「ピースワンコジャパンには悪評が多い」「保護犬の飼育環境に問題があった」「寄付金は本当に犬たちのために使われているのか」。こうした疑問の背景には、2018年に表面化した狂犬病予防注射の遅れ、犬舎の過密飼育をめぐる報道、広島県警による捜査など、実際に起きた一連の問題があります。
2026年11月現在、ピースワンコ・ジャパンは保護犬の譲渡活動を継続しており、公式サイトでは2012年から2026年10月末までの譲渡・返還数を累計5,843頭と公表しています。一方、過去の問題については2019年に不起訴処分となったものの、それだけで当時の飼育管理上の不備がすべて否定されたわけではありません。過去の事実、団体側の説明、現在の活動実績を分けて確認する必要があります。
【悪評の理由】ピースワンコジャパンに批判が集まった5つの問題

ピースワンコ・ジャパンは、認定NPO法人ピースウィンズ・ジャパンが運営する保護犬支援プロジェクトです。2012年に活動を開始し、広島県内の動物愛護センターから犬を引き取り、新しい飼い主につなぐ活動を続けています。
大きな転換点となったのは2016年4月です。同団体は広島県内で殺処分対象となった犬の引き取りを本格化させ、殺処分ゼロを目指す活動を拡大しました。
しかし、引き取り頭数の急増に対して、飼育施設や管理体制の整備が十分に追いつかなかった時期がありました。これが、現在も検索結果に残る悪評の大きな原因です。
1.狂犬病予防注射の遅れと広島県警の捜査
批判の中心となったのが、保護犬の一部について狂犬病予防注射が法定期間内に実施されていなかった問題です。
ピースワンコ側は2018年6月25日の公式発表で、過年度に一部の保護犬について予防注射が一時的に追いつかない状況が発生したことを認めました。
当時、団体が説明した背景には、保護犬の急増がありました。2016年度には約1,400頭、2017年度には約1,800頭を保護しており、月に100〜150頭という想定を超える引き取りが続いていたといいます。
加えて、引き取った犬から犬パルボウイルスなどの感染症が発生し、治療や感染拡大防止に人員を割かざるを得なかったことも、団体側が説明した事情の一つです。
ただし、感染症対策に追われていたことは、狂犬病予防法に基づく義務を果たせなかったことの免責理由にはなりません。団体自身も、一時的に接種が遅れた点について反省を表明しています。
2018年には広島県警による捜査が行われ、同年11月には狂犬病予防法違反の疑いで関係者が書類送検されたと報じられました。団体はその後、外部獣医師の協力を得るなどして接種を進めたと説明しています。
現在の公式見解では、獣医師の補強や犬ごとのデータ管理の強化によって、予防注射を遅滞なく実施する体制を整えたとしています。問題の発端が実際に存在したことと、その後の改善説明は、別々に評価する必要があります。
参考:ピースワンコ・ジャパン「狂犬病予防注射に関する現在の対応について」「法令順守について」
2.犬舎の過密飼育と飼育環境への批判
もう一つの大きな問題が、保護犬の収容環境です。
2018年には『週刊新潮』などが犬舎の飼育環境やスタッフの配置について報道しました。犬の収容数に対して人員が不足していたのではないか、犬同士のトラブルを防ぐための管理が十分だったのか、といった点が問題視されました。
2019年6月4日には、広島県警が動物愛護管理法違反の疑いでピースウィンズ・ジャパンと関係者を書類送検したことが報じられています。
対象となったのは、2017年11月から2018年1月にかけての飼育管理です。報道では、狭い犬舎で多数の犬を飼育した結果、犬同士のけんかが発生し、2頭を死なせた疑いがあるとされました。
当時の報道では、6平方メートルの犬舎に15〜20頭が収容されていたという情報も伝えられています。
ただし、これは捜査段階で示された疑いであり、裁判で違法行為が認定された事実ではありません。2019年9月には、この動物愛護管理法違反事件について不起訴処分となっています。
それでも、保護犬を多数受け入れる団体にとって、収容スペース、人員配置、犬同士の相性管理、健康観察が不可欠であることを浮き彫りにした問題でした。
3.2018年の犬12頭脱走問題
2018年2月には、広島県神石高原町の犬舎から保護犬12頭が脱走する事案が発生しました。
団体の同年2月24日の発表によると、犬たちは夜間に部屋のドアから通路へ出た後、柵を越えて施設外へ逃げたとみられています。職員による鍵の閉め忘れが原因だった可能性も説明されました。
団体が公表した続報では、2018年12月20日時点で12頭のうち8頭を捕獲。残る犬についても捕獲活動を続けるとしていました。
脱走した犬については、狂犬病予防注射を済ませていたことも発表されています。
団体は再発防止策として、鍵の閉め忘れを防ぐダブルチェック、通路の柵の増設、金網の設置などを進めました。
この問題は、保護頭数を増やすことだけでなく、施設から犬を逃がさない管理体制が重要であることを示しています。
4.避妊・去勢手術をめぐる批判
保護犬の避妊・去勢手術についても、過去に批判がありました。
多数の犬を保護する施設では、望まない繁殖を防ぐことが重要です。手術が進んでいなければ、犬の頭数がさらに増え、飼育環境の悪化につながる可能性があります。
これに対して団体は、幼犬、老犬、病気や障害を持つ犬など、手術が適切ではないケースを除き、大半の犬が避妊・去勢を済ませていると説明しています。
また、シェルター内でも不妊手術を行える体制を整え、新たに保護された犬についても順次手術を進めているとしています。
避妊・去勢の方針は、犬の健康状態や年齢によって個別判断が必要です。そのため、単純に全頭手術済みかどうかだけではなく、未手術の犬について繁殖をどう防いでいるかも確認すべきポイントです。
5.寄付金の使い道と説明責任への疑問
ピースワンコジャパンへの批判には、寄付金の使い道に関する疑問も含まれます。
殺処分ゼロという明確な目的を掲げ、多くの支援者から資金を集める団体だからこそ、寄付が犬の医療費、食費、施設整備、人件費などにどのように使われているのかが注目されます。
2018年12月、ピースウィンズ・ジャパンは週刊誌報道に対する公式見解を発表しました。その中で、2017年度の会計報告にある約3億3,500万円の「その他経費」について、啓発・広報費、施設修繕費、備品・消耗品費、水道光熱費、譲渡会の会場費などの内訳を説明しています。
団体は、これらの支出について適切に管理・記録し、公認会計士による監査を受けていると反論しました。
したがって、当時の「使途不明金」という批判的な表現だけを見て、寄付金の不正流用が確定したと理解するのは正確ではありません。一方、団体自身の説明が存在することと、支援者が十分に納得できる情報開示が行われているかは、別の問題です。
こうした5つの論点が、ピースワンコジャパンの悪評を形成してきました。
【2018〜2019年の真相】広島県の立ち入り調査から不起訴処分までを時系列で整理
過去の問題を正しく理解するには、捜査、行政の立ち入り調査、団体の説明、検察の判断を混同しないことが大切です。
特に注意したいのは、警察による書類送検と検察による不起訴処分は、裁判所による有罪・無罪の判決とは異なるという点です。
主な経緯を整理すると、次のようになります。
| 時期 | 出来事 | 確認できる内容・位置づけ |
|---|---|---|
| 2016年4月 | 保護活動の拡大 | 広島県内で殺処分対象となった犬の引き取りを本格化。 |
| 2017年度 | 保護頭数の急増 | 団体発表では約1,800頭を保護。飼育管理体制への負荷が増大。 |
| 2018年2月 | 犬12頭の脱走 | 施設の鍵の閉め忘れが原因だった可能性を団体が説明。 |
| 2018年6月 | 狂犬病予防注射の遅れが表面化 | 団体が一部の犬の接種遅延を認め、広島県警の捜査について公表。 |
| 2018年11月 | 広島県の立ち入り調査 | 団体は、犬の飼養管理について特段の問題はないとの評価を受けたと公表。 |
| 2018年11月20日 | 狂犬病予防法違反容疑の書類送検 | 関係者が書類送検されたと報道。 |
| 2019年6月4日 | 動物愛護管理法違反容疑の書類送検 | 過密飼育により犬2頭を死なせた疑いをめぐり、法人と関係者が書類送検された。 |
| 2019年9月5日 | 動物愛護管理法違反事件の不起訴 | 送致事実を認定するに足りる十分な証拠がないとして不起訴。 |
| 2019年9月6日 | 団体が不起訴処分を公表 | 対応の不備を反省し、法令順守と飼育環境の改善を進めると説明。 |
この経緯のうち、動物愛護管理法違反事件については、環境省が公表した「令和4年度 動物の虐待事例等調査報告書」にも記載があります。
同報告書では、2017年11月から2018年1月にかけての犬の過密収容と2頭の死亡をめぐる疑いについて、2019年6月に書類送検され、同年9月5日に不起訴となったことが整理されています。不起訴の理由は、「送致事実を認定するに足りる十分な証拠がないため」と記録されています。
これは、当時の報道内容がすべて虚偽だったと検察が認定したことを意味するものではありません。一方、疑いが報じられたことだけをもって、団体や関係者の違法行為が確定したと扱うこともできません。
出典:環境省「令和4年度 動物の虐待事例等調査報告書」、ピースワンコ・ジャパンの2018年・2019年公式発表。
広島県の立ち入り調査は何を確認したのか
2018年11月の広島県による立ち入り調査について、ピースワンコ側は、犬の飼養管理の状況に特段の問題がないとの評価を受けたと公表しています。
この説明は、2018年12月に発表された『女性セブン』『週刊新潮』の報道に対する団体側の見解にも記載されています。
また、2018年6月の狂犬病予防注射問題についても、団体は県や関係自治体との協議を進め、接種状況の改善や管理体制の見直しを行ったと説明していました。
ただし、行政の立ち入り調査で特段の問題がないとされたことは、その時点で確認された飼養状況についての評価です。過去のすべての問題がなかったことや、将来にわたって問題が起きないことまで保証するものではありません。
行政による確認と、日常的な飼育状況の透明性を継続的に確保することは、分けて考える必要があります。
出典:ピースウィンズ・ジャパン「『女性セブン』『週刊新潮』の報道について」。
【2019年の不起訴処分の真相】無罪と改善完了は同じ意味ではない
ピースワンコジャパンについて調べる際、特に誤解されやすいのが2019年の不起訴処分です。
団体は2019年9月6日、過年度の狂犬病予防注射の遅れなどについて、検察庁から刑罰に問わない旨の不起訴処分の通知を受けたと発表しました。
その発表では、保護犬の急増に対して組織体制が追いつかなかったことを反省し、予防接種を遅滞なく実施できる態勢を整えたと説明しています。
また、その他の件については、捜査の結果、違法な事実が存在しないと認められて不起訴になったと理解している、という団体側の見解も示されました。
不起訴には複数の理由がある
不起訴処分には、嫌疑なし、嫌疑不十分、起訴猶予など、異なる理由があります。
今回の動物愛護管理法違反事件について、環境省の報告書が記録しているのは「送致事実を認定するに足りる十分な証拠がないため」という理由です。
これは、起訴して裁判で有罪を立証するだけの証拠が十分ではなかったことを意味します。刑事裁判で審理されたうえで無罪判決が出たケースとは異なります。
また、狂犬病予防法に関係する件については、団体が不起訴通知を受けたことを公表していますが、同団体の発表文だけでは、その個別の処分理由まで詳しく確認できません。
したがって、2019年の不起訴処分を理由に「過去の問題はすべてデマだった」とするのも、「違法行為が確定していた」とするのも正確ではありません。
団体が説明した改善策
2019年の発表や現在の公式ページでは、過去の問題への対応として、次のような改善策が説明されています。
- 獣医師の補強による医療・予防接種体制の強化
- 犬ごとの予防接種状況を把握するデータ管理の強化
- 犬舎の増設による収容環境の改善
- 飼育スタッフの増員と組織体制の強化
- 避妊・去勢手術を実施できる体制の整備
- 犬舎の鍵やフェンスなど脱走防止設備の強化
これらは団体が公表している改善内容です。実際にどの程度改善が定着しているかについては、現在の施設状況、医療管理、飼育頭数、第三者による確認などを継続して見る必要があります。
不起訴は刑事責任を問わないという判断であり、団体の運営品質を全面的に保証する認証ではありません。この違いを理解することが、過去の問題を正しく評価する出発点になります。
【2026年最新】ピースワンコジャパンの現在の活動実態と改善状況
過去の問題から年月が経過した現在、ピースワンコ・ジャパンはどのような活動をしているのでしょうか。
2026年11月時点で確認できる公式情報を見ると、保護犬の引き取り、飼育、医療ケア、譲渡活動は継続されています。過去の問題への対応として、施設や管理体制の改善も説明されています。
2025年の保護・譲渡実績
ピースウィンズ・ジャパンが2026年2月に公表した活動報告によると、2025年には497頭の犬を保護し、619頭を新しい家族へ譲渡しました。
この数字は、保護した犬を施設に収容するだけでなく、里親を探して新しい生活につなげる活動が続いていることを示しています。
ただし、年間の譲渡数が保護数を上回ったからといって、すべての犬が譲渡されたわけではありません。過去に保護された犬がその年に譲渡される場合もあるため、年間の保護数と譲渡数は別々に見る必要があります。
2026年10月末時点の累計実績
公式サイトの2026年10月末時点の公表値は次のとおりです。
- 累計譲渡・返還数:5,843頭
- 2026年10月の譲渡・返還数:46頭
- 集計期間:2012年〜2026年10月末
ここで注意したいのは、累計5,843頭という数字が「譲渡・返還」の合計であることです。
返還とは、迷い犬として保護された犬が元の飼い主のもとへ戻ることを指します。そのため、5,843頭すべてが新しい飼い主へ譲渡された犬という意味ではありません。
この区別は、活動実績を正確に理解するうえで重要です。
出典:ピースワンコ・ジャパン公式サイト、2026年の活動報告。
現在の犬舎・シェルター環境
団体の公式活動紹介によると、広島県神石高原町の施設では、7万平方メートル以上の保護犬収容用地を確保しています。
また、庭付き犬舎やドッグラン、診療所、老犬用施設などを備えたシェルターを運営していると説明しています。
公式サイトでは、犬舎の増設やスタッフの増員を進めてきたことに加え、2020年以降は譲渡数が保護数を上回る傾向が続き、飼育頭数が減少に転じたとも説明されています。
これは、2016〜2017年に問題となった大量収容への対応として、施設の拡充と譲渡の促進を進めてきたことを示す団体側の説明です。
現在の施設が広く整備されていることは改善の一つの指標ですが、施設面積だけで犬の生活の質を判断することはできません。犬1頭あたりのスペース、運動時間、休息環境、医療ケア、スタッフの配置なども重要です。
避妊・去勢と脱走防止の現在の方針
避妊・去勢については、幼犬、老犬、病気や障害のある犬など、手術が適切ではない犬を除き、大半の犬が手術を済ませていると団体は説明しています。
新たに保護された犬についても、シェルター内で手術を実施できる体制を整え、順次対応しているとしています。
脱走防止については、フェンスや金網の設置、地面の隙間の点検、各部屋の鍵のダブルチェック、二重扉、監視カメラなどの対策を公式サイトで紹介しています。
こうした対策は、2018年に発生した脱走問題を受けて管理体制を見直したものとして位置づけられます。
ただし、現在の実施状況を継続的に評価するには、設備の紹介だけでなく、事故発生件数や再発防止の検証結果なども重要です。
出典:ピースワンコ・ジャパン「ピースワンコの活動内容」「法令順守について」。
【口コミ・評判を検証】肯定的な評価と否定的な評価はどこで分かれる?
ピースワンコジャパンの口コミ・評判を調べるときは、単純に肯定的か否定的かで判断するのではなく、何を評価しているのかを分けて考える必要があります。
インターネット上の意見は、寄付をする人、里親になった人、ボランティア、動物愛護に関心を持つ人など、立場によって評価の基準が異なります。また、SNSや口コミサイトの投稿だけでは、利用者全体の意見を代表しているとは限りません。
肯定的な評価につながるポイント
肯定的な評価の中心となるのは、殺処分を減らすために多数の犬を引き取り、医療やトレーニングを行い、譲渡先を探している活動です。
特に、野犬や人に慣れていない犬、病気やけがを抱えた犬など、一般的な譲渡活動では新しい飼い主を見つけにくい犬を受け入れる点は、活動の大きな特徴です。
2025年の619頭という譲渡実績や、2026年10月末までの累計5,843頭という譲渡・返還実績は、長期的に活動を継続してきたことを示す数字です。
また、全国に譲渡センターを展開し、譲渡会やイベントを通じて保護犬と新しい飼い主が出会う機会を設けています。
否定的な評価につながるポイント
一方、否定的な評価では、過去の狂犬病予防注射の遅れ、過密飼育をめぐる報道、犬の死亡疑惑、脱走問題などが繰り返し取り上げられています。
こうした問題は、単なるネット上の根拠のない噂として片付けられるものではありません。少なくとも、狂犬病予防注射の遅れについては団体自身が認め、脱走についても公式に謝罪しています。
また、保護犬を多数受け入れる活動に対して、施設の収容能力や人員配置が十分だったのかという疑問が残ることも、評価が分かれる理由です。
殺処分ゼロという目的に賛同していても、犬の生活環境や運営の透明性に疑問があれば、支援をためらう人がいるのは自然なことです。
寄付金の使い道は透明なのか
寄付金の透明性を判断するには、団体が公表する会計報告や監査報告書を確認する必要があります。
ピースウィンズ・ジャパンの公式サイトでは、2024年度の年次報告書、会計報告書、監査報告書が公開されています。2024年度の事業期間は2024年2月1日から2025年1月31日までで、団体の説明によると、青木幹雄公認会計士事務所による外部監査を受け、2025年度通常総会で決算が承認されています。
また、寄付金は活動に必要な物資、輸送費、人件費、現地調整費、管理費などに使用されると説明されています。
寄付方法にも違いがあります。継続寄付では保護犬支援などの事業を指定でき、単発寄付でも特定のプロジェクトを選択する仕組みがあります。
支援者が確認したいのは、単に監査を受けているという事実だけではありません。寄付金が保護犬事業にどの程度配分され、医療費や飼育費、施設管理費などにいくら使われているのかを、事業別に理解できるかどうかです。
会計資料の公開と外部監査は透明性を支える重要な仕組みですが、それだけで支援者の疑問がすべて解消されるわけではありません。
出典:ピースウィンズ・ジャパン「年次報告・会計報告」「ご支援・ご寄付のお願い」。
【支援・譲渡を検討する人へ】ピースワンコジャパンを判断するためのチェックポイント
ピースワンコジャパンへの寄付やボランティア参加、保護犬の譲渡を検討している場合、過去の悪評だけで判断するのではなく、現在の運営状況を具体的に確認することが大切です。
寄付を検討する場合
寄付をする前には、次の点を確認すると判断しやすくなります。
- 最新の年次報告書と会計報告書が公開されているか
- 外部監査の実施状況や監査報告書を確認できるか
- 寄付金のうち保護犬事業に使われる金額や割合が把握できるか
- 医療費、食費、人件費、施設維持費の内訳が説明されているか
- 継続寄付と単発寄付で支援先を指定できるか
- 過去の問題に対する改善状況が継続して公表されているか
過去の経緯を重視する人や、事業別の資金配分まで確認したい人は、まず最新の会計資料を読み、疑問点を団体に問い合わせてから支援を決める方法が適しています。
保護犬の譲渡を検討する場合
里親になることを検討している場合は、団体全体の評判だけでなく、迎えたい犬の健康状態や性格、生活環境との相性を確認が必要です。
- ワクチン接種歴や健康診断の結果を確認する
- 持病や過去の治療歴について説明を受ける
- 人やほかの犬に対する反応を確認する
- 必要な運動量や留守番への適応状況を聞く
- 避妊・去勢の状況と今後の医療方針を確認する
- 譲渡契約、医療費、譲渡後の相談体制を確認する
特に保護犬の場合、過去の生活環境や人との関わり方によって、家庭に慣れるまでの時間が異なります。譲渡前に犬の特徴を詳しく説明してもらい、家族全員が無理なく飼育できるかを検討してください。
どのような人が慎重に検討すべきか
殺処分を減らす活動を応援したい人にとって、ピースワンコ・ジャパンの活動は支援先の候補になります。
一方、過去の運営問題を重く受け止めている人や、事業別の寄付金配分について詳細な第三者検証を重視する人は、現時点で公開されている資料を確認したうえで判断するほうがよいでしょう。
また、保護犬を迎える場合は、団体の知名度や活動規模よりも、目の前の犬に適切な医療と生活環境が提供されているかを優先してください。
支援するかどうか、譲渡を受けるかどうかは、最終的には個人の判断です。過去の問題と現在の改善状況を両方見たうえで決めることが、後悔しない選択につながります。
【ピースワンコジャパンの悪評】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:ピースワンコジャパンの悪評は事実なのでしょうか?
A1:すべてが事実というわけではありませんが、狂犬病予防注射の遅れや2018年の犬12頭の脱走など、団体自身が認めている問題は実際にありました。また、過密飼育と犬2頭の死亡をめぐる疑いで2019年に書類送検されたことも、環境省の報告書に記載されています。一方、動物愛護管理法違反事件は不起訴となっており、違法行為が確定したわけではありません。
Q2:ピースワンコジャパンは2019年に無罪になったのですか?
A2:正確には不起訴処分です。動物愛護管理法違反事件について、環境省の報告書では、送致事実を認定する十分な証拠がないことが理由とされています。裁判で無罪判決が出たわけではありません。
Q3:2026年現在もピースワンコジャパンは活動していますか?
A3:はい。2026年11月時点でも保護犬の飼育、医療ケア、譲渡会などの活動を継続しています。公式サイトでは2026年10月末までの累計譲渡・返還数を5,843頭と公表しています。
Q4:ピースワンコジャパンは現在も避妊・去勢手術をしていないのですか?
A4:団体の公式説明では、幼犬、老犬、病気や障害のある犬などを除き、大半の犬が避妊・去勢手術を済ませています。新たに保護された犬についても順次手術を進めているとしています。
Q5:ピースワンコジャパンへの寄付金は安全に使われていますか?
A5:ピースウィンズ・ジャパンは年次報告書、会計報告書、監査報告書を公開し、外部監査を受けていると説明しています。ただし、寄付金の具体的な配分を確認したい場合は、事業別の会計資料や寄付金の使途を確認することが大切です。
Q6:ピースワンコジャパンの保護犬を迎えても大丈夫ですか?
A6:団体の過去の評判だけで判断するのではなく、迎えたい犬の健康状態、性格、ワクチン接種歴、医療記録、譲渡後のサポート体制などを確認してください。実際に施設や譲渡センターを訪問し、スタッフから説明を受けることも判断材料になります。
まとめ:ピースワンコジャパンは過去の問題と現在の実績を分けて評価する
ピースワンコジャパンの悪評には、実際の出来事を背景とするものがあります。2018年の狂犬病予防注射の遅れ、犬12頭の脱走、犬舎の過密飼育をめぐる報道、犬2頭の死亡疑惑などは、団体の活動を評価するうえで無視できない経緯です。
2019年には関係する事件が不起訴となりました。特に動物愛護管理法違反事件については、環境省の資料に不起訴理由が記録されています。しかし、不起訴は当時の飼育管理上の問題がすべて存在しなかったことを証明するものではありません。
一方、2026年現在の活動を見ると、保護犬の譲渡は継続され、2025年には619頭が新しい家族のもとへ迎えられました。2026年10月末までの累計譲渡・返還数も5,843頭に達しています。犬舎の拡充、医療体制の強化、避妊・去勢手術、脱走防止策なども団体から公表されています。
【プロの結論】
ピースワンコジャパンを評価するうえで重要なのは、「殺処分ゼロ」という理念と、保護された犬が実際にどのような環境で生活しているかを切り離さないことです。
犬を救うために多くの頭数を引き受けることは大切ですが、その数に見合った施設、人員、獣医療、管理体制を整えることも同じくらい重要です。保護頭数や譲渡実績だけが大きくても、個々の犬の生活の質が確保されなければ、保護活動として十分とはいえません。
また、寄付金の透明性についても、会計報告を公開するだけでなく、支援者が資金の流れや犬たちへの具体的な支援内容を理解できる説明が大切です。
過去の問題を理由に現在の活動すべてを否定することも、譲渡実績があるから過去の問題を忘れてよいとすることも適切ではありません。
2026年以降も注目すべきなのは、保護犬の譲渡実績だけでなく、飼育環境の改善が継続しているか、医療管理や事故防止が徹底されているか、寄付金の使途が明確に説明されているかという点です。
支援や譲渡を検討する人は、過去の報道、環境省の記録、団体の公式発表、最新の会計資料を照らし合わせ、自分自身が納得できる形で判断することが大切です。
犬たちの命を守るという理念を本当に実現するためには、救った頭数だけでなく、その一頭一頭が安心して暮らせる環境を守り続けられるかどうかが問われています。