キングオブコント2013の優勝者は、岩崎う大と槙尾ユウスケによるコンビかもめんたる。2012年大会で3位だった2人が、翌2013年に雪辱を果たし、6代目キングの称号を手にした。
大会には過去最多となる2,988組がエントリー。準決勝を勝ち抜いた8組が、2013年9月23日の決勝で激突した。優勝賞金は1,000万円で、副賞としてオータムジャンボ宝くじ3,000枚も贈られた。
かもめんたるは1本目から923点を獲得して首位に立ち、2本目でも982点を記録。両ステージで最高得点を獲得するという、文句のない勝ち方だった。前年の3位から頂点へ進んだことも、大会の大きな見どころとなった。
【決勝全8組】最終順位・得点一覧を完全公開

決勝の順位を確認するうえで重要なのは、1本目と2本目の得点を分けて見ることだ。合計点だけでは、どの組が後半に追い上げ、どの組が順位を落としたのかが分かりにくい。
以下は、オリコンニュースとスポニチが報じた決勝結果をもとに整理した全8組の成績だ。ネタ名も併記した。
出典:オリコンニュース、スポニチ、決勝記録データ。得点は各ステージの合計。
注目したいのは、2位の鬼ヶ島と3位の天竺鼠の接戦だ。鬼ヶ島は1854点、天竺鼠は1825点で、その差は29点。2本目だけを見ると鬼ヶ島が950点、天竺鼠が946点で、わずか4点差だった。
一方、優勝したかもめんたると鬼ヶ島の差は51点。かもめんたるは1本目で19点、2本目で32点のリードを作っており、どちらか一方のネタだけで勝ったわけではない。
また、4位のさらば青春の光は1本目で899点を獲得して上位争いに加わったものの、2本目は847点。最終的に3位の天竺鼠とは79点差となった。1本目の好成績を2本目でも維持できるかが、順位を分けた大会だった。
【ネタ一覧】かもめんたるの「言葉売り」「白い靴下」と全16本の内容
キングオブコント2013を語るうえで欠かせないのが、ファイナリスト8組が披露した合計16本のコントだ。
特にかもめんたるの2作品は、異なる笑いの方向性を持ちながら、どちらも高得点を獲得した点で印象深い。
1本目「言葉売り」923点
かもめんたるの1本目は「言葉売り」。言葉を入れた色紙を路上で販売する人物と、宝くじで6億円を当てた女性をめぐるコントだ。
岩崎う大が作り出す独特の人物像と、日常から少しずれた設定が特徴。吉本ニュースセンターの優勝後の取材では、2人は従来の狂気や不気味さだけに寄せず、ポップな方向性も取り入れたネタとして振り返っている。
923点は8組中の最高得点。最初のステージでトップに立ったことが、優勝への大きな足掛かりになった。
2本目「白い靴下」982点
2本目は「白い靴下」。会社の同僚を訪ねてきた、どこか不気味な男をめぐる物語だ。
男は千葉から新宿まで、サイトウという人物に白い靴下を届けに来たと説明する。ところが、対応する会社の人間にとっては、その男の言動やサイトウとの関係がどこか異様に映る。日常的な会社の風景に、説明しにくい不穏さが入り込んでいく構成が特徴だ。
このネタで記録した982点は当時の歴代最高得点。2位の鬼ヶ島が950点を獲得した直後に、さらに上回る得点を叩き出した。
優勝後のインタビューでは、2人が小道具の靴下にも細かく気を配っていたことが明かされている。前日のリハーサルで、モニター越しに見ると用意した靴下が白く見えすぎることに気付き、微妙に白ではない色のものへ変更したという。
また、岩崎はこのネタについて、以前は都市伝説のような怖い終わり方だったものを、最後に思い切り驚かせる演出へ変更した経緯も語っている。設定だけでなく、映像での見え方や最後のリアクションまで調整していたことが分かる。
決勝に登場した残り6組のコント
かもめんたる以外にも、個性的な設定のコントが並んだ。各組のネタは次のとおり。
- 鬼ヶ島
- 1本目「音楽の授業」:教師と2人の生徒による音楽の授業を題材にしたコント。
- 2本目「フィナーレ」:喫茶店で学生服の2人が会話し、相手を失神させるほどの話を繰り出す展開。
- 天竺鼠
- 1本目「お寿司」:寿司ネタを頭に付けた人物と小学生をめぐるコント。
- 2本目「交通事故」:田舎で交通事故を起こした運転手と、膝を負傷した被害者のやり取り。
- さらば青春の光
- 1本目「工場」:工場を舞台にした2人のやり取り。
- 2本目「オカリナ」:社長との商談中に、オカリナをめぐる話が展開するコント。
- TKO
- 1本目「古いぬいぐるみ」:少年と、しゃべれるようになったぬいぐるみの物語。
- 2本目「わくわくテレビ」:テレビの電話参加企画「持ってけ1万円」を題材にしたネタ。
- ジグザグジギー
- 1本目「満月」:満月を見た人物が狼男に変身するのかをめぐるコント。
- 2本目「犯人逮捕」:刑事と、ナイフを手放そうとしない犯人のやり取り。
- アルコ&ピース
- 1本目「受精」:精子と卵子を題材に、生きることの素晴らしさを描くネタ。
- 2本目「機種変更」:水没した携帯電話の機種変更を題材にしたコント。
- うしろシティ
- 1本目「上京」:上京しようとするロック青年と、それを引き止める同級生の物語。
- 2本目「娘さんを下さい」:交際相手の父親にあいさつに来た青年をめぐるコント。
これらのネタ名と内容は、当時のスポニチの得点詳細記事と決勝記録を照合したものだ。特に鬼ヶ島と天竺鼠は、2本目で950点、946点と高得点を記録しており、最後まで優勝争いを盛り上げた。
【勝因を分析】923点と982点、合計1905点を生んだ3つのポイント
かもめんたるの優勝を単純に「2本目が面白かったから」と説明するのは不十分だ。結果を細かく見ると、1本目での先行、ネタの方向性、2本目での完成度という3つの要素が重なっていた。
1. 1本目で923点を獲得し、最初から主導権を握った
かもめんたるは1本目の「言葉売り」で923点を獲得した。2番手の鬼ヶ島が904点だったため、この時点で19点のリードを作っている。
1本目の段階でトップに立ったことで、2本目に向けて自分たちの勝ち筋を明確にできた。前年の2012年大会で3位だった経験もあり、優勝を目指してネタ作りに取り組んできたことが、結果につながった。
優勝後の取材で槙尾ユウスケは、単独ライブを多く行って大会に備えたことを明かしている。大舞台だけに照準を合わせるのではなく、日常的なネタ作りと舞台経験を積み重ねていた点も見逃せない。
2. 2本目で得意の不気味な世界観を完成させた
「言葉売り」が比較的ポップな方向性を持つ一方、「白い靴下」はかもめんたるらしい不穏さや独特の人物描写が際立つ作品だった。
吉本ニュースセンターの取材では、岩崎う大が前年の大会を振り返り、2本目では自分たちの持ち味である怖さや気味の悪さをより色濃く出そうと考えていたことを説明している。
つまり、2本のネタを同じ方向性で揃えるのではなく、異なる魅力を見せる構成だった。1本目で幅広い笑いを届け、2本目でコンビ独自の世界観を強く印象付けたことが、両ステージでの高得点につながったと考えられる。
3. 鬼ヶ島の猛追を受けても、最後に982点を記録した
2本目では、鬼ヶ島が950点を獲得して暫定1位に浮上。1本目からの勢いを考えても、優勝争いは最後まで分からない状況だった。
その後に登場したかもめんたるは982点を記録。鬼ヶ島を32点上回り、合計得点でも51点差をつけた。
この結果は、単に最後に高得点を出したというだけではない。1本目の19点差を維持するどころか、2本目でさらに差を広げたことに意味がある。
優勝と2位の得点差
かもめんたる1905点
鬼ヶ島1854点
最終得点差51点
1本目の差19点+2本目の差32点。
2位の鬼ヶ島も十分に優勝を狙える得点を記録していた。だからこそ、最後の「白い靴下」による982点が、大会の決定的な場面として記憶されている。
【大会概要】放送日は2013年9月23日!審査方法と審査員を解説
決勝の放送日・放送時間
キングオブコント2013の決勝放送日は、2013年9月23日(月・祝)。TBS系列で生放送され、司会は6大会連続となるダウンタウンが担当した。
当日の放送時間は午後7時から午後10時54分まで。全国ネットでの放送開始は午後8時からと報じられている。番組にはTBSアナウンサーの小林悠も出演した。
大会は2008年に始まったコント日本一を決めるコンテストの第6回にあたり、2013年は2,988組が参加した。決勝進出者は次の8組だった。
- うしろシティ
- 鬼ヶ島
- かもめんたる
- 天竺鼠
- アルコ&ピース
- TKO
- ジグザグジギー
- さらば青春の光
TBSチャンネルの番組情報でも、当時の司会者、ファイナリスト、審査員の構成が記録されている。
審査方法は芸人審査員100人による採点方式
2013年大会の審査を担当したのは、決勝進出者ではなく、準決勝まで勝ち残った芸人審査員100名だった。
採点方式は、審査員1人につき10点、100人で合計1,000点満点。ファイナリスト8組がそれぞれ2本のコントを披露し、2ステージの合計得点によって最終順位が決まる仕組みだった。
審査とネタ順の流れは次のとおり。
1本目のネタ
事前抽選で決まった順番に8組がコントを披露し、100人の芸人審査員が採点する。
2本目のネタ
1本目の得点が低かった組から順に登場する。最も高い得点を獲得した組は最後にネタを披露する。
最終順位の決定
1本目と2本目の点数を合算し、最も高い合計得点を獲得した組が優勝する。
この方式では、1本目で上位に入ると2本目の出番が後ろになる。かもめんたるは1本目で首位だったため、2本目では最後の8番目に登場した。
つまり、最後に登場したこと自体が偶然の演出ではなく、1本目の結果によって決まった順番だった。鬼ヶ島が950点を記録した直後に、かもめんたるが982点を出すという展開も、この採点システムならではの見どころだった。
【2026年から振り返る】かもめんたると上位ファイナリストの意味
2013年大会の結果を理解するには、優勝したかもめんたるだけでなく、上位に進出したコンビの立ち位置も確認しておきたい。
かもめんたるは前年3位から優勝へ
かもめんたるは2012年大会でも決勝に進出し、3位という結果を残していた。2013年は2年連続の決勝進出で、前年の経験を生かして優勝をつかんだ。
コンビは岩崎う大と槙尾ユウスケの2人。吉本ニュースセンターの優勝後の会見では、槙尾が前年から優勝を目指してネタ作りをしてきたと説明している。単発の好調ではなく、継続した舞台経験と作品の改良が結果に結び付いた大会だった。
鬼ヶ島と天竺鼠は最後まで優勝争いに残った
鬼ヶ島はおおかわら、アイアム野田、アイアム和田によるトリオ。2013年大会では2位に入り、2本目でも950点という高得点を獲得した。
天竺鼠は川原克己と瀬下豊によるコンビで、3位に入った。2本目の「交通事故」は946点を記録し、鬼ヶ島との差はわずか4点だった。
上位3組の成績を比較すると、かもめんたるが両ステージで首位を守った一方、鬼ヶ島と天竺鼠は2本目で大きく得点を伸ばしたことが分かる。
さらば青春の光、TKO、ジグザグジギーらも大会を彩った
4位のさらば青春の光は、2012年に続く2年連続の決勝進出。2013年はフリーで活動していた時期の出場で、1本目では899点と上位に食い込んだ。
5位のTKOは4度目の決勝進出を果たしたベテラン組。芸歴を重ねたコンビとして、若手・中堅のファイナリストと競い合った。
ジグザグジギーとアルコ&ピースは、この大会が初の決勝進出。うしろシティは2大会連続で決勝に進出していた。
このように、2013年大会には初進出組、複数回出場組、ベテラン勢が同時にそろっていた。単に優勝者を決める大会というだけでなく、当時のコントシーンの幅広さが表れた顔ぶれだった。
優勝すれば必ずテレビでブレイクするわけではない
かもめんたるの優勝後の歩みについても、興味深い振り返りがある。
2020年の文春オンラインのインタビューで岩崎う大は、優勝後にはテレビや営業の仕事が一時的に増え、経済的にも助かった一方、賞レースで優勝すれば長期的なテレビでの活躍が保証されるわけではなかったと振り返っている。
この話は、コントの評価とテレビタレントとしての活動が必ずしも同じではないことを示している。賞レースで高く評価されるネタの実力、番組で求められるトーク力、出演機会を継続するための活動は、それぞれ別の要素を持つ。
かもめんたるの場合、岩崎はその後も脚本や演出に取り組み、劇団かもめんたるの活動など、舞台表現にも力を入れてきた。2013年の優勝は、テレビでの一時的な注目だけでなく、2人の表現者としての活動を語るうえでも重要な転換点となっている。
【よくある誤解】キングオブコント2013の得点・記録を正しく確認
過去の大会結果を調べるときは、得点の表記や大会当時の記録と現在の情報を混同しないことが大切だ。
かもめんたるの2本目は987点ではなく982点
一部の過去記事には、かもめんたるの2本目を987点とする記載が残っている。しかし、オリコンニュース、スポニチ、吉本ニュースセンターの大会結果では、いずれも982点となっている。
加えて、923点と982点を足すと1905点となり、公式結果として複数の報道で確認できる合計点と一致する。987点では合計1910点になるため、987点という表記は誤記と考えられる。
検索結果や古い記事を参照するときは、2本目の982点と合計1905点をセットで確認したい。
かもめんたるは1本目だけで優勝したわけではない
1本目の923点で首位に立ったことは確かだが、最終的な勝利を決定付けたのは2本目の982点だった。
鬼ヶ島が950点、天竺鼠が946点と追い上げるなかで、それをさらに上回ったことが大きい。両方のステージで最高得点を記録したことが、2013年大会の優勝を象徴している。
審査員は一般視聴者やテレビ局のスタッフではない
2013年大会の審査員は、準決勝まで進出した芸人100名。視聴者投票や一般審査員による人気投票ではなく、芸人による採点で勝敗が決まった。
そのため、優勝結果は単純な知名度や人気だけで決まったものではない。実際にコントを披露する芸人たちが採点する仕組みだったことも、大会の特徴だ。
【キングオブコント2013に関するよくある質問(FAQ)】
Q1:キングオブコント2013の優勝者は誰ですか?
A1:かもめんたるです。岩崎う大と槙尾ユウスケのコンビで、合計1905点を獲得し、第6代キングに輝きました。
Q2:かもめんたるが披露したネタのタイトルは何ですか?
A2:1本目が「言葉売り」で923点、2本目が「白い靴下」で982点です。合計1905点を獲得しました。
Q3:キングオブコント2013の2位と3位は誰ですか?
A3:2位は鬼ヶ島で1854点、3位は天竺鼠で1825点でした。鬼ヶ島は2本目で950点、天竺鼠は946点を獲得しています。
Q4:キングオブコント2013の決勝はいつ放送されましたか?
A4:2013年9月23日(月・祝)です。TBS系列で生放送され、司会はダウンタウンが担当しました。
Q5:キングオブコント2013の審査員は誰でしたか?
A5:準決勝まで勝ち残った芸人審査員100名です。1人10点、合計1000点満点で各組を採点し、2本の合計点で順位を決めました。
Q6:かもめんたると鬼ヶ島の得点差は何点ですか?
A6:51点です。かもめんたるが1905点、鬼ヶ島が1854点でした。
Q7:キングオブコント2013の出場組数は何組ですか?
A7:2,988組です。その中から準決勝を勝ち抜いた8組が決勝に進出しました。
まとめ:キングオブコント2013はかもめんたるの完成度が光った大会
キングオブコント2013は、かもめんたるが「言葉売り」で923点、「白い靴下」で982点を獲得し、合計1905点で優勝した大会だ。
2位の鬼ヶ島は1854点、3位の天竺鼠は1825点。特に2本目では鬼ヶ島が950点、天竺鼠が946点と猛追したが、最後に登場したかもめんたるが982点を記録して勝負を決めた。
この大会から読み取れるのは、コント賞レースでは1本の爆発力だけでなく、異なる2本のネタを高い水準で仕上げる力が求められるということだ。かもめんたるは、ポップな「言葉売り」と独特の不気味さを持つ「白い靴下」を組み合わせ、2ステージとも最高得点を獲得した。
2012年の3位から2013年の優勝へ。前年の経験を糧に、ネタの構成や演出、小道具の細部まで磨き上げたかもめんたるの1905点は、キングオブコントの歴史を振り返る際に欠かせない記録となっている。