物語の始まり:船長アリスに訪れた新たな危機
物語は、前作の冒険から3年後。アリスは亡き父の跡を継ぎ、船長として世界の海を旅していました。
しかし、ロンドンに戻ったアリスを待っていたのは、船長の地位を失い、父の大切な船まで手放すことになりかねない厳しい現実です。
父の死や仕事を失う危機を経験したアリスは、自分から大切なものを奪っていく時間の流れに反発しています。
そんなとき、青い蝶アブソレムに導かれ、鏡を通って再びワンダーランドへ戻ります。
そこで再会したマッドハッターは、以前の陽気な姿を失っていました。
家族が亡くなったと信じて悲しみに沈み、体調まで悪化していたのです。周囲の仲間たちは彼を心配していますが、家族が生きているというマッドハッターの言葉を信じきれません。
アリスは親友を救うため、白の女王ミラーナの提案を受け入れます。
タイムの城からクロノスフィアを奪う
マッドハッターを救う方法は、過去にさかのぼること。
そのために必要なのが、時間の番人タイムが管理するクロノスフィアです。
アリスはタイムの城へ向かいますが、タイムは過去を変えることの危険性を理解しており、簡単には協力しません。
それでもアリスはクロノスフィアを手に入れ、時間の海へと飛び込みます。
過去へ向かったアリスが目にするのは、若き日のマッドハッターや赤の女王、白の女王の姿でした。
とりわけ重要なのが、赤の女王イラスベスの過去です。
彼女がなぜ大きな頭を持つようになったのか、なぜ妹の白の女王を憎むようになったのか。前作では描ききれなかった姉妹の確執が明らかになっていきます。
【最大のネタバレ】マッドハッターの家族は死んでいなかった
物語最大の謎は、マッドハッターの家族の行方です。
マッドハッターは、父ザニックを含む家族がジャバウォッキーの襲撃によって命を落としたと思い込んでいました。
しかし、アリスが過去を調べた結果、驚くべき事実が判明します。
家族は亡くなっていたのではなく、赤の女王に捕らえられていたのです。
しかも、家族は小さくされ、アリの飼育箱の中に閉じ込められていました。
つまり、マッドハッターが長年抱えてきた悲しみは、家族の死ではなく、家族がどこかで生きている可能性を信じながら再会できない苦しみにもつながっていたのです。
アリスが真実を持ち帰り、マッドハッターの言葉を信じると、彼は再び本来の自分を取り戻します。
この場面は、作品の感情的な転換点です。
結末:赤の女王と白の女王の和解
物語は、赤の女王がクロノスフィアを手に入れたことで、さらに危険な展開を迎えます。
赤の女王は過去に戻り、妹の白の女王が幼いころについた嘘の真相を突き止めようとします。
しかし、過去の自分と現在の自分が対面してしまうという、時間のルールを破る事態が発生。
ワンダーランド全体に錆のような現象が広がり、時間そのものが崩壊する危機に陥ります。
アリスとマッドハッターはクロノスフィアを元の場所に戻そうと奔走。最終的に時間の流れは回復し、ワンダーランドの住人たちも救われます。
マッドハッターは家族と再会。白の女王も過去の嘘を謝罪し、赤の女王との関係を修復します。
現実世界に戻ったアリスも、母親の理解と協力を得て、自分の人生を歩み始めます。
この映画の結末は、過去をなかったことにする物語ではありません。過去の真実を知り、受け入れることで未来へ進む物語です。
【時間旅行の仕組み】タイムとクロノスフィアは何をする存在なのか

本作を理解するうえで欠かせないのが、新キャラクターのタイムとクロノスフィアです。
タイムは単なる悪役ではない
タイム
演:サシャ・バロン・コーエン
日本語吹き替え:滝藤賢一
時間を擬人化した存在で、ワンダーランドの時間を管理しています。時計仕掛けのような身体と独特の衣装が特徴です。
タイムは、アリスにとって大きな障害となる存在です。
しかし、最初から最後まで単純な悪役として描かれているわけではありません。
時間を守る立場から、クロノスフィアを無断で持ち出そうとするアリスを止めようとします。
監督ジェームズ・ボビンは、タイムを圧倒的な力を持ちながらも、どこか滑稽さのあるキャラクターとして構想したことを、Fandangoのインタビューで説明しています。
クロノスフィアの仕組みとは?
クロノスフィアは、ワンダーランドの時間を司る大時計の動力源です。
単なる装飾品ではなく、時間の海を移動するための重要な装置として機能します。
作中での役割を整理すると、次のようになります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正体 | 時間を司る大時計の動力源 |
| 管理者 | 時間の番人タイム |
| 保管場所 | タイムの城 |
| 主な機能 | 時間の海を移動する |
| アリスの目的 | マッドハッターの家族に関する過去を調べる |
| 最大の危険 | 過去と現在の自分が接触すること |
特に重要なのは、クロノスフィアは過去を自由に書き換えるための便利なリセット装置ではないという点です。
ジェームズ・ボビン監督はインタビューで、この映画の時間旅行について、過去を変えるのではなく、過去に行ってそこから学ぶという考え方を採用したと説明しています。
時間を場所のように捉え、時間の海を実際に移動するという独自の設定です。
時間旅行で守るべきルール
物語の理解に役立つルールは3つあります。
1. 過去へ移動することはできても、過去を思いどおりに変更できるわけではない。
2. 過去の自分と未来の自分が出会うことは、時間の秩序を壊す危険がある。
3. クロノスフィアを本来の場所に戻すことが、ワンダーランドの時間を守る鍵になる。
こうした設定があるからこそ、アリスの旅には単なる冒険以上の緊張感が生まれています。
【前作との違い】ティム・バートン監督版から何が変わった?
前作(2010年)
監督:ティム・バートン
続編(2016年)
監督:ジェームズ・ボビン
監督が交代しても世界観は継承
前作『アリス・イン・ワンダーランド』の監督はティム・バートン。
一方、本作の監督はジェームズ・ボビンです。
ただし、ティム・バートンがシリーズから完全に離れたわけではありません。
本作では製作にティム・バートンが参加しており、前作で確立されたビジュアルや世界観を引き継いでいます。
脚本は引き続きリンダ・ウールヴァートンが担当しました。
物語のテーマが大きく変化
| 比較項目 | 前作 | 時間の旅 |
|---|---|---|
| 監督 | ティム・バートン | ジェームズ・ボビン |
| 中心テーマ | 自分の意思と成長 | 時間・家族・過去 |
| アリスの立場 | 自分の運命を選ぶ女性 | 船長として活躍する女性 |
| 主な対立 | 赤の女王との戦い | 時間の崩壊と過去の秘密 |
| 新要素 | ワンダーランドの世界観 | タイムとクロノスフィア |
前作では、アリスが自分の人生を選択することが大きなテーマでした。
続編では、その選択の先にある人生と、時間の経過によって生じる問題に焦点が移っています。
アリスはすでに自立した女性として描かれ、父の仕事を継いで船長として活動しています。
映像表現にも変化があった
制作面でも興味深い違いがあります。
プロデューサーのスザンヌ・トッドによると、前作はほぼ全編をグリーンスクリーンで撮影したのに対し、本作では大規模なセットを建設。
ウィッツエンドという町のセットも制作されました。
ジェームズ・ボビン監督のコメディ作品での経験もあり、続編は前作より明るく、登場人物の人間的な感情を重視する方向に仕上げられています。
そのため、前作のダークで幻想的な雰囲気を期待すると、少し印象が違う可能性があります。
しかし、シリーズとしての世界観を維持しながら、人物の内面を掘り下げた作品になっています。
【キャスト・吹き替え声優一覧】ジョニー・デップから滝藤賢一まで
本作の魅力のひとつは、国際的に活躍する俳優陣と、日本語吹き替えを担当するキャストの顔ぶれです。
ディズニー公式の出演者・吹き替えキャスト情報をもとに、主要人物を整理しました。
アリス・キングスレー
演:ミア・ワシコウスカ
吹き替え:安藤瞳
父の跡を継いだ船長。マッドハッターを救うため、危険な時間旅行に挑みます。
マッドハッター(タラント・ハイトップ)
演:ジョニー・デップ
吹き替え:平田広明
家族を失った悲しみから心身ともに弱ってしまう、アリスの大切な友人です。
タイム
演:サシャ・バロン・コーエン
吹き替え:滝藤賢一
時間の番人。クロノスフィアを管理する重要人物です。
赤の女王(イラスベス)
演:ヘレナ・ボナム=カーター
吹き替え:朴璐美
白の女王の姉。過去に経験した出来事が、現在の性格や姉妹関係に影響しています。
白の女王(ミラーナ)
演:アン・ハサウェイ
吹き替え:深田恭子
アリスに時間旅行を提案する人物。姉との過去に大きな秘密を抱えています。
主要キャスト・吹き替え声優の対応表
| 登場人物 | 英語版キャスト | 日本語吹き替え |
|---|---|---|
| アリス | ミア・ワシコウスカ | 安藤瞳 |
| マッドハッター | ジョニー・デップ | 平田広明 |
| タイム | サシャ・バロン・コーエン | 滝藤賢一 |
| 赤の女王 | ヘレナ・ボナム=カーター | 朴璐美 |
| 白の女王 | アン・ハサウェイ | 深田恭子 |
| ザニック | リス・エヴァンス | 吉見一豊 |
| アブソレム | アラン・リックマン | 土師孝也 |
| チェシャ猫 | スティーヴン・フライ | 茶風林 |
| 白うさぎ | マイケル・シーン | 塩屋浩三 |
| ベイヤード | ティモシー・スポール | 廣田行生 |
吹き替え版で注目したいのはタイム役の滝藤賢一
タイム役の日本語吹き替えを担当したのは、俳優の滝藤賢一です。
時間を管理する厳格さと、どこかコミカルな雰囲気を持つタイムは、作品の中でも個性の強いキャラクターです。
また、平田広明によるマッドハッターの吹き替えも注目ポイント。
ジョニー・デップの独特な表情やテンポを持つ演技を、日本語で楽しめます。
英語版と日本語版では声の印象が異なるため、字幕版と吹き替え版を見比べる楽しみもあります。
【制作秘話と注目ポイント】ティム・バートン製作とアラン・リックマンの最後の映画
ティム・バートンは監督ではなく製作として参加
本作についてよくある誤解が、ティム・バートンが続編も監督したという認識です。
実際の役割は次のとおりです。
- 監督:ジェームズ・ボビン
- 製作:ティム・バートン、スザンヌ・トッド、ジェニファー・トッド、ジョー・ロス
- 脚本:リンダ・ウールヴァートン
- 音楽:ダニー・エルフマン
この体制によって、前作の世界観を保ちながら、新しい監督の個性を加えています。
アラン・リックマンにとって最後の映画
アブソレム
声:アラン・リックマン
日本語吹き替え:土師孝也
前作では青虫として登場し、本作では青い蝶の姿でアリスを導きます。
本作には、イギリスの名優アラン・リックマンも参加しています。
リックマンが演じたのは、青い蝶アブソレムの声です。
彼は『ハリー・ポッター』シリーズのセブルス・スネイプ役などでも知られています。
特筆すべきなのは、本作が彼の最後の映画となったことです。
ディズニーの公式ファンコミュニティD23に掲載されたインタビューで、赤の女王を演じたヘレナ・ボナム=カーターも、本作がアラン・リックマンの最後の映画であることに触れています。
青虫から蝶へと姿を変えたアブソレムの存在は、変化や再生を感じさせるものです。
そのキャラクターにリックマンの声が重なることで、映画の終盤やエンドクレジットには特別な余韻が残ります。
【評判・評価・配信情報】2026年に見る価値はある?
映画の評価は映像美とストーリーで分かれる
本作は、映像表現やキャラクターの魅力を評価する声がある一方、ストーリーの展開については評価が分かれています。
2026年11月6日に確認できるFilmarksの掲載情報では、次のような数字になっています。
Filmarksのユーザー評価3.5
/ 5.072,869件
レビュー件数・2026年11月6日確認
評価の分布
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海外の批評家評価も確認しておきましょう。
- Rotten Tomatoes:批評家スコア29%、観客スコア48%。
- Metacritic:メタスコア34点、ユーザースコア5.9点。
海外の批評家評価は厳しめですが、観客側の評価は批評家ほど低くありません。
視聴者が評価しているポイント
Filmarksのレビューで見られる主な論点は、次のようなものです。
好意的に受け止められているポイント
- ワンダーランドの色彩豊かな映像と美術。
- 赤の女王と白の女王の過去が描かれること。
- マッドハッターと家族の物語。
- 時間を通じて過去から学ぶというテーマ。
好みが分かれやすいポイント
- 前作と比較したときの監督の作風の違い。
- 新キャラクターのタイムの独特なデザイン。
- 時間旅行によって複雑になるストーリー。
- 前作ほどのダークな雰囲気を期待した場合の印象の違い。
Filmarksには2026年の鑑賞者によるレビューも掲載されており、姉妹の過去や映像美を評価する声がある一方、前作と比較して物語が薄く感じられるという意見も見られます。
2026年のディズニープラス配信状況
ディズニープラス
日本国内の配信情報
2026年9月7日更新のJustWatchの配信情報では、『アリス・イン・ワンダーランド/時間の旅』はディズニープラスで見放題対象として掲載されています。
また、Filmarksの2026年8月時点の配信情報でも、ディズニープラスで見放題と案内されています。
ディズニー公式の作品ページでは、デジタル購入・レンタルの案内もあります。
配信サービスの作品ラインナップは変更されるため、実際に視聴する際はディズニープラスのアプリ内で作品名を検索するのが確実です。
上映時間は何分?
本作の日本国内での上映時間は113分(1時間53分)です。
2016年7月1日に日本公開された作品で、ファンタジー・アドベンチャーとして約2時間弱で楽しめます。
【よくある質問】アリス・イン・ワンダーランド/時間の旅に関するFAQ
Q1:『アリス・イン・ワンダーランド/時間の旅』は前作を見ていなくても楽しめる?
A1:基本的なストーリーは理解できますが、前作を先に見ることをおすすめします。赤の女王と白の女王の関係や、アリスとマッドハッターの友情、ワンダーランドの世界観を把握しておくと、続編の物語をより深く楽しめます。
Q2:マッドハッターの家族は最後どうなる?
A2:家族は亡くなっておらず、赤の女王に捕らえられていました。アリスの活躍によって真相が明らかになり、マッドハッターは家族との再会を果たします。
Q3:アラン・リックマンは本作で何の役を演じている?
A3:青い蝶アブソレムの英語版の声を担当しています。本作はヘレナ・ボナム=カーターも最後の映画と語った、リックマンにとって最後の映画作品です。日本語吹き替え版では土師孝也が担当しています。
【プロの結論】時間の旅が伝える本当のテーマとおすすめの視聴者
『アリス・イン・ワンダーランド/時間の旅』は、前作の奇抜な世界観を引き継ぎながら、時間、家族、姉妹の関係、そして過去との向き合い方を描いた続編です。
特に注目したいのは、マッドハッターの家族の真相と、赤の女王・白の女王の過去です。
この2つの物語は、単に登場人物の背景を説明するためだけのものではありません。
人は過去の出来事によって傷つき、誤解を抱き、他人を遠ざけてしまうことがあります。しかし、その過去を知ることで、現在の関係を見つめ直すこともできます。
アリスの時間旅行は、過去を消すための冒険ではなく、過去を理解するための旅として描かれているのです。
特におすすめしたいのは、次のような人です。
- ジョニー・デップ演じるマッドハッターが好きな人。
- ティム・バートン作品の幻想的な世界観が好きな人。
- 赤の女王と白の女王の関係を詳しく知りたい人。
- 時間旅行や過去の秘密をテーマにしたファンタジーが好きな人。
- アラン・リックマンの最後期の演技を見届けたい人。
反対に、前作と同じ監督による映像表現や、複雑さのないシンプルな冒険物語を期待する人は、作風の変化を意識しておくとよいでしょう。
2016年の公開から10年が経過した2026年。改めて見直すと、華やかな映像や個性的なキャラクターだけでなく、時間を取り戻せなくても、過去の意味を理解することはできるという作品のメッセージが印象に残ります。
『アリス・イン・ワンダーランド/時間の旅』は、マッドハッターを救う冒険であると同時に、アリス自身が時間との向き合い方を学ぶ物語です。 前作と続けて鑑賞することで、そのテーマをより鮮明に感じられるはずです。