2024年10月18日に公開された映画『まる』では、22年前の「街」が新たな姿で主題歌として採用されました。
作品のために再レコーディングされた音源のタイトルは、「街(movie ver.)」です。
堂本剛にとっては、1997年公開の映画『金田一少年の事件簿 上海魚人伝説』以来、約27年ぶりとなる単独主演映画。その節目の作品で、自身のソロデビュー曲を歌い直すことになりました。
なぜ『まる』の主題歌が「街」だったのか
この起用には、興味深い経緯があります。
映画のプロデューサーを務めたアスミック・エースの山田雅子氏が、荻上直子監督に「街」を主題歌にしてはどうかと提案しました。
すると監督から返ってきたのは、脚本を書いているときに、すでに「街」を聴いていたという返事でした。
つまり、映画の企画が進む中で、作品と楽曲が自然に結びついていたのです。
映画『まる』の主人公は、堂本が演じる沢田。
現代美術家のアシスタントとして働く沢田が、ある出来事をきっかけに「○(まる)」を描き始め、日常が変化していく物語です。
山田プロデューサーは、この映画を「もし、堂本剛がスーパースターじゃなかったら?」というパラレルワールドとも捉えられる作品として説明しています。
過去の堂本自身の心情が投影された「街」が、スターではない一人の男性・沢田の人生を締めくくる。この重なりが、主題歌としての説得力を生み出しました。
45歳の声で歌い直した理由
今回の再録で特に注目したいのは、堂本自身が新録を希望したことです。
山田プロデューサーのコメントによれば、主題歌への起用が決まった際、堂本は「それなら45歳の今の自分の声で新録したい」という意向を示しました。
単純に過去の音源を映画に使用するのではなく、現在の自分の声で歌い直すことに意味を見いだしたのです。
本人も、歌うたびに若い頃の自分と対話するような感覚があると説明しています。
ここには、2002年の自分を現在の自分が演じ直すという、音楽家としての興味深い試みがあります。
当時の痛みを消すのではなく、その経験を抱えたまま現在の声で表現する。
そのため「movie ver.」は、単なる懐かしの曲の再録とは違う意味を持っています。
「街(movie ver.)」は配信されている?
映画公開時の発表では、単独リリースの予定はなく、フルバージョンを聴けるのは映画本編のみと案内されていました。
そのため、オリジナルの2002年版と映画用の再録版は、別の音源として考える必要があります。
| 比較項目 | オリジナル版 | movie ver. |
|---|---|---|
| 発表時期 | 2002年 | 2024年 |
| 歌声 | 20代の堂本剛 | 45歳の堂本剛 |
| 用途 | ソロデビュー曲 | 映画『まる』主題歌 |
| 表現の背景 | 若い頃の葛藤や自己対話 | 過去の自分との再対話 |
| 音源の位置づけ | シングル収録曲 | 映画のための再録音源 |
映画版を探している人は、2002年のCD音源と混同しないように注意してください。
「街」の評判と反響は?ファンの支持を示す調査結果
「街」が現在も支持されていることを示すデータの一つが、2024年のねとらぼ調査隊による人気投票です。
2024年1月29日から2月5日まで実施された「堂本剛のシングル曲であなたが好きなのは?」というアンケートでは、1,591票のうち318票、得票率20%で「街」が1位になりました。
2位は「ソメイヨシノ」で、195票、得票率12.3%でした。
この結果は、回答者による人気投票であり、全国の音楽ファン全体を対象にした調査ではありません。それでも、発売から20年以上が経過した楽曲が、本人のソロ曲の中で高い支持を集めていることは注目に値します。
同調査では、ファンのコメントとして、初めて聴いたときに涙が止まらなかったという趣旨の反応も紹介されています。
また、2018年の故郷・奈良での東大寺ライブで、堂本が「街」を歌う際に涙があふれ、歌えなくなったというエピソードも掲載されています。
故郷という場所と楽曲の結びつきが、本人にとっても聴き手にとっても深いものであることがうかがえます。
【2026年の堂本剛は何をしている?ENDRECHERIの最新活動と「街」の現在地】

2026年の堂本剛は、ソロプロジェクト「.ENDRECHERI.」を中心に、音楽活動を積極的に展開しています。
「街」が過去の代表曲として残る一方、現在はファンクを軸にした音楽、ライブ演出、ファッション、アートなどを横断する表現活動へと広がっています。
2026年8月12日『new chapter purple』を発売
2026年の大きなトピックが、ニューアルバム『new chapter purple』のリリースです。
発売日は2026年8月12日。
.ENDRECHERI.の公式リリース情報では、複数形態で発売され、収録曲には以下の楽曲が並んでいます。
- Heart of Rainbow
- New Chapter
- ASTRA BEAT
- MY DESIGN
- 宇音
- Kaleidoscope
- Just be you and just do you
- KIRAGIRA
- Thinking Time feat. BREIMEN
- Don't Stop
- 涙パスタ
※収録曲は発売形態によって異なります。
アルバムのタイトルにある「New Chapter」は、新しい章を意味します。
2022年の「街」について堂本が語った、本来の自分を生きることや、新しいスタートを切るという考え方とも響き合うタイトルです。
ただし、現在の作品を2002年の「街」の延長だけで説明することはできません。新しいサウンドやコラボレーションを取り入れながら、独自の音楽世界を広げています。
2026年のライブ活動
2026年は、ライブ活動も充実しています。
主な公演・活動は次のとおりです。
1. .ENDRECHERI. 2026 HAPPY BIRTHDAY LIVE「47」
2026年4月12日にLINE CUBE SHIBUYAで開催されたバースデーライブです。
「ソメイヨシノ」「The Rainbow Star」「Blue Berry」など、これまでの活動を彩ってきた楽曲も披露されました。
2. .ENDRECHERI. 2026 LIVE TOUR「NEW CHAPTER」
2026年5月上旬から始まり、6月28日の横浜BUNTAI公演でファイナルを迎えた全国6都市のツアーです。
ライブでは、新作アルバムに収録される楽曲や、これまでとは異なる演出が取り入れられました。
ツアーファイナルのセットリストには「ASTRA BEAT」「MY DESIGN」「Kaleidoscope」「Thinking Time」などが並び、現在の.ENDRECHERI.の方向性が色濃く表れています。
なお、公開された6月28日のツアーファイナルのセットリストには「街」は記載されていません。したがって、2026年の現行ツアーで必ず演奏される定番曲とまでは断定できません。
3. 平安神宮 奉納演奏2026
2026年9月19日から21日まで、京都の平安神宮で開催されました。
堂本が同所で奉納演奏を行うのは、今回で15回目です。
故郷・奈良とのつながりを大切にしてきた堂本にとって、京都での奉納演奏も長年続けてきた重要な音楽活動の一つです。
4. Billboard Live Tour 2026
2026年は.ENDRECHERI.として初のビルボードライブツアーも発表されました。
11月6日時点で、今後予定されている公演は以下のとおりです。
| 日程 | 会場 | 状況 |
|---|---|---|
| 10月13日・14日 | ビルボードライブ横浜 | 開催済み |
| 11月16日・17日 | ビルボードライブ大阪 | 開催予定 |
| 11月30日 | ビルボードライブ東京 | 開催予定 |
さらに公式サイトでは、11月18日に大阪でライブハウスセッション企画を初開催することや、11月21日・28日にMBS『堂本剛のやからね』が8年ぶりに放送されることも発表されています。
2026年の活動から見える「街」の価値
2026年の活動を眺めると、堂本剛の音楽はファンクを中心に、より自由な表現へと進んでいます。
一方、「街」は故郷と東京、過去と現在、自分自身との対話を描いた作品です。
両者はサウンドの方向性こそ異なりますが、自分自身の感覚を大切にするという点で共通しています。
2002年の「街」を聴くことは、現在の堂本剛の表現を理解するうえでも意味があります。
若い頃の葛藤を歌にしたアーティストが、20年以上の時間を経て、どのように自分の表現を広げてきたのか。その変化を一曲からたどれるからです。
【堂本剛の「街」に関するよくある質問(FAQ)】
Q1:堂本剛の「街」の発売日はいつですか?
A1:2002年5月29日です。シングル「街/溺愛ロジック」として発売されました。堂本剛が作詞・作曲を担当したソロデビューシングルです。
Q2:「街」の歌詞にはどのような意味がありますか?
A2:故郷・奈良にいる自分と、東京へ旅立った自分との関係を描いています。本人は故郷の自分が東京へ向かった自分を思う歌であり、SFストーリーのような作品だと説明しています。また、孤独や葛藤、傷ついた経験を忘れずに生きるという思いも込められています。
Q3:「街(movie ver.)」はどこで聴けますか?
A3:2024年公開の映画『まる』のために再録されたバージョンです。映画公開時の発表では、単独リリースの予定はなく、フルバージョンは映画本編で聴けると案内されていました。2002年のオリジナル版とは別の音源です。
Q4:「街」はTHE FIRST TAKEで披露されましたか?
A4:はい。2022年9月に堂本剛が「THE FIRST TAKE」に初登場し、シンガーソングライター活動20周年の節目に披露しました。
Q5:2026年の堂本剛の音楽活動は?
A5:.ENDRECHERI.として、2026年8月12日にアルバム『new chapter purple』を発売。全国ツアー、平安神宮奉納演奏、Billboard Live Tourなど幅広い活動を展開しています。
まとめ:「街」は過去と現在の堂本剛をつなぐ特別な一曲
堂本剛の「街」は、2002年5月29日に発売されたソロデビューシングルです。
故郷・奈良に残る自分と、東京へ旅立った自分。二つの視点を行き来しながら、自分自身の存在や孤独、痛みと向き合う姿が描かれています。
この曲が長く聴き継がれてきた背景には、時代や年齢が変わっても共感できる普遍的なテーマがあります。
2022年の「THE FIRST TAKE」では20年の歩みを背負った歌唱が披露され、2024年の映画『まる』では45歳の声による再録版が新たな物語を彩りました。
そして2026年、堂本剛は『new chapter purple』の発売や全国ツアー、平安神宮奉納演奏など、新たな音楽活動を続けています。
【プロの結論】「街」を聴くなら3つの時代を比べたい
「街」の魅力を深く理解するなら、次の順番で聴くのがおすすめです。
1. 2002年オリジナル版: 若い頃の堂本剛が抱えていた葛藤や、楽曲の原点を知る。
2. 2022年THE FIRST TAKE版: 20年間の経験を経た歌声と、本人のメッセージを受け取る。
3. 2024年movie ver.: 45歳の堂本剛が過去の自分と向き合い、映画の主人公に重ねた表現を味わう。
特に、初めて「街」を聴く人には、まず2002年版から聴くことをおすすめします。その後に2022年版や映画版に触れると、歌声だけでなく、同じ楽曲に流れた時間の変化まで感じられます。
「街」は、過去を懐かしむためだけの曲ではありません。
自分がどこから来て、今どこにいて、これからどこへ向かうのか。
そんな問いを、聴く人それぞれに投げかける楽曲です。だからこそ、発売から24年を迎える2026年にも、その言葉とメロディーは色あせずに響いています。