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【楽天グループの業績】2026年の成長と楽天モバイルの課題

新城 灯里 新城 灯里 • 更新: • 公開: • 読了約 10 分
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三木谷氏の経営を評価するうえで、楽天グループの業績、とりわけ楽天モバイルの収益改善は欠かせない。携帯キャリア事業への参入は、楽天経済圏を通信分野まで広げる大きな挑戦だった一方、ネットワーク構築に巨額の設備投資を必要とする事業でもある。

2025年は楽天モバイルが通期EBITDA黒字化

楽天グループが2026年2月12日に発表した2025年度通期決算では、連結売上収益が2兆4,966億円となり、29期連続で過去最高を更新した。連結Non-GAAP営業利益も1,063億円となり、前年から大幅に改善している。

特に注目されたのが楽天モバイルだ。携帯キャリア事業への参入以来初めて、通期EBITDAが129億円の黒字となった。2025年12月末には全契約回線数が1,001万回線に到達している。

ただし、EBITDAの黒字化は、営業利益や最終利益まで黒字になったことを意味しない。同年度の楽天モバイルのNon-GAAP営業損失は1,660億円だった。設備投資や減価償却費などを含めた事業全体の採算性には、引き続き課題が残っていた。

2026年第2四半期は6年ぶりの黒字化

2026年8月10日に発表された第2四半期決算では、楽天グループの連結売上収益が6,655億円となり、前年同期比11.6%増を記録した。親会社の所有者に帰属する四半期利益は77億円で、2020年以来6年ぶりの黒字化となった。

楽天モバイルの契約回線数も、2026年6月末時点で全体1,075万回線に拡大した。前年同期から178万回線の純増である。楽天市場や楽天カードなど、既存サービスとの連携が顧客獲得を後押ししている。

一方、同四半期の楽天モバイルのNon-GAAP営業損失は323億円。EBITDAは59億円の黒字だった。つまり、契約者数とキャッシュ創出力は改善しているものの、営業損失は残っている。

また、2026年度の通信関連設備投資計画は2,000億円とされている。基地局整備や通信品質の改善を進めながら、収益性も高めなければならない局面だ。

2026年の楽天グループを読み解く3つの指標

- 売上収益:事業規模が拡大しているか。
- 営業利益・最終利益:事業全体として持続的に利益を確保できているか。
- 楽天モバイルのEBITDAと営業損失:通信事業がキャッシュを生み出し、設備投資負担を吸収できる段階に進んでいるか。

この3つを分けて見ると、2026年の楽天は成長と収益改善が進んでいる一方、モバイル事業の本格的な利益定着は引き続き経営課題であることが分かる。

【評判・評価】三木谷浩史は優秀な経営者なのか?成功と批判の両面

三木谷浩史

三木谷氏に対する評価は、何を重視するかによって異なる。インターネット通販の市場を切り開き、金融や通信まで事業を拡張した起業家としての実績は大きい。一方、事業拡大のための大胆な投資や、楽天モバイルの収益化をめぐっては厳しい評価も存在する。

高く評価されるポイント

第一に、既存市場の構造を変える事業を生み出したことだ。楽天市場は、単に商品をオンラインで販売する仕組みではなく、中小店舗が全国の消費者にアクセスできる市場をつくった。

第二に、単独のEC事業で満足せず、金融や通信へ事業を広げたことだ。楽天カード、楽天銀行、楽天証券、楽天ペイなどを組み合わせることで、買い物から決済、資産運用までを一つの経済圏にまとめている。

第三に、海外事業や医療技術への投資にも取り組んでいる点だ。Rakuten Symphonyでは通信インフラ技術を展開し、楽天メディカルでは独自のアルミノックス技術を基盤とした光免疫療法の開発を進めている。従来のEC企業という枠にとどまらない事業構想が特徴となっている。

厳しい評価につながるポイント

一方、楽天モバイルへの大規模投資は、楽天グループの財務に長期間にわたって負担を与えてきた。通信網を自社で構築するには基地局や関連設備への投資が必要であり、契約回線数が増えるまでの期間には大きな先行コストが発生する。

2025年度には楽天モバイルのEBITDAが黒字化したものの、同年度の営業損失は1,660億円だった。2026年第2四半期もNon-GAAP営業損失が323億円残っている。このため、黒字化という一つの成果だけで、投資負担が解消したと判断することはできない。

通信品質も評価を左右する論点だ。2026年2月のASCII.jpの業界解説では、楽天モバイルについて、利用者から通信品質への不満が寄せられている状況が取り上げられた。契約数を増やすだけでなく、場所による通信品質の差を縮め、安定したサービスを提供できるかが問われている。

楽天グループ自身も2026年をネットワーク強化の年と位置づけ、基地局整備の加速を進めている。利用者にとっては、料金やポイント還元だけでなく、日常的な通信の安定性こそがサービスを選ぶ判断材料になる。

【プロの結論】三木谷浩史の経営から読み取れる本質

三木谷氏の経営スタイルを理解するうえで重要なのは、既存事業の利益を守るだけでなく、次の市場を自ら開拓しようとする姿勢だ。

楽天市場の創業は、インターネット通販が一般化する前に市場を形成した挑戦だった。楽天モバイルへの参入も、既存の通信会社と競争するためにネットワークを自前で構築するという、大きなリスクを伴う選択だった。

こうした経営には、成功すれば企業の成長余地を大きく広げられる反面、投資回収に時間がかかるという弱点もある。特に通信事業では、契約者数だけでなく、通信品質、顧客維持率、設備投資、営業利益まで総合的に見る必要がある。

経営者としての三木谷氏を評価するなら、過去の創業実績だけで判断するのではなく、楽天モバイルの収益改善を継続できるか、楽天経済圏の相乗効果を各事業の利益に結びつけられるか、そして次世代の経営体制をどのように構築するかが重要な判断基準になる。

つまり、三木谷氏の強みは事業を生み出し、拡張する力にある。その力が今後、安定した利益と企業価値の向上にどこまで結びつくかが、2026年以降の評価を左右する。

三木谷浩史に関するよくある質問(FAQ)

Q1:三木谷浩史は2026年現在、何歳ですか?
A1:1965年3月11日生まれで、2026年11月5日時点では61歳です。

Q2:三木谷浩史の最終学歴はハーバード大学ですか?
A2:学部は一橋大学商学部を卒業しています。その後、ハーバード大学経営大学院に留学し、1993年にMBAを取得しました。

Q3:三木谷浩史は現在も楽天メディカルのCEOですか?
A3:米国法人Rakuten Medical, Inc.では、2026年7月1日付でCEOからエグゼクティブ・チェアマンに就任しました。新CEOは前田陽氏です。日本法人の楽天メディカル株式会社では代表取締役会長を継続しています。

Q4:三木谷浩史の2026年の資産はいくらですか?
A4:Forbes JAPANの2026年版日本長者番付では、推定5,810億円で13位です。これは2026年5月22日時点の市場データなどを基にした推計値です。

Q5:三木谷浩史の公開されている役員報酬はいくらですか?
A5:2025年12月期の有価証券報告書では、楽天グループからの連結報酬等の総額は1億8,600万円です。そのうち1億7,600万円はストックオプションで、全額が現金給与というわけではありません。

まとめ:三木谷浩史の現在と楽天グループの今後

三木谷浩史氏は、2026年現在も楽天グループの代表取締役会長兼社長として経営を主導している。一橋大学商学部、日本興業銀行、ハーバード大学MBAという経歴を経て、1997年に楽天市場を創業した人物だ。

現在は楽天モバイルの代表取締役会長、新経済連盟の代表理事、楽天ヴィッセル神戸の代表取締役会長など、企業経営やスポーツ、経済団体にも活動の幅を広げている。楽天メディカルでは2026年7月からエグゼクティブ・チェアマンとなり、CEO職を前田陽氏に引き継いだことも大きな変化だ。

経済面では、2025年12月期の役員報酬等が1億8,600万円、Forbes JAPANによる2026年の推定資産が約5,810億円という数字が確認できる。ただし、報酬と資産は異なる概念であり、推定資産は株価や為替によって変動する。

楽天グループは2026年第2四半期に6年ぶりの親会社帰属利益の黒字化を達成し、楽天モバイルも契約回線数を1,075万回線まで伸ばした。一方で、通信事業の営業損失やネットワーク品質の改善など、解決すべき課題は残っている。

三木谷浩史氏の本当の経営手腕が問われるのは、これからだ。楽天市場の創業によって築いた成長力を、楽天モバイルを含むグループ全体の持続的な収益力へ転換できるか。2026年以降は、その成果が経営者としての評価を決める重要な局面になる。

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トレンドリサーチャー 新城 灯里
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