NHK連続テレビ小説『スカーレット』の視聴率は、全150回の期間平均で19.4%を記録しました。初回は20.2%、番組最高は第12回の22.4%、最終回は20.5%です。いずれもビデオリサーチ調べの関東地区・世帯視聴率として報じられた数字です。
一方、録画視聴まで含めた期間平均の総合視聴率は25.2%。関西地区では総合視聴率26.3%を記録しており、リアルタイムの数字だけでは作品の視聴実態を十分に捉えられません。2026年11月時点で確認できる公表資料と過去の報道をもとに、戸田恵梨香主演作の視聴率推移、歴代朝ドラとの比較、数字が示す本当の評価を整理します。
【全150回の視聴率を検証】平均19.4%・初回20.2%・最高22.4%の記録

『スカーレット』は、2019年9月30日に放送を開始し、2020年3月28日に最終回を迎えたNHK連続テレビ小説第101作です。滋賀県信楽を舞台に、戸田恵梨香演じる川原喜美子が陶芸家として成長していく姿を描きました。
ビデオリサーチの関東地区データでは、期間平均19.4%、初回20.2%、最高22.4%という結果になっています。
ここで注意したいのは、これらが番組平均の「世帯視聴率」であることです。個人視聴率や録画視聴を含む総合視聴率とは異なる数字であり、単純に同じものとして扱うことはできません。
スカーレットの基本データと視聴率一覧
| 項目・関係するエンティティ | 内容・数値 | 意味・備考 |
|---|---|---|
| 作品名 | NHK連続テレビ小説『スカーレット』 | 朝ドラ第101作 |
| 放送期間 | 2019年9月30日~2020年3月28日 | 全150回 |
| 主演・ヒロイン | 戸田恵梨香・川原喜美子 | 女性陶芸家を目指す主人公 |
| 脚本 | 水橋文美江 | オリジナル作品 |
| 初回視聴率 | 20.2% | 関東地区・世帯 |
| 最高視聴率 | 22.4% | 第12回・関東地区 |
| 期間平均視聴率 | 19.4% | 全150回・関東地区 |
| 最終回視聴率 | 20.5% | 第150回・関東地区 |
| 期間平均総合視聴率 | 25.2% | 関東地区 |
| 期間平均タイムシフト視聴率 | 7.3% | 関東地区 |
| 関西地区の期間平均 | リアルタイム18.6% | 世帯視聴率 |
| 関西地区の総合視聴率 | 26.3% | タイムシフト9.1% |
出典はビデオリサーチの朝ドラ歴代視聴率データ、2020年3月30日のMANTANWEBによる最終回報道、同年4月6日の総合視聴率報道です。
初回20.2%は好スタートだったのか
初回20.2%は、当時の朝ドラとして十分に存在感のある数字でした。
ただし、直前の作品と比較すると、やや落ち着いたスタートでもあります。
- 『まんぷく』:初回23.8%
- 『なつぞら』:初回22.8%
- 『スカーレット』:初回20.2%
2019年9月30日の第1回では、子ども時代の喜美子を川島夕空が演じました。大阪から滋賀県信楽に移り住んだ川原家の新生活を描き、陶器の町で主人公が成長していく物語の出発点となりました。
関西地区の初回は19.4%。関東の20.2%には及ばなかったものの、前作『なつぞら』の関西地区18.5%を上回っています。
信楽という関西圏にゆかりの深い地域を舞台にしたことも、初回の地域別数字を考えるうえで興味深いポイントです。
最高視聴率22.4%を記録したのは第12回
番組最高となったのは、2019年10月12日放送の第12回です。
初回の20.2%からさらに数字を伸ばし、22.4%に到達しました。
注目したいのは、最高視聴率が物語の終盤ではなく、放送開始から間もない時期に記録されている点です。
初期の視聴者の関心を集めた一方、半年間を通じて同じ水準を維持したわけではありません。
なお、22.4%は各放送回の番組平均世帯視聴率の最高値です。放送中の瞬間的な視聴率の最高値ではありません。
最終回20.5%、最終週は20.3%に回復
2020年3月28日放送の第150回は20.5%でした。
全話平均は19.4%でしたが、最終週の週平均は20.3%。終盤に数字を持ち直して最終回を迎えています。
最終週「炎は消えない」では、喜美子と息子の武志をめぐる物語が描かれました。陶芸家として歩み続ける喜美子の姿と、家族との時間を大切にする結末が印象に残った視聴者も多かったはずです。
つまり、『スカーレット』は最後まで視聴者が離れ続けた作品ではありません。平均値だけを見ると19%台ですが、最終週には20%を超える水準まで戻しています。
【スカーレットの視聴率推移】週平均から見える人気の変化
期間平均19.4%という数字の背景を理解するには、放送期間中の週平均視聴率を見る必要があります。
スポーツ紙などがビデオリサーチのデータをもとに報じた週別推移では、序盤から20%前後を維持していたものの、年明けにかけて18%台の週も見られました。
週平均視聴率の主な推移
| 放送週 | 週平均視聴率 | 推移の特徴 |
|---|---|---|
| 第1週 | 19.8% | 初週から20%をわずかに下回る |
| 第2週 | 20.2% | 20%台に回復 |
| 第3週 | 19.7% | 安定した推移 |
| 第4週 | 18.9% | 18%台に低下 |
| 第5週 | 19.1% | やや回復 |
| 第6週 | 20.2% | 再び20%台 |
| 第7週 | 20.0% | 20%を維持 |
| 第8週 | 19.4% | 再び19%台 |
| 第10週 | 18.7% | 18%台 |
| 第12週 | 19.8% | 20%に接近 |
| 第14週 | 18.2% | この時点での低い水準 |
| 第15週 | 18.6% | 小幅に回復 |
| 第16週 | 19.3% | 回復傾向 |
| 最終週 | 20.3% | 放送期間中の週平均最高 |
※週平均は各日の公表値をもとにした報道上の集計です。全週を網羅した一覧ではなく、主な節目を抜粋しています。
視聴率は右肩下がりだったのか
答えは、単純な右肩下がりではありません。
第2週と第6週には20.2%を記録し、第14週には18.2%まで下がりましたが、その後は19%台へ戻っています。最終週には20.3%まで上昇しました。
この推移から分かるのは、序盤の高い関心を長期間維持する難しさと、終盤に再び視聴者の関心を集めたという二つの側面です。
特に最終週の20.3%は、番組最高の週平均です。最終回だけが突出したのではなく、最後の6日間を通じて一定の視聴を集めた点にも注目できます。
【朝ドラ歴代視聴率と比較】『まれ』と同じ19.4%の意味
『スカーレット』の期間平均19.4%は、朝ドラの歴史のなかでどのような位置にあるのでしょうか。
最も注目される比較対象は、2015年前期の『まれ』です。
実は、両作品の期間平均はどちらも19.4%。『スカーレット』が平均19%台だったことだけを理由に、朝ドラとして極端に不人気だったと評価するのは正確ではありません。
2010年代の主要作品と比較
| 作品名 | 主演 | 関東地区の期間平均 |
|---|---|---|
| ゲゲゲの女房 | 松下奈緒 | 18.6% |
| カーネーション | 尾野真千子 | 19.1% |
| あまちゃん | 能年玲奈 | 20.6% |
| ごちそうさん | 杏 | 22.3% |
| 花子とアン | 吉高由里子 | 22.6% |
| マッサン | 玉山鉄二 | 21.1% |
| まれ | 土屋太鳳 | 19.4% |
| あさが来た | 波瑠 | 23.5% |
| とと姉ちゃん | 高畑充希 | 22.8% |
| ひよっこ | 有村架純 | 20.4% |
| 半分、青い。 | 永野芽郁 | 21.1% |
| まんぷく | 安藤サクラ | 21.4% |
| なつぞら | 広瀬すず | 21.0% |
| スカーレット | 戸田恵梨香 | 19.4% |
| エール | 窪田正孝 | 20.1% |
※ビデオリサーチの関東地区・世帯視聴率。小数点以下の表記は公表資料に準拠しています。
この比較では、『スカーレット』は『まれ』と同率で、直前の『なつぞら』21.0%、前々作の『まんぷく』21.4%を下回っています。
一方、『カーネーション』19.1%や『ゲゲゲの女房』18.6%よりは高い数字です。
『まれ』と同じ19.4%でも作品の評価は同じではない
『まれ』は2015年前期に放送された朝ドラで、土屋太鳳がパティシエを目指すヒロインを演じました。
一方、『スカーレット』は戸田恵梨香が女性陶芸家を演じ、信楽の窯元や家族、仕事仲間との関係を軸に物語を展開しました。
両作品は平均視聴率こそ同じですが、物語の題材もキャラクターの方向性も異なります。
視聴率だけで作品の完成度や視聴者満足度まで同じと判断することはできません。
2026年最新の朝ドラと比較すると?
2026年10月15日更新のビデオリサーチの歴代データでは、2026年前期『風、薫る』の期間平均世帯視聴率は13.8%となっています。
2025年後期『ばけばけ』は15.2%、2025年前期『あんぱん』は16.1%でした。
これらと比べると、『スカーレット』の19.4%は現在の朝ドラの数字と比べても高い水準です。
ただし、重要な比較上の注意点があります。ビデオリサーチは、2020年度の『エール』以降について、月曜日から金曜日までの本編を集計対象としています。『スカーレット』の時代とは集計対象が異なるため、数字を完全に同条件の成績として並べることはできません。
加えて、テレビのリアルタイム視聴だけでなく録画・配信を利用する視聴者も増えています。2026年の朝ドラと2019年の朝ドラを比べる際には、視聴環境の変化も考慮する必要があります。
【総合視聴率25.2%の真相】タイムシフト視聴と関西地区の数字
『スカーレット』の評価を考えるうえで、見落とせないのが総合視聴率です。
2020年4月6日、MANTANWEBはビデオリサーチの調査結果として、全150回の期間平均総合視聴率が関東地区で25.2%だったと報じました。
リアルタイムの期間平均19.4%だけを見ると20%に届かなかった作品ですが、録画視聴を含めると25%を超えていたのです。
リアルタイムと録画視聴の違い
視聴率には、主に次のような区分があります。
- リアルタイム視聴率: 放送時間中にテレビで視聴した割合。
- タイムシフト視聴率: 放送後、録画して7日以内(168時間以内)に視聴した割合。
- 総合視聴率: リアルタイムとタイムシフトのいずれかで視聴した割合。重複分は除外する。
つまり、総合視聴率25.2%は、リアルタイム19.4%とタイムシフト7.3%を単純に足した数字ではありません。
両方で見た人を二重計上しない仕組みです。
また、録画再生の指標であるタイムシフト視聴率には、TVerなどのインターネット配信の再生は含まれません。
関東と関西で視聴実態に違いがあった
特に興味深いのが関西地区の数字です。
| 指標 | 関東地区 | 関西地区 |
|---|---|---|
| 期間平均リアルタイム | 19.4% | 18.6% |
| 期間平均タイムシフト | 7.3% | 9.1% |
| 期間平均総合視聴率 | 25.2% | 26.3% |
関西地区では、リアルタイム視聴率は関東を下回っていたものの、総合視聴率は26.3%と関東の25.2%を上回っています。
加えて、タイムシフト視聴率も関東の7.3%に対し、関西は9.1%でした。
この結果から分かるのは、放送時間にテレビの前にいる視聴者だけでは、作品の支持を十分に測れないということです。
滋賀県信楽を舞台にした作品という地域的な親和性もあり、関西地区で録画視聴を含めた数字が高かった点は興味深い結果です。
もっとも、この数字だけで地域別の人気の理由まで断定することはできません。
【スカーレットの視聴率低下の理由】作品への評価と数字が一致しなかった背景
『スカーレット』の視聴率が20%を下回る週が増えた背景には、作品の描写や物語の進め方も関係していた可能性があります。
ただし、視聴率の変動と特定の脚本・演出を直接結び付ける調査結果は公表されていません。数字と当時の作品評を分けて考える必要があります。
1.派手な展開よりも日常を丁寧に描いた作品
『スカーレット』の大きな特徴は、陶芸家としての成功だけでなく、仕事や家族、夫婦関係における葛藤を細かく描いたことです。
喜美子は陶芸の世界で自分の表現を追求しますが、夫の八郎(松下洸平)もまた陶芸家として譲れない考えを持っています。
同じ分野に情熱を注ぐ二人だからこそ生まれる価値観の違いは、物語に現実味を与えました。
一方で、劇的な事件や分かりやすい成功を次々に描くタイプの朝ドラとは異なり、日常の積み重ねを中心にした構成は、視聴者によって好みが分かれる部分でもありました。
2.八郎と喜美子の夫婦描写が話題に
2020年1月4日のORICON NEWSは、戸田恵梨香と松下洸平の夫婦役について、自然な距離感や生活感のある演技を取り上げました。
特に、何気ない動作までリアルに感じられる二人の関係性が注目されました。
松下洸平演じる八郎の登場後には、視聴率や評判が上昇したとする同記事の分析もあります。「八郎沼」という言葉が話題になったことからも、登場人物への関心の高さがうかがえます。
ただし、夫婦描写への賛否が視聴率低下を引き起こしたと断定することはできません。むしろ、作品が従来の朝ドラよりも踏み込んだ人間関係を描いていたことを示す事例です。
3.戸田恵梨香の演技はどう評価された?
戸田恵梨香の演技を評価するうえで注目したいのは、少女時代から陶芸家として成熟していく喜美子の長い人生を、一人の俳優として演じ切った点です。
喜美子は、明るく行動的な性格を持つ一方、仕事への執着や家族との衝突、母親としての苦悩も抱えています。
戸田はそうした複雑な感情を表現し、特に終盤では息子の武志(伊藤健太郎)を支える母親としての姿も演じました。
2020年3月30日のスポニチの報道では、最終回直後のYahoo!の満足度調査にも触れられています。
約6万5000票が集まった同調査では、100点が27.3%、90点が20.5%、80点が15.5%。80点以上を付けた回答が6割を超えました。
これはテレビ視聴者全体を対象とした無作為調査ではありませんが、リアルタイム視聴率19.4%だけでは把握できない作品への好意的な反応を示す参考材料です。
4.視聴率が低いことと作品の評価が低いことは別問題
『スカーレット』を評価するときには、少なくとも次の3点を分けて考える必要があります。
- 視聴率:放送時間中にどれだけの世帯が視聴したか。
- 総合視聴率:録画視聴も含め、どれだけの世帯が作品を見たか。
- 作品満足度:物語や演技、演出に対して視聴者がどう感じたか。
この3つは関連していますが、同じ指標ではありません。
『スカーレット』はリアルタイムの期間平均では19.4%でしたが、総合視聴率は25.2%。最終週の週平均も20.3%でした。
数字だけを根拠に失敗作と評価するのは、作品の視聴実態を十分に反映していない見方です。
【朝ドラ『スカーレット』の視聴率】よくある質問(FAQ)
Q1:朝ドラ『スカーレット』の平均視聴率は何%?
A1:関東地区の世帯視聴率で、全150回の期間平均は19.4%です。ビデオリサーチの調査結果として公表されています。
Q2:『スカーレット』の最高視聴率と最終回視聴率は?
A2:最高視聴率は第12回の22.4%です。最終回となる第150回は20.5%でした。
Q3:総合視聴率25.2%とはどういう意味?
A3:リアルタイム視聴と、放送後7日以内の録画視聴を合わせた指標です。重複して視聴した世帯は二重に数えません。関東地区の期間平均は25.2%、関西地区は26.3%でした。
Q4:『スカーレット』と『まれ』はどちらの視聴率が高い?
A4:関東地区の期間平均は、両作品とも19.4%で同じです。『まれ』は2015年前期、『スカーレット』は2019年後期の作品です。
Q5:『スカーレット』の視聴率が低下した理由は?
A5:特定の理由が公式に確定しているわけではありません。週平均の変動、日常を丁寧に描く物語の構成、夫婦関係のリアルな描写などが当時の作品評で取り上げられています。ただし、これらと視聴率の変化に直接的な因果関係があるとは確認されていません。
Q6:2026年現在、『スカーレット』の視聴率は朝ドラのなかで高い?
A6:2019年以前の作品と比較すると19.4%は堅実な水準です。2026年の『風、薫る』の期間平均13.8%と比べても高い数字ですが、2020年度以降は集計対象が月曜日から金曜日の本編に変わっているため、単純比較には注意が必要です。
まとめ:『スカーレット』の19.4%は本当に低視聴率だったのか
NHK連続テレビ小説『スカーレット』の視聴率を改めて整理すると、次のようになります。
- 全150回の期間平均:19.4%
- 初回視聴率:20.2%
- 最高視聴率:22.4%
- 最終回視聴率:20.5%
- 最終週の週平均:20.3%
- 関東地区の期間平均総合視聴率:25.2%
- 関西地区の期間平均総合視聴率:26.3%
『スカーレット』は、直前の『なつぞら』や『まんぷく』と比べるとリアルタイムの期間平均で数字を落としました。しかし、『まれ』と同じ19.4%を記録し、総合視聴率では25%を超えています。
また、最終週には週平均20.3%まで回復しました。
2026年の朝ドラ視聴率と比較する場合も、リアルタイム視聴率だけでなく、録画視聴や集計方法の違いを理解することが欠かせません。
プロの結論: 『スカーレット』の19.4%は、朝ドラの大台である20%に届かなかったという意味では節目の数字です。しかし、作品の評価を決めるには不十分です。総合視聴率25.2%、最終回20.5%、最終週20.3%という数字を合わせて見ると、リアルタイム視聴率の低下だけでは説明できない視聴者の支持が存在していたことが分かります。
戸田恵梨香が演じた川原喜美子の人生と、信楽の陶芸を通じて描かれた人間ドラマ。その評価を考える際には、19.4%という平均値だけでなく、150回の物語全体と視聴方法の変化まで含めて捉えることが大切です。