コロナワクチンを3回目接種した後、「熱はいつから出るのか」「腕の痛みや腫れは何日続くのか」「2回目より副反応が強くなるのか」と不安に感じる人は少なくありません。発熱、倦怠感、頭痛、関節痛などは、追加接種後に報告されている代表的な症状です。一方、症状の出方や程度には個人差があり、すべての人に同じ経過が見られるわけではありません。
2026年11月現在、新型コロナワクチンの接種制度や使用製剤は、2021~2022年に広く行われた3回目接種の時期から変化しています。厚生労働省は2026年10月から65歳以上などを対象とする定期接種を実施しており、現在のワクチンと当時の従来型ワクチンを区別して情報を読む必要があります。ここでは、3回目接種時に確認された副反応の特徴と、現在の公的な安全性評価、受診の判断基準を整理します。
【まず知りたい】コロナワクチン3回目の副反応はいつから?何日続く?

3回目接種後の副反応は、接種当日から翌日にかけて現れることが多く、特に発熱や倦怠感などの全身症状は翌日に目立つ傾向があります。
副反応が現れるのは接種後いつから?
接種後に起こる代表的な症状には、次のようなものがあります。
- 注射した腕の痛みや腫れ
- 発熱、悪寒、寒気
- 倦怠感、疲労感
- 頭痛
- 筋肉痛、関節痛
- わきの下のリンパ節の腫れや痛み
腕の痛みは接種部位に比較的早く現れます。発熱や頭痛、全身のだるさなどは、接種当日よりも翌日に強く感じる場合があります。
厚生労働省が公表した3回目接種後の健康状況調査では、ファイザー製とモデルナ製のいずれについても、発熱の発現頻度は接種翌日が最も高く、接種3日後にはほぼ消失していました。
副反応はいつまで続く?発熱は何日で治まる?
厚生労働省のQ&Aでは、発熱や頭痛、疲労、関節痛などの一般的な副反応は、たいてい数日以内に軽快すると説明されています。
発熱については、接種後1~2日以内に起こることが多く、3回目接種の国内調査でも翌日にピークを迎え、3日後にはほぼ消失する傾向が確認されました。
ただし、これは集団としての傾向であり、すべての人が3日以内に回復するという意味ではありません。2日以上発熱が続く場合や、症状が強い場合には医療機関への相談を検討してください。
接種後の経過を時系列で整理
- 接種当日:腕の痛みや注射部位の違和感が現れることがある。
- 接種翌日:発熱、頭痛、倦怠感、筋肉痛などが強くなりやすい。
- 接種2日後:全身症状が徐々に軽くなることが多い。
- 接種3日後:発熱などの症状はほぼ消失する傾向がある。
- それ以降:症状が続く、悪化する、通常と異なる症状が出る場合は医療機関に相談する。
特に注意したいのは、接種後に発熱したからといって、必ずしもワクチンの副反応とは限らないことです。新型コロナウイルスなど別の感染症にかかっている可能性もあります。
【症状別に解説】3回目接種後の腕の痛み・発熱・倦怠感・頭痛
3回目接種後の副反応には、接種した部分に現れる局所反応と、全身に現れる反応があります。症状ごとに特徴を知っておくと、経過を判断しやすくなります。
1.腕の痛み・腫れ
接種後に比較的よく見られるのが、注射した側の腕の痛みです。腕を上げる、服を着替える、寝返りを打つといった動作で痛みを感じる場合があります。
局所的な痛みや腫れは、免疫反応に伴って起こることがある症状です。強く揉んだり、何度も押したりせず、清潔に保ちながら経過を観察してください。
一方、腕だけでなく、わきの下に痛みや腫れが現れる場合もあります。これは腋窩リンパ節の反応に関連するもので、3回目接種では2回目より発現頻度が高い傾向が報告されました。腫れが気になる場合は医療機関に相談しましょう。
2.発熱・悪寒・寒気
発熱は3回目接種後に注意したい全身症状の一つです。微熱程度で済む人もいれば、38℃以上の熱が出て、寒気や関節痛を伴う人もいます。
厚生労働省の調査では、3回目接種後の発熱は翌日に最も多く、3日後にはほぼ消失する傾向でした。接種後の発熱が長引く場合には、別の感染症やほかの原因も考える必要があります。
3.倦怠感・疲労感
身体が重い、眠気がある、普段どおりに動けないといった倦怠感も報告されています。発熱を伴わなくても、疲労感だけが強く現れる場合があります。
無理に仕事や家事を続けると身体への負担が増えるため、接種翌日は予定を減らし、十分な休息を取ることが望まれます。
4.頭痛・筋肉痛・関節痛
頭痛、肩や背中の筋肉痛、関節の痛みなども代表的な症状です。発熱や悪寒と同時に起こることもあります。
これらの症状は通常、数日以内に軽快します。ただし、今まで経験したことのない激しい頭痛や、意識障害、手足の麻痺などがある場合は、通常の副反応と決めつけず、直ちに医療機関で評価を受けてください。
【徹底比較】コロナワクチン3回目は2回目より重い?ファイザーとモデルナの違い
3回目接種を前に多くの人が気にするのが、「2回目より副反応が強くなるのか」という点です。
厚生労働省が2023年9月に更新した従来型1価ワクチンのQ&Aでは、ファイザー製・モデルナ製ともに、3回目の有害事象の発現傾向は2回目と概ね同様と説明されています。3回目だから必ず症状が重くなるというわけではありません。
3回目接種に関する比較表
| 比較項目 | 確認された知見 | 判断するときのポイント |
|---|---|---|
| 腕の痛み | 3回目でも代表的な局所反応 | 痛みの程度には個人差がある |
| 発熱・倦怠感 | 2回目と概ね同様の発現傾向 | 翌日に症状が出やすい |
| ファイザー製 | 3回目の発熱は翌日に多く、3日後にはほぼ消失 | 国内調査で確認された傾向 |
| モデルナ製 | ファイザー製より発熱頻度が高い傾向 | 調査対象の違いがあり、単純比較には注意 |
| リンパ節の腫れ | 2回目より3回目で多い傾向 | わきの下の痛みや腫れにも注意 |
| 心筋炎・心膜炎 | 3回目の報告頻度は2回目より低い傾向 | 若年男性では胸部症状に注意 |
| 2026年度のワクチン | 流行株に合わせた新しい5種類が使用される | 2021~2022年の3回目接種とは製剤・時期が異なる |
ファイザー3回目の副反応
ファイザー製ワクチンの3回目接種では、接種部位の痛み、倦怠感、頭痛、発熱などが確認されました。
厚生労働省が2021年12月24日に公表した国内調査では、ファイザー製を初回接種で受けた人が3回目も同じ製剤を接種した場合、接種後1週間までの有害事象の発現状況は2回目接種後とほぼ類似していました。
モデルナ3回目の副反応
モデルナ製でも、腕の痛みや倦怠感、頭痛、発熱などが確認されています。
2022年4月13日の厚生労働省の中間報告では、ファイザー製を初回接種した人が3回目にモデルナ製を接種した場合、ファイザー製を続けて接種した場合より発熱頻度が高い傾向がありました。
ただし、調査対象者の人数や年齢、性別、2回目から3回目までの間隔などが異なるため、製剤の違いだけで副反応の強さを断定することはできません。
2回目より3回目でリンパ節の腫れが増えた理由
3回目接種で特徴的だったのが、わきの下の痛みやリンパ節の腫れです。
海外の臨床試験では、3回とも同じ製剤を接種した場合、リンパ節の腫れなどの発現割合はファイザー製で5%程度、モデルナ製で20%程度と報告されました。これらは特定の臨床試験における数値であり、すべての接種者に当てはまる一般的な発生率ではありません。
また、厚生労働省によると、報告されたリンパ節の腫れは多くの場合軽度で、短期間で治まっていました。
【自宅でできる】ワクチン接種後の副反応への対処法
一般的な副反応が現れた場合は、症状の程度を確認しながら身体を休めることが基本です。無理に普段どおりの生活を続ける必要はありません。
発熱した場合
- 水分を十分に摂取する。
- 身体を休め、睡眠を確保する。
- 体温や症状の変化を記録する。
- 必要に応じて解熱鎮痛薬を使用する。
- 高熱や長引く症状があれば医療機関に相談する。
厚生労働省は、接種後の発熱について、水分を十分に摂取し、必要に応じて解熱鎮痛薬を使用する方法を案内しています。
市販薬を使用する場合でも、ほかの薬を服用している人、治療中の病気がある人、妊娠中・授乳中の人などは、医師や薬剤師に相談してください。症状が出る前から解熱鎮痛薬を予防的に繰り返し服用することは、推奨されていません。
腕の痛みや腫れがある場合
接種した部分を清潔に保ち、強く揉んだり、刺激を与えたりしないようにしましょう。痛みがある間は、無理に腕を使う動作を避けてください。
腫れが急激に大きくなる、強い痛みが続く、発赤が広がるなどの場合は、医療機関で確認してもらうことが大切です。
倦怠感や頭痛がある場合
倦怠感や頭痛があるときは、十分な休息を優先しましょう。接種当日は激しい運動や過度の飲酒を控えることが厚生労働省から案内されています。
接種翌日は体調が変化しやすいため、仕事や外出の予定を詰め込みすぎないことも実用的な対策です。体調が悪いときは車の運転も控えてください。
副反応と新型コロナ感染症を見分けるポイント
接種後の発熱をすべて副反応と考えるのは適切ではありません。咳、喉の痛み、鼻水、味覚・嗅覚の異常、息切れなどが同時に現れた場合は、新型コロナウイルス感染症などの可能性も考えられます。
発熱が2日以上続く場合、症状が重い場合、感染症を疑う症状がある場合は、医療機関への受診や相談を検討してください。
【見逃してはいけない】心筋炎・心膜炎など重い副反応と受診の目安
一般的な発熱や腕の痛みは数日以内に軽快することが多い一方、まれに重い副反応が報告されています。特に注意したいのが、アナフィラキシーと心筋炎・心膜炎です。
心筋炎・心膜炎とは?
心筋炎は心臓の筋肉に炎症が起きる状態、心膜炎は心臓を包む膜に炎症が起きる状態です。
厚生労働省によると、ファイザー製やモデルナ製などのmRNAワクチン接種後に、心筋炎や心膜炎を疑う事例がごくまれに報告されています。
特に思春期や若年成人、女性より男性で報告が多い傾向があり、10代・20代の男性ではモデルナ製の報告頻度がファイザー製より高かったという解析結果も示されています。
接種後4日程度は胸の症状に注意
心筋炎や心膜炎を疑う代表的な症状は次のとおりです。
- 胸の痛みや圧迫感
- 息切れ、呼吸のしづらさ
- 動悸や脈の異常
- 胸部の違和感
厚生労働省は、接種後4日程度の間に胸の痛みや息切れなどが現れた場合、速やかに医療機関を受診するよう案内しています。
強い胸痛、呼吸困難、意識障害などがある場合は、通常の受診を待たず救急対応を求めてください。
アナフィラキシーにも注意
アナフィラキシーは、急激に起こる重いアレルギー反応です。皮膚の発疹やかゆみ、顔や喉の腫れ、呼吸困難、血圧低下などが現れることがあります。
接種直後にこうした症状が出た場合は、直ちに医療スタッフへ知らせてください。呼吸が苦しい、喉が腫れる、意識が遠のくといった症状は緊急対応が必要です。
副反応が疑われる場合の受診目安
- 通常の経過観察:軽い腕の痛み、倦怠感、頭痛などで、徐々に改善している場合。
- 医療機関に相談:発熱が2日以上続く、症状が強い、腫れや痛みが悪化する場合。
- 速やかな受診:接種後4日程度の間に胸痛や息切れが現れた場合。
- 緊急対応:呼吸困難、強い胸痛、意識障害、急激な全身性アレルギー症状が現れた場合。
受診先は、まず接種した医療機関や身近な医療機関が基本です。必要に応じて、都道府県が案内する専門的な医療機関を紹介してもらえます。
【2026年最新】厚生労働省・PMDAが公表するコロナワクチンの安全性
2026年現在、新型コロナワクチンの安全性は、接種後に寄せられる副反応疑い報告や健康状況調査を通じて継続的に評価されています。
2026年度は従来の3回目接種とは異なるワクチンに移行
2024年4月から、新型コロナワクチンは予防接種法上の定期接種に位置付けられました。2026年度の定期接種は、原則として65歳以上と、一定の重い基礎疾患がある60~64歳の人が対象です。費用は原則有料となっています。
2026年10月から使用されている定期接種用ワクチンは5種類です。ファイザー、モデルナ、武田薬品工業、第一三共、Meiji Seika ファルマの各社が製剤を供給しています。
今年度はオミクロン株のJN.1系統に属するXFGやNB.1.8.1など、流行株に対応した製剤が採用されています。
このため、2021~2022年に接種された従来型の3回目ワクチンの副反応データを、2026年度の製剤にそのまま当てはめることはできません。
2026年に公表された副反応データ
2026年9月1日付の日本感染症学会・日本呼吸器学会・日本ワクチン学会による見解では、2025年秋に使用されたLP.8.1対応ファイザー製ワクチンについて、38℃以上の発熱3.8%、倦怠感30.2%、頭痛18.9%、筋肉痛11.3%という報告が紹介されています。
これは2025年秋の特定製剤に関するデータであり、2021~2022年の3回目接種における発現率ではありません。異なる年度や製剤の数値を単純に比較しないことが大切です。
2026年10月の厚生労働省による安全性評価
厚生労働省が2026年10月29日に公表した資料では、同年1月から6月までの新型コロナワクチンの副反応疑い報告について、7月24日および10月23日の合同部会で評価された結果が掲載されています。
同資料では、いずれの開催回でもワクチンの安全性について重大な懸念は認められないと評価されています。
ただし、副反応疑い報告は、接種後に起きた症状を収集する仕組みです。報告された症状のすべてがワクチンによって引き起こされたと確定しているわけではありません。また、接種可能人数を算出できない製剤については報告頻度を計算できないため、報告件数だけで危険性を比較することもできません。
PMDAの副反応疑い報告制度とは?
PMDA(医薬品医療機器総合機構)は、医療機関や製造販売業者などから寄せられる副反応疑い報告の情報整理や調査に関わっています。
収集された情報は厚生労働省に共有され、専門家による審議会で医学的・薬学的観点から評価されます。
重要なのは、報告されたという事実と、ワクチンとの因果関係が医学的に認められたという判断は別だという点です。因果関係が明らかでない段階でも、安全性の確認に役立つ情報として報告対象になる場合があります。
また、副反応疑い報告制度と予防接種健康被害救済制度は別の仕組みです。副反応疑い報告制度で因果関係が評価できないとされた事例でも、健康被害救済制度では別の考え方に基づいて審査され、認定される場合があります。
【よくある質問】コロナワクチン3回目の副反応に関するFAQ
Q1:コロナワクチン3回目の副反応は接種後いつから始まりますか?
A1:腕の痛みは接種当日から現れることがあります。発熱や倦怠感、頭痛などは接種後1~2日以内に現れることが多く、特に翌日に症状が目立つ傾向があります。
Q2:3回目接種後の発熱は何日続きますか?
A2:多くの場合は数日以内に軽快します。国内調査では翌日の発熱が最も多く、3日後にはほぼ消失する傾向が確認されています。2日以上熱が続く場合や症状が重い場合は医療機関に相談してください。
Q3:3回目は2回目より副反応が強いですか?
A3:厚生労働省によると、全身性の副反応は2回目と概ね同様の傾向です。ただし、わきの下の痛みやリンパ節の腫れは3回目の方が多い傾向が報告されています。
Q4:ファイザーとモデルナでは、どちらが副反応が強いですか?
A4:3回目接種の国内調査では、モデルナ製の方が発熱頻度が高い傾向がありました。ただし、調査対象や接種条件が異なるため、製剤ごとの副反応の強さを一律に比較することはできません。
Q5:接種後に腕が腫れたり、わきの下が痛くなったりするのは異常ですか?
A5:接種部位の痛みや腫れ、わきの下のリンパ節の反応は報告されている症状です。ただし、腫れが強い、悪化する、長く続く場合は医療機関に相談してください。
Q6:接種後に胸が痛くなった場合はどうすればよいですか?
A6:心筋炎や心膜炎の可能性も考慮する必要があります。特に接種後4日程度の間に胸痛や息切れが現れた場合は、速やかに医療機関を受診してください。強い胸痛や呼吸困難は救急対応が必要です。
まとめ:【プロの結論】副反応の期間と危険な症状を正しく見極める
コロナワクチン3回目の副反応は、腕の痛み、発熱、倦怠感、頭痛、筋肉痛、関節痛などが代表的です。発熱や全身症状は接種翌日に現れやすく、多くの場合は数日以内に軽快します。
2回目との比較では、ファイザー製・モデルナ製ともに全身性の副反応は概ね同様の傾向でした。一方、リンパ節の腫れやわきの下の痛みは3回目で増える傾向が確認されています。
プロの結論として押さえておきたいのは、症状の強さだけで副反応の安全性を判断しないことです。一般的な症状は経過を観察しながら休息を取る一方、発熱が長引く場合や症状が悪化する場合には医療機関へ相談する必要があります。胸痛や息切れ、呼吸困難などは、発生頻度が低くても見逃してはいけない症状です。
加えて、2026年現在は流行株に合わせた新しい製剤が定期接種に使用されています。過去の3回目接種の経験だけで現在のワクチンの安全性を判断せず、厚生労働省やPMDAが公表する最新の評価を確認することが大切です。
副反応を過度に恐れる必要はありませんが、症状を軽視することも適切ではありません。接種後の体調変化を把握し、必要なときに適切な医療につなげることが、自分自身の健康を守るための基本です。
主な公的根拠・参照資料
- 厚生労働省「新型コロナワクチンQ&A」および2024年3月時点のまとめ。3回目接種の比較、発熱の経過、対処法、受診目安。
- 厚生労働省「新型コロナワクチンについて」。2026年度の接種制度と安全性評価。
- 2026年10月29日付「ワクチンの安全性に関する評価について」。
- PMDA「予防接種法に関する報告の制度について」。2026年7月1日改訂の報告制度。
- 日本感染症学会・日本呼吸器学会・日本ワクチン学会「2026年度の新型コロナワクチン定期接種に関する見解」。