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【2026年最新データ】女子寮の盗撮被害はどこまで把握されているのか

保坂 匠 保坂 匠 • 更新: • 公開: • 読了約 17 分
目次

女子寮での被害実態を考えるうえで、全国の盗撮事犯に関する警察庁の統計も参考になる。2026年5月に公表された「令和7年中の痴漢・盗撮事犯に係る検挙状況の調査結果」には、2025年の撮影罪に関する認知・検挙状況が掲載されている。


2025年の盗撮事犯に関する警察庁公表データ


9,066件

盗撮女子寮

撮影罪の認知件数


7,926件


撮影罪の検挙件数


5,124人


撮影罪の検挙人員


852件


住宅等での検挙件数


出典:警察庁「令和7年中の痴漢・盗撮事犯に係る検挙状況の調査結果」(2026年5月公表)

発生場所別では、住宅等が852件(10.7%)、学校が439件(5.5%)だった。住宅等には一般住宅などが含まれるため、852件を女子寮での盗撮件数と解釈することはできない。また、学校の数字も女子寮だけを抽出したものではない。

この統計が示しているのは、盗撮被害が公共交通機関や商業施設だけでなく、生活空間や教育施設にも及んでいるという点だ。認知件数は警察が把握した件数であり、実際に発生したすべての被害を表すものではない。相談をためらう人や、被害に気づいていない人がいる可能性も考慮する必要がある。

女子寮について独立した全国統計がない以上、被害の規模を単一の数字で説明することは難しい。だからこそ、個別の事件報道と警察庁の全国統計を混同せず、それぞれの数字が何を意味するのかを見極めることが大切だ。

出典:警察庁「令和7年中の痴漢・盗撮事犯に係る検挙状況の調査結果」

【事件報道を整理】女子寮盗撮事件と関連ニュースの事実関係

「盗撮女子寮」という検索語では、過去の女子寮浴室での盗撮事件と、女子寮への不法侵入事件、学校施設での盗撮事件が混在することがある。これらは発生場所や犯罪の性質、捜査状況が異なる。

主要な報道と公表資料を時系列で整理すると、次のようになる。

時期 確認できる出来事 事実関係・注意点 2023年1月20日 石見智翠館高校の女子寮浴室での盗撮被害が発覚 画像6枚が確認され、学校から警察へ相談。 2023年2月10日 学校が記者会見を開き、謝罪 31人の寮生のうち8人が学校に戻れない状況が報じられた。 2023年9月21日 複数の人物が書類送検されたと報道 県迷惑行為防止条例違反の疑い。有罪確定を意味しない。 2025年10月24日 島根県立大学の女子トイレでの盗撮容疑による学生逮捕 女子寮の事件ではなく、大学施設内の別事件。大学が公式に発表。 2026年9月2日 東京都豊島区の女子寮への侵入事件で男を逮捕 わいせつ目的の侵入と管理人への暴行が疑われた事件。盗撮事件としての報道ではない。

2023年の石見智翠館高校の事件について、学校側は浴室の高い位置にある換気用の窓などから撮影された可能性に言及していた。ただし、当時の報道で示された可能性と、警察によって確定された撮影経路は区別しなければならない。

また、同事件では学校関係者が被害者への謝罪やケアについて説明しており、事件後の対応も大きな論点となった。被害者が学校に戻れない状況は、施設の安全性に対する信頼が失われた場合、教育や生活への影響が長期化し得ることを示している。

重要なのは、書類送検されたという報道だけから、個々の人物の有罪や事件の最終的な責任関係を断定しないことだ。逮捕、書類送検、起訴、有罪判決は、それぞれ異なる刑事手続き上の段階である。

【法律と罰則】盗撮女子寮事件に適用される性的姿態撮影等処罰法

女子寮の浴室や脱衣所、居室などで、本人の意思に反して性的な姿態を撮影する行為には、性的姿態撮影等処罰法が適用される可能性がある。

正式名称は「性的な姿態を撮影する行為等の処罰及び押収物に記録された性的な姿態の影像に係る電磁的記録の消去等に関する法律」。2023年7月13日に施行された法律で、撮影行為だけでなく、画像の提供や保管、配信なども処罰対象としている。

主な犯罪類型と法定刑



1.性的姿態等撮影罪

3年以下の拘禁刑


または300万円以下の罰金
正当な理由なく、対象となる性的姿態等をひそかに撮影する行為など。


2.性的影像記録保管罪

2年以下の拘禁刑


または200万円以下の罰金
提供・公然陳列を目的として性的影像記録を保管する行為。


3.性的影像記録の提供・公然陳列

5年以下の拘禁刑


または500万円以下の罰金
不特定または多数の人への提供、公然と陳列する行為。特定・少数への提供にも別途処罰規定がある。


4.性的姿態等影像の送信

5年以下の拘禁刑


または500万円以下の罰金
一定の方法で性的姿態等の映像を不特定・多数にライブ配信する行為。

出典:警察庁「盗撮事犯に係る防犯対策」および法務省の法改正資料。

カメラを設置しただけでも犯罪になるのか

見落とされやすいのが、撮影が成功していなければ処罰されない、という誤解だ。

警察庁の施設管理者向け資料では、実際に動画などを記録していなくても、盗撮用カメラを設置する行為が撮影罪の未遂に問われる場合があると説明している。撮影の完了だけが問題になるわけではない。

加えて、各都道府県の迷惑防止条例や、建造物侵入に関する犯罪、被害者が18歳未満の場合の児童ポルノ関連法令などが関係するケースもある。適用される法律や刑罰は、撮影対象、行為の態様、被害者の年齢、画像の扱いなどによって変わる。

なお、2025年6月1日から刑法などの刑罰表記は懲役・禁錮から拘禁刑に変更されている。2026年現在の法定刑を確認する際には、旧資料の「懲役」という表記と現行の「拘禁刑」を混同しないようにしたい。

法令の根拠は、e-Gov法令検索の性的姿態撮影等処罰法と法務省の性犯罪関係の法改正資料で確認できる。

【発見時の対応方法】盗撮カメラを見つけたら最初にすること

女子寮で不審な機器を発見したとき、最優先すべきなのは、発見者や居住者の安全を確保し、証拠を損なわないことだ。







1.安全な場所に移動する

不審者がいる可能性があれば、直接対峙せず、ほかの寮生や信頼できる職員に助けを求める。危険が迫っている場合は110番する。







2.発見した機器に触れない

カメラらしきものを取り外したり、分解したりしない。SDカードを抜く操作も避ける。機器によっては記録が消えるおそれがある。







3.発見状況を記録する

発見した日時、場所、周辺の状況、機器の位置などを記録する。安全にできる範囲で、機器に触れず周辺の写真を残す。







4.警察へ連絡する

現在進行中の危険や緊急性がある場合は110番。緊急でない相談は最寄りの警察署や警察相談専用電話を利用する。







5.関連する記録を保全する

寮の入退館記録、防犯カメラ映像、点検履歴、連絡記録など、事件に関連する情報が消去されないよう管理者や警察に伝える。


警察庁は、盗撮用カメラを発見した際にはむやみに触らず、画像などを消去しないよう注意を促している。SDカードを抜くことで記録が初期化される機器もあるため、発見者が独自に操作することは避けたい。

また、AirDropやメッセージで画像が送られてきた場合は、送信者、受信日時、通知、関連するメッセージなどの情報を残す。画像そのものを友人やSNSに転送してしまうと、被害の拡大につながるおそれがある。

すでにインターネット上に画像が掲載されている場合は、掲載先の情報や投稿日時、アカウントなどを記録し、警察や専門窓口に相談する。画像を再投稿したり、第三者に共有したりする必要はない。

警察庁も、性的画像の流出に関する相談では、相手からの連絡履歴やメールを保存し、掲載された画像については早期の削除要請を行うよう案内している。

【盗撮被害の相談先】警察・支援センター・学校のどこに連絡する?

盗撮被害に遭ったとき、警察への相談をためらう人は少なくない。特に女子寮では、加害者が同じ学校の生徒や職員、施設関係者である可能性を心配し、周囲に知られることを恐れるケースも考えられる。

しかし、学校や寮の内部だけで問題を処理しようとする必要はない。外部の相談機関を利用することもできる。




警察への緊急通報
緊急時

110


不審者がいる、侵入が続いている、身の危険があるなど、緊急対応が必要な場合。


性犯罪被害相談電話

#8103


警察の性犯罪被害相談窓口につながる全国共通番号。被害の相談や捜査に関する不安を相談できる。


性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センター

#8891


医療的支援、心理的支援、弁護士などによる法的支援、警察への同行支援などを相談できる。


警察相談専用電話

#9110


緊急の110番通報ではない警察への一般相談に利用できる。

内閣府によると、#8891は最寄りのワンストップ支援センターにつながる全国共通番号で、通話料は無料。一部のIP電話などからは接続できない場合がある。

このセンターの大きな特徴は、被害者が警察、医療機関、心理カウンセリング、法律相談などを個別に探し回らなくても、必要な支援につなげてもらえることだ。

また、被害から時間が経過している場合や、証拠が手元に残っていない場合でも相談は可能。被害直後に警察へ行くことに不安がある人も、まずはワンストップ支援センターに相談できる。

公的な支援制度を利用する際は、居住地の犯罪被害者等支援窓口にも相談したい。自治体によって、生活上の支援や心理的ケアなどの制度が異なるため、具体的な対象や条件を確認することが大切だ。

出典:内閣府男女共同参画局「性犯罪・性暴力とは」「性犯罪・性暴力被害者への支援」、警察庁「犯罪被害者白書」。

【再発防止策】女子寮のプライバシー保護に必要な管理体制

女子寮の盗撮防止を、居住者一人ひとりの注意だけに任せることには限界がある。安全な居住環境を提供する責任は、学校や寮の運営主体にもある。

警察庁が2025年10月に公表した施設管理者向け資料では、盗撮機器を設置しにくい環境づくりと、設置された場合に早期発見できる管理体制の両方を推奨している。

施設管理者が実施したい5つの対策

1.定期的な設備点検

浴室、更衣スペース、トイレ、共用部分などを定期的に点検する。設備の配置や備品の変化を記録し、異常があれば速やかに調査する体制を整える。

2.入退館管理の徹底

寮への出入りを管理し、職員、清掃業者、設備点検業者などの入館履歴を残す。鍵や入館カードの管理責任者を明確にし、無関係な人物が居住区域に立ち入れない仕組みをつくる。

3.防犯設備の適切な設置

防犯カメラは玄関や廊下などの共用部分を中心に設置し、撮影目的や映像の管理方法を明確にする。浴室、トイレ、居室などのプライベート空間を監視することは避けなければならない。

4.第三者による点検体制

施設職員だけでなく、必要に応じて防犯設備の専門家や外部業者に点検を依頼する。管理者自身が調査対象となる可能性も考え、外部への通報ルートを用意することが望ましい。

5.被害者の心のケアと生活支援

事件発覚後は、被害者が安心して生活できるよう、カウンセリングや相談機会を設ける。希望に応じた居室変更、通学上の配慮、保護者への説明なども検討する必要がある。

特に重要なのは、被害者に退寮や転校を一方的に求めないことだ。安全を確保するための選択肢は複数用意し、本人の意思を尊重する必要がある。

警察庁の資料も、定期的な点検、施設内の物品の整理、配置の固定化、不自然な設備の確認などを施設管理者に求めている。防犯設備の導入だけでなく、日常的な管理を継続することが再発防止につながる。

出典:警察庁「盗撮事犯に係る防犯対策(施設管理者向け資料)」令和7年10月。

【プロの結論】女子寮の安全性を判断する3つの基準

女子寮を選ぶ学生や保護者、寮を管理する教育機関にとって、重要なのは防犯設備の数だけではない。



点検の実施状況が明確か

点検の頻度、担当者、異常発見時の対応が明文化されているかを確認する。


問題を外部に相談できるか

寮の管理者や学校関係者に相談しにくい場合でも、警察や外部の相談機関につながる仕組みがあるかを確認する。


被害者を守る対応ができるか

情報管理、心理的ケア、生活環境の変更、保護者との連携など、被害発生後の対応方針が具体的かを確認する。

防犯設備が整っていても、発見後の報告体制や被害者支援が機能しなければ、安心できる女子寮とはいえない。反対に、設備の点検を継続し、問題を隠さず、第三者の力も借りながら改善できる施設は、信頼を回復しやすい。

【盗撮女子寮】に関するよくある質問(FAQ)

Q1:盗撮女子寮という事件は2026年に発生した事件ですか?
A1:この検索語が指す代表的な女子寮盗撮事件として確認できるのは、2023年に島根県の石見智翠館高校で発覚した浴室盗撮事件です。2026年9月には東京都豊島区で女子寮への侵入事件が報じられていますが、こちらは盗撮事件として報じられたものではありません。

Q2:女子寮に隠しカメラが設置されていた場合、どのような法律が適用されますか?
A2:撮影対象や撮影状況などの要件を満たす場合、性的姿態撮影等処罰法の性的姿態等撮影罪が適用される可能性があります。画像の提供や保管、配信についても別の処罰規定があります。撮影が未遂に終わった場合も処罰対象となることがあります。

Q3:盗撮カメラを発見したら、自分で取り外してもよいですか?
A3:自分で取り外したり分解したりすることは避けてください。SDカードを抜くと記録が消える機器もあります。発見した場所を記録し、警察に連絡して対応を依頼してください。

Q4:盗撮された証拠がない場合でも相談できますか?
A4:相談できます。カメラが見つからない場合や画像が手元にない場合でも、警察や性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センターに相談できます。被害の状況を整理し、今後必要な対応を一緒に考えてもらえます。

Q5:盗撮画像がSNSやインターネットに流出した場合はどうすればよいですか?
A5:掲載先、投稿日時、アカウントなどを記録し、警察や専門相談窓口に連絡してください。掲載先の運営事業者に削除を求めることもできます。画像をダウンロードして拡散したり、第三者に転送したりすることは避けましょう。

Q6:女子寮の盗撮被害に遭った場合、学校を辞めたり退寮したりする必要がありますか?
A6:被害者が必ず退寮や退学をしなければならないわけではありません。本人の希望と安全を優先し、寮の変更、通学上の配慮、カウンセリングなどの支援を学校や外部機関と相談できます。

まとめ:女子寮の盗撮問題を防ぐために必要なこと

「盗撮女子寮」という検索語の背景には、2023年に島根県の石見智翠館高校で発覚した女子寮浴室の盗撮事件をはじめ、居住空間におけるプライバシー侵害への深刻な懸念がある。

2026年現在、警察庁の公表資料からも盗撮事犯の検挙状況を確認できる一方、女子寮だけの全国統計は示されていない。個別事件の経緯、逮捕や書類送検の意味、法律上の責任を正確に区別することが大切だ。

被害に遭った場合は、カメラや関連する記録にむやみに触れず、警察やワンストップ支援センターに相談する。被害者が一人で証拠集めや問題解決を背負う必要はない。

そして、再発防止の中心となるのは、学校や寮の運営主体による定期点検、入退館管理、外部相談体制、被害者の心理的支援である。

女子寮は、学生が学業や日常生活に集中できる安全な居住空間でなければならない。設備の整備だけでなく、被害を受けた人の声を受け止め、透明性を持って改善を続ける姿勢こそが、信頼される施設運営の基準となる。


記事の基準日:2026年11月5日。主な参照資料:警察庁、法務省、内閣府男女共同参画局、島根県立大学の公表資料、BSS山陰放送・TBS NEWS DIG、テレビ朝日報道。

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