伊藤薫のプロレス人生には、同じ全日本女子プロレスで活躍した選手や、指導者として関わった人物との深いつながりがある。
特に重要なのが、ジャガー横田、渡辺智子、Sareeeの3人だ。
ジャガー横田は全女時代の師匠
伊藤にとってジャガー横田は、単なる先輩レスラーではない。
全日本女子プロレスに入門した頃、ジャガーは選手としてだけでなくコーチとして伊藤を指導していた。
2021年のストロングスタイルプロレス関連インタビューでは、ジャガーが伊藤の新人時代について、柔道経験を生かして技をそつなくこなし、覚えも早かったと評価している。
伊藤自身もジャガーについて、プロレス界の母のような存在だと語っている。
師弟関係でありながら、リング上では対等な勝負をする。この関係性は、伊藤のプロレス観にも影響を与えてきた。
渡辺智子とは長年のタッグパートナー
渡辺智子は伊藤と同じ1989年デビューの同期であり、長年にわたってタッグを組んできた選手だ。
特に重要なのが、2013年と2019年のW.W.W.D認定世界タッグ王座獲得である。
| 人物 | 伊藤薫との関係 | 主な接点 |
|---|---|---|
| ジャガー横田 | 師匠・指導者 | 全女時代のコーチ |
| 渡辺智子 | 同期・タッグパートナー | 2013年、2019年の世界タッグ王座 |
| Sareee | 教え子・後輩 | 伊藤道場での育成、試合面での交流 |
| なつぽい | 師弟関係 | 伊藤を師匠と呼び、記念大会にも参戦 |
| Chi Chi | 後進として期待する選手 | 2026年37周年大会で伊藤とタッグ |
| 志真うた | 伊藤道場の所属選手 | 37周年大会のシングルマッチに出場 |
2026年11月7日の伊藤道場興行でも、伊藤と渡辺のタッグが組まれている。
長年の同期が、現在も同じリングで試合を続けていることは、両者のキャリアを象徴する出来事だ。
Sareeeとの師弟関係
後進育成という観点では、Sareeeとの関係も欠かせない。
伊藤は2024年のインタビューで、Sareeeについて、先生と教え子というより親子のような関係だと語っている。
Sareeeが海外で経験を積んだ後、日本の女子プロレス界で活躍するようになってからも、伊藤はサポートを続けてきた。
また、道場の維持に関わるイベントなどでも協力関係があることを明かしている。
伊藤自身は、トップ選手として表舞台で注目を集めることだけでなく、後輩を支える役割にも価値を見いだしている。
その考え方は、2026年の37周年大会のカード編成にも表れている。
【2026年最新の試合情報】37周年記念大会の結果と11月・12月の予定

2026年の伊藤薫は、記念大会を開催しただけでなく、その後も継続的に試合へ出場している。
9月10日:伊藤薫デビュー37周年記念大会
2026年9月10日、東京・新宿FACEで「伊藤薫デビュー37周年記念大会」が開催された。
メインイベントは6人タッグマッチ。
伊藤薫、Chi Chi、フワちゃんのチームが、Sareee、彩羽匠、なつぽいのチームと対戦した。
このカードには、それぞれの選手の師弟関係や団体を越えた交流が反映されていた。
特に注目されたのは、伊藤がChi Chiとフワちゃんをパートナーに選んだことだ。
一方の対戦相手には、Sareeeと彩羽匠によるSpark Rush、そしてなつぽいが並んだ。
試合結果は、20分46秒、Sareeeの裏投げからの体固めで伊藤組が敗戦。
伊藤にとっては、自らの37周年を祝う大会であると同時に、後輩たちとトップ選手を同じリングに集める場でもあった。
この大会では5試合が組まれ、伊藤道場所属の志真うたやMASATAKAも出場している。
つまり、伊藤個人の記念興行にとどまらず、道場の選手に大きな舞台を経験させる大会という意味も持っていた。
10月11日・10月17日:記念大会後も続くリング活動
10月11日には、伊藤道場の道場マッチ「ムゲンConnect-40」がW-BOXで予定されていた。
メインイベントは伊藤薫と中森華子のタッグで、渡辺智子と狐伯のチームと対戦するカードだった。
さらに10月17日には、工藤めぐみ40周年記念大会「邪道姫伝説」にも出場。
伊藤は渡辺智子、炎華、志真うたと組み、堀田祐美子、神取忍、井上貴子、キャサリン組と8人タッグマッチで対戦した。
昭和・平成・令和の女子プロレスをつなぐような顔ぶれがそろった大会でもある。
11月7日:ムゲンConnect-41
2026年11月7日には、伊藤道場の定期興行「ムゲンConnect-41」が開催予定となっている。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 開催日 | 2026年11月7日(土) |
| 会場 | W-BOX(伊藤道場) |
| 開始時間 | 17:00 |
| メインカード | 伊藤薫&渡辺智子 vs 中森華子&志真うた |
| 試合形式 | 30分1本勝負 |
メインイベントのテーマは「新旧伊藤道場!受け継がれる心」。
伊藤と渡辺というベテランタッグに対し、中森華子と志真うたが挑む構図だ。
伊藤道場の歴史と、次の世代への継承を感じさせるカードになっている。
12月17日:伊藤道場 IN SHINKIBA SPECIAL 2026
年内には、さらに大きな興行が予定されている。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 開催日 | 2026年12月17日(木) |
| 会場 | 新木場1stRING |
| 開場 | 18:15 |
| 試合開始 | 19:00 |
| 大会名 | 伊藤道場 IN SHINKIBA SPECIAL 2026 |
伊藤道場の公式発信で告知されたメインイベントは、伊藤薫、Sareee、なつぽい組と、堀田祐美子、安納サオリ、MIRAI組による6人タッグマッチ。
このカードは、伊藤が築いてきた人間関係と、世代を越えた女子プロレスの交流を象徴している。
なお、対戦カードは変更される場合があるため、観戦を予定する場合は大会直前の公式発表を確認したい。
【伊藤道場の再始動と後進育成】37年の経験を次の世代へ
伊藤薫をほかのベテランレスラーと区別する大きな特徴は、自らの現役生活と並行して、選手を育てる環境を整えてきたことだ。
2005年の創設と2022年の新体制
初代伊藤道場は2005年5月に創設された。
しかし、2010年12月26日に解散。その後、2011年にはディアナへ入団している。
2021年の退団後、2022年7月13日に「伊藤道場×椿リングズ」を創設した。
現在の活動拠点は東京都大田区大森中のW-BOX。
リングを備えた施設で、道場マッチやプロレス教室などを展開している。
ここで重要なのは、伊藤道場が単なる練習場所ではないという点だ。
選手の試合経験を積ませる場であり、一般の人がプロレスに触れるための入り口でもある。
TEAMフットスタンプで一般向け指導
伊藤道場では、一般向けプロレス教室「TEAMフットスタンプ」を運営している。
公式案内によると、参加対象は4歳から一般成人まで。
子どもから大人まで、プロレスの動きや身体の使い方に触れられる環境が用意されている。
また、ビジター参加や見学の仕組みも設けられている。
プロレスラーを目指す選手だけでなく、運動やプロレスそのものに興味がある人にも門戸を開いている点が特徴だ。
試合を通じて教えるという指導方針
2026年9月の37周年大会を前にした、まるスポのインタビューで、伊藤は現役を続ける理由について次のように話している。
試合でしか教えられないこと、感じてもらえないことがあるからです。
この言葉には、伊藤の指導者としての考え方が表れている。
技術を教えるだけなら、道場での練習でもできる。しかし、観客の前で勝負し、相手と向き合い、試合の流れを判断する経験は実戦の中でしか得られない。
伊藤が記念大会を開催し、若手選手を大きな会場へ送り出すのも、こうした考え方とつながっている。
2024年の35周年大会についても、道場からデビューしたMASATAKAと志真うたに、新宿FACEという舞台で試合を経験させたいという趣旨を語っていた。
記念大会を自分だけの祝賀イベントにせず、所属選手の成長機会に変える。
ここに伊藤道場の特色がある。
【プロの結論】伊藤薫の37年は王座獲得から人材育成へと広がっている
伊藤薫のプロレス人生を評価するとき、獲得したベルトの数や有名選手との対戦歴だけを見るのでは不十分だ。
もちろん、全日本女子プロレス時代のWWWA世界シングル王座2度の獲得や、2001年の女子プロレス大賞受賞は重要な実績である。
しかし、2026年の活動から見えてくるのは、選手としての価値を後進育成へ広げている姿だ。
その特徴は、次の3点に整理できる。
第一に、長期にわたる現役実績。
1989年のデビューから37年。全女、フリーランス、ディアナと活動の場を変えながら、複数の団体でタイトルを獲得してきた。
第二に、団体の枠を越えた人間関係。
ジャガー横田との師弟関係、渡辺智子とのタッグ、Sareeeやなつぽいとの交流など、世代を越えたつながりが現在の大会にも生きている。
第三に、道場という育成の仕組み。
自らの経験を後輩に伝えるだけでなく、W-BOXという活動拠点を設け、興行やスクールを通して実践の機会を提供している。
読者が伊藤薫の現在を調べる際には、2021年のディアナ退団を引退と混同しないこと、初代伊藤道場の解散と2022年の新体制を区別すること、そして記念大会の開催予定と実際の試合結果を分けて確認することが大切だ。
伊藤のキャリアは、過去の栄光を振り返るだけではなく、今も続いている女子プロレスの歴史そのものと結びついている。
【伊藤薫のプロレスに関するよくある質問(FAQ)】
Q1:伊藤薫は2026年現在も現役プロレスラーですか?
A1:はい。2026年11月現在も現役で活動しています。9月の37周年記念大会、10月の他団体興行に出場し、11月7日と12月17日にも伊藤道場の大会が予定されています。
Q2:伊藤薫の37周年記念大会はいつ開催されましたか?
A2:2026年9月10日に東京・新宿FACEで開催されました。メインイベントは伊藤薫、Chi Chi、フワちゃん組対Sareee、彩羽匠、なつぽい組の6人タッグマッチで、伊藤組は敗れています。
Q3:伊藤薫はなぜディアナを退団したのですか?
A3:2021年4月18日の旗揚げ10周年大会をもってディアナを退団したことは公式プロフィールで確認できます。その後もフリーランスとして活動しており、2022年7月には伊藤道場×椿リングズを創設しています。退団と引退は別の出来事です。
まとめ:伊藤薫の現在と今後の女子プロレス界への影響
伊藤薫は、全日本女子プロレスでのデビューから37年間、数々のタイトルを獲得し、女子プロレス界で確かな実績を築いてきた。
2021年のディアナ退団後も現役を続け、2022年には伊藤道場×椿リングズを創設。2026年にはデビュー37周年記念大会を開催し、若手選手とベテラン選手が交わる興行を実現した。
11月7日のムゲンConnect-41、12月17日の新木場大会も控えている。
伊藤薫の現在を理解するための最大の要点は、現役レスラー、道場主、後進育成者という3つの役割を並行して担っていることだ。
37年のキャリアで培った経験を、次の世代へどう伝えていくのか。今後の伊藤道場の活動とともに、その歩みに注目したい。
主な確認資料: 伊藤道場公式プロフィール・大会告知・スクール案内、まるスポの2024年および2026年インタビュー、バトル・ニュースのジャガー横田との対談、週刊プロレスの試合結果、女子プロレスマガジンの興行情報。