2023年夏ドラマは、堺雅人主演の『VIVANT』を筆頭に、中村倫也の『ハヤブサ消防団』、目黒蓮の『トリリオンゲーム』、森七菜と間宮祥太朗の『真夏のシンデレラ』など、ジャンルも出演者も個性豊かな作品がそろった7月期だった。恋愛、社会派ヒューマンドラマ、学園サスペンス、ミステリー、ビジネスエンターテインメントまで、各局が異なる方向性を打ち出していたのが特徴だ。
2026年に改めて振り返ると、特に注目したいのは視聴率と作品人気が必ずしも一致しなかった点である。ビデオリサーチの関東地区データでは『VIVANT』が圧倒的な数字を記録した一方、見逃し配信やタイムシフト視聴でも存在感を示した作品が複数あった。この記事では、2023年7月期のドラマを曜日・放送局別に整理し、主要キャスト、あらすじ、視聴率ランキング、作品ごとの魅力を比較する。
【2023年夏ドラマとは?】7月期の放送期間と注目作品を総整理

2023年夏ドラマとは、主に2023年7月から9月にかけて放送された夏クールの連続ドラマを指す。テレビ局によっては6月に始まった作品や8月にスタートした作品もあり、すべてが7月第1週に一斉に始まったわけではない。
ビデオリサーチが公表した2023年夏ドラマの集計対象期間は、2023年7月3日から10月1日まで。19時から24時台に放送された15分以上のレギュラードラマが対象となっている。
この時期は、TBSが日曜劇場『VIVANT』や金曜ドラマ『トリリオンゲーム』で大規模なエンターテインメントを展開。テレビ朝日は『ハヤブサ消防団』や『刑事7人』『科捜研の女』など、ミステリー・刑事ドラマの強みを生かした編成を行った。
一方、フジテレビ系は『真夏のシンデレラ』や『ばらかもん』など、恋愛や人間関係を軸にした作品を展開。日本テレビ系は『こっち向いてよ向井くん』や『最高の教師』で、現代の恋愛観や教育現場の問題を描いた。
つまり、2023年夏ドラマは単に人気俳優が集まったシーズンではない。各局の得意ジャンルが明確に表れ、視聴者が好みに応じて作品を選べるラインアップだった。
【曜日別・放送局別一覧】2023年夏ドラマの放送日と主演キャスト
2023年7月期の主な地上波プライムタイム作品を曜日別に整理した。放送開始日、放送局、主演・主要キャスト、作品の特徴をまとめている。
なお、『刑事7人』は6月7日、『CODE-願いの代償-』は7月2日から放送されるなど、夏クールの作品には7月1日より前後してスタートした番組も含まれる。
| 曜日・時間 | 作品名 | 放送局・開始日 | 主演・主要キャスト | ジャンル・見どころ |
|---|---|---|---|---|
| 月曜21時 | 真夏のシンデレラ | フジテレビ系・7月10日 | 森七菜、間宮祥太朗 | 海辺を舞台にした男女8人の恋愛群像劇 |
| 月曜22時 | 転職の魔王様 | カンテレ・フジテレビ系・7月17日 | 成田凌、小芝風花 | 転職と仕事観を描くヒューマンエンターテインメント |
| 火曜21時 | シッコウ!!~犬と私と執行官~ | テレビ朝日系・7月4日 | 伊藤沙莉、織田裕二、中島健人 | 執行官の仕事を描くお仕事コメディー |
| 火曜22時 | 18/40~ふたりなら夢も恋も~ | TBS系・7月11日 | 福原遥、深田恭子 | 18歳と40歳の女性の絆と人生を描く物語 |
| 水曜21時 | 刑事7人 Season9 | テレビ朝日系・6月7日 | 東山紀之、田辺誠一 | 人気刑事シリーズの第9シーズン |
| 水曜21時 | 科捜研の女 season23 | テレビ朝日系・8月16日 | 沢口靖子、内藤剛志 | 科学捜査を軸にした長寿ミステリー |
| 水曜22時 | こっち向いてよ向井くん | 日本テレビ系・7月12日 | 赤楚衛二、生田絵梨花、波瑠 | 現代の恋愛観を描くラブストーリー |
| 水曜22時 | ばらかもん | フジテレビ系・7月12日 | 杉野遥亮 | 五島列島を舞台にした人間再生ドラマ |
| 木曜21時 | ハヤブサ消防団 | テレビ朝日系・7月13日 | 中村倫也、川口春奈 | 地方集落を舞台にしたミステリー |
| 木曜22時 | この素晴らしき世界 | フジテレビ系・7月20日 | 若村麻由美 | 主婦と大女優の二重生活を描くなりすましコメディー |
| 金曜22時 | トリリオンゲーム | TBS系・7月14日 | 目黒蓮、佐野勇斗、今田美桜 | 起業と成長を描くビジネスエンターテインメント |
| 土曜22時 | 最高の教師 1年後、私は生徒に■された | 日本テレビ系・7月15日 | 松岡茉優、芦田愛菜 | 教師の運命をめぐる学園サスペンス |
| 日曜21時 | VIVANT | TBS系・7月16日 | 堺雅人、阿部寛、二階堂ふみ、松坂桃李、役所広司 | 国際的な陰謀を描く大型アドベンチャー |
| 日曜22時 | 何曜日に生まれたの | テレビ朝日系・8月6日 | 飯豊まりえ、溝端淳平 | 社会との距離を抱える女性の再出発を描くドラマ |
| 日曜22時30分 | CODE-願いの代償- | 読売テレビ・日本テレビ系・7月2日 | 坂口健太郎、染谷将太 | 謎のアプリをめぐるクライムサスペンス |
※放送時間は代表的な通常放送枠。初回・最終回などは拡大放送の場合がある。
放送局別に見る2023年夏ドラマの特徴
【TBS系】は『VIVANT』『トリリオンゲーム』『18/40』の3作品が代表的。大規模な海外ロケを伴う冒険劇、漫画原作の起業ドラマ、女性同士の人生ドラマと、ジャンルを明確に分けていた。
【テレビ朝日系・ABCテレビ系】は『ハヤブサ消防団』『刑事7人』『科捜研の女』『シッコウ!!』などが中心。刑事ものやミステリーに加え、執行官という普段あまり知られていない職業を題材にした作品も登場した。
【フジテレビ系・カンテレ系】は『真夏のシンデレラ』『転職の魔王様』『ばらかもん』『この素晴らしき世界』など。恋愛、仕事、地方での暮らし、なりすましといった身近なテーマをエンターテインメントに仕立てた。
【日本テレビ系・読売テレビ系】は『こっち向いてよ向井くん』『最高の教師』『CODE』を展開。恋愛の価値観、教育現場の人間関係、欲望と犯罪という、それぞれ異なる社会的テーマが際立っていた。
このように、放送局別に見ると、2023年夏ドラマは各局の企画方針の違いも楽しめるシーズンだった。
【話題作6選】VIVANT・ハヤブサ消防団・トリリオンゲームの魅力とあらすじ
2023年夏ドラマを振り返るうえで欠かせないのが、視聴率や話題性で存在感を示した作品だ。ここでは、特に検索需要の高い6作品を中心に、ストーリー、出演者、注目ポイントを整理する。
1.VIVANT|堺雅人主演の大型ドラマが圧倒的な存在感
『VIVANT』は2023年7月16日にTBS系の日曜劇場枠でスタートした。主演は堺雅人。阿部寛、二階堂ふみ、松坂桃李、役所広司など、実力派俳優が集結した大型作品だ。
物語の主人公は、丸菱商事に勤める乃木憂助。1億ドルの誤送金問題をきっかけに中央アジアの架空の国バルカへ向かい、やがて国家や組織を巻き込む大きな事件に関わっていく。
序盤から謎が次々と提示され、登場人物の正体や組織の関係性を推理する楽しさが作品の大きな魅力になった。単純な刑事ドラマやスパイアクションにとどまらず、家族、忠誠、国家間の対立など複数のテーマを重ねた構成も特徴だ。
特に注目されたのが、最終回の視聴率である。第1話の世帯視聴率11.5%から最終回には19.6%まで上昇。視聴者の関心が放送を重ねるごとに高まったことを示す推移だった。
2026年11月には続編も放送されており、第1作のストーリーや登場人物を改めて振り返る意味でも、2023年夏ドラマを代表する作品として位置づけられる。
2.ハヤブサ消防団|中村倫也が演じるミステリー作家と集落の謎
『ハヤブサ消防団』は、池井戸潤の小説を原作とするテレビ朝日系木曜ドラマ。2023年7月13日にスタートし、中村倫也が連続ドラマ初主演を務めた。
主人公は、スランプ気味のミステリー作家・三馬太郎。亡き父の故郷である山間の集落、ハヤブサ地区に移住するが、消防団への加入をきっかけに不可解な連続放火や住民の不審死に巻き込まれていく。
共演には川口春奈らが名を連ねた。物語は穏やかな田舎暮らしの雰囲気から一転、地域社会の人間関係や隠された組織の存在をめぐる不穏な展開へと進む。
池井戸作品といえば企業や銀行を舞台にした作品の印象が強いが、本作は小さな集落を舞台にした異色のミステリー。知恵と観察力で事件に迫る主人公の姿が、従来の池井戸作品とは異なる面白さを生み出した。
平均世帯視聴率は9.28%。『VIVANT』に続く上位作品となり、最終回ではリアルタイム視聴率だけでなく総合視聴率でも高い数字を記録している。
3.トリリオンゲーム|目黒蓮と佐野勇斗の異色ビジネスコンビ
『トリリオンゲーム』は2023年7月14日スタートのTBS系金曜ドラマ。主演の目黒蓮が演じる天王寺陽、通称ハルと、佐野勇斗演じる平学、通称ガクの2人が主人公だ。
ハルは天性のコミュニケーション能力と大胆な行動力を持つ青年。一方、ガクは高いプログラミング能力を備えながら、人付き合いが苦手なタイプである。
2人は1兆ドルを稼ぐという途方もない目標を掲げ、ゼロから会社を立ち上げる。IT企業ドラゴンバンクとの対立や資金調達、事業拡大などを通して、型破りな挑戦を続けていく。
今田美桜演じる黒龍キリカも物語の重要人物。ハルとガクの勢いだけでは乗り越えられない強力なライバルとして、作品に緊張感を与えていた。
原作は稲垣理一郎と池上遼一による同名漫画。ビジネスの専門知識を細かく説明するよりも、発想力、交渉力、行動力を武器に状況を切り開く爽快感に重点を置いている。
平均世帯視聴率は5.52%だったが、ビデオリサーチのタイムシフト視聴率ランキングでは上位に入っている。リアルタイム視聴だけでは測れない作品の支持を考えるうえでも興味深いタイトルだ。
4.真夏のシンデレラ|森七菜と間宮祥太朗の王道月9ラブストーリー
『真夏のシンデレラ』は、2023年7月10日にフジテレビ系月9枠でスタートした。森七菜と間宮祥太朗のダブル主演で、2人にとって月9初主演となった。
森七菜が演じる蒼井夏海は、海辺で育ったサップインストラクター。間宮祥太朗演じる水島健人は、大手建築会社に勤める都会のエリートだ。
生活環境も価値観も異なる男女が真夏の海辺で出会い、友人や仲間たちとの関係を通じて恋愛模様を繰り広げる。神尾楓珠、吉川愛、萩原利久、白濱亜嵐、仁村紗和、水上恒司らも出演した。
本作の特徴は、男女8人の群像劇として恋愛を描いている点。主人公2人だけでなく、周囲の人物の感情や選択も物語を動かしていく。
平均世帯視聴率は5.60%だった一方、フジテレビの公式発表では、最終回までの総配信数が2,900万回を突破。月9枠の歴代2位に達したことも発表されている。リアルタイム視聴率と配信での支持の違いを示す代表例だ。
5.こっち向いてよ向井くん|赤楚衛二が描く大人の恋愛迷子
『こっち向いてよ向井くん』は2023年7月12日スタートの日本テレビ系水曜ドラマ。主演は赤楚衛二で、原作はねむようこの同名漫画だ。
主人公の向井悟は、仕事もできて人当たりもよい33歳の会社員。しかし、10年間恋愛から遠ざかっており、恋愛に対する感覚が少しずつずれている。
生田絵梨花が演じる元恋人・美和子との過去や、田辺桃子演じる中谷真由との出会い、波瑠演じる坂井戸洸稀との会話などを通じて、向井くんは自分の恋愛観を見つめ直していく。
本作が面白いのは、恋愛を単純な男女の駆け引きとして描いていないことだ。「守る」とは何か、「結婚」とは何か、「一緒にいる」ことにどのような意味があるのかを、複数の登場人物の視点から掘り下げている。
恋愛や結婚の価値観が多様化するなかで、主人公が自分の思い込みに気づいていく過程に共感できる作品だった。
6.最高の教師 1年後、私は生徒に■された|松岡茉優と芦田愛菜の学園サスペンス
『最高の教師 1年後、私は生徒に■された』は、2023年7月15日から日本テレビ系で放送された学園ドラマ。松岡茉優が主演し、芦田愛菜が重要な生徒役を務めた。
主人公の九条里奈は、卒業式の日に何者かによって校舎から突き落とされる。自分を殺した人物が生徒の中にいると気づいた直後、1年前の始業式の日に時間が戻っていた。
九条は未来の死を回避するため、担任する3年D組の生徒たちと本気で向き合い始める。生徒一人ひとりが抱える問題や、教室の中に潜む人間関係が物語の中心となる。
単なる犯人探しではなく、教師と生徒の関係、いじめ、無自覚な加害、周囲の沈黙などを扱った点が特徴だ。最終回まで誰が何を知っているのかという緊張感が続いた。
平均世帯視聴率は5.86%。加えて、2024年には日本民間放送連盟賞のテレビ・準グランプリを受賞し、MIPCOM Buyers' Awardでもグランプリを獲得した。放送時の数字だけでなく、その後の評価も注目される作品である。
【2023年夏ドラマ視聴率ランキング】ビデオリサーチのデータで人気作を比較
2023年夏ドラマの人気を客観的に振り返る際、重要になるのが視聴率の読み方だ。
最初に、リアルタイム視聴率は放送と同時にテレビで視聴した割合を示す。一方、タイムシフト視聴率は録画などによる放送後の視聴を測定する指標であり、総合視聴率はリアルタイムまたはタイムシフトのいずれかで視聴した割合を示す。
この違いを踏まえ、最初に各話の世帯視聴率を単純平均したランキングを見てみよう。
2023年夏ドラマの平均世帯視聴率ランキング
以下は、テレビズキがビデオリサーチ調べの関東地区リアルタイム視聴率を基にまとめた14作品の平均値である。平均は各話の数値を単純平均したものだ。
- VIVANT:14.26%
- 刑事7人 Season9:9.81%
- ハヤブサ消防団:9.28%
- 科捜研の女 season23:9.10%
- シッコウ!!~犬と私と執行官~:8.03%
- 18/40~ふたりなら夢も恋も~:6.38%
- 最高の教師 1年後、私は生徒に■された:5.86%
- 真夏のシンデレラ:5.60%
- トリリオンゲーム:5.52%
- CODE-願いの代償-:5.14%
- 転職の魔王様:5.05%
- こっち向いてよ向井くん:4.98%
- ばらかもん:4.95%
- この素晴らしき世界:3.88%
このランキングで際立つのは『VIVANT』の強さだ。2位の『刑事7人』との差は4ポイント以上あり、3位の『ハヤブサ消防団』と比較しても大きな開きがある。
ただし、このランキングは掲載対象となった14作品の比較であり、夏クールに放送されたすべてのドラマを網羅した総合人気ランキングではない。また、視聴率は関東地区の世帯リアルタイム視聴率であり、個人視聴率や全国の人気を直接表すものではない。
ビデオリサーチ公式発表による最終回の視聴率
ビデオリサーチが2023年10月11日に公表した夏ドラマの総合視聴率ランキングでは、『VIVANT』が首位、『ハヤブサ消防団』が2位となった。
特に注目したいのは、2023年9月17日放送の『VIVANT』最終回だ。
- リアルタイム世帯視聴率:19.6%
- リアルタイム個人視聴率:12.9%
- 総合世帯視聴率:29.8%
- 総合個人視聴率:20.0%
総合視聴率では、リアルタイム視聴とタイムシフト視聴の両方を考慮するため、放送時間にテレビの前にいなかった視聴者も含めた作品への接触状況が分かる。
同じく『ハヤブサ消防団』の最終回は、リアルタイム世帯視聴率10.6%、総合世帯視聴率20.2%だった。こちらも放送後の視聴を含めると、リアルタイムの数字だけでは見えない支持があった。
なお、上記の総合視聴率は各作品の最終回の数値であり、シーズン平均ではない。平均ランキングと最終回ランキングを混同しないことが大切だ。
VIVANTの視聴率はなぜ最終回に19.6%まで上昇したのか
『VIVANT』の世帯視聴率は、第1話の11.5%からスタートした。その後の推移は次のとおりだ。
- 第1話:11.5%
- 第2話:11.9%
- 第3話:13.8%
- 第4話:13.4%
- 第5話:14.2%
- 第6話:14.3%
- 第7話:14.1%
- 第8話:14.9%
- 第9話:14.9%
- 第10話・最終回:19.6%
第9話から最終回にかけては4.7ポイント上昇した。初回と比較すると8.1ポイントの伸びである。
この上昇の背景として考えられるのは、物語の謎を段階的に明らかにする構成だ。乃木の正体、別班とテントの関係、登場人物の裏切りや忠誠など、毎週の放送後に新しい考察材料が生まれる仕組みになっていた。
また、堺雅人、阿部寛、二階堂ふみ、松坂桃李、役所広司という主要キャストの存在感も大きい。俳優の演技を楽しむ視聴者と、伏線を読み解く視聴者の双方を取り込んだことが、継続的な注目につながったと考えられる。
【2023年夏ドラマ人気作品比較】視聴率だけでは分からない作品の評価
ランキングを見ると『VIVANT』が圧倒的な首位だが、視聴率だけで作品の人気を決めることには注意が必要だ。
2023年夏ドラマには、放送中の視聴率が突出していなくても、配信や録画視聴で存在感を示した作品があった。
リアルタイム視聴に強かった作品
『VIVANT』は、放送時間にリアルタイムで視聴する価値が高い作品だった。ストーリーの核心に触れる情報が毎週更新されるため、放送直後に内容を共有したい視聴者にとっても相性がよかった。
『ハヤブサ消防団』も同様に、事件の真相や集落の秘密を追う構成が特徴だった。最終回の総合世帯視聴率が20.2%に達したことからも、録画などの視聴を含めた関心の高さがうかがえる。
配信やタイムシフトでも注目された作品
『真夏のシンデレラ』は、平均世帯視聴率では8位だったものの、フジテレビが発表した総配信数は2,900万回を突破した。リアルタイムの世帯視聴率だけでは作品の接触規模を説明しきれない好例だ。
また、ビデオリサーチのタイムシフト視聴率ランキングでは、『VIVANT』が1位、『ハヤブサ消防団』が2位となり、『トリリオンゲーム』や『最高の教師』も上位に入った。
特に『トリリオンゲーム』は、リアルタイム平均5.52%という数字だけで判断すると、視聴者の関心を過小評価する可能性がある。目黒蓮と佐野勇斗のコンビ、漫画原作のスピード感、ビジネスを題材にしたストーリーなど、放送後にまとめて楽しみたい視聴者にも訴求する要素があった。
ジャンル別に見るおすすめ作品
- 壮大なストーリーや考察を楽しみたい人:『VIVANT』
- ミステリーや地方社会の秘密が好きな人:『ハヤブサ消防団』
- 起業やビジネスの逆転劇が好きな人:『トリリオンゲーム』
- 夏らしい恋愛群像劇を楽しみたい人:『真夏のシンデレラ』
- 現実的な恋愛観や結婚観に関心がある人:『こっち向いてよ向井くん』
- 学園サスペンスや人間関係の心理描写が好きな人:『最高の教師』
- 仕事や人生の転機を考えたい人:『転職の魔王様』『18/40』
- 気軽に楽しめる職業ドラマを探している人:『シッコウ!!』
反対に、恋愛中心の作品を求めている人には『VIVANT』や『CODE』は方向性が異なる。反対に、複雑な伏線や緊張感のある展開が苦手なら、日常や人間関係を中心に描く『ばらかもん』などが候補になる。
このように、2023年夏ドラマを比較するときは、視聴率だけでなくジャンル、ストーリー、配信実績、視聴方法まで含めて判断するのが適切だ。
【2026年に振り返る】2023年夏ドラマが残したものと現在の注目ポイント
2023年夏ドラマを2026年から見直すと、放送当時の話題性だけでなく、その後の作品展開や出演者のキャリアという視点も加わる。
VIVANTは続編によって再び注目を集める存在に
2023年の『VIVANT』は、堺雅人主演の大型ドラマとして大きな成果を残した。2026年には続編が放送されており、初作の登場人物や組織の関係を再確認したい視聴者もいる。
2023年版を振り返る際に重要なのは、最終回の19.6%という数字だけではない。初回11.5%から段階的に視聴率を伸ばし、物語の進行そのものが視聴者の関心を引き上げた点にある。
これは、続編を楽しむうえでも押さえておきたい第1作の特徴だ。
俳優の代表的な出演作としても記憶されるシーズン
2023年夏は、目黒蓮の『トリリオンゲーム』、赤楚衛二の『こっち向いてよ向井くん』、福原遥と深田恭子の『18/40』など、出演者の新しい一面を楽しめる作品が多かった。
また、中村倫也は『ハヤブサ消防団』で、コミカルな役柄とは異なる、謎に巻き込まれるミステリー作家を演じた。松岡茉優の『最高の教師』も、教師という立場から生徒と向き合う難しさを描いた作品として印象を残した。
作品ごとに異なる役柄が用意されていたことから、出演者の過去作やその後の活動をたどる際にも、2023年夏ドラマは見返す価値のあるシーズンとなっている。
視聴率ランキングを読む際に注意したい3つのポイント
1.世帯視聴率と個人視聴率は異なる。世帯視聴率はテレビを視聴した世帯の割合であり、個人視聴率は個人単位で測定する。両者を同じ意味で扱うことはできない。
2.リアルタイム視聴率だけで人気を判断しない。録画や見逃し配信で視聴する人が増えれば、リアルタイムの数字と作品の接触規模には差が生まれる。『真夏のシンデレラ』の配信実績は、その違いを理解するうえで分かりやすい。
3.最終回の視聴率と平均視聴率を区別する。『VIVANT』の19.6%は最終回の世帯リアルタイム視聴率であり、14.26%は全話の単純平均だ。比較する際には、同じ指標同士を並べる必要がある。
2026年現在、過去のドラマを検索する際にも、この3点を押さえておけば、ランキングの数字に振り回されず作品の実績を理解できる。
【2023年夏ドラマ】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:2023年夏ドラマで視聴率1位だった作品は?
A1:『VIVANT』。関東地区の世帯リアルタイム視聴率を各話単純平均した集計では14.26%で1位だった。最終回は19.6%を記録している。
Q2:2023年夏ドラマで中村倫也が主演した作品は?
A2:テレビ朝日系の『ハヤブサ消防団』。池井戸潤の小説を原作とし、山間の集落に移住したミステリー作家・三馬太郎が不可解な事件に巻き込まれる物語だ。
Q3:2023年夏ドラマで目黒蓮が出演した作品は?
A3:TBS系金曜ドラマ『トリリオンゲーム』。佐野勇斗演じるガクとコンビを組み、1兆ドルを稼ぐという目標に向かって起業するハルを演じた。
Q4:2023年夏ドラマの放送局別の代表作は?
A4:TBS系は『VIVANT』『トリリオンゲーム』、テレビ朝日系は『ハヤブサ消防団』『刑事7人』、フジテレビ系は『真夏のシンデレラ』『ばらかもん』、日本テレビ系は『こっち向いてよ向井くん』『最高の教師』などが代表的な作品だ。
Q5:2023年夏ドラマの視聴率と配信人気は同じ順位?
A5:必ずしも同じではない。『真夏のシンデレラ』は平均世帯視聴率のランキングでは8位だったが、公式発表では総配信数2,900万回を突破した。視聴率と配信実績は別の指標として見る必要がある。
まとめ:2023年夏ドラマはVIVANTを筆頭に多彩な名作がそろったシーズン
2023年夏ドラマは、『VIVANT』の圧倒的な視聴率を中心に、『ハヤブサ消防団』『トリリオンゲーム』『真夏のシンデレラ』『こっち向いてよ向井くん』『最高の教師』など、幅広いジャンルの作品が注目を集めた。
平均世帯視聴率では『VIVANT』が14.26%で首位。最終回のリアルタイム世帯視聴率は19.6%、総合世帯視聴率は29.8%という結果を残した。一方で、『真夏のシンデレラ』の2,900万回を超える総配信数や、『トリリオンゲーム』のタイムシフト視聴での存在感など、視聴率だけでは把握できない成果もあった。
2026年に改めて作品を選ぶなら、ランキング上位から見るだけでなく、自分が楽しみたいジャンルや出演者、ストーリーの方向性から選ぶのがおすすめだ。
壮大な考察劇なら『VIVANT』、本格ミステリーなら『ハヤブサ消防団』、爽快なビジネスドラマなら『トリリオンゲーム』、恋愛や人間関係をじっくり楽しみたいなら『18/40』や『こっち向いてよ向井くん』。それぞれに異なる魅力がある。
数字で振り返っても、作品の内容で振り返っても、2023年夏ドラマは見応えのある作品がそろった7月期だった。