ホーム 芸能ニュース・ゴシップ 【第175回芥川賞・直木賞】2026年の受賞者と選考結果を総まとめ

【第175回芥川賞・直木賞】2026年の受賞者と選考結果を総まとめ

八神 涼平 八神 涼平 • 更新: • 公開: • 読了約 16 分
目次

2026年7月15日受賞作決定

第175回芥川賞・直木賞の選考会は、2026年7月15日に東京都内で開催されました。両賞とも最終候補5作品から1作品が選ばれています。



芥川賞受賞
『』
掲載誌:『群像』2026年5月号/講談社
仕事と夫を失った女性が、ゾンビの存在する仮想現実(VR)の世界で掃除婦として働き始める物語。現実と仮想世界を交差させた設定が特徴です。


直木賞受賞
『』
光文社/2026年4月刊
江戸時代を舞台に、外見や身分などの違いによって社会の周縁に置かれた女性たちが集まり、自分たちの居場所を築いていく物語です。



両受賞者に共通する3回目のノミネート

今回の結果で注目したいのは、2人とも3回目の候補入りで受賞を果たしたことです。

小砂川チトさんは、過去に『家庭用安心坑夫』『猿の戴冠式』で芥川賞候補となっていました。今回の『ゾンビ回収婦』で3度目の挑戦が実を結びました。

朝倉かすみさんも、『平場の月』『よむよむかたる』に続く3回目の候補入りでの受賞です。過去の候補作が評価されながらも受賞には至らず、今回『けんぐゎい』で直木賞を獲得しました。

両者の受賞は、作家として積み重ねてきた創作活動が改めて評価された結果でもあります。

【候補作全10作品】第175回芥川賞・直木賞の候補者一覧

芥川賞直木賞候補

第175回の候補作は、2026年6月11日に発表されました。芥川賞は文芸誌掲載作品、直木賞は単行本として刊行されたエンターテインメント作品が中心です。

以下が作者名の五十音順による全候補作品と選考結果です。

芥川賞候補作5作品



1. 小砂川チト『ゾンビ回収婦』
受賞
『群像』5月号
VR世界でゾンビを回収する仕事に就く女性を描く。現実社会の喪失と仮想空間の労働を重ねた作品。


2. 鈴木涼美『悪い血』
『文學界』6月号
社会や人間の内面を鋭く見つめる作家による候補作。鈴木さんにとって芥川賞は3回目の候補入りでした。


3. 仁科斂『丹心(まごころ)』
『新潮』4月号
「丹心」と書いて「まごころ」と読む作品。今回の芥川賞候補5作品の一つです。


4. 村司侑『ソリティアおじさんがいた頃』
『文學界』5月号
文学誌『文學界』から選ばれた候補作品。受賞には至りませんでした。


5. 八木詠美『アンチ・グッドモーニング』
『文藝』春季号
今回の芥川賞候補に選ばれた5作品の一つ。惜しくも受賞には届きませんでした。



直木賞候補作5作品



1. 朝倉かすみ『けんぐゎい』
受賞
光文社
江戸時代を背景に、社会から外れた女性たちの連帯と生き方を描く時代小説。


2. 蝉谷めぐ実『見えるか保己一』
KADOKAWA
江戸時代後期の盲目の学者・塙保己一を主人公に据えた歴史小説。史実と人物の内面を描く作品です。


3. 凪良ゆう『多類婚姻譚』
講談社
『流浪の月』『汝、星のごとく』などで知られる凪良さんの候補作。直木賞候補として注目を集めました。


4. 原田ひ香『#台所のあるところ』
文藝春秋
生活や人間関係を描く作品を手がけてきた原田さんの候補作です。


5. 若林正恭『青天』
受賞ならず
文藝春秋
お笑いコンビ「オードリー」の若林正恭さんによる初小説。アメリカンフットボールと向き合う主人公の物語です。



【作品・人物の関係性】今回の候補作から見える注目ポイント

第175回の特徴は、純文学の新しい表現に挑戦する作家から、歴史小説の書き手、エンターテインメントの分野で活躍する著名人まで、候補者の顔ぶれが幅広いことです。

特に注目されたのが、若林正恭さんと凪良ゆうさん、そして朝倉かすみさんです。それぞれ異なる創作背景を持っています。

人物 候補作・過去の実績 第175回での位置づけ 小砂川チト 『家庭用安心坑夫』『猿の戴冠式』 芥川賞3回目の候補で受賞 鈴木涼美 『ギフテッド』『グレイスレス』 芥川賞3回目の候補 朝倉かすみ 『平場の月』『よむよむかたる』 直木賞3回目の候補で受賞 凪良ゆう 『流浪の月』『汝、星のごとく』 直木賞候補として選出 若林正恭 『青天』が初小説 芸人としての活動と小説家としての挑戦が注目された 蝉谷めぐ実 『化け者心中』『おんなの女房』 『見えるか保己一』で候補入り

若林正恭『青天』が注目された理由

『青天』は、若林正恭さんが初めて発表した小説です。お笑い芸人として知られる人物が文学賞の候補になったことで、普段は小説を読まない層にも直木賞への関心が広がるきっかけになりました。

ただし、芸能人だから候補になったという理解は正確ではありません。直木賞は、単行本として出版されたエンターテインメント作品を対象としています。作者の知名度と作品の評価は分けて考える必要があります。

『青天』は受賞を逃しましたが、異なる分野で活動してきた書き手が小説という形で評価の場に立った点は、今回の候補発表を象徴する出来事でした。

朝倉かすみと凪良ゆう、それぞれの文学的な特徴

朝倉かすみさんは2005年に小説家としてデビュー。『平場の月』では山本周五郎賞を受賞し、直木賞候補にもなりました。『よむよむかたる』も第172回直木賞候補作です。

一方、凪良ゆうさんは『流浪の月』で2020年の本屋大賞、『汝、星のごとく』で2023年の本屋大賞を受賞した作家です。映像化作品も持つ人気作家であり、今回の『多類婚姻譚』も読者の関心を集めました。

今回の結果は朝倉さんに軍配が上がりましたが、候補作の顔ぶれそのものが、文学賞における表現の幅広さを示しています。

【芥川賞と直木賞の違い】純文学・大衆文学・選考基準を比較

芥川賞と直木賞は、同じ日に発表されることが多いため、一つの文学賞の部門違いだと思われることがあります。しかし、実際には対象となる作品の性質や出版形態が異なります。

芥川賞は純文学の中・短編が対象

芥川賞は、雑誌や同人雑誌などに発表された、新進作家による純文学の中・短編作品を対象とする賞です。

純文学では、物語の面白さだけでなく、文章表現、心理描写、視点の独自性、言葉によって構築される世界観などが作品を読む際の重要な要素になります。

今回の『ゾンビ回収婦』は、VRという現代的な題材を使いながら、現実と虚構の境界や人間の存在を描いた作品として注目されました。

直木賞はエンターテインメント小説が対象

直木賞は、新進・中堅作家によるエンターテインメント作品の単行本を対象とします。長編小説や短編集などが選考対象です。

読者を物語に引き込む構成、人物造形、展開の魅力、テーマの伝わりやすさなど、幅広い観点から作品が評価されます。

『けんぐゎい』のような時代小説も対象です。現代を舞台にした作品だけでなく、歴史や社会、人間の生き方を題材とする作品も候補になります。

両賞の違いを一覧で比較

比較項目 芥川賞 直木賞
正式名称 芥川龍之介賞 直木三十五賞
主な対象 純文学 エンターテインメント文学
作家の対象 新進作家 新進・中堅作家
主な出版形態 雑誌掲載作品 単行本
作品の長さ 中・短編 長編・短編集
選考 選考委員による討議 選考委員による討議
2026年上半期受賞 『ゾンビ回収婦』 『けんぐゎい』

純文学と大衆文学は完全に分かれているわけではない

ここで注意したいのが、純文学と大衆文学の境界です。

純文学だから難解で、大衆文学だから読みやすいという単純な分類はできません。純文学にも強い物語性を持つ作品があり、エンターテインメント小説にも深い社会的テーマや実験的な表現があります。

両賞の違いは、単純な文章の難易度や人気ではなく、文学賞が定める対象作品の枠組みにあります。

芥川賞・直木賞の選考基準は何か

日本文学振興会の公式FAQによると、候補作品は対象期間に発表された作品から予備選考を経て絞り込まれ、最終的には選考委員の討議によって受賞作が決まります。

選考委員は作家や文学界の専門家で構成されます。作品に対する評価は委員の討議によって形成されるため、一般的な人気投票や売上ランキングとは性質が異なります。

また、両賞とも必ず受賞者が出るわけではありません。選考の結果、該当作品なしとなる場合もあります。候補入りしたことと受賞したことは、明確に区別する必要があります。

【歴代候補作と受賞者一覧】2026年までの文学賞の流れ

第175回の結果を理解するには、直近の受賞状況も参考になります。

日本文学振興会の歴代受賞者一覧によると、直近では第173回(2025年上半期)に芥川賞・直木賞とも受賞作なしとなり、第174回(2025年下半期)では芥川賞と直木賞の双方で受賞作が決まりました。

直近4回の受賞作

- 第175回(2026年上半期)
- 芥川賞:小砂川チト『ゾンビ回収婦』
- 直木賞:朝倉かすみ『けんぐゎい』

- 第174回(2025年下半期)
- 芥川賞:鳥山まこと『時の家』、畠山丑雄『叫び』
- 直木賞:嶋津輝『カフェーの帰り道』

- 第173回(2025年上半期)
- 芥川賞:受賞作なし
- 直木賞:受賞作なし

- 第172回(2024年下半期)
- 芥川賞:安堂ホセ『DTOPIA』、鈴木結生『ゲーテはすべてを言った』
- 直木賞:伊与原新『藍を継ぐ海』

このように、芥川賞・直木賞では1回の選考で複数作品が受賞する場合もあれば、受賞作なしとなる場合もあります。

歴代の受賞者一覧は日本文学振興会の公式記録で確認できます。なお、受賞者一覧と候補者一覧は別の資料です。過去の候補作を調べる場合は、各回の候補発表資料や選評も併せて確認する必要があります。

候補作を追うことには、受賞作だけでは見えない文学の動向を知る意味もあります。受賞しなかった作品が後に評価を高めることもあり、文学賞の結果だけで作品の価値が決まるわけではありません。

【第176回直木賞候補作】2026年11月中旬の発表予定と今後のスケジュール

次回の発表に注目

2026年11月6日時点で、次に注目されるのは第176回(2026年下半期)の候補作発表です。

今回、特に押さえておきたいのが、直木賞候補作の発表時期が変更されたことです。日本文学振興会は2025年12月12日、直木賞候補作の発表スケジュールを変更すると公表しました。

第176回直木賞候補作はいつ発表される?

公式発表によると、第176回直木賞候補作は2026年11月中旬に発表予定です。

従来の12月中旬から約1カ月前倒しされました。対象となる作品の刊行期間にも変更があり、第176回は移行措置として2026年6月刊から10月刊までの作品が対象となります。

第176回の選考スケジュール

項目 予定
直木賞候補作発表 2026年11月中旬
芥川賞候補作発表 従来スケジュールを維持
対象期間(直木賞) 2026年6月~10月刊
選考会 2027年1月20日
受賞作発表 選考会当日

芥川賞と直木賞の候補発表に1カ月の差が生まれる

今回の変更で見落とせないのが、両賞の候補作発表時期が同じではなくなる点です。

直木賞は11月中旬、芥川賞は従来の発表スケジュールを維持するため、第176回以降は候補発表に約1カ月のずれが生じます。

ただし、選考会はこれまでどおり同じ時期に開催されます。第176回は2027年1月20日が選考会の日程として公表されています。

次回以降は、直木賞の候補発表を11月、芥川賞の候補発表をその後に確認するという情報収集の流れが必要になります。

【芥川賞・直木賞候補】に関するよくある質問(FAQ)

Q1:2026年の芥川賞受賞作は何ですか?
A1:第175回芥川賞の受賞作は、小砂川チトさんの『ゾンビ回収婦』です。2026年7月15日に発表されました。

Q2:2026年の直木賞受賞作は何ですか?
A2:第175回直木賞の受賞作は、朝倉かすみさんの『けんぐゎい』です。江戸時代を舞台に、社会の周縁に置かれた女性たちの生き方を描いています。

Q3:第175回の芥川賞・直木賞候補は全部で何作品ですか?
A3:芥川賞5作品、直木賞5作品の合計10作品です。両賞とも1作品ずつが受賞しました。

Q4:若林正恭の『青天』は直木賞を受賞しましたか?
A4:受賞していません。第175回直木賞の候補には選ばれましたが、受賞作は朝倉かすみさんの『けんぐゎい』でした。

Q5:芥川賞と直木賞ではどちらが難しいですか?
A5:対象となる作品や作家の条件が異なるため、単純に難易度を比較することはできません。芥川賞は純文学の中・短編、直木賞はエンターテインメント作品が主な対象です。

Q6:第176回直木賞候補作はいつ発表されますか?
A6:2026年11月中旬に発表予定です。選考会は2027年1月20日に開催される予定です。

Q7:芥川賞・直木賞は一般人でも応募できますか?
A7:両賞とも公募形式ではありません。芥川賞は雑誌などに掲載された作品、直木賞は単行本として出版された作品が選考対象となります。

まとめ:2026年の芥川賞・直木賞は受賞結果と次回の制度変更に注目

2026年の第175回芥川賞・直木賞は、小砂川チトさんの『ゾンビ回収婦』と朝倉かすみさんの『けんぐゎい』が受賞しました。

今回の候補には、鈴木涼美さんの『悪い血』、凪良ゆうさんの『多類婚姻譚』、若林正恭さんの『青天』など、異なる背景を持つ作家の作品が並びました。純文学とエンターテインメント文学、それぞれの魅力を知る機会にもなった選考です。

読者が今後押さえておきたい要点は3つあります。

  • 第175回の受賞作は芥川賞『ゾンビ回収婦』、直木賞『けんぐゎい』。
  • 両賞は対象作品や作家の条件が異なり、受賞作なしとなる場合もある。
  • 第176回直木賞候補作は2026年11月中旬発表予定。選考会は2027年1月20日。

文学賞を楽しむうえでは、受賞作だけでなく候補作にも目を向けることが大切です。候補作を読み比べることで、現在の日本文学がどのようなテーマや表現に挑戦しているのかが見えてきます。第176回の候補発表と選考結果にも注目しましょう。

同じカテゴリの記事

八神 涼平
トレンドリサーチャー 八神 涼平
プロフィールを見る →

スポーツ中継とバラエティ番組の情報を担当。リーグ公式・番組公式の告知を一次情報とし、放送時間と出演者は公式表記で確認します。

おすすめの関連記事