那須川天心の現在の階級を判断するうえで、注目したいのが2026年11月に発表された最新の世界ランキングです。
帝拳ジムの公式情報によると、11月4日に発表されたWBOの10月度ランキングで、那須川はバンタム級4位にランクインしています。また、WBA・WBC・IBFでは同級3位に位置しています。
つまり、井上拓真との再戦で敗れた後も、世界主要4団体すべてのバンタム級ランキングに名を連ねています。
現在の階級とランキング一覧
| 項目 | 2026年11月現在 |
|---|---|
| 所属ジム | 帝拳ボクシングジム |
| 主戦階級 | バンタム級 |
| WBA | 3位 |
| WBC | 3位 |
| IBF | 3位 |
| WBO | 4位 |
| 身長 | 165cm |
| リーチ | 176cm |
| 世界王座 | 未獲得 |
特に注目すべきなのは、世界タイトルを獲得できていない一方で、4団体の上位ランキングを維持している点です。
世界ランキングと世界王者は別のものです。挑戦資格を持つランキング上位選手であっても、タイトルマッチで勝利しなければ世界王者にはなれません。
那須川は2025年11月と2026年9月に井上拓真と対戦し、いずれも判定で敗れています。しかし、2026年11月時点でもバンタム級の世界戦線に残っています。
【公式計量53.5kg】バンタム級の上限53.52kgと井上拓真戦の結果

那須川天心の階級を最も具体的に示しているのが、2026年9月26日に実施された井上拓真戦の前日計量です。
試合は翌27日、東京のTOYOTA ARENA TOKYOで開催された「Prime Video Boxing 16」のメインイベントとして行われました。
WBC世界バンタム級タイトルマッチに臨む両選手の計量結果は次のとおりです。
| 選手 | 所属 | 公式計量 |
|---|---|---|
| 井上拓真 | 大橋ジム | 53.4kg |
| 那須川天心 | 帝拳ジム | 53.5kg |
| バンタム級上限 | WBC基準 | 53.52kg |
那須川は53.5kgで計量をクリア。バンタム級の規定体重に収め、世界タイトルマッチへの出場条件を満たしました。帝拳ジムの公式発表と前日計量の報道でも、両者の計量パスが確認されています。
バンタム級の上限は53.52kg
プロボクシングのバンタム級は、118ポンド以下の階級です。
キログラムに換算すると約53.52kgとなります。
一つ上のスーパーバンタム級は122ポンド以下、約55.34kgです。
| 階級 | 上限体重 |
|---|---|
| フライ級 | 50.80kg |
| スーパーフライ級 | 52.16kg |
| バンタム級 | 53.52kg |
| スーパーバンタム級 | 55.34kg |
| フェザー級 | 57.15kg |
那須川が記録した53.5kgは、バンタム級の上限に非常に近い数字です。
ただし、公式計量は小数第1位で公表されているため、表示された数値だけから実際の余裕を細かく判断することはできません。
井上拓真との再戦はどうなった?
2026年9月27日の試合結果は、井上拓真の12回判定勝ちでした。
判定は次のとおりです。
- 114対113
- 116対111
- 116対111
那須川は第7ラウンドに左ストレートで井上からダウンを奪いました。しかし、井上はその後に立て直し、最終的に判定で勝利しました。
これにより井上はWBC世界バンタム級王座の2度目の防衛に成功。那須川は世界王座獲得とリベンジを逃しました。
重要なのは、試合に敗れたことと階級が変わることは別問題だという点です。
2026年11月の最新ランキングでも那須川はバンタム級に位置しており、井上戦後も同階級での世界戦線に残っています。
【身長165cm・リーチ176cm】那須川天心の体格はバンタム級にどう影響する?
那須川天心の体格を理解するには、身長だけでなくリーチにも注目する必要があります。
RISEの公式選手プロフィールでは身長165cmと掲載されています。また、BoxRecの選手データではリーチ176cmとされています。
那須川天心の基本的な身体データ
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 身長 | 165cm |
| リーチ | 176cm |
| 構え | サウスポー |
| 現在の階級 | バンタム級 |
| 公式計量(2026年9月) | 53.5kg |
身長165cmに対してリーチ176cmという体格は、腕の長さを生かした距離の攻防を考えるうえで興味深い特徴です。
身長だけでは階級の適性は決まらない
ボクシングでは、身長が同じ選手でも得意な階級が異なります。
その理由は、階級が身長によって決まるのではなく、試合前の体重によって決まるからです。
選手の体格を評価する場合、次の要素を総合的に見る必要があります。
- 身長とリーチのバランス
- 筋肉量と身体の仕上がり
- 試合前の減量への対応
- 試合中のスタミナと運動量
- 相手選手との距離や攻防の相性
那須川の場合、サウスポーから繰り出す左ストレートや、距離を調整する動きが特徴です。
2026年4月のエストラーダ戦でも、相手との間合いをコントロールしながら左の攻撃を効果的に使っていました。
つまり、165cmという身長だけを見てバンタム級が適切かどうかを判断するのは早計です。
【階級変遷の全貌】キックボクシング時代から2026年まで
那須川天心の階級を理解するうえで欠かせないのが、キックボクシング時代の実績です。
実は、那須川はキックボクシング時代から一つの階級だけで戦っていたわけではありません。
RISE、ISKA、BLADE、RIZINなど、異なる団体や大会のルールに合わせて複数の体重区分で試合を経験してきました。
キックボクシング時代の主な階級
RISEの公式プロフィールには、次のようなタイトル獲得歴が掲載されています。
- 第6代RISEバンタム級王者
- 初代RISE世界フェザー級王者
- RISE WORLD SERIES 2019 -58kg級王者
- BLADE FC JAPAN CUP 55kgトーナメント優勝
- RIZIN KICKワンナイトトーナメント57kg優勝
- ISKAオリエンタルルール世界バンタム級王者
- ISKAフリースタイルルール世界フェザー級王者
キックボクシングの公式戦績は42戦42勝28KO。無敗のまま競技生活を終えています。
ボクシング転向後の階級変遷年表
| 時期 | 対戦・出来事 | 階級・結果 |
|---|---|---|
| 2015年 | RISEバンタム級王座獲得 | キック・バンタム級 |
| 2019年 | RISE WORLD SERIES優勝 | -58kg級 |
| 2022年6月 | 武尊戦 | キックボクシング最後の試合 |
| 2023年4月8日 | 与那覇勇気戦 | スーパーバンタム級でプロデビュー |
| 2024年10月14日 | ジェルウィン・アシロ戦 | WBOアジアパシフィック・バンタム級王座獲得 |
| 2025年11月24日 | 井上拓真戦 | WBC世界バンタム級王座決定戦・判定負け |
| 2026年4月11日 | フアン・フランシスコ・エストラーダ戦 | バンタム級挑戦者決定戦・9回終了TKO勝ち |
| 2026年9月27日 | 井上拓真との再戦 | WBC世界バンタム級タイトルマッチ・判定負け |
2023年のボクシング転向で何が変わった?
那須川は2023年2月にプロボクシングのプロテストに合格し、同年4月8日に有明アリーナでデビューしました。
デビュー戦の相手は与那覇勇気。
試合はスーパーバンタム級6回戦で行われ、那須川が3対0の判定勝ちを収めています。
ここで注目したいのが、デビュー当初はバンタム級ではなく、スーパーバンタム級で戦っていたことです。
その後、2024年10月14日のジェルウィン・アシロ戦でWBOアジアパシフィック・バンタム級王座を獲得しました。
この試合は3対0の判定勝ち。ボクシング転向後、初めて手にしたタイトルでした。
このように、スーパーバンタム級でプロキャリアをスタートさせ、バンタム級でタイトルを獲得し、世界ランキング上位まで進出してきたのが那須川のボクシングキャリアです。
【エストラーダ戦と井上拓真戦】2026年の世界戦線で見えた現在地
2026年の那須川天心を語るうえで欠かせないのが、フアン・フランシスコ・エストラーダとの対戦です。
井上拓真との初戦で敗れた後、那須川は再起戦として2026年4月11日に東京・両国国技館でエストラーダと対戦しました。
フアン・フランシスコ・エストラーダ戦で再起
2026年4月11日・Prime Video Boxing 15
エストラーダは、フライ級とスーパーフライ級で世界王座を獲得したメキシコの実力者です。
この試合はWBC世界バンタム級の挑戦者決定戦として開催されました。
那須川はスピードを生かした左の攻撃や距離のコントロールで試合を優位に進め、9回終了時にエストラーダが棄権。那須川のTKO勝ちとなりました。
この勝利によって、WBC世界バンタム級王座への挑戦権を獲得しました。
2026年9月、再び井上拓真との対決
エストラーダ戦の勝利を経て実現したのが、井上拓真との再戦です。
2025年11月の初対戦では、井上が3対0の判定で勝利していました。
2026年9月の再戦では、那須川が7回にダウンを奪う場面を作ったものの、井上が試合を立て直し、再び判定勝ちを収めました。
2試合の結果を整理すると、次のようになります。
| 対戦相手 | 試合日 | 結果 |
|---|---|---|
| 井上拓真 | 2025年11月24日 | 判定負け |
| フアン・フランシスコ・エストラーダ | 2026年4月11日 | 9回終了TKO勝ち |
| 井上拓真 | 2026年9月27日 | 判定負け |
この3試合から読み取れるのは、那須川がバンタム級の世界トップクラスと戦う経験を積み重ねていることです。
エストラーダ戦では元世界王者を破り、井上戦ではダウンを奪うところまで迫りました。一方、12ラウンドを通じたポイントの積み重ねでは井上に及びませんでした。
今後の課題を考える際には、単純な体重や身長だけではなく、世界トップ選手との試合運びや対応力にも注目する必要があります。
【よくある誤解】キックボクシングとボクシングのバンタム級は同じ?
那須川天心の階級について、混同されやすいポイントがいくつかあります。
Q1:キックボクシング時代もバンタム級だった?
A:バンタム級での実績はありますが、それだけではありません。
RISEバンタム級王座を獲得した一方、世界フェザー級や-58kg級、55kg・57kgのトーナメントでも実績を残しています。
団体によって階級設定や契約体重が異なるため、キックボクシング時代の階級名をそのままプロボクシングに当てはめることはできません。
Q2:那須川天心はスーパーバンタム級ではないの?
A:2023年のプロボクシングデビュー戦はスーパーバンタム級でした。
しかし、2024年10月にはバンタム級の地域タイトルを獲得。その後もWBC世界バンタム級を中心に世界戦線で戦っています。
2026年11月現在の階級はバンタム級です。
Q3:53.5kgは普段の体重なの?
A:53.5kgは2026年9月26日に行われた試合前の公式計量の数値です。
選手は試合に向けて減量やコンディション調整を行います。そのため、公式計量時の数字が普段の生活での体重と同じとは限りません。
Q4:井上拓真に負けたことで階級を上げるの?
A:2026年11月6日時点で、階級変更を示す公式発表は確認できません。
帝拳ジムの11月4日付の情報では、那須川は引き続きバンタム級の世界ランキングに掲載されています。
Q5:那須川天心はバンタム級の世界王者なの?
A:2026年11月現在、WBC世界バンタム級の世界王者ではありません。
2025年11月と2026年9月の井上拓真とのタイトルマッチで敗れています。ただし、WBA・WBC・IBFで3位、WBOで4位と、主要4団体のランキング上位に位置しています。
【プロの結論】那須川天心の現在の階級はバンタム級!今後の注目点
那須川天心の階級について、2026年11月6日時点の情報を整理すると、答えは明確です。
現在の主戦場はプロボクシングのバンタム級で、上限体重は53.52kgです。
2026年9月26日の公式計量では53.5kgを記録し、翌27日の井上拓真戦に出場しました。試合では7回にダウンを奪ったものの、12回判定3対0で敗れています。
一方、2026年4月にはフアン・フランシスコ・エストラーダに9回終了TKO勝ち。11月の最新ランキングでも主要4団体の上位に名を連ねています。
今後の那須川を評価する際には、次の3点が判断材料になります。
1. 階級の継続性: バンタム級を主戦場として戦い続けるのか。
2. 世界ランキング: 主要4団体での順位をどこまで上げられるのか。
3. 世界王座への再挑戦: 井上拓真戦で得た経験を次のタイトル獲得につなげられるのか。
キックボクシング42戦無敗という実績を持つ那須川ですが、ボクシングでは別の競技として技術を積み上げ、世界トップ選手との勝負を続けています。
2026年11月現在、階級を判断するうえで最も確かな指標は、53.5kgという公式計量の記録と、バンタム級における最新の世界ランキングです。
那須川天心は現在もバンタム級。次の焦点は、同階級で世界王座を獲得できるかどうかです。
主な情報源:帝拳ジム公式発表、RISE公式選手プロフィール、WBC公式階級基準、日本ボクシング関連報道、スポーツナビ、BoxRec。