広島県には、己斐峠、似島、比治山陸軍墓地、魚切ダムなど、古くから心霊スポットとして名前が挙がる場所が数多く存在する。インターネット上では幽霊の目撃談や不可解な音、過去の事件にまつわる怪談が語られている一方、実際には戦争や原爆、交通事情、地域の歴史と深く関係している場所も少なくない。
2026年11月現在、広島市や広島県の公式資料、地域の歴史記録、心霊スポット情報サイトなどを照合すると、怪談として語られる内容と、歴史的に確認できる出来事には明確な違いがあることが分かる。特に似島の旧陸軍検疫所、比治山陸軍墓地の成り立ち、魚切ダムの管理状況、元宇品の土砂崩れによる通行止めは、訪問を検討する際にも知っておきたい情報だ。
【2026年版】広島県の心霊スポット一覧とランキングの実態

広島県の心霊スポットを調べると、ランキング形式で紹介するサイトや、利用者の体験談を集めた投稿型サイトが複数見つかる。
ただし、広島県や広島市が公式に認定した心霊スポットランキングは存在しない。順位はサイトごとの評価方法、投稿数、閲覧数、編集者の選定基準によって変わるため、順位そのものを客観的な危険度や心霊現象の発生頻度と解釈することはできない。
広島県の心霊スポットランキング上位に登場する場所
2026年10月に更新された民間のランキング記事では、次のような20か所が紹介されている。
- 魔女の館(呉市)
- 魚切ダム(広島市佐伯区)
- 黒瀬病院・正仁クリニック(東広島市)
- 福山グリーンライン(福山市)
- 神辺城跡(福山市)
- 六芒星の家(廿日市市)
- 己斐峠(広島市西区)
- 鏡山公園(東広島市)
- 似島(広島市南区)
- 南原トンネル(広島市)
- シャンテ本郷(三原市)
- 原爆ドーム(広島市)
- 薬師が丘のハニワ(広島市)
- ホテルQ(安芸高田市)
- うずしお観光ビル(尾道市)
- 大久野島(竹原市)
- 広島大学旧理学部1号館(広島市)
- 宇品灯台(広島市)
- 関川荘(広島市)
- 小早川神社(竹原市)
このランキングでは魚切ダムが2位、黒瀬病院が3位、己斐峠が7位、似島が9位に入っている。
一方、別の投稿型サイト「全国心霊マップ」では、2026年11月更新の広島市内の心霊スポット一覧として43件が掲載されている。こちらでは己斐峠や比治山陸軍墓地、元宇品灯台なども紹介されている。
こうした違いから分かるのは、広島の心霊スポットには固定された順位があるわけではなく、サイトによって注目される場所が異なるということだ。
特に検索される広島の代表的なスポット
検索需要や掲載状況を踏まえると、特に注目したいのは次の場所である。
- 己斐峠:旧道の急カーブ、地蔵にまつわる怪談、老婆の霊の噂。
- 似島:旧陸軍検疫所、捕虜収容施設、原爆被災者の救護という歴史。
- 比治山陸軍墓地:1872年に設置された陸軍埋葬地と兵士の霊の噂。
- 魚切ダム:女性の霊や心霊写真に関する投稿、ダム周辺の自然環境。
- 黒瀬病院:閉鎖された旧医療施設をめぐる怪談。
- 元宇品灯台:女性や少年の霊に関する投稿と、海岸沿いの通行規制。
これらは知名度の高い場所だが、心霊現象が客観的に確認された場所という意味ではない。実際に確認できる歴史や施設の現況と、投稿者が語る体験談は分けて理解する必要がある。
【己斐峠・似島・比治山】有名な心霊スポットの噂と歴史を検証
1. 己斐峠|老婆の霊と一家惨殺の噂は本当なのか
広島市西区己斐上に位置する己斐峠(こいとうげ)は、広島県内でも知名度の高い心霊スポットの一つだ。
西区の己斐地区と佐伯区五月が丘方面を結ぶ道路周辺にあり、旧道には急なカーブが連続する区間が存在する。地域情報サイト「西広島タイムス」でも、旧道のカーブや交通事故、道端に残る地蔵が紹介されている。
心霊スポットとして語られる主な噂は、次のとおりだ。
- 峠付近に老婆の霊が現れる。
- 誰もいない場所から声が聞こえる。
- 地蔵の近くで不気味な現象が起きる。
- 峠にある複数の地蔵をすべて見つけると呪われる。
- 過去に一家惨殺事件が起きたという話がある。
特に知られているのが、老婆の霊と地蔵にまつわる怪談だ。ネット上では、峠にある地蔵をすべて見つけると災いが起こるという話も繰り返し紹介されている。
また、一家惨殺事件が心霊現象の原因になったという説もある。しかし、この事件については、警察発表や信頼できる報道、自治体の公開歴史資料によって裏付けられた具体的な発生日時や事件記録を確認できない。怪談サイトに掲載されていることと、実際に事件が発生したことは別問題だ。
一方、旧道の急カーブや道路環境は、実際の交通安全という観点から注意が必要な要素である。夜間の暗さ、視界の悪さ、対向車とのすれ違いなど、峠道ならではの危険も考えられる。
己斐峠の噂の背景には、道路の地形や地蔵の存在、過去の事故に関する地域の記憶が重なっている可能性がある。ただし、特定の事故や事件が怪談の発生原因だったと断定する根拠はない。
2. 似島|幽霊の噂の背景にある戦争と原爆の歴史
広島市南区にある似島(にのしま)は、広島港から約3キロ南に位置する島だ。富士山に似た形の山は安芸小富士と呼ばれ、自然豊かな島としても知られている。
心霊スポットとしての知名度を支えているのは、島が歩んできた歴史である。
広島市の公式歴史資料によると、似島には1895年(明治28年)5月、陸軍検疫所が設置された。日清戦争から帰還した兵士の間でコレラなどの感染症が広がったため、国内への感染拡大を防ぐ目的があった。
その後、第一次世界大戦の時期には捕虜収容施設も設置された。日本のバウムクーヘン発祥の歴史とも関係が深く、ドイツ人捕虜だったカール・ユーハイムが島でバウムクーヘンを焼いたことでも知られている。
そして、似島の歴史を語るうえで欠かせないのが1945年8月6日の原爆投下だ。
被爆直後、似島の旧検疫所施設は被災者を受け入れる救護所として利用された。広島市の公開資料では、8月25日までに約1万人が収容されたとされている。負傷者の治療や救護が行われた場所であり、戦後には原爆孤児などの収容施設も設置された。
ネット上では、似島で少年の霊が現れる、夜間に足音が聞こえるといった噂が紹介されている。しかし、これらは投稿型の心霊情報であり、行政資料が確認した現象ではない。
似島の歴史を心霊現象だけで語ることには注意が必要だ。ここは戦争や原爆によって苦しんだ人々を救護し、命と向き合ってきた場所でもある。
現在はハイキングや釣り、自然観察などを楽しめる島として親しまれている。広島市も平和学習に活用できる歴史資源として紹介している。
3. 比治山陸軍墓地|兵士の霊と行進する足音の噂
広島市南区の比治山公園内にある比治山陸軍墓地は、歴史的な意味を持つ慰霊の場所だ。
広島市の公式資料によれば、この墓地は1872年(明治5年)に国によって陸軍埋葬地として設置された。西南戦争から第二次世界大戦までの多くの戦没者の遺骨が葬られている。
当初の墓地は、現在の放射線影響研究所付近にあった。戦後、原爆傷害調査委員会の施設建設に伴って移転が必要となり、1949年に比治山公園内の忠魂墓碑へ改葬。その後、1960年に現在の陸軍墓地へ改葬された。
また、ここには日本人兵士だけでなく、日清戦争や第一次世界大戦の際に広島で亡くなった中国人、フランス人、ドイツ人の遺骨も葬られている。
心霊スポット情報サイトでは、次のような噂が掲載されている。
- 女性の霊が現れる。
- 夜間に足音が聞こえる。
- 兵士が行進するような音が聞こえる。
比治山陸軍墓地には、こうした怪談と結び付けられやすい戦争の歴史がある。しかし、歴史的な犠牲者が存在することは、幽霊の目撃談を裏付ける証拠にはならない。
何よりも、ここは実際に多くの人々が眠る墓地である。肝試しの対象として扱うのではなく、慰霊の場所として敬意を持って訪れるべきだ。
【魚切ダム・黒瀬隧道・黒瀬病院】そのほかの有名スポットの噂と現在
4. 魚切ダム|女性の霊や心霊写真の噂
広島市佐伯区五日市町上河内にある魚切ダムは、広島県の心霊スポットランキングでも上位に登場する場所だ。
ネット上では、女性の霊が現れる、写真にオーブや不自然な人影が写るといった話が紹介されている。また、戦時中の遺体処理に関する噂や、周辺の山で起きたとされる出来事を結び付けた怪談もある。
しかし、戦時中の遺体処理場だったという話や、心霊写真の存在を裏付ける公的な資料は確認できない。投稿された写真の光や影についても、撮影条件や反射、レンズの影響などを検討しなければ、超常現象とは判断できない。
一方、魚切ダムの実際の役割は明確だ。
広島県の公式資料によると、魚切ダムは八幡川水系に建設された多目的ダムであり、洪水調節、水道用水の供給、河川環境の保全、発電などを担っている。
つまり、単なる人里離れた水辺ではなく、地域の生活や防災を支える重要な公共施設である。
2026年度はダム施設の更新作業に伴い、魚切ダムと梶毛ダムの施設見学の受け入れが休止されている。ただし、管理事務所周辺の来客用駐車場やダム周辺の散策については、県の案内で利用可能とされている。
ダム周辺では放流によって水位や流れが変わることもある。立入禁止区域や管理施設には近づかず、現地の安全案内を守ることが大切だ。
5. 黒瀬隧道(旧・二級峡トンネル)|廃隧道にまつわる怪談
広島県呉市周辺のトンネル関連スポットとして名前が挙がるのが、黒瀬隧道だ。
旧道やトンネルには、暗い内部、照明の少なさ、音の反響など、独特の雰囲気がある。そのため、心霊スポット情報サイトや廃墟紹介サイトでは、幽霊や不可解な現象と結び付けて紹介されることがある。
ただし、名称については整理が必要だ。
呉市の文化財資料によると、黒瀬街道の旧道は1883年に開かれ、1948年に黒瀬隧道が開通した。その後、1994年に二級峡トンネルが開通したことで、旧隧道は交通の主役としての役割を終えた。
ネット上では「黒瀬隧道(旧・二級峡トンネル)」という表記も見られるが、歴史的には1948年開通の黒瀬隧道と、1994年開通の二級峡トンネルは区別して理解したい。
また、旧道や廃隧道は現在の道路と同じ安全性が確保されているとは限らない。封鎖や管理上の制限がある場所へ入ることは避けるべきだ。
6. 黒瀬病院(正仁クリニック)|廃病院に残る噂
東広島市黒瀬町周辺で知られているのが、通称「黒瀬病院」と呼ばれる旧医療施設だ。心霊スポット情報では、正仁クリニックという名称でも紹介されている。
廃墟紹介サイトなどに掲載された情報によると、1983年に開院した3階建ての建物で、その後、土地や建物をめぐる競売・所有権の問題などがあったとされる。
心霊スポットとして語られている内容には、次のようなものがある。
- 建物内部から足音が聞こえる。
- 窓から人影が見える。
- 少年の霊が現れる。
- 誰もいないはずの建物内に人の気配がある。
ただし、これらは心霊情報サイトや動画などで紹介された話であり、医療施設の閉鎖や所有権をめぐる経緯が心霊現象を証明するものではない。
また、ネット上の過去の情報にはバリケードによる封鎖や競売に関する記述がある。2026年現在の所有者や管理者、現地の立ち入り条件を一般公開資料だけで確定することは難しい。私有地である可能性を踏まえ、敷地内への侵入や建物への接近は避けたい。
7. マディソン郡の橋|現在は廃墟として紹介される場所
広島市佐伯区の八幡川沿いにある「マディソン郡の橋」も、心霊スポットとして知られている。
名前から実際の橋を連想する人もいるが、心霊スポット情報サイトでは、ホテルの廃墟として紹介されている場所だ。
同サイトの説明では、かつて「ハッピーランド」と呼ばれたホテルが営業を終え、その後、マディソン郡の橋という名称で営業していた時期を経て廃業したとされる。現在は廃墟として掲載され、男性の霊が現れるという噂がある。
一方、同サイトの事件・事故情報欄には具体的な事件ニュースが掲載されていない。したがって、廃業した施設であることと、そこで重大事件が起きたことを結び付ける根拠は見当たらない。
2026年10月にも利用者による投稿が更新されているが、投稿が続いていることは心霊現象の証明ではない。
廃墟は建物の老朽化や崩落、ガラス片などの危険があるうえ、土地や建物には管理者の権利がある。外観を見たいという理由でも、敷地内に入ることは避けるべきだ。
【噂と事実を比較】広島の主要心霊スポット7か所の検証一覧
ここまで紹介したスポットについて、ネット上の噂、確認できる歴史・施設情報、2026年の現況を整理すると、次のようになる。
| スポット | ネット上の主な噂 | 確認できる事実・歴史 | 2026年の注意点 |
|---|---|---|---|
| 己斐峠 | 老婆の霊、地蔵、一家惨殺説 | 旧道に急カーブがあり、地域の怪談が残る | 峠道の交通安全に注意。私有地への侵入禁止 |
| 似島 | 少年の霊、足音 | 1895年に陸軍検疫所設置。原爆被災者の救護所として利用 | フェリーの時刻確認。歴史遺構や私有地への無断立入禁止 |
| 比治山陸軍墓地 | 女性の霊、兵士の足音 | 1872年設置。1949年と1960年に改葬 | 慰霊の場所として敬意を持って利用 |
| 魚切ダム | 女性の霊、心霊写真 | 洪水調節、水道用水供給、発電を担う多目的ダム | 2026年度は施設見学休止 |
| 黒瀬隧道 | 廃トンネルの怪談 | 1948年開通。1994年の二級峡トンネル開通で旧隧道の役割が終了 | 旧道・封鎖区間への侵入を避ける |
| 黒瀬病院 | 少年の霊、足音、人影 | 旧医療施設。競売や所有権に関する経緯が紹介されている | 私有地への無断立入禁止。現況の確認が必要 |
| マディソン郡の橋 | 男性の霊 | 元ホテルとされる廃墟として紹介されている | 廃墟への侵入や無断撮影を目的とした接近を避ける |
この比較から分かるのは、心霊スポットとしての知名度と、歴史的な事実の確かさは別の評価軸だということだ。
似島や比治山陸軍墓地のように、実際の歴史的背景がはっきりしている場所もあれば、己斐峠の一家惨殺説のように、具体的な事件記録を確認できない噂もある。
また、魚切ダムや黒瀬隧道のように、施設や道路の本来の役割を知ることで、怪談とは異なる側面が見えてくる場所もある。
【2026年11月最新】広島心霊スポットのアクセスと立入制限
心霊スポットを調べる際に、怪談と同じくらい重要なのが現在のアクセス状況だ。過去のブログや動画に掲載された訪問記録が、現在もそのまま通用するとは限らない。
似島へのアクセス|広島港からフェリーで約20分
似島は、広島港から定期フェリーでアクセスできる島だ。
似島汽船の案内では、広島港と似島港を結ぶ航路の所要時間は片道約20分。学園前桟橋に寄港する便も設定されている。
島内には自然散策や登山、釣りなどを楽しめる場所があり、広島市の「似島ぐるりんマップ」では、戦争遺構や平和学習に関係する情報も紹介されている。
ただし、島全体が自由に立ち入れる観光施設というわけではない。個人所有地や管理施設、立入禁止区域には入らず、一般向けに公開されている場所を利用したい。
魚切ダムへのアクセス|施設見学は2026年度休止
魚切ダム管理事務所の所在地は広島市佐伯区五日市町上河内998番地。広島県の案内では、JR五日市駅南口から広電バスの4-1号線または4-2号線を利用し、魚切ダムバス停で下車して徒歩約4分とされている。
車の場合は、国道2号の波出石交差点から約25分、山陽自動車道の五日市ICから約20分が目安だ。
管理庁舎周辺には来客用駐車場があり、周辺散策や野鳥観察などにも利用できる。ただし、2026年度は施設更新作業によりダム施設見学の受け入れが休止されている。
管理用の通路やダム内部に無断で入ることはできない。放流警報や現地の案内にも注意したい。
元宇品灯台|2026年7月の土砂崩れによる通行止めに注意
元宇品灯台は、広島市南区元宇品町にある宇品灯台を指して紹介されることが多い。
心霊スポット情報サイトでは、女性や少年の霊が現れるという噂が掲載されている。灯台周辺の木や公衆トイレ、防空壕なども怪談と結び付けられることがある。
しかし、2026年の現地状況で特に注意したいのは、心霊の噂ではなく土砂崩れだ。
広島市の公式発表によると、2026年7月7日と7月10日、南区元宇品町で土砂崩れが発生した。土砂によって公園の園路が塞がれ、安全に通行できない状態となったため、通行止めの措置が取られている。
広島市は通行止めとなっている園路への立ち入りを禁止している。近畿中国森林管理局も、崩壊地周辺の国有林について地盤が不安定であるとして、立ち入らないよう呼びかけている。
また、広島海上保安部は2026年11月3日に宇品灯台の一般公開を告知していた。この公開日はすでに終了しているため、11月6日時点で通常の自由見学が可能になったという意味ではない。
灯台周辺の一般公開と、土砂崩れによる海岸沿いの通行規制は別の問題である。訪問を検討する場合は、広島市の最新の通行止め情報と現地の規制表示を優先したい。
廃墟・旧トンネルへの無断侵入は避ける
黒瀬病院、マディソン郡の橋、黒瀬隧道などは、ネット上で廃墟や旧施設として紹介されることがある。
しかし、廃業している建物だからといって、所有者や管理者が存在しないわけではない。立入禁止の看板、柵、ロープなどがある場合は、敷地内に入ってはならない。
2023年8月12日、RCC中国放送は心霊スポットへの無断侵入について広島県警の担当者に取材した記事を掲載している。
同記事では、立入禁止の表示やロープなどで囲われた建物に無断で入った場合、建造物侵入罪に該当する可能性があると説明されている。また、管理者が不明な建物でも、状況によっては軽犯罪法上の問題が生じる可能性がある。
法律上の問題だけでなく、老朽化した床や階段の崩落、ガラス片、野生動物、夜間の交通事故なども現実的な危険だ。
過去の探索動画を参考にして、現在も入れると思い込むことは避けたい。
【口コミ・評判を検証】広島の心霊スポットはなぜ怖いと言われるのか
広島の心霊スポットの口コミを調べると、霊の目撃談、足音、写真に写った光、人影など、さまざまな内容が投稿されている。
特に投稿型サイトでは、体験談だけでなく、怖さの評価やコメント数などを集計している。
投稿型サイトの評価は心霊現象の証明ではない
例えば、全国心霊マップでは、己斐峠、似島、魚切ダム、比治山陸軍墓地などについて、利用者による評価や体験談が掲載されている。
2026年に確認できる掲載情報では、似島に211人、比治山陸軍墓地に67人の評価者がいるなど、場所によって投稿の蓄積に差がある。
これらはサイト利用者による評価であり、現地で幽霊を目撃した人数や、超常現象が発生した回数を示す統計ではない。
また、投稿数が多い場所は知名度が高く、動画や記事で紹介される機会も多い可能性がある。口コミの多さと実際の危険性を同一視することはできない。
心霊スポットの恐怖を生み出す3つの背景
広島の心霊スポットには、共通して恐怖を感じやすい環境や歴史的背景がある。
1つ目は、戦争や災害に関する記憶だ。
似島や比治山のように、実際に多くの人が亡くなり、救護や慰霊が行われた場所では、歴史的な出来事が怪談と結び付けられやすい。こうした場所を訪れる人が、過去の出来事を想像して不安を感じることもある。
2つ目は、自然環境や建物の構造だ。
ダム、山道、トンネル、廃病院などは、昼間と夜間で見え方が大きく変わる。風や水の音、音の反響、照明の不足、視界の悪さなども、普段とは違う印象を生み出す。
3つ目は、口コミや動画による情報の蓄積だ。
一度有名になった場所は、動画投稿や怪談記事で繰り返し紹介される。以前の投稿を見た人が同じ場所を訪れ、似た体験を語ることで、その場所のイメージがさらに強くなる場合もある。
こうした背景を理解すると、心霊スポットの評判を単なる幽霊の目撃情報として読むのではなく、地域の歴史、環境、インターネット上の情報拡散という複数の視点から考えられる。
心霊スポットを調べるときの判断基準
広島の心霊スポットについて情報を集めるなら、次の基準を意識したい。
- 歴史資料があるか:自治体や公的機関が公開する記録で、施設の成立や過去の出来事を確認する。
- 報道記録があるか:事件や事故の噂は、警察発表や信頼できる報道と照合する。
- 投稿の性質は何か:目撃談、伝聞、動画演出、実際のニュースを区別する。
- 現在の管理状況はどうか:公道、公園、墓地、公共施設、私有地では利用条件が異なる。
- 安全に見学できるか:通行止めや立入禁止の表示があれば、必ず従う。
歴史を知りたい人には、広島市の公式展示や平和学習資料が役立つ。一方、怖い話を楽しみたい人は、立入許可のある施設や公式のお化け屋敷、怪談作品などを選ぶほうが安全だ。
【広島心霊スポット】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:広島県で最も有名な心霊スポットはどこですか?
A1:己斐峠、魚切ダム、似島、比治山陸軍墓地、黒瀬病院などが代表的です。民間ランキングでは魚切ダムや黒瀬病院が上位に登場します。ただし、公式な順位はありません。
Q2:己斐峠の一家惨殺事件は実際に起きたのですか?
A2:ネット上には一家惨殺事件があったという噂がありますが、具体的な発生日時や事件記録を裏付ける公的資料や信頼できる報道は確認できません。現在は怪談の一つとして扱うのが適切です。
Q3:似島は原爆と関係のある場所ですか?
A3:はい。似島には1895年に陸軍検疫所が設置され、1945年8月6日の原爆投下後には被災者の救護所として利用されました。広島市の資料によると、同年8月25日までに約1万人が収容されています。
Q4:比治山陸軍墓地は現在も訪問できますか?
A4:比治山公園内にある歴史的な墓地です。訪問時は公園や墓地の案内、現地の利用条件に従い、慰霊の場所として静かに見学してください。
Q5:魚切ダムは2026年も見学できますか?
A5:広島県の案内では、2026年度は施設更新作業により施設見学の受け入れが休止されています。管理事務所周辺の駐車場やダム周辺散策については、利用条件を確認してください。
Q6:元宇品灯台は立入禁止になっていますか?
A6:2026年7月7日と10日の土砂崩れにより、元宇品公園の一部園路が通行止めになっています。灯台周辺すべてが一律に立入禁止という意味ではありませんが、海岸沿いの規制区間には入らないでください。最新の広島市の案内を確認する必要があります。
Q7:黒瀬病院やマディソン郡の橋には入れますか?
A7:廃墟として紹介されていても、自由に立ち入れるわけではありません。所有者や管理者の許可がない場合、敷地や建物への侵入は避けてください。
まとめ:広島の心霊スポットは怪談だけでなく歴史と現況を知ることが大切
広島県には、己斐峠、似島、比治山陸軍墓地、魚切ダム、黒瀬隧道、黒瀬病院、マディソン郡の橋など、さまざまな場所が心霊スポットとして紹介されている。
しかし、それぞれの背景は大きく異なる。
己斐峠には旧道や地蔵にまつわる怪談があり、似島には陸軍検疫所や原爆被災者の救護という歴史が残る。比治山陸軍墓地は1872年に設置された実際の慰霊の場所であり、魚切ダムは地域の水道や防災を支える公共施設だ。
一方、黒瀬病院やマディソン郡の橋のような廃墟は、建物の所有権や管理状況、安全性を考慮しなければならない。
2026年11月現在は、魚切ダムの施設見学休止や元宇品の土砂崩れによる通行止めなど、過去の訪問情報だけでは判断できない変更もある。
【プロの結論】
広島の心霊スポットを理解するうえで大切なのは、怪談の怖さと、場所が持つ本当の歴史を混同しないことだ。特に似島や比治山陸軍墓地は、幽霊の噂だけでなく、戦争や原爆によって失われた命を伝える歴史的な場所として向き合いたい。
心霊スポットの口コミやランキングは、地域の文化やインターネット上の関心を知る手掛かりにはなる。しかし、事件の真相や現在の立入条件を判断する際には、自治体、警察、施設管理者などの公開情報が優先される。
怖い話を楽しむことと、危険な場所へ侵入することは別である。歴史を尊重し、現地の規制を守り、安全に情報を楽しむことが、広島の心霊スポットと向き合ううえで最も大切な判断基準となる。
主な事実確認資料
- 広島市公式資料(似島の歴史・陸軍検疫所)
- 広島市公式資料(比治山陸軍墓地)
- 広島県公式資料(魚切ダムの管理・2026年度の見学休止)
- 広島市・広島海上保安部(元宇品の通行止め・灯台一般公開)
- 呉市公式資料(黒瀬隧道と二級峡トンネルの歴史)
- RCC中国放送(心霊スポットへの無断侵入と法的問題)
- 2026年更新の心霊スポット投稿・ランキング資料