2026年のMLBサイヤング賞は、アメリカンリーグとナショナルリーグの両方で実力派投手が顔をそろえ、年間最優秀投手の座を争っている。最終候補には、メジャー全体で252奪三振を記録したジェイコブ・ミジオロウスキー、アメリカンリーグで防御率1.95をマークしたカム・シュリットラー、239奪三振を挙げたディラン・シースらが選ばれた。
2026年の受賞者発表は米国時間11月11日午後7時(東部時間)。日本時間では11月12日午前9時にあたる。両リーグ合計6人の最終候補について、防御率、奪三振、投球回数を比較するとともに、BBWAAによる投票方法、歴代受賞者、2025年に栄冠を手にしたタリク・スクーバルとポール・スキーンズの実績まで整理する。
【基本知識】MLBサイヤング賞とは?両リーグの最優秀投手を決める栄誉

MLBサイヤング賞(Cy Young Award)は、メジャーリーグのレギュラーシーズンで最も優れた成績を残した投手に贈られる年間表彰である。アメリカンリーグとナショナルリーグから、それぞれ1人ずつ選ばれる。
野球界にはMVP(最優秀選手賞)や新人王など複数の個人タイトルがあるが、サイヤング賞は投手の実力とシーズンを通じた貢献度を評価する、最も権威ある賞の一つとして知られている。
賞の名前の由来は通算511勝の伝説的投手
賞の名称は、19世紀末から20世紀初頭に活躍した伝説的投手、サイ・ヤング(Cy Young)に由来する。
サイ・ヤングは通算511勝を記録したMLB史上屈指の投手であり、この勝利数はいまもメジャーリーグの歴代最多記録として残っている。完投数や投球回数などでも歴史的な数字を持ち、投手の象徴的存在として評価されてきた。
彼が1955年11月に亡くなった後、投手を専門に表彰する賞の創設が進められ、1956年に第1回のサイヤング賞が設けられた。初代受賞者はブルックリン・ドジャースのドン・ニューカムだった。
1956年から1966年までは全MLBで1人だけだった
現在の制度と大きく異なるのは、創設当初はアメリカンリーグとナショナルリーグを合わせて受賞者が1人だけだった点だ。
1967年から現在の方式に変更され、両リーグからそれぞれ1人が選ばれるようになった。つまり、毎年2人の投手がサイヤング賞を獲得する制度になっている。
この変更によって、リーグごとの競争環境や投手の成績を独立して評価できるようになった。2026年もア・リーグとナ・リーグで別々に受賞者が決定する。
【2026年最新】サイヤング賞の最終候補6人と発表日・成績一覧
2026年のBBWAA各賞の最終候補は、11月初旬に発表された。サイヤング賞は両リーグとも3人ずつ、合計6人が候補に残っている。
MLB公式の2026年レギュラーシーズン成績を基に、6人の数字を比較した。防御率は低いほど優秀で、奪三振数は打者をアウトにする能力を示す代表的な指標となる。
アメリカンリーグの最終候補3人
1. ディラン・シース(トロント・ブルージェイズ)
2026年は29試合に先発し、11勝6敗、防御率2.40、169イニングで239奪三振を記録した。
注目すべきは奪三振率の高さだ。対戦打者の34.9%から三振を奪い、自己最高の奪三振率を記録。被本塁打も11本に抑え、長打を許さない投球が光った。
シースは2022年にホワイトソックスでア・リーグ2位となった経験があり、2024年にはパドレスでナ・リーグの投票4位に入っている。異なるリーグでも高い評価を受けてきた実績がある。
2. パーカー・メシック(クリーブランド・ガーディアンズ)
2026年は32試合に先発し、12勝9敗、防御率2.56、186回1/3を投げて193奪三振を記録した。
2025年8月にメジャーデビューした左腕は、2026年に先発ローテーションの一角として定着。新人ながらシーズンを通じて安定した投球を見せ、サイヤング賞の最終候補に選ばれた。
特に注目したいのは投球回数だ。186回1/3を消化しており、三振を奪う能力だけでなく、先発投手として長いイニングを任せられる安定感も示している。
3. カム・シュリットラー(ニューヨーク・ヤンキース)
2026年のア・リーグで最も目立つ防御率を残した投手の一人がシュリットラーだ。
33試合に先発して14勝6敗、防御率1.95。193回2/3を投げ、239奪三振を記録した。防御率はア・リーグトップで、奪三振数もシースと並んでリーグ2位に相当する数字となった。
2025年の新人時代は14先発で防御率2.96だったが、2026年はさらに成績を伸ばした。ヤンキースの歴史的な名投手ロン・ギドリーが1978年に残したサイヤング賞シーズンと比較されるほどの活躍となっている。
ナショナルリーグの最終候補3人
1. ジェイコブ・ミジオロウスキー(ミルウォーキー・ブルワーズ)
2026年のナ・リーグで最も強烈な数字を残した投手として注目されるのがミジオロウスキーだ。
30試合に先発して16勝5敗、防御率1.80。174回2/3を投げ、メジャー全体トップの252奪三振を記録した。WHIPは0.80、被打率は.157と、相手打者を圧倒する成績を残している。
特に注目されるのは、速球の威力だけでなく制球力も改善した点だ。強烈な球威と安定した投球が組み合わさり、2年目にしてナ・リーグを代表する先発投手へと成長した。
防御率、奪三振、WHIPという複数の指標で優れた数字を残しており、2026年のナ・リーグを代表する候補となっている。
2. クリス・セール(アトランタ・ブレーブス)
セールは27試合に先発し、14勝9敗、防御率2.16、162回2/3で200奪三振を記録した。
2024年にもブレーブスでナ・リーグのサイヤング賞を獲得しており、2026年は再び最終候補入りを果たした。今回が通算9度目の最終候補入りとなり、キャリアを通じた安定感も際立つ。
ミジオロウスキーの1.80には及ばないものの、防御率2.16と200奪三振という数字は十分に受賞を争える水準だ。ベテラン左腕が再び頂点に立つかも注目される。
3. クリストファー・サンチェス(フィラデルフィア・フィリーズ)
サンチェスは33試合に先発し、18勝7敗、防御率2.91、207イニングで231奪三振を記録した。
特筆すべきは投球回数だ。207イニングは2026年のMLB全体で2番目に多く、長いイニングを投げ続ける能力を証明した。
加えて、無失点記録を50回2/3まで伸ばし、フィリーズの球団記録を更新。2025年もナ・リーグのサイヤング賞投票で2位に入っており、2年連続の最終候補入りとなった。
2026年最終候補6人の成績比較表
| リーグ | 選手・所属球団 | 勝敗 | 防御率 | 投球回 | 奪三振 | WHIP |
|---|---|---|---|---|---|---|
| ア・リーグ | ディラン・シース(ブルージェイズ) | 11勝6敗 | 2.40 | 169.0 | 239 | 1.10 |
| ア・リーグ | パーカー・メシック(ガーディアンズ) | 12勝9敗 | 2.56 | 186.1 | 193 | 1.06 |
| ア・リーグ | カム・シュリットラー(ヤンキース) | 14勝6敗 | 1.95 | 193.2 | 239 | 0.92 |
| ナ・リーグ | ジェイコブ・ミジオロウスキー(ブルワーズ) | 16勝5敗 | 1.80 | 174.2 | 252 | 0.80 |
| ナ・リーグ | クリス・セール(ブレーブス) | 14勝9敗 | 2.16 | 162.2 | 200 | 0.98 |
| ナ・リーグ | クリストファー・サンチェス(フィリーズ) | 18勝7敗 | 2.91 | 207.0 | 231 | 1.20 |
出典:MLB公式2026年レギュラーシーズン投手成績。投球回の小数点以下は、.1が1/3回、.2が2/3回を示す。
サイヤング賞2026の発表日はいつ?日本時間も確認
BBWAAの公式発表スケジュールによると、2026年のサイヤング賞受賞者は次の日程で発表される。
- 米国時間:2026年11月11日(水)午後7時(東部時間)
- 日本時間:2026年11月12日(木)午前9時
- 発表媒体:MLBネットワーク
米国東部時間と日本時間には14時間の時差があるため、日本の野球ファンは11月12日の朝に結果を確認できる。
発表されるのは両リーグの受賞者であり、ア・リーグとナ・リーグの結果はそれぞれ独立して決まる。
【徹底比較】防御率・奪三振・投球回数から見る2026年の受賞争い
6人の成績を比較する際、単純に防御率や奪三振の数字だけを見ても、投手としての総合的な価値は判断できない。サイヤング賞では、失点を防ぐ能力、三振を奪う能力、先発として試合を作る能力を総合的に評価する必要がある。
防御率ではミジオロウスキーとシュリットラーが突出
2026年の防御率を比較すると、ナ・リーグのミジオロウスキーが1.80、ア・リーグのシュリットラーが1.95で、両者が1点台を記録している。
防御率は投手が9イニングを投げた場合に平均何点の自責点を許すかを示す指標だ。数値が低いほど失点を抑える能力が高い。
ミジオロウスキーは1.80という数字に加えて、被打率.157、WHIP0.80も記録している。単に味方の守備に助けられたという説明だけでは片付けられない、相手打線を抑え込む投球内容だった。
シュリットラーも防御率1.95で、ア・リーグのトップに立った。さらに193回2/3という投球回数を記録しており、優れた防御率を長いシーズンにわたって維持した点が評価材料になる。
奪三振数ではミジオロウスキーがメジャー全体のトップ
奪三振数の比較では、ミジオロウスキーの252個が際立つ。
ア・リーグではシースとシュリットラーが239奪三振で並んだ。ナ・リーグのサンチェスも231奪三振を記録しており、6人のうち4人が230個以上の三振を奪っている。
奪三振は、守備の影響を受けずにアウトを取れるという意味で投手自身の能力を評価しやすい指標だ。特に高い奪三振率を維持できる投手は、ピンチでも打者を直接抑える力がある。
ただし、奪三振数は投球回数にも左右される。投球回数が多い投手ほど三振を積み上げる機会も増えるため、奪三振率やK/9(9イニング当たりの奪三振数)も併せて確認する必要がある。
投球回数ではサンチェスとシュリットラーが強み
投球回数の比較では、サンチェスの207イニングが6人の中で最も多い。次いでシュリットラーが193回2/3、メシックが186回1/3となっている。
投球回数は、先発投手がどれだけ長く試合を任せられるかを示す。防御率が優秀でも、短いイニングで降板する試合が多ければ、ブルペンへの負担が増える。
サンチェスは防御率2.91でミジオロウスキーやセールに及ばない一方、207イニングを投げて18勝を挙げた。シーズン全体への貢献度という視点では、大きな評価材料となる。
一方、シュリットラーは防御率1.95、239奪三振、193回2/3という数字を残しており、失点抑制、奪三振、投球回数のバランスが非常に優れている。
勝利数だけでサイヤング賞を判断できない理由
野球ファンの間では、勝利数が多い投手ほどサイヤング賞にふさわしいという見方が残っている。しかし、現在の評価では勝利数だけで受賞者を決めることは難しい。
投手の勝敗には打線の援護、守備、救援投手の働きなども関係する。本人が好投しても味方が得点できなければ敗戦投手になる場合がある。
そのため、ERA、WHIP、奪三振、与四球、投球回数などを組み合わせて評価する必要がある。今回の候補者を見ても、11勝のシースと18勝のサンチェスでは、単純な勝利数だけでは比較できない投球内容の違いがある。
【選考基準を解説】BBWAAの投票方法とサイヤング賞の決め方
サイヤング賞の受賞者を決めるのは、全米野球記者協会(BBWAA:Baseball Writers' Association of America)の会員記者だ。
ファン投票や選手間投票で決まる賞ではなく、野球を継続的に取材する記者による順位投票で決定する。
投票する記者は各リーグ30人ずつ
BBWAAの投票FAQによると、各MLB都市から原則2人の記者が選ばれ、担当するリーグの年間表彰に投票する。
各リーグには15都市があるため、基本的にア・リーグとナ・リーグそれぞれ30人の投票者がいる。両リーグの投票は別々に集計される。
投票者はシーズンを通じて選手の成績やチームへの貢献を取材しており、単純なランキングだけではなく、選手のシーズン全体を踏まえて順位を決める。
5人まで順位を付ける7・4・3・2・1ポイント方式
サイヤング賞の投票では、各記者が5人の投手を選び、1位から5位まで順位を付ける。
- 1位:7ポイント
- 2位:4ポイント
- 3位:3ポイント
- 4位:2ポイント
- 5位:1ポイント
合計ポイントが最も高い投手が、そのリーグのサイヤング賞受賞者となる。
例えば、30人の記者全員が同じ投手を1位に選んだ場合、30人×7ポイントで210ポイントを獲得する。2025年のナ・リーグでは、ポール・スキーンズが実際に30人全員から1位票を獲得し、210ポイントで満票受賞を果たした。
最終候補3人は投票対象者全員という意味ではない
ここは間違えやすいポイントだ。
サイヤング賞の最終候補として発表されるのは、投票結果の上位3人である。しかし、実際の投票では各記者が5人まで順位を付けられる。
つまり、最終候補として公表される3人だけが投票対象だったわけではない。候補者の発表は、投票結果の上位3人を紹介するものだ。
ポストシーズンの成績は選考対象に含まれない
BBWAAの投票で重要なのは、投票がポストシーズン開始前に行われる点だ。
そのため、ワールドシリーズや地区シリーズでどれほど素晴らしい投球をしても、その成績がサイヤング賞の投票に直接反映されることはない。
評価対象はレギュラーシーズンの投球成績であり、年間を通じた働きが重視される。プレーオフでの活躍とサイヤング賞の評価は、分けて考える必要がある。
防御率や奪三振に決まった配点は存在するのか
サイヤング賞の投票制度では、1位から5位までの順位に対する要点は決まっているが、防御率や奪三振などの個別成績に固定ポイントが与えられる仕組みではない。
記者は防御率、WHIP、奪三振、投球回数、勝敗、与四球などを参考にしながら、自分の判断で順位を決定する。
そのため、防御率が最も低い投手が必ず受賞するとは限らない。圧倒的な奪三振能力を評価する記者もいれば、長いイニングを安定して投げた実績を重視する記者もいる。
複数の指標をどう評価するかによって、投票結果に違いが生まれるのがサイヤング賞の特徴だ。
【歴代受賞者】2025年のスクーバルとスキーンズから名投手の系譜まで
2026年の争いを理解するには、前年の受賞者と歴代の名投手を確認しておきたい。
2025年はタリク・スクーバルとポール・スキーンズが受賞
2025年のサイヤング賞は、アメリカンリーグでタリク・スクーバル、ナショナルリーグでポール・スキーンズが獲得した。
タリク・スクーバル(デトロイト・タイガース)は、防御率2.21、241奪三振、13勝を記録。31試合に先発し、195回1/3を投げる圧倒的なシーズンを送った。
2024年にも同賞を獲得していたスクーバルは、2年連続の受賞を達成。ア・リーグでの投手としての地位をさらに確かなものにした。
ポール・スキーンズ(ピッツバーグ・パイレーツ)は、防御率1.97、216奪三振、10勝を記録。32試合に先発し、ナ・リーグの投票者30人全員から1位票を獲得する満票受賞だった。
新人王を獲得した後、キャリア初期にサイヤング賞も獲得したことで、球界を代表する投手として大きな注目を集めた。
直近の歴代受賞者を振り返る
近年の両リーグの受賞者を見ると、先発投手の支配力を示す優れた成績が並んでいる。
- 2025年:ア・リーグ=タリク・スクーバル/ナ・リーグ=ポール・スキーンズ
- 2024年:ア・リーグ=タリク・スクーバル/ナ・リーグ=クリス・セール
- 2023年:ア・リーグ=ゲリット・コール/ナ・リーグ=ブレイク・スネル
- 2022年:ア・リーグ=ジャスティン・バーランダー/ナ・リーグ=サンディ・アルカンタラ
- 2021年:ア・リーグ=ロビー・レイ/ナ・リーグ=コービン・バーンズ
スクーバルが2024年と2025年に連続受賞したことからも分かるように、過去の受賞者が翌年以降も候補になり、再び栄冠を手にすることは可能だ。
歴代の名投手と複数回受賞の記録
サイヤング賞の歴史を語るうえで欠かせないのが、複数回受賞を達成した名投手たちだ。
- ロジャー・クレメンス:通算7回の受賞を誇る歴代最多記録保持者。
- ランディ・ジョンソン:通算5回受賞。圧倒的な奪三振能力を持つ左腕。
- グレッグ・マダックス:通算4回受賞。1992年から1995年まで4年連続で獲得。
- スティーブ・カールトン:通算4回受賞。長年にわたりフィリーズなどで活躍した左腕。
- サンディ・コーファックス:1960年代に3回受賞した歴史的名投手。
- ペドロ・マルティネス:通算3回受賞。1990年代後半から2000年代初頭を代表する投手。
- ジャスティン・バーランダー:通算3回受賞。長期にわたり第一線で活躍した右腕。
こうした歴代受賞者と比べても、2026年のミジオロウスキーやシュリットラーの成績は際立っている。今後、複数回受賞する投手へと成長するかという視点でも、今回の結果には意味がある。
【2026年の注目ポイント】6人の争いを左右する評価材料と見落とせない事実
2026年のサイヤング賞を読み解くうえでは、数字の比較だけでなく、各投手の特徴や実績を整理することが欠かせない。
ナ・リーグはミジオロウスキーの総合成績に注目
ナ・リーグではミジオロウスキーが防御率1.80、252奪三振、WHIP0.80という非常に優れた成績を残した。
セールは防御率2.16と200奪三振で経験豊富な実力を示し、サンチェスは207イニングと18勝で先発投手としての稼働力を証明した。
それぞれの強みが異なるため、投票者が何を重視するかで評価の仕方は変わる。ミジオロウスキーの圧倒的な支配力、セールの安定した投球、サンチェスの投球回数と勝利数が比較の中心になる。
ア・リーグはシュリットラーとシースの奪三振競争
ア・リーグではシュリットラーとシースがともに239奪三振を記録している。
ただし、防御率には差があり、シュリットラーが1.95、シースが2.40となっている。さらに投球回数でもシュリットラーが193回2/3、シースが169回と上回った。
シースは奪三振率34.9%という自己最高の数字を残した一方、シュリットラーは防御率と投球回数の両方で優れた結果を出している。
メシックも防御率2.56、193奪三振、186回1/3と十分に高い水準にあり、新人として最終候補に選ばれた実績そのものが2026年の注目材料となっている。
2025年の受賞者が2026年も影響を与えるのか
スクーバルとスキーンズの2025年の実績は、2026年の投手評価を考えるうえで比較材料になる。
ただし、前年の受賞者だからといって翌年も優遇される制度はない。反対に、過去に受賞した投手だからといって再受賞が制限されるわけでもない。
実際、スクーバルは2024年と2025年に連続受賞している。最終的に重要なのは、その年のレギュラーシーズンにどれだけ優れた投球をしたかという点だ。
サイヤング賞を巡る3つの誤解
誤解1:勝利数が最も多い投手が必ず受賞する。
勝利数は評価材料の一つだが、打線の援護や守備の影響も受ける。防御率やWHIPなど、投手自身の能力を示す数字も重要になる。
誤解2:ポストシーズンの活躍も投票に反映される。
BBWAAの投票はポストシーズン開始前に行われる。ワールドシリーズでの活躍は、サイヤング賞の選考対象にはならない。
誤解3:最終候補3人だけが投票対象である。
最終候補は投票結果の上位3人を示すものだ。実際の投票では各記者が5人まで順位を付けるため、最終候補の発表と投票対象者の範囲は同じではない。
【プロの結論】サイヤング賞は数字の一つではなくシーズン全体で判断する
2026年の候補者を比較すると、最も重要なのは単一のスタッツだけで受賞者を予想しないことだ。
防御率は失点を防ぐ能力、奪三振は打者を直接打ち取る能力、投球回数は先発としての稼働力を示している。WHIPや与四球も確認すれば、投手の安定感をより深く理解できる。
例えば、ミジオロウスキーは252奪三振と防御率1.80という突出した成績を持つ。シュリットラーはア・リーグ最高の防御率に加えて239奪三振と長い投球回数を記録した。サンチェスは207イニングという稼働力が大きな強みだ。
投手を評価する際は、次の3つを確認すると理解しやすい。
- 失点を防ぐ能力:防御率、WHIP、被打率を見る。
- 打者を圧倒する能力:奪三振数、奪三振率、与四球を見る。
- シーズンを通じた貢献:投球回数、先発登板数、勝敗を見る。
この3つの観点を組み合わせることで、単純なランキングでは見えにくい投手の価値が分かる。サイヤング賞の結果を楽しむうえでも、数字の背景にある投球内容を理解しておきたい。
【よくある質問】MLBサイヤング賞に関するFAQ
Q1:2026年のサイヤング賞はいつ発表されますか?
A1:米国時間2026年11月11日午後7時(東部時間)にMLBネットワークで発表される予定です。日本時間では11月12日午前9時です。アメリカンリーグとナショナルリーグの受賞者がそれぞれ発表されます。
Q2:2026年のサイヤング賞の最終候補6人は誰ですか?
A2:アメリカンリーグはディラン・シース、パーカー・メシック、カム・シュリットラー。ナショナルリーグはジェイコブ・ミジオロウスキー、クリス・セール、クリストファー・サンチェスです。
Q3:サイヤング賞はどのような方法で決まりますか?
A3:全米野球記者協会(BBWAA)の記者が投票します。各リーグ30人の記者が5人の投手に順位を付け、1位7ポイント、2位4ポイント、3位3ポイント、4位2ポイント、5位1ポイントで集計します。最も多くのポイントを獲得した投手が受賞します。
Q4:サイヤング賞の投票にポストシーズンの成績は含まれますか?
A4:含まれません。投票はポストシーズン開始前に行われ、レギュラーシーズンの成績を対象に選考されます。
Q5:2025年のサイヤング賞受賞者は誰ですか?
A5:アメリカンリーグはデトロイト・タイガースのタリク・スクーバル、ナショナルリーグはピッツバーグ・パイレーツのポール・スキーンズです。スクーバルは2年連続受賞、スキーンズは満票での初受賞となりました。
Q6:サイヤング賞は複数回受賞できますか?
A6:できます。過去の受賞者も再び受賞する資格があります。ロジャー・クレメンスは通算7回受賞しており、歴代最多記録を持っています。
まとめ:MLBサイヤング賞2026は11月11日の発表に注目
2026年のMLBサイヤング賞は、両リーグ合計6人の最終候補による争いとなった。
アメリカンリーグでは防御率1.95、239奪三振のカム・シュリットラー、239奪三振のディラン・シース、新人ながら防御率2.56を記録したパーカー・メシックが候補入り。
ナショナルリーグでは、防御率1.80、252奪三振のジェイコブ・ミジオロウスキー、200奪三振のクリス・セール、207イニングを投げたクリストファー・サンチェスが受賞を争う。
2025年に受賞したタリク・スクーバルとポール・スキーンズに続き、2026年は誰が年間最優秀投手の称号を手にするのか。
受賞者の発表は米国時間11月11日、日本時間11月12日午前9時。防御率、奪三振、投球回数という3つの指標を押さえながら、MLBを代表する投手たちの年間成績を振り返ると、サイヤング賞の結果をより深く楽しめるはずだ。