2種類の特装版は、同じ最終34巻をベースにしながら、付属する小冊子のテーマが正反対ともいえる構成になっています。
Beginningが描くのは、まだ『進撃の巨人』という作品が世に出ていなかった時代。Endingが描くのは、11年7か月にわたる連載が完結する直前の制作過程です。
特装版Beginning:第1話・第2話の幻のネーム
Beginningの正式名称は「進撃の巨人(34)特装版 Beginning」。講談社のプレミアムKCとして発売された、ネーム小冊子付きの特装版です。
最大の見どころは、2009年の『別冊少年マガジン』創刊時、連載会議に提出された第1話・第2話のネームが収録されていることです。
このネームによって連載が決定しましたが、諫山創は連載獲得後に自ら構想などを練り直しました。そのため、収録されたネームは実際に連載された作品とは異なる部分が多く、完成原稿として世に出ることのなかったバージョンです。
つまり、完成した『進撃の巨人』を読むための冊子ではなく、作品が誕生する直前の創作過程を知るための資料です。
ファンにとって興味深いのは、単純に初期設定を知れることだけではありません。後に世界的な人気作品へと成長する物語が、最初の段階ではどのような構想だったのかを比較できる点にあります。
完成版との違いを探しながら読むことで、諫山創の構成力や物語の再設計という側面にも目を向けられます。
特装版Ending:第138話・第139話のネーム
Endingは、物語の終盤にあたる第138話と第139話(最終話)のネームを収録した特装版です。
Beginningが作品の出発点を記録したものなら、Endingは長期連載の到達点を記録したもの。最終章の重要な場面が、完成原稿になる前にどのような形で描かれていたのかを確認できます。
講談社の発売発表によると、収録されたネームには完成原稿と多少異なる部分があります。加えて、諫山創による打ち合わせ用・作画用のメモも書き残されています。
ここがEndingの大きな魅力です。
完成した漫画だけを読んでいると、読者は最終的な表現しか目にできません。しかしネームを比較すれば、作者がどのような場面を検討し、完成原稿に至るまでに何を調整したのかを考える材料が得られます。
特に最終話の第139話は、長く続いた物語の結末を担う重要なエピソードです。完成版とネームの違いを追うことは、作品の結末を別の角度から理解する読書体験につながります。
なお、Endingの小冊子は最終話の別バージョンを完成漫画として収録したものではありません。あくまで制作途中のネームとメモを収録した資料です。
【通常版・特装版の違い】発売日・価格・ISBN・販売店を比較

購入時に間違えやすいのが、通常版と2種類の特装版の関係です。特装版は別の結末を収録したコミックスではなく、最終34巻にそれぞれ異なるネーム小冊子を付けた商品です。
講談社が2021年4月20日に発表した公式発売案内では、3種類とも2021年6月9日発売とされました。特装版はいずれもプレミアムKCとして刊行されています。
出典:講談社の2021年発売発表、講談社のコミックス書誌情報。価格は発売時の税込定価です。
通常版と特装版で本編の結末は違う?
ここは購入前に押さえておきたいポイントです。
通常版でも特装版でも、最終34巻の本編を読むことができます。特装版の価値は、追加のネーム小冊子にあります。
そのため、最終話まで読めれば十分という人は通常版で問題ありません。一方、諫山創の創作過程や完成原稿になる前の表現を知りたい人には、特装版を選ぶ意味があります。
また、BeginningとEndingは収録内容が重複する商品ではありません。両方をそろえれば、連載開始前と最終盤という、作品の両端に位置する制作資料をまとめて楽しめます。
【2026年最新】電子書籍版の価格・配信状況と紙版の購入方法
発売から約5年が経過した2026年現在、特装版を探す人にとって重要なのは、紙版の在庫と電子版の配信状況を分けて考えることです。
電子書籍版はBeginning・Endingともに購入可能
電子版については、発売前の講談社発表段階から刊行が予定されており、発売後には両方の特装版が電子書籍として販売されました。
2026年11月時点で確認できるBOOKWALKERの商品一覧では、次の価格で掲載されています。
- 通常版34巻:671円(税込)
- 特装版Beginning:1,078円(税込)
- 特装版Ending:1,078円(税込)
特装版は電子版でも2種類が別商品として配信されています。片方を購入しただけでは、もう片方のネーム冊子の内容までそろうわけではありません。
電子版の価格は販売ストアやキャンペーンによって変動する場合があります。購入直前に各ストアの商品ページで最終価格を確認してください。
BOOKWALKERのほか、楽天Kobo、コミックシーモアなどの電子書籍ストアでも作品の取り扱いを確認できます。特装版の個別商品が現在購入できるかは、ストアごとに確認する必要があります。
紙版はISBNで探すのが確実
紙版を探す場合は、商品名だけでなくISBNを使うと、通常版と特装版を取り違えにくくなります。
- Beginning:9784065234167
- Ending:9784065241448
- 通常版:9784065234174
Beginningは発売時、書店とネット書店向けの商品として販売されました。一方、Endingはコンビニエンスストアの店頭限定で、発売前の予約を受け付けず、製造数にも限りが設けられていました。
この流通方法の違いは、2026年の中古市場にも影響します。Endingは当初から一般のネット書店で紙版を予約・購入できる商品ではなかったため、現在の紙版を探す場合は中古書店や在庫を持つ販売店も候補になります。
丸善ジュンク堂書店ネットストアではBeginningの販売ページが確認できる一方、検索時には売り切れ表示となっていました。中古書店のネットオフではBeginningとEndingの中古商品掲載も確認できますが、在庫は変動します。
したがって、2026年に紙版を入手する場合は、以下の順番がおすすめです。
1. ISBNを使って大手書店の在庫を検索する。
2. ネット書店の新品・中古在庫を比較する。
3. 中古書店やフリマなどで現物の状態を確認する。
4. 小冊子が付属していることを商品説明や写真で確認してから購入する。
特装版は小冊子が重要な付加価値です。コミックス本体だけの中古品や、冊子が欠品している商品を誤って購入しないよう注意してください。
価格は発売時と現在の表示を区別する
価格については、2021年の発売時と2026年に確認できる商品情報を混同しないことが大切です。
通常版は発売当時572円でしたが、講談社の現在の紙版商品情報では682円(税込)と表示されています。電子版についてはBOOKWALKERで671円(税込)です。
特装版の紙版は発売時の定価が各1,100円、電子版はBOOKWALKERで各1,078円です。
中古市場では販売価格が定価を下回ることもあれば、状態や出品状況によって上回る場合もあります。特にプレミア価格で購入する場合は、冊子の有無と商品の状態を優先して判断したいところです。
【どちらを買うべき?】Beginning・Ending・両方のおすすめの選び方
2種類の特装版は、単純にどちらが上という関係ではありません。収録された資料の時期と内容が異なるため、読者が何を知りたいかによって選択が変わります。
Beginningがおすすめの人
Beginningは、作品の誕生過程や初期構想に関心がある人に向いています。
- 連載前の『進撃の巨人』がどんな構想だったのか知りたい。
- 第1話・第2話の完成版と初期ネームを比較したい。
- 諫山創の創作過程や構成の変化に興味がある。
- 作品の歴史を振り返る資料を手元に残したい。
特に、初期の構想と実際の連載版の違いに興味がある人には魅力的な一冊です。
Endingがおすすめの人
Endingは、物語の完結に至る制作過程を知りたい人に向いています。
- 第138話・第139話のネームを読みたい。
- 完成原稿とネームの違いを見比べたい。
- 作者の打ち合わせ用・作画用メモに興味がある。
- 最終回の制作資料を記念として残したい。
特に最終話に思い入れがある読者なら、完成版を読み終えた後にEndingを読むことで、物語の終着点を制作側の視点から振り返れます。
両方購入する価値はある?
結論からいえば、作品そのものだけでなく、制作過程にも強い関心がある人には両方をそろえる価値があります。
Beginningは「始まりの前」、Endingは「終わりの直前」を記録した資料です。単独で読むとそれぞれ異なる魅力がありますが、両方を並べると、連載前の構想から最終話の制作までを対照的に振り返れます。
ただし、予算を抑えたい人や、完成した物語を読むことが主な目的の人は、通常版だけでも十分です。特装版は本編を読むための必須商品ではなく、作品をより深く楽しむための追加資料と考えるのが適切です。
【よくある誤解を検証】特装版を買う前に知っておきたいこと
購入を検討している読者が混乱しやすいポイントを整理します。
誤解1:BeginningとEndingでは本編の結末が違う?
いいえ。違いは付属するネーム小冊子です。最終34巻の本編を読む目的なら、通常版でも特装版でも対応できます。
誤解2:Beginningは完成した第1話・第2話の別バージョン?
正確には、連載会議に提出された初期ネームです。諫山創が連載決定後に構想を練り直しており、完成原稿として世に出たものではありません。
誤解3:Endingには完成した第138話・第139話がもう一度収録されている?
Endingの追加冊子はネームと制作メモです。完成原稿とは異なる部分もあり、通常の漫画本編を再収録した冊子ではありません。
誤解4:Endingの紙版は当時ネット通販で自由に買えた?
いいえ。発売時はコンビニ店頭限定で、ネット書店等での紙版販売予定はありませんでした。ただし、電子書籍版は別途刊行され、現在は中古市場でも紙版を探せます。
誤解5:特装版は2026年には電子版で買えない?
その認識は正しくありません。BOOKWALKERではBeginningとEndingの電子版がそれぞれ商品として掲載されています。
【進撃の巨人最終巻特装版】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:進撃の巨人の最終巻は何巻ですか?
A1:第34巻です。2021年6月9日に発売され、物語の最終話である第139話まで収録されています。
Q2:BeginningとEndingの発売時の価格はいくらでしたか?
A2:どちらも税込1,100円でした。通常版は発売時572円です。
Q3:BeginningとEndingは両方買わないと最終話まで読めませんか?
A3:いいえ。通常版でも最終話まで読めます。特装版は追加のネーム小冊子が付いた商品です。
Q4:Beginningには何話のネームが収録されていますか?
A4:連載前の幻の第1話・第2話です。2009年の『別冊少年マガジン』創刊時の連載会議に提出されたネームが収録されています。
Q5:Endingには何話のネームが収録されていますか?
A5:第138話と第139話(最終話)です。完成原稿と異なる部分のほか、打ち合わせや作画用のメモも収録されています。
Q6:2026年でも電子書籍版を購入できますか?
A6:BOOKWALKERでは両方の特装版が各1,078円(税込)で掲載されています。電子書籍ストアによって価格や取り扱いは異なります。
Q7:紙版のEndingはどこで購入できますか?
A7:発売時はコンビニ店頭限定でした。2026年現在は中古書店や在庫のある販売店を探す方法があります。ISBNは9784065241448です。
Q8:特装版を1冊だけ買うならどちらがおすすめですか?
A8:連載前の初期構想に興味があるならBeginning、最終話の制作過程を知りたいならEndingがおすすめです。完成した本編を読むだけなら通常版で十分です。
まとめ:進撃の巨人最終巻特装版は作品の始まりと終わりを記録した資料
『進撃の巨人』最終34巻の特装版は、BeginningとEndingという2種類で、それぞれ異なる制作資料を収録しています。
Beginningには連載前の第1話・第2話のネーム、Endingには第138話・第139話のネームと制作メモが収録されています。発売日はどちらも2021年6月9日、発売時の定価は税込1,100円でした。
2026年現在、電子版はBOOKWALKERなどで購入でき、紙版は書店の残存在庫や中古市場を中心に探す方法があります。紙版を購入する場合はISBNと小冊子の付属状況を確認することが大切です。
【プロの結論】この2冊の本当の価値は、単に未公開資料が付いていることではありません。Beginningは作品が生まれる前の試行錯誤を、Endingは物語を完成させる直前の判断や調整を伝える資料です。
『進撃の巨人』という作品を物語として楽しむなら通常版、創作の過程まで深く味わいたいなら特装版。さらに作品の始まりと終わりを一緒に振り返りたいなら、BeginningとEndingの両方をそろえる選択が最も充実した楽しみ方になります。