ホワイトデーにマシュマロを贈ると「あなたが嫌い」という意味になる――。そんな話を聞いて、プレゼントに選んでよいのか迷った経験はないでしょうか。実は、この解釈はホワイトデーが誕生した当初の意味とは正反対です。マシュマロには、本来「相手からもらったチョコレートを、自分の優しさで包んでお返しする」という温かな思いが込められていました。
その原点は、福岡・博多の老舗菓子店石村萬盛堂が1978年に始めた「マシュマロデー」にあります。一方、口の中ですぐに溶ける食感から「気持ちが長続きしない」「好意を受け取れない」という解釈も広まりました。2026年の最新ギフト情報も踏まえ、発祥の歴史、嫌いという意味が生まれた背景、キャンディーやクッキーとの違い、本命・義理それぞれに適した選び方まで詳しく解説します。
【結論】ホワイトデーのマシュマロは「嫌い」ではない!本来は優しさと好意を表す贈り物

最初に答えを明確にしておきましょう。ホワイトデーにマシュマロを贈ること自体に、相手を嫌っているという公式な意味はありません。
むしろ、マシュマロはホワイトデーの誕生に深く関わるお菓子です。発祥に関わった石村萬盛堂が掲げたコンセプトは、バレンタインデーにもらったチョコレートをマシュマロの優しさで包み、相手にお返しするというものでした。
「あなたの気持ちを優しさで包んで返す」というメッセージ
この考え方には、マシュマロというお菓子の特徴が生かされています。ふんわりと柔らかい食感と、チョコレートを包み込む形状を、相手への思いやりに重ね合わせたのです。
「あなたからもらったチョコレートを、僕のやさしさ(マシュマロ)で包んでお返しします」
これが石村萬盛堂のマシュマロデーを象徴するメッセージです。
つまり、マシュマロは単なる白いお菓子ではありません。バレンタインデーに受け取った気持ちを、今度は自分の優しさに包んで返すという、ホワイトデーの原点を表現した存在なのです。
マシュマロを贈ることは本命への好意を意味する?
本来のコンセプトを考えれば、マシュマロには相手への好意や感謝を表現する前向きな背景があります。
ただし、マシュマロを贈ったからといって、必ず恋愛感情があると判断できるわけではありません。もともとの意味は、恋愛関係だけに限定されたものではなく、バレンタインデーのお返しを通じて気持ちを伝えることにあります。
本命の相手に贈る場合でも、友人や職場の人に贈る場合でも、実際のメッセージは贈る人の意図や二人の関係性によって変わります。
2026年向けの高島屋のギフト案内でも、マシュマロはホワイトデーのお返しの元祖として紹介されています。現在もその歴史的な位置づけは変わっていません。
【発祥の真相】石村萬盛堂のマシュマロデーは1978年にどう誕生した?
ホワイトデーの歴史をたどるうえで欠かせないのが、福岡市博多区に本店を構える老舗菓子店、石村萬盛堂です。
同社の公式沿革によると、ホワイトデーの原点となるマシュマロデーは、1978年に始まりました。ただし、発想が生まれた時期と実際にキャンペーンを展開した時期には違いがあります。
きっかけは1977年に目にした女性の投稿記事
石村萬盛堂の公式発表によると、当時の三代目・石村僐悟氏は、新しいお菓子づくりのヒントを探して雑誌を読んでいました。
そこで目にしたのが、バレンタインデーに男性へチョコレートを贈る習慣がある一方、男性から女性へのお返しがないことを不公平に感じる女性の投稿です。
その投稿には、ハンカチやキャンディー、せめてマシュマロでもお返しがあれば、という趣旨の意見が書かれていました。
この内容をヒントに、石村氏は男性から女性へお返しをする新しい習慣を考案します。
同社は明治38年(1905年)創業の菓子店で、博多銘菓として知られる「鶴乃子」を製造していました。鶴乃子は、ふんわりとしたマシュマロ生地で黄味あんを包んだお菓子です。
そこで、マシュマロの中にチョコレートを包むという商品を考案。受け取ったチョコレートをマシュマロで包み、優しさを込めて返すというアイデアが形になりました。
1978年3月14日、マシュマロデーが始まる
1977年に着想を得た企画は、翌1978年に「マシュマロデー」として展開されました。石村萬盛堂の公式会社沿革にも、昭和53年のキャンペーン開始が記録されています。
その後、マシュマロの白いイメージを生かしながら、贈るお菓子をマシュマロだけに限定しない記念日へと発展していきました。こうして「ホワイトデー」という名称が定着していきます。
この歴史は、単なるお菓子の販売促進だけでなく、バレンタインデーに対するお返しの文化を生み出した出来事としても興味深いものです。
全国飴菓子工業協同組合のホワイトデー起源説との関係
ホワイトデーの発祥を調べると、石村萬盛堂とは別に、全国飴菓子工業協同組合の名前も登場します。
集英社の時事用語事典「イミダス」によると、全国飴菓子工業協同組合は1978年の総会でホワイトデーを発案し、2年間の準備期間を経て1980年にキャンペーンを開始しました。
一方、石村萬盛堂はマシュマロを使ったお返し文化を提案しています。
この2つは、必ずしもどちらか一方だけを正しいとする関係ではありません。石村萬盛堂はマシュマロを軸とした返礼文化の提案、全国飴菓子工業協同組合はキャンディーを軸とした業界全体の普及活動という、それぞれ異なる動きを担っていたと整理できます。
そのため、ホワイトデーの誕生を理解するには、マシュマロデーの誕生と全国的なホワイトデーの普及を分けて考えることが大切です。
【真相検証】なぜマシュマロに「嫌い」という意味が広まったのか?
本来は優しさを象徴するマシュマロが、なぜ正反対の「嫌い」という意味で紹介されるようになったのでしょうか。
背景には、マシュマロの食感と、チョコレートを包んで返すという行為に対する解釈の違いがあります。
理由1:口の中ですぐ溶けるため「長続きしない」
マシュマロは口に入れると柔らかくなり、比較的早く溶けていきます。
この特徴から、後年になって「すぐに消えてしまう」「長く続かない関係」という否定的なイメージに結びつけられるようになりました。
加えて、その解釈が「あなたのことが嫌い」「気持ちが長続きしない」という意味に発展したと説明されることがあります。
ただし、これはお菓子の性質を恋愛関係に当てはめた連想であり、ホワイトデーの発祥時に決められた意味ではありません。
理由2:チョコレートを包んで返すことが「気持ちを拒絶する」と解釈された
もう一つの解釈は、マシュマロの中にチョコレートを入れて返すという、発祥時の商品コンセプトに関係しています。
本来は「相手からもらったチョコレートを優しさで包む」という意味でした。しかし、これを別の角度から見ると、「もらった気持ちを受け取らず、そのまま返す」という解釈も成り立ってしまいます。
こうした解釈の違いが、マシュマロを贈ることは好意へのお断りを意味する、という説につながったと考えられます。
2016年には発祥店が「マシュマロ=嫌い」という説に反論
この誤解を象徴する出来事が、2016年3月14日にありました。
ニュースメディア「withnews」は、石村萬盛堂が「嫌だなあ。3月14日に『嫌い』なんて」というタイトルの新聞広告を出したことを報じています。
広告では、マシュマロに込めた本来の思いが、インターネット上で正反対の意味に解釈されていることへの疑問が示されました。
同記事の取材に対して、同社の担当者も、マシュマロが嫌いという意味で紹介されていることについて、本来の思いを知ってほしいという趣旨を説明しています。
つまり、発祥に関わった菓子店自身が、マシュマロを否定的な意味で贈るという解釈に異議を唱えていたのです。
「マシュマロ=嫌い」はホワイトデーの公式ルールではなく、後から広がった俗説です。相手がその説を知っている可能性はありますが、歴史的な発祥の意味とは区別する必要があります。
【2026年最新版】ホワイトデーのお返しのお菓子が持つ意味一覧!
マシュマロ以外にも、ホワイトデーにはキャンディー、クッキー、マカロン、バウムクーヘンなど、さまざまなお菓子が選ばれています。
それぞれに意味があるという説が紹介されていますが、すべてのお菓子に全国共通の意味が定められているわけではありません。贈答文化の中で生まれたイメージや、食感・形状から連想された解釈が中心です。
2026年の百貨店ギフト情報などで紹介されている代表的な解釈を整理すると、次のようになります。
| お菓子 | 一般的に紹介される意味 | 意味の背景・贈る際のポイント |
|---|---|---|
| マシュマロ | 優しさで包んで返す/嫌いという俗説 | 本来は好意的な発祥のコンセプト。否定的な解釈は後年のもの。 |
| キャンディー | あなたが好き/関係を長く続けたい | 口の中に甘さが長く残ることから連想された意味。 |
| クッキー | 友達でいよう | サクサクした軽い食感から、気軽な友人関係をイメージする説。 |
| マカロン | あなたは特別な人 | 高級感や華やかな見た目から生まれたイメージ。 |
| バウムクーヘン | 幸せが重なる/長く続く | 何層にも重なる生地が、年輪や長い年月を連想させる。 |
| キャラメル | 一緒にいると安心する | 口の中でとろける甘さや温かな印象に由来する説。 |
| チョコレート | 同じ気持ち/これまでと同じ関係 | 同じチョコレートを返すことから連想された解釈。 |
キャンディーとマシュマロの意味は正反対?
特に比較されやすいのがキャンディーとマシュマロです。
キャンディーは口の中で長く味わえるため、「好き」「長く関係を続けたい」という意味が紹介されます。一方、マシュマロは早く溶けるため、「長続きしない」という解釈が紹介されることがあります。
しかし、この対比は食感をもとにした後年の連想です。キャンディーに好意の意味があるからといって、マシュマロが必ず嫌悪を表すわけではありません。
また、2026年版の高島屋のギフト案内では、クッキーの友人関係、マカロンの特別感、バウムクーヘンの幸福が続くイメージなどが紹介されています。一方で、キャンディーは贈り物としての人気が紹介されていても、必ずしも特定の恋愛感情を示すものとして説明されているわけではありません。
この違いからも、お菓子の意味は絶対的な暗号ではなく、紹介する媒体や贈る人によって受け止め方が変わるものだと分かります。
【本命・義理別】マシュマロをホワイトデーに贈るときの失敗しない選び方
マシュマロの本来の意味を知っていても、相手が「嫌い」という説を信じていたら、気まずい思いをする可能性があります。
大切なのは、お菓子の意味だけで判断せず、相手との関係や贈る目的に合わせて選ぶことです。
本命の相手にはメッセージを添えて好意を伝える
好きな人や恋人にマシュマロを贈る場合は、由来を伝える短いメッセージを添えるのがおすすめです。
例えば、次のような一言が考えられます。
「マシュマロには、もらった気持ちを優しさで包んで返すという意味があるんだよ。いつもありがとう。これからもよろしくね。」
このように伝えれば、マシュマロに関する誤解を避けながら、贈り物に込めた気持ちを届けられます。
恋愛感情を明確に伝えたい場合は、お菓子だけに意味を託さず、「好き」「大切に思っている」といった自分の言葉を添えることも大切です。
義理チョコのお返しなら個包装や食べやすさを重視
職場の同僚や友人へのお返しなら、個包装で配りやすいマシュマロや焼き菓子が便利です。
特に複数の人へ渡す場合は、価格が極端に偏らないものや、持ち帰りやすいサイズを選ぶと相手に負担を感じさせません。
マシュマロを選ぶなら、チョコレート入りの商品や、フルーツ味など複数のフレーバーが楽しめる詰め合わせも選択肢になります。
マシュマロを避けたほうがよいケース
本来の意味が好意的だからといって、どのような相手にも適しているとは限りません。
- 相手がマシュマロの「嫌い」という俗説を強く信じている。
- そもそもマシュマロが苦手で、食べる習慣がない。
- 恋愛感情がない相手に、余計な誤解を与えたくない。
- 相手の食物アレルギーや原材料への配慮が必要。
こうした場合は、相手の好みに合うクッキーやフィナンシェ、チョコレートなどを選ぶほうが自然です。
迷ったら「お菓子の意味」よりも相手の好みを優先する
ホワイトデーのお返しは、相手に喜んでもらうことが第一です。
高級なマカロンだから本命、キャンディーだから好き、マシュマロだから嫌い、と機械的に判断する必要はありません。
相手が甘いものを好むのか、個包装が便利なのか、日持ちする商品がよいのか。こうした実際の好みや生活スタイルを考えるほうが、気持ちの伝わる贈り物になります。
【よくある質問】マシュマロとホワイトデーの意味に関するFAQ
Q1:ホワイトデーにマシュマロを贈ると本当に嫌いという意味になりますか?
A1:いいえ。マシュマロに「嫌い」という公式な意味はありません。1978年に石村萬盛堂が始めたマシュマロデーでは、チョコレートを自分の優しさで包んで返すという前向きな意味が込められていました。「嫌い」という解釈は後年に広まった俗説です。
Q2:マシュマロを贈ることは本命への好意を意味しますか?
A2:本来のコンセプトには、相手の気持ちを優しさで包んで返すという好意的な思いがあります。ただし、恋愛感情を必ず示すものではありません。実際の意図は、贈る人の気持ちや二人の関係によって異なります。
Q3:マシュマロデーは何年に始まったのですか?
A3:石村萬盛堂がマシュマロデーを考案したきっかけは1977年(昭和52年)にさかのぼります。キャンペーンの開始は1978年(昭和53年)です。発想の年と実際の展開時期を区別すると理解しやすくなります。
Q4:キャンディーとクッキーにはどんな意味がありますか?
A4:一般的な解釈では、キャンディーは「あなたが好き」「関係を長く続けたい」、クッキーは「友達でいよう」という意味で紹介されます。ただし、いずれも全国共通の公式ルールではありません。
Q5:本命の相手にマシュマロを贈っても大丈夫ですか?
A5:もちろんです。相手がマシュマロを好んでいるなら、問題ありません。嫌いという俗説が気になる場合は、発祥時の「優しさで包んで返す」という意味をメッセージカードで伝えると、誤解を避けやすくなります。
Q6:2026年現在もマシュマロはホワイトデーの定番ですか?
A6:はい。マシュマロはホワイトデーの発祥に関係するお菓子として、現在もギフト商品や百貨店のホワイトデー特集で取り上げられています。2026年向けの高島屋のギフト案内でも、ホワイトデーのお返しの元祖として紹介されています。
まとめ:マシュマロは嫌いではなく「優しさ」を伝えるホワイトデーの原点
ホワイトデーにマシュマロを贈る意味は「嫌い」という説だけでは説明できません。その歴史を振り返ると、1977年に石村萬盛堂の三代目・石村僐悟氏が着想を得て、1978年に始めたマシュマロデーが大きな原点になっています。
当初のコンセプトは、バレンタインデーにもらったチョコレートを、自分の優しさで包んでお返しするというもの。マシュマロは、ホワイトデーの誕生を象徴するお菓子だったのです。
一方、口の中で溶ける性質や、チョコレートを包んで返す行為への別の解釈から、「嫌い」「気持ちが長続きしない」という俗説も広まりました。2016年には発祥に関わった石村萬盛堂自身が、その解釈に異議を示しています。
2026年現在、ホワイトデーのお返しにはキャンディー、クッキー、マカロン、バウムクーヘンなど多彩な選択肢があります。しかし、お菓子の意味だけで相手の気持ちを決めつける必要はありません。
本当に大切なのは、何を贈るかだけでなく、なぜそれを選んだのかを相手に伝えることです。
マシュマロの柔らかさに込められた「優しさで包む」という原点を知れば、ホワイトデーの贈り物はもっと温かいものになります。今年も、形式的なお返しだけで終わらせず、日頃の感謝や大切な人への思いを、自分らしい言葉と一緒に届けてみてはいかがでしょうか。
主な事実確認資料
- 石村萬盛堂公式「ホワイトデーの発祥」「創業120周年の感謝を込めて」:1977年の着想、1978年のキャンペーンと歴史的背景。
- withnews(2016年3月14日):発祥店による「マシュマロ=嫌い」説への反論と担当者への取材。
- 集英社「イミダス」:全国飴菓子工業協同組合による1978年の発案と1980年の普及活動。
- 高島屋オンラインストア「ホワイトデーのお返しのお菓子が持つ意味」(2026年版):お菓子ごとの解釈と最新ギフト情報。