 146円 | 150円 |
| 28〜40km | 324円 | 330円 | 162円 | 170円 |
出典:東京メトロ公式「2026年3月14日現在」の運賃資料。金額は鉄道駅バリアフリー料金を含む。
初乗り料金はICカードときっぷで2円違う
最も短い1〜6kmの区間では、ICカードが178円、きっぷが180円となる。差額は2円だが、長距離区分では最大8円の違いが生じる。
この差は、ICカードが1円単位、きっぷが10円単位で運賃を設定していることによるものだ。ICカードでは距離に応じた運賃を細かく反映できる一方、現金できっぷを購入すると10円単位の料金が適用される。
特殊区間には通常運賃と異なる設定もある
注意したいのが、すべての区間に通常の距離別運賃が適用されるわけではない点だ。
例えば、千代田線の綾瀬〜北千住間には特殊区間運賃が設定されている。2026年の公式運賃資料では、大人ICカード155円、きっぷ160円。鉄道駅バリアフリー料金も加算されない。
このような例外区間があるため、乗車駅と降車駅が決まっている場合は、一般的な距離区分だけで判断せず、駅間運賃を確認するのが確実だ。
【PASMOと現金を比較】ICカード運賃ときっぷ料金はどちらがお得?
東京メトロでは、PASMOなどの交通系ICカードと現金で購入する普通乗車券で運賃が異なる。日常的に地下鉄を利用する人にとって、支払い方法の選択は小さくても継続的な節約につながる。
ICカードは1円単位、現金のきっぷは10円単位
PASMOやSuicaなどのICカードを改札機にタッチすると、乗車区間に対応した1円単位の運賃が自動的に精算される。
一方、現金の場合は券売機で普通乗車券を購入する。こちらは10円単位の料金体系で、ICカードと比べて2〜8円高くなる区間がある。
例えば、12〜19kmの移動ではICカード252円に対して、きっぷは260円。1回につき8円の差だ。往復で16円、月に20日間往復すれば320円の違いになる。
支払い方法による違いは次のとおり
- PASMO・Suica: 1円単位のIC運賃が適用される。
- 現金: 券売機で10円単位の普通乗車券を購入する。
- クレジットカードのタッチ決済: 対応改札機で利用できるが、普通運賃はきっぷと同じ10円単位となる。
特に注意したいのが、クレジットカードのタッチ決済だ。キャッシュレス決済だからといって、PASMOと同じIC運賃になるわけではない。東京メトロの後払い乗車サービスでは、きっぷと同じ10円単位の大人運賃が適用される。
また、タッチ決済には小児運賃の設定がない。子どもが乗車する場合は、通常の小児用乗車券や小児用ICカードを利用する必要がある。
毎日の利用ならPASMOなどのICカードが便利
通勤や通学で繰り返し乗車する場合、ICカードは運賃面だけでなく利便性でも優れている。券売機で毎回きっぷを購入する必要がなく、乗り換え時の精算もスムーズだ。
一方、現金で乗車する機会が少ない旅行者や、交通系ICカードを持っていない人にとっては、必要な区間のきっぷを購入する方法も選択肢になる。
単純に料金を比較するなら、通常の乗車ではICカードのほうが有利だ。
【小児運賃とバリアフリー料金】子ども料金や10円加算の仕組み
東京メトロの小児運賃は、大人運賃を基準に計算される。ただし、きっぷとICカードでは端数処理が異なるため、同じ区間でも金額に差が出る。
小児運賃は大人の半額が基本
小児運賃の対象は、原則として6歳以上12歳未満。12歳でも小学生であれば小児運賃が適用される。
ICカードの場合は、大人運賃を半額にした金額の1円未満を切り捨てる。きっぷの場合は10円未満の端数を10円単位に切り上げる。
例えば、7〜11km区間では大人IC運賃209円の半額が104.5円となるため、小児IC運賃は104円。きっぷの場合は大人210円の半額105円を10円単位に切り上げるため、110円になる。
幼児と乳児は無料になる場合がある
子どもの年齢によっては、乗車券を購入せずに乗車できる。
- 大人: 12歳以上。ただし13歳未満の小学生は小児扱い。
- 小児: 6歳以上12歳未満。12歳の小学生も対象。
- 幼児: 1歳以上6歳未満。大人または小児1人につき2人まで無料。
- 乳児: 1歳未満で無料。
幼児が3人以上いる場合は、3人目から小児運賃が必要になる。また、幼児だけで乗車する場合や団体で乗車する場合も、小児運賃が適用される。
鉄道駅バリアフリー料金10円は何のため?
東京メトロの普通運賃には、鉄道駅バリアフリー料金が含まれている。
この制度は、ホームドアやエレベーターなど、駅施設のバリアフリー化を継続的に進めるためのものだ。東京メトロは2023年3月18日から料金の収受を開始した。
大人の普通乗車では、ICカード・きっぷともに1乗車につき10円が基本となる。2026年の運賃表に表示されている178円や180円は、この料金を含めた支払総額だ。
そのため、運賃表の金額にさらに10円を足す必要はない。ここは料金を調べる際に間違えやすいポイントである。
定期券の場合は別の計算になる。大人の通勤定期券には1か月370円のバリアフリー料金が加算される一方、通学定期券には大人・小児とも加算されない。
【東京メトロ24時間券700円】一日乗車券は何回乗ればお得?
東京観光や都内での移動が多い日には、東京メトロ24時間券が有力な選択肢になる。
2026年現在の発売額は大人700円、小児350円。東京メトロ全9路線が対象で、利用開始から24時間、何度でも乗り降りできる。
通常運賃との損益分岐点を計算
24時間券の損得を判断するときは、1日の乗車回数だけでなく、利用する区間の運賃を合計することが大切だ。
最も安い1〜6km区間を利用する場合、IC運賃178円で計算すると次のようになる。
- 1回:178円
- 2回:356円
- 3回:534円
- 4回:712円
4回乗車すると通常運賃の合計が712円となり、700円の24時間券のほうが12円安くなる。
加えて、長距離移動では3回程度でも元が取れる。例えば、12〜19km区間を3回利用すると252円×3回で756円となり、24時間券のほうが56円安い。
24時間券と一日乗車券の違い
東京メトロ24時間券の特徴は、暦日ではなく利用開始時刻を基準に24時間使える点だ。
例えば、午前10時に利用を開始した場合、原則として翌日の午前10時まで利用できる。朝から夜までの移動だけでなく、翌日の午前中にも乗車予定がある場合に便利だ。
前売り券と当日券には、購入方法や利用開始の条件に違いがある。
- 前売り券: オンラインで購入。購入日から6か月以内の1日に利用開始できる。
- 当日券: 東京メトロ各駅の券売機で購入。購入当日の終電までに利用を開始する必要がある。
- IC版: 対応する券売機などで購入し、購入時刻から24時間利用できる。
なお、紙の24時間券は最初に改札を通過した時刻から24時間が有効時間となる。IC版は購入時刻が基準となるため、両者の時間の数え方を混同しないようにしたい。
24時間券をおすすめできる人・できない人
おすすめできる人
- 東京観光で複数のエリアを移動する人
- 1日3〜4回以上、比較的長い区間を利用する人
- 翌日にも利用開始から24時間以内の移動予定がある人
- 乗車ごとの運賃を気にせず移動したい人
通常運賃のほうが向いている人
- 1日1〜2回程度しか乗車しない人
- 徒歩やバスを中心に観光する人
- JRや私鉄、都営地下鉄を主に利用する人
重要なのは、東京メトロ24時間券の利用範囲が東京メトロ線全線であること。都営地下鉄やJR線まで自由に乗れるわけではない。複数の鉄道会社を利用する旅行では、利用範囲の広い共通乗車券との比較も必要になる。
【東京メトロ定期券料金】通勤・通学とバリアフリー料金の違い
毎日決まった区間を移動するなら、普通乗車券より定期券が経済的になる場合がある。
東京メトロの定期券には通勤定期券と通学定期券があり、利用する区間や期間によって発売金額が異なる。基本的には1か月・3か月・6か月の期間から選択できる。
通勤定期券は利用日数で判断する
通勤定期券を購入する際は、単に1か月分の料金を見るのではなく、通常運賃で往復した場合の合計と比較すると判断しやすい。
計算の基本は次のとおりだ。
通常運賃での月間交通費=片道運賃×2×月間通勤日数
この金額と定期券の発売額を比較し、定期券のほうが安ければ購入するメリットがある。出勤日数が少ない月や在宅勤務が多い場合は、通常運賃のほうが安くなる可能性もある。
通学定期券はバリアフリー料金が加算されない
通勤定期券には大人1か月370円の鉄道駅バリアフリー料金が加算される。一方、通学定期券にはこの加算がない。
この違いは、通勤と通学の定期券を比較する際に押さえておきたいポイントだ。通勤定期券の金額は、通常の定期運賃とバリアフリー料金を合わせた総額で確認する必要がある。
定期券の料金は公式検索で確認できる
東京メトロ公式の「運賃・のりかえ検索」では、出発駅と到着駅を入力して、普通運賃だけでなく定期券の料金も確認できる。
東京メトロ線のみの経路と、東京メトロ線・都営地下鉄線を利用する経路を分けて検索できるため、複数の路線を利用する人にも便利だ。
ただし、検索結果に表示されても、一部の区間では購入できない定期券がある。具体的な購入条件は定期券うりばや東京メトロのお客様センターで確認したい。
【都営地下鉄との乗り換え割引】運賃計算で見落としやすいポイント
東京の地下鉄は、東京メトロと都営地下鉄という異なる事業者によって運営されている。同じ地下鉄でも会社が異なれば、原則としてそれぞれの運賃体系が関係する。
ただし、両社を連続して利用する場合には、乗り換え割引が設けられている。
東京メトロと都営地下鉄の乗り継ぎは70円割引
東京メトロ線から都営地下鉄線まで連続して乗車する場合、連絡普通旅客運賃から大人70円が割り引かれる。
PASMOなどのICカードを利用する場合も、対象となる乗り継ぎであれば割引は自動的に適用される。乗車のたびに割引申請をする必要はない。
ただし、単純に東京メトロと都営地下鉄を別々に利用すれば必ず70円引きになるという制度ではない。連絡運賃が適用される乗車条件を満たす必要がある。
運賃を調べるときに確認したい3つのこと
- 乗り換え先の事業者: 東京メトロ内の乗り換えか、都営地下鉄への乗り換えか。
- 改札の通過方法: 改札内乗り換えか、改札外乗り換えか。
- 適用される運賃: 普通運賃か、連絡運賃や割引運賃か。
特に改札外で乗り換える駅では、乗り換え用の改札を利用するかどうかによって取り扱いが変わる場合がある。乗車券の種類や駅ごとの案内を確認しておきたい。
東京メトロ運賃の計算方法と検索の活用
東京メトロの普通運賃は、乗車区間のキロ程を基準に計算する。1km未満の端数は1km単位に切り上げる。
また、運賃は単純に地図上の直線距離を測れば求められるものではない。実際の乗車経路や、運賃計算上認められた最短経路などの条件が関係する。
複数の経路がある場合には、実際に利用する経路と運賃計算の条件を確認する必要がある。改札外乗り換えなどでは、途中の乗換駅までの運賃が必要になるケースもある。
駅名だけで判断するのが難しい場合は、東京メトロ公式の「運賃・のりかえ検索」を利用するとよい。普通運賃、所要時間、乗り換え経路、定期券料金をまとめて調べられる。
【東京メトロ料金】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:東京メトロの初乗り料金はいくらですか?
A1:2026年の普通運賃では、大人ICカード178円、きっぷ180円です。いずれも1〜6kmの区間が対象で、鉄道駅バリアフリー料金を含んだ金額です。
Q2:PASMOと現金ではどちらが安いですか?
A2:通常の普通乗車ではPASMOなどのICカードが安くなります。ICカードは1円単位、現金できっぷを購入する場合は10円単位の運賃となり、区間によって2〜8円の差があります。
Q3:東京メトロの子ども料金はいくらですか?
A3:小児運賃は大人運賃の半額が基本です。ICカードでは89〜162円、きっぷでは90〜170円となります。大人または小児1人に同伴する幼児は2人まで無料です。
Q4:鉄道駅バリアフリー料金10円は別途必要ですか?
A4:普通運賃の表示金額に含まれているため、さらに10円を追加する必要はありません。大人の普通乗車では1乗車につき10円が基本です。
Q5:東京メトロ24時間券は何回乗ればお得ですか?
A5:大人700円なので、最も安い1〜6km区間なら4回以上の乗車で通常運賃より安くなります。長距離区間では3回でもお得になる場合があります。
Q6:東京メトロ24時間券で都営地下鉄にも乗れますか?
A6:東京メトロ24時間券だけでは都営地下鉄を利用できません。都営地下鉄も乗り放題にしたい場合は、東京メトロと都営地下鉄の両方が対象となる乗車券を検討してください。
Q7:東京メトロと都営地下鉄の乗り換え割引はいくらですか?
A7:連絡普通旅客運賃から大人70円が割り引かれます。PASMOなどのICカードでも対象となる乗り継ぎには自動的に適用されます。
まとめ:東京メトロ料金は距離・支払い方法・利用回数で選ぶ
2026年の東京メトロ料金は、大人ICカード178〜324円、きっぷ180〜330円の距離別運賃が基本となっている。初乗り料金だけでなく、乗車距離による区分、小児運賃、バリアフリー料金の仕組みを理解することで、実際の交通費を正しく把握できる。
日常的に利用するなら、1円単位で精算できるPASMOなどのICカードが便利だ。毎日同じ区間を移動する人は定期券、観光などで複数回乗車する人は700円の24時間券を比較すると、無駄な出費を抑えやすい。
また、東京メトロと都営地下鉄を乗り継ぐ場合は70円の割引制度も見逃せない。乗車前に公式の運賃・のりかえ検索で区間と料金を確認することが、最も確実な方法となる。
今後も駅設備の整備や運賃制度の変更によって、料金体系や乗車券の条件が変わる可能性がある。旅行や通勤の計画を立てる際は、東京メトロが公表する最新の運賃表と乗車券情報を確認しておきたい。
主な参照資料:東京メトロ公式「普通券」「PASMO」「2026年運賃表」「各種一日乗車券」「運賃・のりかえ検索」「旅客営業規程」、東京都交通局の運賃案内。