2022年のアーロン・ジャッジは、レギュラーシーズン157試合に出場し、62本塁打を記録しました。所属球団はニューヨーク・ヤンキース。右打者として圧倒的な長打力を発揮し、シーズン終了まで本塁打記録への挑戦を続けました。
62号が飛び出したのは、2022年10月4日のテキサス・レンジャーズ戦です。敵地グローブライフ・フィールドで行われたダブルヘッダー第2試合の初回、相手投手ヘスス・ティノコが投じたスライダーを左翼スタンドへ運びました。
MLB公式のStatcastデータによると、この本塁打は飛距離391フィート(約119.2メートル)、打球速度100.2マイル(約161.3キロ)。打球角度は35度でした。歴史的な一発は、数字の面でも強烈な打球だったことが分かります。
この62号によって、ジャッジは1961年にロジャー・マリスが記録した61本を上回り、アメリカンリーグのシーズン最多本塁打記録を更新しました。シーズン終了まで残り2試合というタイミングでの達成でした。
MLB公式の試合記録とヤンキースの球団史でも、10月4日が記録更新の日として掲載されています。
【61号・62号の歴史】ロジャー・マリスの記録を超えた瞬間

ジャッジの記録更新を理解するには、ロジャー・マリスが1961年に達成した61本塁打を知る必要があります。
マリスは1961年、ベーブ・ルースが1927年に樹立した60本塁打を上回る61本を記録しました。当時はルースの記録が長く語り継がれていたこともあり、マリスの本塁打記録への挑戦は大きな注目を集めました。
それから61年後、同じヤンキースのユニフォームを着たジャッジが、その記録に並び、さらに上回ったのです。
61号と62号、それぞれの達成日
61号は2022年9月28日。トロント・ブルージェイズ戦の7回、ティム・メイザ投手から放った2ランホームランでした。この一発でマリスの持つア・リーグ記録に並びました。
そして、62号は10月4日。レンジャーズ戦でティノコ投手から放った一発によって、ついに単独記録保持者となりました。
この2本には明確な違いがあります。61号は歴史的記録への到達、62号はその記録を塗り替えた瞬間です。
MLB公式の記録記事では、ジャッジが61号を放った際の球場の熱気や、マリスとジャッジがヤンキースの歴史に刻まれた存在であることも紹介されています。
【月別ホームラン数】ジャッジは2022年にいつ量産した?
62本という数字をさらに詳しく見るため、月別の本塁打数を確認します。MLB公式のホームランペース記録によると、ジャッジは4月から10月まで安定して本塁打を積み重ねていました。
2022年の月別ホームラン数は次のとおりです。
| 月 | 本塁打数 |
|---|---|
| 4月 | 6本 |
| 5月 | 12本 |
| 6月 | 11本 |
| 7月 | 13本 |
| 8月 | 9本 |
| 9月 | 10本 |
| 10月 | 1本 |
| 合計 | 62本 |
最も多かったのは7月の13本です。5月も12本、6月も11本と、シーズン序盤から中盤にかけて高いペースで本塁打を量産しました。
注目したいのは、特定の1か月だけの爆発ではなかった点です。4月に6本を放ってスタートすると、5月以降は毎月9本以上を記録。夏場に調子を落とすことなく、記録更新に向けて数字を伸ばしました。
また、9月と10月の合計は11本。シーズン終盤にも本塁打を積み上げ、9月28日の61号、10月4日の62号へとつなげています。
なお、MLB公式の月別記録では9月10本、10月1本と分けられています。9月・10月をまとめた場合は11本となるため、資料によって集計期間の表示が異なる点には注意が必要です。
【成績を徹底比較】打率.311・131打点・OPS1.111の実力
ジャッジの2022年が歴史的だった理由は、62本塁打だけではありません。打率、出塁率、長打率、打点など、打者として重要な指標でもリーグ最高水準の成績を残しました。
2022年の主要打撃成績
MLB公式の2022年シーズン成績とヤンキースの球団発表に基づく主要データは以下のとおりです。
| 項目 | 2022年の成績 |
|---|---|
| 出場試合 | 157試合 |
| 打数 | 570 |
| 安打 | 177 |
| 本塁打 | 62本 |
| 打点 | 131打点 |
| 得点 | 133 |
| 打率 | .311 |
| 出塁率 | .425 |
| 長打率 | .686 |
| OPS | 1.111 |
| 四球 | 111 |
| 盗塁 | 16 |
特に注目すべきは、OPS1.111という数字です。
OPSは出塁率と長打率を合計した指標で、打者がどれだけ塁に出て、どれだけ長打を生み出したかを総合的に評価できます。ジャッジは出塁率.425、長打率.686を記録し、両方の面で優れた成績を残しました。
また、131打点はア・リーグ最多。133得点もMLB全体で最多でした。単にホームランを打つだけでなく、チームの得点機会を生み出し、自らもホームに戻る能力を発揮していたのです。
2022年MLBホームランランキング
ジャッジの62本がどれほど突出していたのかは、同年の他選手と比較すると明確になります。
| 順位 | 選手 | 球団 | 本塁打 |
|---|---|---|---|
| 1位 | アーロン・ジャッジ | ヤンキース | 62本 |
| 2位 | カイル・シュワーバー | フィリーズ | 46本 |
| 3位タイ | マイク・トラウト | エンゼルス | 40本 |
| 3位タイ | ピート・アロンソ | メッツ | 40本 |
| 5位 | オースティン・ライリー | ブレーブス | 38本 |
| 6位 | ヨルダン・アルバレス | アストロズ | 37本 |
このランキングで目を引くのは、2位のシュワーバーとの差です。
ジャッジは62本、シュワーバーは46本。その差は16本にも及びました。3位のトラウトとアロンソに対しては22本差です。
つまり、ジャッジは単独で本塁打王になっただけでなく、リーグを代表する強打者たちを大きく引き離してシーズンを終えたことになります。
【バリー・ボンズの73本と比較】62本はMLB歴代何位?
ここで注意したいのが、ジャッジの62本はア・リーグ記録であり、MLB全体のシーズン最多本塁打記録ではないという点です。
MLB全体のシーズン最多本塁打記録は、バリー・ボンズが2001年にサンフランシスコ・ジャイアンツで記録した73本です。
2022年当時のMLB公式記録で比較すると、ジャッジの62本はメジャーリーグ史上7番目に多いシーズン本塁打数でした。
代表的なシーズン60本以上の記録
| 選手 | 年 | 本塁打数 |
|---|---|---|
| バリー・ボンズ | 2001年 | 73本 |
| マーク・マグワイア | 1998年 | 70本 |
| サミー・ソーサ | 1998年 | 66本 |
| マーク・マグワイア | 1999年 | 65本 |
| サミー・ソーサ | 2001年 | 64本 |
| サミー・ソーサ | 1999年 | 63本 |
| アーロン・ジャッジ | 2022年 | 62本 |
| ロジャー・マリス | 1961年 | 61本 |
| ベーブ・ルース | 1927年 | 60本 |
ジャッジはボンズの73本には11本届きませんでした。しかし、ア・リーグではマリスの記録を更新し、60本を超える歴史的な記録を残しました。
ここで重要なのは、比較する記録の範囲です。
- ア・リーグ記録:ジャッジの62本。
- 旧ア・リーグ記録:マリスの61本。
- MLB全体の記録:ボンズの73本。
「ジャッジがMLB史上最多本塁打記録を更新した」という説明は正確ではありません。正しくは、アメリカンリーグのシーズン最多本塁打記録を更新した選手です。
【なぜ2022年はMVPに選ばれた?】ヤンキースを支えた歴史的シーズン
ジャッジは2022年11月17日(米国時間)に発表されたア・リーグMVPを受賞しました。投票では30票中28票の1位票を獲得し、エンゼルスの大谷翔平、アストロズのヨルダン・アルバレスを上回りました。
この受賞は、単に62本塁打を達成したことだけで決まったものではありません。
ジャッジは本塁打、打点、出塁率、長打率、OPSなどで圧倒的な数字を残しました。加えて、チームは99勝を挙げてア・リーグ東地区を制覇。ジャッジはその中心選手として攻撃をけん引しました。
三冠王に迫った打撃成績
2022年のジャッジには、三冠王の可能性もありました。
打撃三冠王とは、本塁打、打点、打率の3部門でリーグトップに立つことです。ジャッジは本塁打62本、打点131でア・リーグトップとなりましたが、打率では.311で2位に終わりました。
首位打者を獲得したのは、ミネソタ・ツインズのルイス・アラエスです。アラエスの打率は.316。ジャッジとの差はわずか5厘でした。
あと少しで三冠王というところまで迫りながら、惜しくも打率のタイトルを逃したことも、2022年シーズンの印象的なポイントです。
ヤンキースにとっても大きな転換点
2022年のヤンキースは99勝を記録し、ア・リーグ東地区の優勝を果たしました。球団にとっても重要なシーズンであり、ジャッジの活躍はチームの象徴的な出来事となりました。
また、同年12月20日にはヤンキースとの再契約が発表され、2031年までの9年契約が成立しました。2022年の歴史的な活躍は、球団の将来を考えるうえでも大きな意味を持つ出来事でした。
ジャッジは個人記録とチーム成績の両方で存在感を示し、MVPにふさわしいシーズンを完成させたのです。
【プロの結論】ジャッジの62本塁打が野球史に残る理由
ジャッジの2022年を評価する際、最も大切なのは62本という数字だけで判断しないことです。
本塁打数、打率、打点、OPS、チーム成績を組み合わせると、彼がどれほど総合力の高い打者だったのかが見えてきます。
特に評価したい要点は3つあります。
第一に、長打力と出塁能力の両立です。62本塁打という圧倒的な長打力に加え、出塁率.425を記録しました。相手投手にとっては、勝負を避けても走者を出すリスクがあり、勝負すれば本塁打を浴びる危険がある打者でした。
第二に、シーズンを通じた安定性です。4月から10月まで毎月ホームランを記録し、特に5月から7月には36本を積み上げました。短期間の好調だけではなく、長いシーズンを通して結果を残したことが記録につながりました。
第三に、歴史的な記録の意味です。マリスが1961年に作った61本という記録は、長年にわたりア・リーグの象徴的な数字でした。ジャッジは同じヤンキースの選手として、その記録を更新しました。
野球の記録を比較するときには、リーグ別記録とMLB全体の記録を区別し、打率やOPSなどの指標も合わせて見ることが大切です。62本塁打という数字の価値は、こうした複数の視点から評価すると、より明確になります。
【ジャッジの2022年ホームラン数】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:アーロン・ジャッジは2022年にホームランを何本打ちましたか?
A1:レギュラーシーズンで62本です。ニューヨーク・ヤンキースに所属し、アメリカンリーグのシーズン最多本塁打記録を更新しました。
Q2:ジャッジが62号ホームランを打った日はいつですか?
A2:2022年10月4日です。テキサス・レンジャーズ戦で、ヘスス・ティノコ投手から左翼方向へ391フィートの本塁打を放ちました。
Q3:ロジャー・マリスの61本塁打を超えたのはいつですか?
A3:2022年10月4日です。9月28日に61号を打ってマリスの記録に並び、10月4日の62号で単独のア・リーグ記録保持者になりました。
Q4:ジャッジの2022年の打率と打点はいくつですか?
A4:打率は.311、打点は131です。さらに出塁率.425、長打率.686、OPS1.111という優秀な数字を残しました。
Q5:ジャッジは2022年にMVPを受賞しましたか?
A5:はい。2022年のア・リーグMVPを受賞しました。投票では30票中28票の1位票を獲得しています。
Q6:バリー・ボンズの73本塁打も超えましたか?
A6:いいえ。ボンズの73本はMLB全体のシーズン最多記録です。ジャッジの62本はア・リーグのシーズン最多記録であり、MLB全体の記録とは区別されます。
Q7:ジャッジは2022年の何月に最も多くホームランを打ちましたか?
A7:7月です。25試合で13本塁打を記録しました。次いで5月が12本、6月が11本でした。
まとめ:ジャッジの2022年62本塁打は歴史的な記録
アーロン・ジャッジの2022年のホームラン数は62本。2022年10月4日にロジャー・マリスの61本を超え、アメリカンリーグのシーズン最多本塁打記録を更新しました。
加えて、打率.311、131打点、OPS1.111という優れた打撃成績を残し、ア・リーグMVPも受賞。月別では7月の13本が最多で、シーズンを通して本塁打を量産しました。
バリー・ボンズの73本には届かなかったものの、ジャッジの62本はア・リーグの歴史を塗り替えた大記録です。マリスからジャッジへと受け継がれたヤンキースの本塁打史を振り返るうえでも、2022年は特別なシーズンとして記憶されています。
本塁打数だけでなく、打率、打点、OPS、そしてリーグ記録という複数の視点から評価することで、ジャッジが2022年に成し遂げた偉業の大きさが分かります。
主な情報源
- MLB公式:2022年レギュラーシーズン成績・本塁打ランキング
- MLB公式:ジャッジの62号達成記事・61号達成記事
- MLB公式:2022年ホームランペース・月別記録
- MLB公式:2022年ア・リーグMVP発表
- ニューヨーク・ヤンキース公式:2022年成績・再契約発表