西脇工業野球部の特徴を理解するうえで、監督の指導方針と日々の練習環境は欠かせない。
監督は鳥井賢治氏、2021年からチームを指導
鳥井賢治監督
2026年の指導者
岡山理科大学卒業後、母校の須磨友が丘高校や兵庫工業高校で部長・監督を経験。2021年から西脇工業高校の監督を務めている。
2024年8月に公開されたスポーツ栄養関連の指導者インタビューでは、鳥井監督が食事管理の見直しについて説明している。
以前は白米を多く食べるように指導していたものの、体重増加だけでは筋肉がついたのか判断しにくく、選手にも指導者にも負担があったという。
そこで取り入れたのが、栄養管理を体系化する「食トレ」だった。
2026年夏の大会でも、食事管理の成果はチームの持久力に結び付いていた。科学技術戦では終盤に得点を重ね、須磨学園戦でも本郷投手が長いイニングを投げ抜いている。
この指導方針は、単に体格を大きくするのではなく、夏場の連戦を戦い抜く体力を育てる取り組みとして注目できる。
西脇工業高校野球部の活動内容と練習時間
学校の2023年度課題研究で生徒が作成した硬式野球部紹介ページには、次のスローガンと活動目的が掲載されている。
克己躍進

硬式野球部のスローガン
掲げる目標
甲子園2勝
活動の目的
人間性の向上と人間力の強化
同ページに記載された活動時間は以下のとおり。
| 活動日 | 時間 |
|---|---|
| 平日・週4回 | 7:30~8:20 |
| 平日・放課後 | 15:50~19:30 |
| 休日・週2回 | 9:00~19:30 |
これらは2023年度の紹介情報であり、2026年現在の最新スケジュールを保証するものではない。
野球の技術向上だけでなく、人間性や人間力の育成を目的に掲げている点は、西脇工業の部活動の特徴だ。
【甲子園出場歴】2013年の初出場と2017年近畿大会への挑戦
西脇工業野球部の歴史を語るうえで、2013年と2017年は外せない2つの転換点だ。
2013年、東洋大姫路を破って初の甲子園へ
2013年7月28日、第95回全国高校野球選手権兵庫大会の決勝で、西脇工業は東洋大姫路と対戦した。
試合は3-2で西脇工業がサヨナラ勝ち。春夏を通じて初めての甲子園出場を決めた。
この試合で決勝打を放ったのは今井哲也選手。9回2死満塁から右前へサヨナラ打を運び、チームを初優勝に導いた。
当時のエースは翁田勝基投手。県大会では2度の延長戦を含む厳しい試合を乗り越え、全7試合で登板するなど、投手陣の中心として活躍した。
当時の大会成績は次のとおり。
| 回戦 | 対戦校 | スコア |
|---|---|---|
| 2回戦 | 網干 | 9-2 |
| 3回戦 | 淡路三原 | 4-3 |
| 4回戦 | 市川 | 4-1 |
| 5回戦 | 加古川西 | 8-6 |
| 準々決勝 | 明石商 | 3-2 |
| 準決勝 | 育英 | 10-7 |
| 決勝 | 東洋大姫路 | 3-2 |
甲子園では初戦の石見智翠館に4-1で勝利し、初出場で初勝利も記録した。続く2回戦では木更津総合に1-3で敗れたものの、全国の舞台で1勝を挙げた歴史は今も大きな実績として残っている。
西脇市が発行した2013年8月の広報特集号にも、甲子園出場までの軌跡や選手紹介が掲載されている。
2017年は秋季兵庫大会準優勝、初の近畿大会出場
2017年は、夏の甲子園とは別の形でチームの実力を示した年だった。
平成29年度秋季兵庫県大会で準優勝。創部以来初めて秋季近畿地区大会への出場を果たした。
当時の部員数は46人。西脇市の2017年12月発行の広報紙では、チームのモットーを「粘り強く、泥臭く」と紹介している。
県大会では序盤にリードを許しても、中盤以降に逆転する力を発揮し、決勝まで勝ち進んだ。
当時の木谷忠弘監督は、2013年以来となる甲子園出場への期待を語っていた。2017年の実績は、2013年の一度きりではないチームの競争力を示すものだった。
なお、2017年当時の監督は木谷氏で、2026年の鳥井監督とは異なる。
2013年から2026年までの主な歴代成績
西脇工業野球部の主な実績を時系列で整理すると、次のようになる。
| 年度 | 大会 | 主な実績 |
|---|---|---|
| 2013年 | 夏の兵庫大会 | 優勝・甲子園初出場 |
| 2013年 | 夏の甲子園 | 初勝利・2回戦進出 |
| 2017年 | 秋季兵庫大会 | 準優勝 |
| 2017年 | 秋季近畿大会 | 初出場 |
| 2022年 | 秋季兵庫大会 | ベスト8 |
| 2023年 | 秋季兵庫大会 | ベスト8 |
| 2026年 | 夏の兵庫大会 | ベスト8 |
| 2026年 | 秋季播淡地区大会 | 敗者復活戦で敗退 |
特に2022年と2023年に秋季兵庫大会で連続ベスト8入りしていることから、過去の甲子園出場だけに依存しない実績も確認できる。
【2026年選手名鑑】注目メンバーと卒業後の進路
西脇工業野球部のメンバーを調べる読者にとって、気になるのが選手名とポジション、学年だ。
2026年夏の大会では、複数の選手が試合報道で取り上げられた。
2026年夏の主な出場選手
以下は、ラジオ関西の試合報道や大会の先発メンバー情報で名前が確認できる選手だ。
| 選手名 | 学年・役割 | 注目ポイント |
|---|---|---|
| 本郷仁一 | 2年・投手 | 夏の主戦投手。須磨学園戦でも粘投 |
| 山口英虎 | 3年・外野手 | 科学技術戦で先制タイムリー |
| 藤本穏空 | 3年・内野手 | 科学技術戦でスクイズ成功 |
| 吉田響 | 3年・外野手 | 科学技術戦で適時打 |
| 長野代芽 | 3年・内野手 | 科学技術戦で追加点 |
| 數原伍央 | 1年・代走 | 走力を生かした途中出場 |
特に本郷仁一投手は、2年生ながら夏の大事な試合で先発を任された存在だ。
また、3年生の山口選手は、科学技術戦で監督の助言を生かした打撃を披露。藤本選手のスクイズや吉田選手の適時打も、チームの得点力を支えた。
なお、上記は報道で確認できる主な選手であり、2026年の全登録部員名簿ではない。夏の大会のメンバーと秋の新チームの選手構成も区別する必要がある。
西脇工業野球部の部員数は?
部員数については、年度による違いに注意したい。
- 2013年:日刊スポーツの甲子園出場校紹介では81人
- 2017年:西脇市の広報紙では46人
このように、年度によって人数は変わっている。2017年の46人という数字を2026年の部員数として紹介するのは正確ではない。
2026年現在の全登録部員数については、今回確認できる公表資料から確定できない。
卒業後の進路は?プロ野球選手として活躍するOBも
西脇工業野球部の卒業生で広く知られる存在の一人が、読売ジャイアンツの大勢投手だ。
2023年の神戸新聞NEXTの西脇工業高校に関する記事でも、野球部OBとして紹介されている。
プロ野球選手を輩出していることは、野球部の卒業後の可能性を考えるうえで注目できる実績だ。
一方、2026年夏の3年生それぞれの進学先や就職先については、個人別の進路一覧が公表されているわけではない。進学・就職・競技継続などの進路を一括して断定することはできない。
進路情報を調べる場合は、学校が公表する進路状況と、大学・社会人野球チームの入部発表などを分けて確認することが大切だ。
【現在の実力と評判】西脇工業野球部は兵庫県内でどの位置にいる?
2026年の実績を踏まえると、西脇工業は兵庫県大会で上位進出を狙える力を持ちながら、世代交代によって成績に変動も見られるチームだ。
現在の実力を判断する3つのポイント
1. 夏の大会で接戦を勝ち切った実績
2026年夏は御影に4-3、篠山産に2-1で勝利した。いずれも1点差の試合を制しており、競った展開で勝ち上がる力を示している。
2. 投手を中心に試合を組み立てる力
本郷投手は須磨学園戦で8回3失点。試合を壊さず、最後まで勝機を残した点は評価できる。
3. 秋の新チームには再構築が必要
夏のベスト8から一転、秋季地区大会では県大会進出を逃した。3年生の卒業後、投手陣や打線の再編が必要になる状況だ。
須磨学園との戦績から見える課題
2026年7月22日の準々決勝では、須磨学園に2-3で敗れた。
この試合では4回に逆転したものの、その後に再逆転を許し、終盤は相手の継投を攻略できなかった。
この1試合だけで両校の通算対戦成績を判断することはできない。ただし、今回の試合については、須磨学園の投手陣が後半の西脇工業打線を封じたことが勝敗を分けた要素だった。
西脇工業野球部の評価を見誤らないために
ネット上でチームの実力を判断するときは、次の3点を分けて見るとよい。
- 甲子園出場歴: 2013年の実績は確かな歴史的成果。
- 近年の県大会成績: 2022年、2023年の秋季ベスト8、2026年夏のベスト8は評価材料。
- 最新のチーム力: 夏の結果だけでなく、秋季大会の新チームの成績も確認する。
西脇工業は、毎年必ず県大会上位に進出する常勝校と評価するよりも、過去に大きな実績を残し、世代ごとに県内上位を目指しているチームとして見るのが適切だ。
【よくある質問】西脇工業野球部に関するFAQ
Q1:西脇工業野球部は2026年夏の兵庫大会で何勝しましたか?
A1:4勝です。御影、科学技術、篠山産、神戸学院大付に勝利し、準々決勝で須磨学園に2-3で敗れました。
Q2:西脇工業野球部の監督は誰ですか?
A2:2026年の監督は鳥井賢治氏です。2021年から西脇工業高校で指導しています。
Q3:西脇工業野球部は甲子園に出場したことがありますか?
A3:あります。2013年夏の第95回全国高校野球選手権大会に初出場し、初戦の石見智翠館戦に4-1で勝利しました。
Q4:2017年の近畿大会ではどのような実績を残しましたか?
A4:2017年秋季兵庫県大会で準優勝し、創部以来初めて秋季近畿地区大会に出場しました。
Q5:2026年秋季兵庫大会の結果はどうでしたか?
A5:播淡地区予選で明石商に0-4で敗れた後、敗者復活戦で洲本実に6-2で勝利しましたが、東播磨に4-6で敗れ、県大会進出はなりませんでした。
Q6:西脇工業野球部の2026年の部員一覧や進路は分かりますか?
A6:夏の大会で出場した選手の名前や一部の学年は報道されていますが、全登録部員の一覧や2026年卒業生の個別進路は確認できる公表情報が限られています。
まとめ:西脇工業野球部の2026年は再浮上と新たな課題が見えた1年
西脇工業野球部は、2013年の甲子園初出場、2017年の秋季兵庫大会準優勝と初の近畿大会出場を経て、兵庫県内で存在感を示してきたチームだ。
2026年夏には4連勝で13年ぶりのベスト8入りを果たし、須磨学園との準々決勝も2-3という接戦だった。本郷仁一投手を中心とする粘り強い戦いは、チームの成長を感じさせた。
一方、秋季地区大会では敗者復活戦で敗退。夏の主力から新世代へと移るなかで、投手力、打撃力、守備の安定をどう高めるかが今後の焦点になる。
西脇工業野球部を評価するときに大切なのは、2013年の甲子園出場という過去の栄光だけでも、2026年秋の敗戦だけでも判断しないことだ。夏の4勝が示した勝負強さと、新チームが直面する課題の両方を見ることで、現在のチーム像がより明確になる。
甲子園を目標に掲げる西脇工業が、次の世代でどこまで成長するのか。今後の春季兵庫大会、夏の兵庫大会での戦いにも注目したい。