Creepy Nuts「よふかしのうた」はなぜ漫画に?2018年誕生から2025年主題歌まで解説
Creepy Nutsの「よふかしのうた」は、単なるアニメ主題歌ではない。もともとは2018年に配信された楽曲であり、漫画家・コトヤマがそのタイトルに惚れ込み、自身の漫画作品の名前として採用したことから、音楽と漫画の間に特別な関係が生まれた。さらに2022年のテレビアニメ化では、原点となった楽曲がエンディングテーマに起用され、2025年のSeason2でもCreepy Nutsが新たな主題歌を担当している。
楽曲の誕生には「オードリーのオールナイトニッポン10周年全国ツアー」が関係しており、R-指定が描いた夜への愛情や、DJ松永との音楽的な試行錯誤も重要な背景だ。2026年現在、楽曲はストリーミング累計1億回を突破。作品名の由来から歌詞の意味、アニメとの関係、Season2の「Mirage」「眠れ」まで、時系列に沿って整理する。
【原点を知る】Creepy Nuts「よふかしのうた」は2018年にどう誕生した?

オードリーのオールナイトニッポン10周年全国ツアーが制作のきっかけ
Creepy Nutsの「よふかしのうた」は、2018年12月12日に配信リリースされた楽曲だ。
制作のきっかけは、オードリーの若林正恭と春日俊彰がパーソナリティを務めるニッポン放送のラジオ番組『オードリーのオールナイトニッポン』。番組の10周年を記念した全国ツアーのテーマソングとして依頼された。
R-指定とDJ松永の2人も深夜ラジオに親しんできた人物であり、この依頼は彼ら自身の経験や価値観を音楽に落とし込む機会になった。
2018年12月の配信前から、楽曲はラジオでオンエアされていた。リスナーから音源化を望む声が寄せられたことも、急きょ配信が決まった背景にある。
つまり、最初から漫画やアニメのために作られた楽曲ではない。深夜ラジオを愛するCreepy Nutsが、自分たちの原体験をもとに制作した作品だった。
2019年にはミニアルバムのタイトルにも採用
2019年8月7日には、ミニアルバム『よふかしのうた』が発売された。
タイトル曲だけでなく、「板の上の魔物」「犬も食わない」「阿婆擦れ」「グレートジャーニー」「生業」などを収録。通常盤とラジオ盤が展開され、ラジオ盤にはメンバーによるトークも収録されている。
ソニーミュージックの公式ディスコグラフィでも、同作は2019年8月7日発売のミニアルバムとして記録されている。
この時点で「よふかしのうた」は、Creepy Nutsを象徴する作品の一つとして存在感を強めていた。
曲名がひらがなになった理由
楽曲タイトルが漢字の「夜更かしの歌」ではなく、ひらがなの「よふかしのうた」になっている点にも注目したい。
R-指定はインタビューで、最初からひらがなで書いており、漢字でもよかったものの、ひらがなのほうが自分の中でしっくりきたと説明している。
この表記には、意味を限定しすぎない柔らかさがある。
「夜更かし」という生活習慣を直接表すだけでなく、夜の世界への憧れや、日常から少し離れた時間の魅力まで想像させる。
漫画のタイトルとしても、読者が作品の内容を知る前から独特の空気を感じ取れる言葉だった。
【歌詞の意味を解説】「よふかしのうた」に込められた夜への愛情とは?
R-指定が描いたのは、夜を恋人のように捉える感覚
「よふかしのうた」の歌詞を理解するうえで重要なのが、R-指定による夜の擬人化だ。
VANITYMIXのインタビューで、R-指定はこの曲について、夜を人に例えていることを説明している。
「“よふかしのうた”は夜を人に例えている」
この発想によって、夜は単なる時間帯ではなく、自分を形成してきた特別な存在として描かれる。
R-指定が語った制作背景には、子どもの頃から夜が好きだったという個人的な経験がある。
夜になると、昼間には触れられない世界が広がる。深夜テレビやラジオ、音楽、クラブなど、自分が夢中になったものとの出会いも夜に集中していた。
彼にとって夜は、単に眠らずに過ごす時間ではなかった。新しい文化に触れ、自分の好きなものを見つけ、自分自身を形作っていくための大切な場所だったのである。
オードリーのラジオとヒップホップが結びついた理由
楽曲の制作背景には、オードリーのラジオとのつながりもある。
R-指定は、ツアーのテーマソングという依頼を受け、自分たちのラジオ経験や深夜放送への思いを盛り込もうとしたことをインタビューで振り返っている。
DJ松永も、深夜ラジオには現実とは異なるもう一つの世界が生まれるという趣旨を語っている。
日中の生活でうまくいかないことがあっても、帰宅後にラジオを聴けば別の世界に入れる。その感覚は、夜更かしをする人にとっての居場所にも通じる。
ここにCreepy Nutsらしいヒップホップの視点が加わる。
自分の経験を言葉にするR-指定のラップと、その言葉を支えるDJ松永のトラック。2人の表現が合わさることで、夜への個人的な愛情が、聴く人それぞれの思い出にも重なる楽曲になった。
「不可視」という意味もある?タイトルの深読みを検証
ネット上では、「よふかし」の「ふかし」を「不可視」と読み替える解釈や、「よ」を「夜」「世」と結びつける考察も見られる。
実際、VANITYMIXのインタビューでは、インタビュアーが「不可視」という読み方を紹介した際、R-指定とDJ松永が興味深そうに反応している。
ただし、これは歌詞やタイトルの公式な語源として確定されたものではない。
重要なのは、Creepy Nuts自身が楽曲のタイトルについて、ひらがなの響きを大切にしていたことだ。
意味を一つに限定しない言葉だからこそ、聴き手が自由に解釈できる余地が生まれている。
【漫画との関係】コトヤマはなぜCreepy Nutsの曲名を作品タイトルにした?
コトヤマが楽曲を聴いて直感的に決めたタイトル
漫画『よふかしのうた』とCreepy Nutsの関係で、最も重要なのが作者・コトヤマ本人の証言だ。
コミスペ!のインタビューで、コトヤマは漫画のタイトルについて、Creepy Nutsの楽曲を聴き、曲名を見た瞬間に作品名が決まったと説明している。
「あ、もうこのタイトルしかないな」
コトヤマにとって、それは候補の一つではなかった。最初から作品にぴったりのタイトルとして直感的に決まったという。
加えて、楽曲名を漫画に使用するため、Creepy Nuts側に許可を依頼した。
結果は快諾。コトヤマは、作品のPVでも楽曲を使用できたことについて喜びを語っている。
小学館コミックが2019年11月18日に公開したコミックス第1巻発売時の情報でも、作品タイトルの元となった楽曲とのコラボPVが紹介されている。
なぜ楽曲と漫画の世界観が自然に重なったのか
漫画の主人公は、夜眠れない日々を過ごしている中学2年生の夜守コウ。
ある夜、初めて一人で外に出たコウは、吸血鬼の少女・七草ナズナと出会う。
昼間の学校生活や社会のルールから離れた夜の街。そこには、普段の生活では出会えない人々や、少し危うい自由が広がっている。
この設定は、Creepy Nutsの楽曲が描く夜の世界と相性がよかった。
両者に共通しているのは、夜を単なる暗い時間として扱っていないことだ。
Creepy Nutsの楽曲では、夜は自分の好きなものと出会い、人生を変えていく場所として描かれる。
一方、漫画では、夜がコウにとって新しい人間関係や恋愛、自分自身の感情を知るための場所になる。
音楽が描いた夜の世界を、漫画が独自の物語として広げたのである。
先に楽曲があり、後から漫画が生まれた
この順序は、両作品の関係を理解するうえで欠かせない。
漫画の人気を受けてCreepy Nutsが同名曲を制作したわけではない。
2018年に楽曲が誕生し、コトヤマがその曲名を漫画のタイトルに採用した。その後、漫画がアニメ化され、再びCreepy Nutsが主題歌を担当することになった。
この循環こそが、両者の関係を特別なものにしている。
【完全年表】2018年から2026年まで楽曲・漫画・アニメの関係を整理
両者の関係を時系列で整理すると、単なるタイアップとは異なる経緯が見えてくる。
| 年月 | 出来事 | 関係・ポイント |
|---|---|---|
| 2018年12月12日 | 「よふかしのうた」配信 | オードリーのオールナイトニッポン10周年全国ツアーのテーマソング |
| 2019年8月7日 | ミニアルバム『よふかしのうた』発売 | 楽曲がアルバムタイトルにもなる |
| 2019年11月18日 | 漫画第1巻発売記念情報 | コトヤマとCreepy Nutsの楽曲がコラボ |
| 2022年7月7日 | TVアニメSeason1放送開始 | OP「堕天」、ED「よふかしのうた」 |
| 2022年 | アニメ挿入歌「ロスタイム」 | Creepy Nutsが楽曲を提供 |
| 2025年7月4日 | Season2放送開始 | OP「Mirage」 |
| 2025年7月5日 | 「眠れ」配信開始 | Season2のEDテーマ |
| 2026年5月13日 | ストリーミング1億回突破発表 | オリコン週間ランキングで累計1億228,942回を記録 |
※ストリーミングの数値は2026年5月4日~10日の集計期間に基づく。
2022年Season1では原点の楽曲がエンディングに
TVアニメ『よふかしのうた』は、2022年7月7日にフジテレビ系「ノイタミナ」枠などで放送を開始した。
このときCreepy Nutsは、オープニングとエンディングの両方を担当した。
| 区分 | 楽曲 | 内容 |
|---|---|---|
| OP | 堕天 | アニメのために書き下ろされた新曲 |
| ED | よふかしのうた | 漫画タイトルの元となった原点の楽曲 |
| 挿入歌 | ロスタイム | 作品の世界を彩る楽曲 |
特に注目したいのは、エンディングに原点となった「よふかしのうた」が採用されたことだ。
作品名の由来となった楽曲が、アニメの最後を飾る。
漫画からアニメへと進んできた作品の歴史を考えると、非常に象徴的な起用だった。
一方、オープニングの「堕天」は完全書き下ろし。原曲をそのまま使うのではなく、漫画の物語を受け取った新しい表現として制作された。
この違いが、Creepy Nutsと作品の関係をより深いものにしている。
【2025年Season2】「Mirage」と「眠れ」は何が違う?
2025年7月4日から放送されたTVアニメ『よふかしのうた Season2』でも、Creepy Nutsが主題歌を担当した。
今回は、オープニングが「Mirage」、エンディングが「眠れ」という組み合わせだ。
OPテーマ「Mirage」は大人たちの夜と後悔を描く
「Mirage」は2025年7月4日配信の楽曲で、Season2のオープニングテーマとして制作された。
フジテレビの公式発表によると、この曲ではSeason2で描かれる夜の湿っぽさや、未練・後悔を抱えながら生きる大人たちの姿が表現されている。
Creepy Nuts自身の経験と、作品の世界観を重ねた楽曲でもある。
公式発表では、メンバーから次のコメントが寄せられた。
「よふかし歴20年の自分にはどうしても他人事とは思えず…」
このコメントからも、彼らが作品のテーマを単なるアニメの設定として受け止めているわけではないことが分かる。
Season1の「堕天」がコウとナズナの恋愛や、人を好きになることの危うさを描いた楽曲だったのに対し、「Mirage」は夜を生きる大人の未練や後悔にも視点を広げている。
EDテーマ「眠れ」には夜の9時という共通モチーフ
Season2のエンディングテーマは「眠れ」。
2025年7月5日にデジタル配信が始まった。
興味深いのは、この楽曲にSeason1のエンディングテーマ「よふかしのうた」とつながるモチーフがあることだ。
フジテレビの公式発表によると、「眠れ」ではR-指定が父親になって感じた夜の「9時」という時間が新たに描かれている。
Season1の「よふかしのうた」にも登場する夜の9時というフレーズが、別の視点から表現されているのだ。
ここには、時間の経過とともに変化する夜の意味がある。
子どもの頃には、夜9時に寝ることが惜しく感じられる。夜にはまだ知らない世界があり、起きていることそのものに特別な魅力があった。
しかし、生活環境や立場が変われば、同じ夜9時でも感じ方は変化する。
かつて夜更かしを楽しんでいた人間が、今度は夜に眠ることの意味を考える。
「眠れ」は、過去の楽曲とSeason2の物語をつなぐ役割を担っている。
Season1とSeason2の主題歌を比較
| 比較項目 | Season1(2022年) | Season2(2025年) |
|---|---|---|
| OPテーマ | 堕天 | Mirage |
| EDテーマ | よふかしのうた | 眠れ |
| OPの特徴 | 恋愛や堕ちていく感情を表現 | 大人の夜、未練、後悔を表現 |
| EDの特徴 | 原点となった楽曲 | 夜9時という共通モチーフを発展 |
| 楽曲の役割 | 漫画との縁をアニメで結ぶ | 作品とアーティスト双方の時間的変化を表現 |
4曲を並べると、同じ「夜」というテーマでも表現の方向性が異なることが分かる。
「堕天」は恋愛と感情の変化、「Mirage」は夜に残る未練、「よふかしのうた」は夜そのものへの愛情、「眠れ」は時間とともに変わる夜の意味を描いている。
Creepy Nutsが同じ作品に関わり続けながら、異なる角度から夜を表現している点が大きな魅力だ。
【2026年最新】よふかしのうたをめぐる3つの誤解と注目ポイント
誤解1:Creepy Nutsがアニメのために原曲を作った?
これは順序が逆だ。
「よふかしのうた」は2018年に配信された楽曲であり、漫画のタイトルはその楽曲を元にコトヤマが決めた。
アニメのために生まれた楽曲ではなく、漫画とアニメが後から楽曲とのつながりを深めていった。
誤解2:「堕天」がSeason1のエンディングテーマ?
こちらも違う。
Season1では「堕天」がオープニング、「よふかしのうた」がエンディングだ。
Season2では「Mirage」がオープニング、「眠れ」がエンディングとなっている。
曲名を検索する際には、シーズンとOP・EDの区別を押さえておきたい。
誤解3:「よふかしのうた」のタイトルはアニメの設定から生まれた?
これも正確ではない。
コトヤマ自身がインタビューで、Creepy Nutsの曲名を見て漫画のタイトルを決めたと説明している。
つまり、吸血鬼や夜の街という漫画の設定が先にあり、そこから楽曲名が生まれたわけではない。
2026年にはストリーミング累計1億回を突破
2026年5月13日発表のオリコン週間ストリーミングランキングでは、Creepy Nutsの「よふかしのうた」が累計1億回を突破した。
集計期間である2026年5月4日~10日の累計再生数は、1億228,942回。
Creepy Nutsにとって8作目のストリーミング累計1億回突破作品となった。
2018年にラジオツアーのテーマソングとして生まれた楽曲が、漫画のタイトルとなり、アニメのエンディングを飾り、さらに長期的に聴かれる作品へと成長した。
この数字は、楽曲単体の人気だけでなく、漫画やアニメを通じて新しいリスナーに届く機会が広がったことを考えるうえでも興味深い。
【プロの結論】Creepy Nutsと『よふかしのうた』が生んだ特別な関係
Creepy Nutsの「よふかしのうた」と漫画『よふかしのうた』の関係を理解するうえで、最も大切なのは、両者が一方的なタイアップではないという点だ。
2018年、Creepy Nutsはオードリーのラジオツアーをきっかけに、自分たちが愛してきた夜を楽曲にした。
2019年、コトヤマはその楽曲に出会い、漫画のタイトルとして採用した。
2022年、アニメ化によってCreepy Nutsが再び作品に参加。原曲をエンディングに起用し、新曲「堕天」も提供した。
2025年にはSeason2で「Mirage」と「眠れ」を発表。かつての夜への憧れを、新たな人生経験や時間の経過と結びつけた。
音楽が漫画を生み、漫画が音楽に新しい創作の機会を与え、アニメが両者の関係をさらに広げる。
こうした循環は、作品とアーティストが互いの世界観を尊重してきたからこそ実現したものだ。
特に注目したいのは、同じ「夜」というテーマを扱いながら、楽曲ごとに異なる感情が表現されていること。
夜への憧れ、恋愛の危うさ、大人になってからの後悔、眠ることへの意味。これらは別々のテーマでありながら、一本の時間軸でつながっている。
単にアニメを見て主題歌を聴くだけでなく、2018年の原曲から順番に聴いていくと、作品の楽しみ方も変わってくるはずだ。
【Creepy Nutsとよふかしのうた】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:Creepy Nutsの「よふかしのうた」はいつ発売された?
A1:2018年12月12日に配信リリースされた。2019年8月7日には同名のミニアルバムも発売されている。
Q2:漫画『よふかしのうた』のタイトルの元ネタは?
A2:Creepy Nutsの同名楽曲。作者のコトヤマが曲名を見て「このタイトルしかない」と直感し、使用許可を得て採用した。
Q3:アニメ『よふかしのうた』のSeason1の主題歌は?
A3:オープニングテーマがCreepy Nutsの「堕天」、エンディングテーマが「よふかしのうた」。挿入歌には「ロスタイム」も使用された。
Q4:Season2の主題歌は何?
A4:2025年放送のSeason2では、「Mirage」がオープニングテーマ、「眠れ」がエンディングテーマに採用された。
Q5:「よふかしのうた」の歌詞にはどんな意味がある?
A5:R-指定が夜を一人の人間のように捉え、自身の経験や思い出を重ねて表現した楽曲。深夜ラジオや音楽との出会いなど、夜が自分を形作ってきたという思いが込められている。
まとめ:2018年の一曲が漫画・アニメへと広がった軌跡
Creepy Nutsの「よふかしのうた」は、2018年の配信から漫画のタイトル採用、2022年のアニメ化、2025年のSeason2へとつながってきた。
その出発点は、オードリーのオールナイトニッポン10周年全国ツアーのテーマソングという、深夜ラジオに根ざした依頼だった。
コトヤマが楽曲に惚れ込み、漫画のタイトルに採用したことで、音楽と漫画の関係が始まった。そしてアニメ化によって、その関係はさらに深まった。
2026年にはストリーミング累計1億回を突破。誕生から時間が経っても、楽曲が持つ夜への愛情は多くの人に届き続けている。
これから作品を楽しむなら、まず2018年の「よふかしのうた」を聴き、その後に「堕天」「Mirage」「眠れ」と順番に聴いてみてほしい。
一つの「夜」というテーマが、時代や人生経験によってどのように変化していくのか。その違いを感じることが、Creepy Nutsと『よふかしのうた』をより深く楽しむ方法になる。